岩手県盛岡市のご当地料理「盛岡冷麺」。 : 牛庵

地元の誇るブランド牛「前沢牛」をはじめ、肉には徹底的にこだわりぬいたものだけを盛岡中心部エリアでカジュアルかつリーズナブルに提供していただけるお店として、地元の方々から圧倒的な支持を集められていると言われる焼肉の名店「牛庵」さん。
どちらかといえばむしろ肉のほうが有名な「牛庵」さんではありますが、実はこちらでいただく「冷麺」が隠れた名物としてかなり評判だとのことなのですよね。
そんな情報を以前地元の方からお聞きし、いつかお邪魔してみたいとかねがね思っておりましたが、ようやくこのたび念願の初訪問をさせていただくことができました。

盛岡で「冷麺」をいただける多くの焼肉店さんがランチタイムから営業されているのに対し、こちらの「牛庵」さんは夕方17時からの営業となります。
できるだけ混まないうちにと、開店直後の早めの時間にお邪魔し、少ないカウンター席のひとつに座らせていただきます。
さほど広い店内ではありませんが、カジュアルでありながらぐっと落ち着いた造りで清潔感もありますね。
焼肉店特有のあのベタベタ感もありません。
比較的年齢若めのイケメン系男子の店員さんのダーク系のコスチュームがビシッと決まっており、しかも接客も丁寧ということで、なかなか女子受けしそうな感じでもありますよね。
あらためてメニューを見てみますと「牛庵」さんならではの肉に対するこだわりが本当によくわかります。
これは「冷麺」だけではもちろんもったいないですね。
さらにこちらの「牛庵」さん、お酒にもかなりのこだわりがあるようで、品ぞろえもかなりすごいものがあるんです。
南部杜氏の聖地らしく日本酒はもちろんのこと焼酎もなかなかの充実ぶり。
洋酒系もすごいですね。
ハイボールだけでもなんと8通りもの種類があります。
それでも素材の良いお肉と「冷麺」をいただくのであれば、ここはシンプルに合わせやすいビールをいただきたいものですね。
ということで最初は「一番搾り」の生ジョッキを、お肉は「前沢牛上カルビ」からいただきたいと思います。
「前沢牛上カルビ」は「ハーフ」も選択できるところも嬉しいですね。
ということで今回は「ハーフ」のほうをいただきます。

「生ビール」と「前沢牛上カルビ」はすぐに持ってきてくださいました。
「カルビ」は早速テーブル上の炭火の七輪で焼いていきます。
量は確かに少ないものの、わずか800円で「前沢牛」の極上部位をいただけるのが何よりまずすごいことですね。
焼き過ぎないように気を付けながら早めに口の中に運ぶと、口の中ですっと溶けてしまうような極上の柔らかさ。
その後は上品でしつこすぎない甘みと旨みがしばらく余韻として残ります。
やはりさすがは「前沢牛」というところですね。

続いてもう一品は「前沢牛霜降り塊グリル」をいただきました。
こちらはテーブル上の七輪で焼くのではなく、キッチンでの調理に30分以上要するとのことで早めに注文しておきました。
こちらの肉は、牛一頭からわずか数キロしか取れない希少部位「カイノミ」とのこと。
このブロック肉をキッチンのグリルでじっくりと焼き、丁寧にカットされたものを出してくださいます。
こちらの肉は、柔らかながら適度な弾力もあり、噛みしめるごとに旨みがあふれ出てくるようです。
しつこすぎることなく適度な脂分の旨みもあり、本当に幸せを感じますね。

余韻をしっかりと楽しんだ後は、そろそろ目的の「盛岡冷麺」のほうをいただくことにしましょう。
「牛庵」さんの「盛岡冷麺」は、普通サイズが700円、1/3サイズのミニバージョンが350円という、二通りのラインアップです。
市内の他の有名店のように段階別の辛さ指定はできず、別辛のみの選択となります。

早速目の前に現れた「牛庵」さんの「盛岡冷麺」。
別辛とは言え、見事なまでに澄み切った透明感のあるスープですね。
それではまずそのスープからいただいてみましょう。
見た目同様すっきりとした印象のスープでありながら、とてつもなくしみじみとした深みのある味わいでもあります。
はっきりと確認したわけでもありませんが、素材にこだわられる「牛庵」さんならではこそ、ダシのベースとなる牛骨にもかなりのこだわりを持たれているものと推測できます。
麺のほうは「盛岡冷麺」としては気持ちやや細目かなとも感じられる印象ではありますが、そのしっかりとしたつるつるしこしこタイプの麺は、このスープとは相性も抜群で、全体のバランスも素晴らしく良好な感じです。
まさに期待通り、いや期待以上の「盛岡冷麺」でした。

質の高い肉に、美味しい「盛岡冷麺」のいただける「牛庵」さん。
人気が高いのもよくわかりますね。
人気店ゆえに満席でなかなか入れないことも多いそうですが、タイミングが合えば是非また訪れたい名店ですね。