リーズナブルに本格イアリアンを頂ける、至福のランチ！ : Cangrande Ristorante & Enoteca

休日のランチに訪問！
この日は買い物でヴェローナに来ていたので、ランチを食べようと思いこの店にした。
予約はしていなかったが、確認したところ空いているとのことで快く迎えてくれた。
店内は落ち着いた雰囲気、よさげな感じがわかる。
アラカルトとコースがあるようだが、アラカルトで選ぶのも大変なのでコースにした。
この日は休日のランチコースがあるようで、勧められるがままにお願いした。

とりあえず、パンが出てきたので、いただくことに。
いつもレストランで食べるパンとは異なり、美味しい。
何より暖かくて香ばしくふんわりしている。


ナスの低温調理、トマトとバジルのソースを添えて

低温調理したことで、ナスの水分が中に閉じ込められ、ナスのみずみずしさを十分に感じることが出来る。
トマトとバジル、チーズのソースはしっかりとした味ながらもはナスの良さを奪うことない。
残ったソースは、パンに塗りたくって食べると美味しい。
食前酒として出てきたプロセッコとの相性も良い。


馬肉のタルタル、わさびマヨネーズのミレフィーユ

馬肉のタルタルはヴェローナの伝統的な料理だそうだ。
馬肉は余計な霜降りはなく赤身のみ。
ミルフィーユ状にサクサクの生地と馬肉が交互になっている。
ナイフとフォークでうまく切り分けるのは至難の業。
口に入れると赤身の旨味が良い感じに口の中に広がり、仄かなワサビの香りと
後からマヨネーズの酸味がやってくる。また、サクサクの生地との触感の違いも面白い。
味付けはシンプルながらバランスがとれた一品だ。

ここからは赤ワインに変更。ワインはコースの値段に含まれているので、
何杯飲んでも良いとのこと。
フルーティな香りで、しっかりとした味わい。
飲んだ後の余韻もしっかりとあるバランスが取れている。
全体的に角がなく、丸みのある味で食事の邪魔をしないため、食中酒として相性が良い。


ポーチドエッグ、トーストしたブリオッシュとフォアグラ、泡立てたパルメザンクリーム、
バルサミコ酢のソースで

トーストしたブリオッシュにフォアグラとポーチドエッグが乗った一品。
バルサミコ酢のカラメルソースと周りには泡立てたパルメザンのクリームがあしらっている。
料理の説明を聞きながら、順に味のイメージを頭の中で組み立てる。
周りのパルメザンクリームから食べると中心の味が分からなくなると思ったので、
素直に卵の黄身をつぶして中心から食べることにした。
フォアグラはやはり濃厚でコクがある。普通ならフォアグラは口の中でとろける形で
あまり噛むこともなく終わってしまうが、ブリオッシュを下に引いたことで、しっかりした触感が生まれ、
フォアグラを食べるという動作に変わる。単体で食べることの多いフォアグラに新しい発見だ。
また全体的に濃厚な味のフォアグラを上のポーチドエッグが包み込みバランスを整えてくれる。
勿論、周りのパルメザンクリームもフォアグラに負けないようしっかりした味となっている。
イタリア料理だが、おそらく日本人はこの味は好きだろう。
パルメザンのクリームもフォアグラによく合っていたが、個人的にはじゃがいものピュレ
(緩めに伸ばしたもの)の方が相性が良いと思った。


ミラノのパッケリ、サフランソース・グリースソース・マダガスカルペッパー・レモンジェルを添えて

パッケリとはナポリが発祥のパスタであり、中には牛肉の煮込んだものが挟まっている。
パッケリはもちもちした触感で、噛むほどに挟んである牛肉の旨味が口の中に広がる。
二種類のソースと香りの立つブラックペッパーは、味付けもさることながら見た目の鮮やかさもある。
濃厚な味で一つ一つのボリュームもしっかりある。
面白いのが、添えてあるレモンジュレとの相性がかなり良い。一緒に食べることで、
程よい酸味が加わり、後味がさっぱりし印象がかなり変わる。
合わせるソースによって味わいも大きく変わって楽しかった。


ほほ肉のアマローネ煮込み

牛肉のほほ肉をアマローネで煮込み、周りにはマッシュポテトが添えてある。
ここで出てきたか、マッシュポテト。確かに主張の強そうなほほ肉の煮込みに対抗できるのは
マッシュポテトになるが、お腹が膨れてきたので素直に喜べない。
先ずは、ほほ肉を一口。口に入れた瞬間に分かる、これは旨い。
よく煮込まれたほほ肉は、めちゃくちゃ柔らかい。アマローネの上品な香りと大人な味付けは、
食べるものを魅了させる。マッシュポテトは滑らかで濃厚。お腹が膨れているものの、
ほほ肉との相性はよく納得の一品。残ったソースは勿体ないのでパンをつけていただいた。


プレデザート

バニラ風味のパンナコッタはさっぱりしており、サイズも手ごろなので2口で食べてしまった。


デザート

デザートはムース。ホワイトチョコとバナナのムースにパセリのビスケットが乗っている。
滑らかなムースはまるでメレンゲのよう。咀嚼は必要なく、舌の上で楽しむ感じ。
デザートを2回に分けるくらいなら、1回で大きいのでも良いのではと思った。

エスプレッソとお茶菓子をいただいて終了。
全体的にコースの流れも良く、ボリュームも十分、これだけのコースでワイン込みで€65は正直安いと思った。
日本だとこの値段では収まらないだろう。
この日は休日のランチコースだったので、定期的に変わるのかもしれない。
また伺いたいと思います。ごちそうさまでした。