益荒男橋の畔で手弱女豆腐をいただく : 紙屋市べゑ

この口コミは、ぞんべらさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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4.3

¥4,000~¥4,9991人
  • 料理・味3.7
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP3.7
  • 酒・ドリンク3.0
2011/06訪問1回目

4.3

  • 料理・味3.7
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP3.7
  • 酒・ドリンク3.0
¥4,000~¥4,9991人

益荒男橋の畔で手弱女豆腐をいただく

金沢には男川と称される犀川、女川の浅野川の2つの流れがあります。

犀川に架かる橋の中でも雄々しさでは随一の犀川大橋。

犀川大橋の周辺で素敵な店舗があればいつか一緒にご紹介できればと思っていました。

しかし私が訪問した店舗はどこも軽薄短小で犀川大橋とは
不釣り合いだったのでご紹介できないままでした。

しかし見つかったのです。

それが紙屋市べゑさんです。

宴会では体験できないこと
こちらを利用するのは3度目です。
以前宴会で2度お邪魔していました。

最初はかなりの高額コースだったようで新鮮な魚介が次々運ばれてきたように記憶しています。
そして次回は緊縮コース(部課長からの補助がなかったので(>_<))利用でした。

店舗側が意図した雰囲気を味わうこともなく騒がしく飲み明かしました。
宴会時はコミュニケーションをとることが一番大切だと思っています。
次に重要なのは美味しいお酒を飲むこと。
ということで、出来たての熱々が提供されても私が食べる頃には
料理をいつも冷めています。

お酒を飲まない同僚は席を廻ることもないのでいつも出来たての熱々を食べています。
食通の同僚が揚げたて厚揚げを食べて「ただ者ではないわぁ」と表現したのです。

私が食べたときは既に冷めていたので美味しいけど感動することはありませんでした。
今までの経験で彼女の押した物にハズレは一つもありません。

今回の課題はしらふに近い状態で手仕事豆腐(出来たて)を味わうことです。

築124年の金澤町家
全国展開チェーンでも古民家風を売りにしている店舗は沢山ありますね。
こちらの近所にも古民家風な居酒屋は沢山あります。

しかし市べゑさんは正真正銘の金澤町家なのです。
松本紙店さんの店舗だった家屋を改装して居酒屋さんにしています。

築124年の風格は一見の価値ありますよ。
特に紙屋さんだったので壁などの内装に使われている
風格ある紙使いは素晴らしいです。

壁に手を遣ると古人の息遣いまで聞こえてきそうです。

勿論メニュー表も趣のある和紙仕立てでとっても素敵です。

波長の違いで盛り上げる
週末なのでカウンターには既に沢山のお客様がいらっしゃいました。

宴会時は、2.3階を利用したのですが
今回は出来たての豆腐料理を食べたいので1階カウンター席をお願いしました。

なんとか滑り込みセーフ!です。

私達のすぐ後に入店したお客様はカウンター席に座れませんでした。
予定が立てられるようでしたら予約した方が良さそうですね。

カウンターの中には作り手の男性が2名いらっしゃいました。
THEオ・ト・コ的な店長さんと優しげなチーフさん。

店長さんは威勢が良くてお話が面白く、客の扱いは心得ていらっしゃいます。
軽妙洒脱な語り口は客を飽きさせず初めてのお客様も
すぐに引き込まれる魅力が溢れています。
今日のお勧めを積極的に紹介してくださいます。

金沢を初めて訪れたという若い女性たちは笑い転げていました。
男性のお客様には夜の片町の楽しみ方の指南もあるようです。(笑)

一方のチーフさんは温厚で優しさがお顔に出ています。
店長が作る大きな笑いとは違いニッコリ笑顔を引き出してくれます。
お勧めの紹介も店長さんとは違います。
客の好みを聞き出してからゆったり紹介して下さいます。

店長さんとチーフさんの出している波長は明らかに違いますね。

ふと男性デュオようだと思いました。
店長さんが担うのは基調となる高音部、そしてチーフさんが丁寧に低音を唄う…そんな印象です。

お二人の持ち味が上手く調和しているので店内は居心地がとても良いです。

お酒は賑やかに飲みたいわぁタイプのお客様、反対に高倉健のように飲みたいタイプ
どちらにも対応していただけると思います。 

クリーム豆腐
お通しとして届けられました。

豆腐であり豆腐ではない、不思議な味です。
豆腐のクリーム仕立てとでも言うのでしょうか。
豆腐が円やかさを抱いている…

私の持ち合わせている語彙では表現できません。
ただ一つ言えることは「もっと食べたかった~っ」です。

初っぱなから二塁打です。

きのこのカリカリサラダ
チーフさんから勧めていただきました。
新鮮なほうれん草にカリカリのキノコが載っています。

きのこはカリカリなのですが噛みしめるとじんわりとキノコの旨味が満ちてきます。
写真で見るより結構な量があるので2人で食べると丁度良いと思います。

お造り5種盛り
鰹たたき、鰤、 鮭、真鯛、甘海老の5種盛りでした。
味が被ることなく盛り合わせられていました。

名物竹輪焼きたて
竹輪といえば主婦にとってお給料前の苦しい時の強~い味方ですよね。
ほどほど美味しくて栄養もあって…
でも市べゑさんの竹輪焼きたては竹輪に対する今までの概念を取っ払ってくれる凄みがあります。

竹輪は近江町市場の練り物店に特注していて、
一般の竹輪より海老の配分を多めにしてもらっているそうです。

注文すると目の前で焼いてくれます。
ゆっくり  じっくり 丁寧に時間を掛けて焼かれていきます。

手作りなので大きさも違います。
 
こんがり焼かれて一口食べるとふわっと魚の香りがします。
噛みしめると魚の次に海老の甘さがやってきます。

炭火焼なので焦げまでが美味しいのです

目をつぶり竹輪って本当はこんなに美味しい物なのねと思いました。

この美味しさはカウンター席ならではの贅沢です。
是非カウンターでお試し下さい。

厚揚げ豆腐
今回の一番の目的は揚げたての厚揚げ豆腐を頂くことです。

金沢のお豆腐は美味しいと評判のようですが
最近スーパーで入手できる豆腐の多くは充填豆腐ですよね。

大量生産でき日持ちがよいので流通しやすいのでしょう。
しかし美味しさには欠けます。
機械化で何となく男性化しているような。

こちらのお豆腐は毎日手作りしているので作りたてが食べられます。
食べ慣れている充填豆腐とは全く別物です。
こちらのお豆腐は手弱女豆腐です。

まず豆腐の味が濃いです。
大豆の甘み、旨味が感じられ優しい味です。
そういえば子供のころ食べていた豆腐はこんな味だったなぁ。

作りたての絹ごし豆腐をからっと素揚げしただけの極シンプルなメニューです。

外は狐色にカリッと揚げられて中まで熱々です。
外と中の食感が全く違います。

添えられた大根おろしと食べるのも良いですね
竹輪を食べたときと同じ感想です。豆腐ってこんなに美味しい物なのね!

夏なのに湯豆腐です
厚揚げ豆腐が大変気に入ったのでチーフさんに他の豆腐料理をお願いしたら
暑いのに勧めて良いものかと躊躇しながらも紹介して下さったのが湯豆腐 鯛の出し汁で

注文すると土鍋がセットされいきなり土鍋の高さの倍以上の火に包まれました。 
随分長い時を火の中で過ごしていたので大丈夫?と思ったほどです。

最後に豆腐一丁が入れられます。

届けられた湯豆腐はつい先程まで火攻めにあっていたとは思えないほど穏やかです。
焼いた鯛からの旨味と昆布出汁が染みたじんわり湯豆腐です。

上には茗荷とかいわれそしてゆずが添えられていました。

市べゑさんにいらっしゃったら是非注文してください。
実際に食べることが大切です。
食べると豆腐が益々好きになると思います。


思っていた以上にリーズナブル
本日のお勧めメニューをご覧頂くとお分かりいただけると思いますが
市べゑさんの品々は結構リーズナブルです。

お刺身を沢山注文をしなければ一人当たり4~5千円程度で飲んで食べられると思います。

市べゑさんのすぐ横に駐車場があります。
夜は30分100円なのでそんなに高くはないですね。


犀川大橋は永遠に
金沢市民の心には犀川、浅野川のうちどちらかが流れているとよく言われています。
中にはどちらも流れているぞという方もいらっしゃるでしょう。

観光地としては女川である浅野川に目が向けられることが多いようです。

しかし私は犀川大橋の雄々しさが大好きなので断然犀川派です。

犀川大橋は今では珍しくなった鉄骨トラス橋です。
今架かっている大橋は大正13年に完成したそうですから
市べゑさんは大橋が造られる一部始終見守ってきたと言うことですね。

今回写真を撮ることで大橋の雄大さを再認識しました。
規則正しく打ち込まれたリベットの一つ一つが愛おしく感じられました。
私の下手な写真ではお伝えできないことが多過ぎます。
金沢にお越しの節は浅野川大橋だけでなく是非犀川大橋の益荒男振りを堪能して下さい。

犀川大橋は右岸の上流、下流から 左岸の上流、下流からどちらから
眺めても雄々しく素晴らしい橋です。
しかし高層ビルが林立するため興ざめするアングルもあります。

その点バックに高層ビルが写らない市べゑさん裏手の道路から見る姿はなかなかです。
力強い三角構造がはっきり認識できます
市べゑさんを利用すると上から臨めますよ。

そんなパーフェクトな犀川大橋ですが、1ヶ所だけ益荒男を捨てた場所があります。
それは最近人気のボッテガ ディ タカマッツオさん横の新橋からの眺めです。
最小限の鉄骨しか見えません。
日曜のお父さんのように脱力感さえ感じられます。


金沢で一番の益荒男橋の畔で優しい手弱女豆腐を頂く……もう何も言うことはありません。


帰路、対岸の坂道から犀川大橋と市べゑさんを見下ろしました。
語りかけるように象牙色の光を放す犀川大橋
それに答えるように素緋色の灯りを点す市べゑさん

写真に納めたのですが私の廉価なコンデジでは写せませんでした。

撮影に長けた方 アップして下さいませんか。

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ぞんべら

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店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
紙屋市べゑ(かみやいちべぇ)
ジャンル 居酒屋、海鮮、郷土料理
予約・
お問い合わせ

050-5590-0755

予約可否

予約可

ご予約のキャンセルは3日前までに、サイトもしくは直接店舗までご連絡ください。
無断キャンセルの場合は、コース料金全額をお支払い頂きます。
また、お席のみのご予約の無断キャンセルについては、お一人2000円のお支払いとなります。

住所

石川県金沢市片町1-8-21

交通手段

片町バス停徒歩3分。犀川大橋手前のデイリーヤマザキさん左折後60m先右手。「松本紙店」の看板が目印。

野町駅から771m

営業時間
  • 月・火・木・金・土

    • 17:00 - 23:00
    • 15:00 - 22:00
    • 定休日
予算

¥3,000~¥3,999

¥1,000~¥1,999

予算(口コミ集計)
¥5,000~¥5,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)

電子マネー可

(iD、QUICPay)

QRコード決済可

(PayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY)

席・設備

席数

90席

個室

(2人可、4人可、6人可、8人可、10~20人可、20~30人可、30人以上可)

2名から4名 半個室 8名から12名 個室 12名から18名 個室 あります お問い合わせください

貸切

(20人以下可、20人~50人可)

禁煙・喫煙

全席禁煙

喫煙希望の方は店外にてお願いします

駐車場

近隣にコインパーキングあり

空間・設備

落ち着いた空間、カウンター席あり、座敷あり、掘りごたつあり、オープンテラスあり

メニュー

ドリンク

日本酒あり、焼酎あり、ワインあり、カクテルあり、日本酒にこだわる、焼酎にこだわる、ワインにこだわる、カクテルにこだわる

料理

魚料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

デート 知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

景色がきれい、隠れ家レストラン、一軒家レストラン

サービス

2時間半以上の宴会可、お祝い・サプライズ可

お子様連れ

お子様を連れてのご来店はご遠慮ください

オープン日

1999年5月20日

電話番号

076-262-6006

備考

アメックスが使えます(情報提供元:アメックス)

初投稿者

いづみ33いづみ33(268)

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