江戸前を求めなければ・・・。 : 鮨 志の助

金沢二泊三日の出張に合わせて志の助、めくみ、乙女寿司の三軒訪問しました。
三日連続なのでそれぞれの違いが分かりやすいですね。
その三軒で順位を付けるとこちらの志の助さんは三位です。

宿泊先の香林坊の金沢東急ホテルからバスと徒歩で向かいました。バス停からは割とすぐです。
帰りはバスの本数が少ないため、時間が合わず、タクシーで帰りましたが1500円以下だったと思います。

店内は広い！つけ場もかなり広い！広過ぎる程の空間に一人立たれるご主人の姿はまるで能の舞台かのようです。
そしてとても清潔感があり、おのずとテンションが上がります。

事前情報でつまみにそれほど重点を置いておられず、「ウチは鮨屋ですから」との思いが強いご主人ということと、
握りに集中したいと考えていたため、飲み物はお茶のみ、握りからお願いしました。

ご主人はほとんどご自分から話さないタイプ。タネの種類を伝えるのみです。
聞かれたことにはきちんと答えておられました。

私は話すタイプと話さないタイプ、どちらが好きということはありません。
極端に無愛想なのは別ですが、ベラベラと寿司に関係ない話をする方よりは寡黙な方がずっといい。
要は鮨が美味しいということが最重要項目なのです。（それ以外の目的の方もおられるので）

ちなみに私は一切写真もメモも取りません。理由はただ一つ、出された鮨は即口に入れたいから。
（記念に一、二貫写真を撮ることはたまにありますが）メモがないので、細かくは書けません。
印象に残ったことだけ書いていきます。

・・・と前置きが長くなりましたが、本題です。
握りお任せ一本勝負の始まりです。（順番は間違ってるかも、あと抜けもあります）


◆アカイカ
うん、美味しい！甘みも上々。剣先イカのことで石川ではアカイカと呼ぶそうです。

◆ガスエビ
口に入れた瞬間甘みが口腔内を支配しました。何これ？ガスエビの甘みに衝撃を受けました。
その後追加で甘エビを頼みましたが、甘みの次元が違いました。甘エビ要らない笑

◆ブリ
ふんわりじわーっと広がる脂。旨みも充分！ですが、翌日訪問しためくみのご主人は「今の時期ブリ出す店なんて大したことない、11月で終わる」とのご意見。翌々日訪問した乙女寿司では「12月までですかね、寒ブリって呼ばれているから誤解されやすいですよね」と。ブリ一つとっても三者三様で面白いなと。いずれにせよ、こちらのブリは美味しく感じたので問題なし笑

◆のどぐろ
これは金沢鮨の鉄板ですね！文句なしに美味しい！白身のトロとも言われているだけあって、脂のノリも抜群でしかもしつこくない上品な味でした。

◆タラの白子
軍艦巻きで出されました。崩れやすいからと小鉢に載せて供されました。小鉢を手元に持ってお召し上がりくださいと。この小鉢スタイルが他にも複数ありました。この小鉢スタイルには訳があったんだなと後で知ることになります・・・。


はい、ここまでザ・金沢ネタ！という感じでとても美味しかった！金沢で寿司を食べにきて良かった！
ガリも美味しくて結構おかわりしました。

さてさて、ここからが・・・。

◆鮪の炙り
つけ台に鮪が置かれました。おっ、来た来た！と思いきや、ご主人それを厨房の女将さんに渡しました。炙るの？炙らないで欲しい！と思っていたら、やはり炙りでした（涙）
まぁ美味しければいいですけど、と思いつつ口に入れた瞬間「・・・」という感じです。
この鮪から私の笑顔が消えました（笑）超食通＆寿司が死ぬほど好きな二人に報告したら、
「モノが良くないから炙って誤魔化すしかなかったんでしょう」「海外の畜養マグロならそういう邪道もアリかな」という意見。（炙っても誤魔化せてませんでしたが）

◆鯵
ものすごく水臭かったです。余分な水分が抜けていない。シャバシャバした食感。ダメです、これ。〆が浅いのでしょうか？

◆万寿貝（白貝）・バイ貝・あわび
貝はどれも旨みが無い・・・。白貝は初だったので楽しみにしていました。食材のルートに絶大な知識のある超食通の方曰く、石川の白貝は美味しくない、地元に残っているものはなおさらだそうです。（結局築地行き？）

◆穴子
私は穴子が一番好きです。私は鮪が食べられなくともあまり気にしません。ですが、穴子だけは絶対に食べなきゃ気が済まない！というぐらいの穴子好き！なのですが・・・まず握りの見た目に驚きました。生？って見間違えてしまいそうな感じ。そして口に入れた瞬間感じたぬめり！何でこんなにぬめりが残っているのでしょうか？？？ぬめりと臭みが酷い。どうしたらこういう穴子になるのでしょうか？

◆甘エビ
前述の通り、ガスエビを食べた後では色褪せますね。というよりも、この握り、横にこてんと倒れて、それを起こして手に取った瞬間崩壊しました。見てはいけないものを見たような気がして散らばったシャリを集めて口に放り込みました。ちなみにご主人は握りを置くと同時に厨房へ入っていったので、この一部始終をご主人は見ていません。他のお客様の手前もあり、小心者の私は握り直してと言えず・・・。

なんとなく幕が降りた気分になってしまい、この甘エビで終了を告げました。まだまだお腹に余裕はあったんだけどな笑

シャリの味自体は可もなく不可もなく、ただし、置いた途端に崩れても不思議ではないかなと思えるほど緩いです。なので、タネによっては崩れやすいので小鉢スタイルで出すということになるのでしょうね。

そして全体的にシャリが小さ過ぎて刺身を食べているかのようなものがありました。握りとしてのバランスが良くないと感じました。


≪結論≫
江戸前仕事の握りは全く私の好みではありませんでしたが、金沢の地のものだけお好みで食べられるなら再訪もアリかな？（だけど、金沢では他にお気に入りを見つけたので、わざわざ行かないでしょう）

◆点数の基準（6パターンのみ）
・5.0　　10回以上訪問（マイベストレストラン）
・4.5　　5回以上訪問（もしくは今後定期的に通いたい）
・4.0　　2回以上訪問
・3.5　　再訪したい
・3.0　　再訪なし
・2.5　　難あり