【あんこう鍋あり】　大洗で最人気の名店 : ちゅう心

　大洗の商店街の中ほどにあり、平日土日、ランチディナーの区別なく常に賑わっている大洗の人気店がこちら。

　表は魚忠という魚屋さんが営業していて、向かって右手にある細い道に入って少し進んだところにちゅう心の入り口があります。
　魚忠はもともと水戸など各地の飲食店への卸しも多く行っているお店で、当代の社長になって自分の所でも料理屋を始めたそうです。

　そういった経緯もあり、魚の鮮度、味は抜群で、お造りからして、港町である大洗の中にあっても更にランクの高いものが出てきます。
　特に秋の鰹を、玉葱おろしを薬味に頂くのはここならでは味でおすすめです。

　またこちらの特徴として“お寿司に味付けがしてある”というものがあり、寿司には基本的に何も付けず頂きます。
　タネにより煮きりタレ、塩、レモン果汁、ペッパーなどで味付けがされており、これがまたいい味付けで、「味が薄かったら醤油を使ってください」とは言われますが、ハッキリ行って不要です。
　これはよそではなかなか味わえない、新しい体験でした。

　また通常メニューとは別に、その日の仕入れ・仕込みによる日替わりのメニューも手書きで用意されており、魚介料理はもちろんのこと、白子のムニエルやアックアパッツァといった洋風のメニュ－、魚介類がたくさん入ったドリア、常陸牛を使った肉料理などバラエティ豊かで、この中から気になるものを注文するのも楽しめます。

　もうひとつオススメなのがこの店の名物でもある『浜しゃぶ』で、魚介類をいろいろとしゃぶしゃぶにして楽しめるコース。
　内容は仕入れによって違うと思いますが、まだ動いている鮮度の車エビやアワビ、シメには大トロまで登場するお得なコースで、どれも刺身でいける鮮度のものを、さっと昆布だしにくぐらせて食べる贅沢はこの店ならでは。
　シメの雑炊も適度な塩味とふわふわの卵具合に仕上げてもらえ、実に満足度の高いコース。
　こちらはカウンター席だとできないので（カセットコンロが使えないため）、事前に予約して「海鮮しゃぶしゃぶをしたい」と伝えておくのがよさげです。


　冬期には大洗名物の あんこう鍋も登場します。
　通常のあんこう鍋は特に予約しなくてもできますが（もちろん、予約しておくにこしたことはありませんが）、実は予約限定の あんこうどぶ汁鍋もあります。
　こちらのどぶ汁はかなり変わっていて、通常のあんこう鍋に付きものの白菜はほとんど入っておらず、大根と葱がたくさん入っています。（＊本来の漁師風のどぶ汁は、白菜は入らず大根で作るらしいです）
　魚粉が入っているのではと思うほど濃厚な鰹節の風味があり、大根がかなり柔らかく煮込まれていることから見てもダシは加えられているのだと思われますが、とにかく肝の使用量が多いため、濃厚さに関しては他の無加水どぶ汁タイプの店を凌駕しているほどです。少し混ぜただけで鍋全体がオレンジ色になってしまうほどの大量のアンキモが入っていて、もはや鍋というよりアンキモシチューとか呼んで方がいいのではないか、というほどの濃厚なアンキモ料理。アンキモ好きにはたまりませんが、苦手な人はとことんダメだと思うので注意した方がいいでしょう。
　アンキモの使用量が多いためか、お値段は『時価』となっており、注文は１鍋単位になっています。
（１鍋２～３人前程度で、おおむね1,000～1,5000円程度）
　通常、どぶ汁では雑炊はやっていないそうですが、お願いすれば雑炊もやってくれます。


　……と、ここまで書いておいてなんですが、個人的に、大洗でおすすめの店を訊かれた時、ここを紹介することはまずありません。
　理由は、値段に対して接客の方がお粗末だからです。
　安い店なら接客なんてテキトーでもいいと思っていますが、ここは飲食店としては大洗で最も値段の高い店であり（旅館も含めればさらに上の所はありますが）、それなりに求められるべき格式というものがあると思います。実際、料理の質や内装の凝り具合などに対して、接客のレベルがあまりにも釣り合っておらず、そのアンバランスさがなんともいえずモヤモヤとした気分にさせられます。
　また、予約しないとほぼ入れないレベルの人気店なのにも関わらず、まったく電話に出ないというのはそもそも客をバカにしています（「繋がらない」のではなく、「出ない」のです）。店としては充分に繁盛していて利益が出ていて、それで満足していて改善する必要などないという考えなのでしょうが、客の側ばかりがあまりにも不便を被っています。
　忙しくて電話に出れないのであれば、受付の時間帯を定めてそれ以外は留守電にする、ネット予約等別のシステムを導入するなどのやり方を検討・導入するべきだと思います。

　料理に関しては素晴らしいものを提供してくれるだけに本当に残念なのですが、予約システムと接客、この２点を改善してくれないことには、胸を張って人におすすめすることはできませんし、個人的にも足が遠のいています。