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【あんこう鍋あり】 大洗の名店でいただくあんこう鍋
野菜中心のヘルシーなランチやコースで人気の井中ですが、実は冬季になるとあんこう鍋もあります。
基本的には予約制で、1週間くらい前には予約しておく必要があります。
また、値段も仕入れによる時価になるそうです(今回は料理4品+あんこう鍋+デザートのコース形式で6000円でした)。
あんこう鍋は大洗でよくみられる味噌味のだしにあん肝を加えてコクを出したタイプ。お店の特徴でもある新鮮野菜がたっぷりで、白菜、にんじん、春菊、葱、えのきなど盛りだくさん。大根が入っているのは、大洗のお店としては珍しいですね。
スープはたっぷりかつあん肝のコクも強めの贅沢な味ですが、具はあんこうより野菜が多めで、コクのあるスープで煮こまれた野菜ならではの甘さを堪能できます。煮こんでいるうちに味や食感が変わって来る変化を楽しむのもオツなものです。
薬味として七味をおすすめされるのですが、これが本当に鍋に合っていて驚きでした。野菜中心のこのお店ならではかもしれないですね。
〆の雑炊は、鍋を厨房に下げてお店側で調理してくれるタイプ。これも、卵がふわとろに仕上げられていて感動的なおいしさでした。こんな所でもご主人の技量の高さをかいまみることができます。
6000円とだけ書くと高いような気がしますが、料理数品とデザートがついて、お味も大洗の中でもまちがいなくトップレベルとくれば、むしろお得な方だと思います。実質予約必須という点はややハードルが高いですが、あんこう鍋初心者にも、あちこち食べ歩いた通にもおすすめできるお店です。
そして、えー、さらにさらに、実はこちら、完全無加水タイプの『どぶ汁』も提供されています。
やはり予約制で、値段も仕入れ値による時価になる点もあんこう鍋と同じです(目安は8000円ほど)。どぶ汁の場合、焦げやすいという特徴からほぼつきっきりで鍋の面倒をみてくれる形となるため、他のお客さんを入れないよう予約段階で調整されるため、通常のあんこう鍋よりさらに予約ハードルが上がります。目安としては1周間前には予約しておく必要があると考え、早めに動くようにしましょう。
無加水どぶ汁をやっている店は本当に少ないですが、こちらはその中でも特に変わっていて、最初にあんこうの肝と、身の半分だけを煎り、煮て味噌で味付けをした所で1杯目が提供されます。関西の方のすき焼きで、まず肉だけ焼いた状態のものを出されるのに近い感じですね。最初の1杯目を最も濃厚な状態で頂き、それから野菜や豆腐を加えてさらに煮込み、2杯目。残り半分のあんこうの身を加え、3杯目……とすすんでいきます。野菜が加わり、煮込まれるほどに甘みが増し、塩味もマイルドになって食べやすくなってくる味の変化を楽しめます。
また、他の店だと、シメの雑炊をやるために汁はなるべくとっておくよう盛り付けるものですが、こちらは汁ごとじゃんじゃん盛ってくれるため、最後に鍋に残っている汁はごくわずかに。これでは雑炊はできないのでは……? と思うのですが、どうも雑炊にする時はだしを加えてのばしているらしく、結果的に、最後に食べる雑炊がいちばん塩味が薄くさっぱりしている、ということになります。
これは、シメは全ての旨味が溶け出た濃厚雑炊を味わいたいんだ! という人ももちろんいるでしょうけれど、もともとどぶ汁は極めて濃厚で味の濃い料理なので、だんだん味が薄くなっていってさっぱりシメられるという流れも、これはこれで考え抜かれている構成なのだとも感じます。
最初の1杯は肝の味ががつんとくる濃厚なものを味わえますし、その後の野菜の甘みが出てきた鍋も食べやすく、どぶ汁未体験の人も、あちこちで食べてきたという人も、どちらにもおすすめできる、ご主人の技が光る鍋でした。
夜のコースもおすすめ
ランチで何度かお世話になっている井中、前々から夜も行ってみたかったのですが、立地的になかなか難しく、今回ようやく訪れることができました。
昼と同様、原則的に予約限定となっています。
ランチは基本的に膳の形で、料理が一度に供されますが、夜はコース形式。
日本酒の品ぞろえが多く、おいしい料理と一緒に楽しめます。
品数が多く、野菜が多くてヘルシーなのは昼と同様ですが、カボチャを羊羹風に固めてチーズ風味のソースをかけた前菜とか、焼きナスをゼリー寄せにしたものなど……より一手間をかけた一品をいただけます。銀鱈の脂ののりもすばらしく、これは酒よりもご飯が欲しくなってしまいました。
基本的に和食ながら、ところどころ洋食の素材が顔を出すのもランチと共通で、じゃがいもの冷製スープにオリーブオイル、黒にんにく粉がかかっているのも、これまでにない味わいで新鮮。これもおかわりしたいくらいおいしかった……。
メインには茨城の銘柄豚『美明豚』をはちみつと黒にんにくのソースにつけたローストポークが供されたのですが、これもまた絶品でした。
最後に出てきたとうもろこしごはんが、また素晴らしい和風だしの香りで、それでいながら、おそらく最後にバターをからめているようで、とても罪深い味がしました……。
立地的には行きにくいものの、予約制なのもあってのんびりと過ごせるし、とてもおすすめできるお店です。
次はあんこう鍋のシーズンにまたうかがいたいです!
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珍獣@大洗訪問記
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店名 |
井中(イチュウ)
|
---|---|
ジャンル | 日本料理、郷土料理、創作料理 |
予約・ お問い合わせ |
029-266-1171 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
大洗駅から向かう場合: 那珂湊駅から1,524m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算 |
¥2,000~¥2,999 |
予算(口コミ集計) |
¥2,000~¥2,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 |
席数 |
15席 |
---|---|
個室 |
有 |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
有 |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒あり |
---|---|
料理 | 野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 隠れ家レストラン、一軒家レストラン |
備考 |
✳クレジットカード利用は出来ません。種類に関わらず、クレジットカード払いは断られます。確認済み。アメックスの勘違いでしょう。 |
お店のPR | |
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大洗駅から那珂湊方面へ進む大通りをずーっと進み、キャンプ場を過ぎたあたりで左折。やや細い道に入ってしばらく、民宿とびた荘の近くにある和食屋さんがこちら、井中さんです。
目立つ看板があるわけでもなく、いっけん民家風なので意識して探さないと見つけにくいかもしれません。
こちらのお店、予約限定というわけではないのですが、基本的には予約必須と思っていた方がいいです。
ランチは井中膳、おすすめ膳、お造り膳と3種類から選ぶのが基本で、予約すれば『天ぷら丼』やコースもあります。
オススメなのは『井中膳』。
ランチで2000円代は高いかなぁ……と思っていたのは、料理が運ばれて来るまで。その品数と盛りつけの美しさに、これはむしろ安いと考えを改めざるをえません。
季節や仕入れによって内容は細かく変わりますが、ある秋に訪れた時は
・刺身(旬の戻り鰹)
・焼魚(鰤の漬け焼き)
・煮物(栗、南瓜、里芋、人参、平茸、小松菜)
・茶碗蒸し
・ひじきの煮物
・もずく酢 キウイフルーツ入り
・豆腐
・ゴマ豆腐
・サラダ
・香の物
これにご飯とみそ汁、デザートとコーヒーor紅茶がつきます。
一品一品の量は多くありませんが、そもそもの品数が多いので全部食べれば相当のボリューム。
また、それぞれ完成度が極めて高く…… 例えば煮物の南瓜など、煮崩れてはいないけど、皮までスッと箸が通る柔らかさに煮上がっており、絶妙の一言。
旬の鰹も脂が乗っているのは言うまでもなく、焼いた鰤は酒の味が鼻に抜けてきて大人の味(この漬け焼きは味付け加減も焼き加減も本当に絶品でした)。
ごま豆腐も、生クリームでも入っているのかと思うほどの深いコクとなめらかさがあり、最高でした。
さらに面白いのは、和食なのは間違いないのですが、ちょくちょく洋風のものが顔を出してくるところ。
中でも茶碗蒸しの中からチーズやブドウが出てきたのは驚きました。特に、ブドウは何か下味がつけてあったようでしたが、茶碗蒸しの中に入っていても何ら違和感なくおいしく食べられます。
また、豆腐には醤油でなくオリーブオイルとブラックぺッパーがかかっていたり、もずく酢にキウイが入っていたりします。これも、酢によってキウイの甘みが引き立って、一見なんじゃこりゃ、となるものの、食べてみるとちゃんと美味しくなっているのが面白い。
さらに驚かされたのがデザートのさつまいもアイス。
裏ごししたさつまいもがたっぷり入っているようで、アイスながら芋のざらざらした食感も若干あり、まさしく「芋」っていう感じ。添えてある芋のペーストもいいのですが、凄いのが、かかっている白いクリーム状のもの。正体はわからなかったのですが、おそらくクリームチーズを使ったソースだと思います。ほんのり塩味でコクがあり、これとアイスを一緒に食べるとまた甘みがぐっと引き立ち、何ともいえないおいしさに。
正直、このアイスのためだけにまた来てもいいなと思えるほどのおいしさでした。
(アイスの内容も季節によって変わります)
魚も野菜もその時のおいしいものを頂ける、旬を追って年4回は来たいなと思えるお店です。