復活した金沢カレー発祥のお店が水戸初出店 : インデアンカレー 水戸市役所前店

＜お店について＞
2020年12月4日オープンの金沢カレーのお店。
インデアンカレーは1964年石川県金沢市内にてカレーとスパゲティーの専門店として野村幸男氏が創業。
一時はFC店を含め48店舗を北陸3県に展開していましたが、1992年までに直営店は閉店し、野村氏が病気で一線を退いたこともあり2003年には法人も解散（その後もFC店5店舗は野村氏の弟野村建次氏がルーのみを提供することで営業継続）。
しかしながら、金沢カレーブームもあり、2011年12月3日、インデアンカレーのファンだったというダイヤコーサン株式会社の代表である田井仁氏が、創業者の弟でカレールーの製造に携わっていた野村建次氏に話を持ち掛け、ダイヤコーサン株式会社が運営するお店として復活。
こちらの店舗は、茨城県内2店舗目で水戸市内では初の店舗。
場所は以前和風ダイニング笶宴～やえん～（その前は麺屋文太）があったところ。

・駐車場
店舗前に2台分
（近隣にコインパーキングあり）

・席構成
カウンター席…10席と4席
テーブル席…2名がけ2卓

・その他
キャベツの多め、少なめ、なし変更無料
福神漬けあり
ドレッシング、スパイス（カイエンペッパー、ハバネロペッパー）、エプロンが必要な方はスタッフに口頭で
チャレンジカレー3000円（制限時間20分で完食にて無料）
水戸市役所関係者に限りテイクアウト5人前以上の注文で配達可


＜金沢カレーについて＞
鉄道弘済会が運営するレストラン「ニューカナザワ」に務めていた4人のシェフが独立して始めたお店で提供されるカレーライスが金沢カレーの本流。
「ニューカナザワ」で洋食部門のチーフを任されていた田中吉和氏はチャンピオンカレーを創業。
和食部門を担当していた野村幸男氏はこちらのインデアンカレーを創業。
サブチーフの宮島幸雄氏はキッチンユキを創業。
今度忠氏はカレーの市民アルバを創業。
（高田義教氏は実家のうどん店を継いでうどん亭 大黒屋を創業しカレーうどんを提供）
（ちなみに、金沢カレーブームの火付け役言われるゴーゴーカレーはターバンカレー（2019年10月1日ゴーゴーカレーが吸収合併）にて5ヶ月程修行をした宮森宏和氏が2004年5日5日に東京都新宿区で創業したお店で、石川県発のお店ではありません）

・時系列
1955年
「ニューカナザワ」で田中吉和氏（洋食部門の初代チーフ）、宮島幸雄氏（洋食部門のサブチーフ。後に2代目チーフ）、野村幸男氏（和食部門担当）、今度忠氏、高田義教氏が出会う

1961年
田中氏が「洋食タナカ」を開店しカレーライスの提供を開始

1964年
「洋食タナカ」のカレーレシピを田中氏から唯一直接手渡された今度氏から得たカレーレシピを基に作ったカレーで野村氏が「インデアンカレー」を開店

1965年
「洋食タナカ」がカレーライスに特化した「カレーライスのタナカ」に業態変更

1966年
宮島氏が「キッチンユキ」を開店

1970年
今度氏が「カレーの市民 アルバ」を開店

1971年
「カレーライスのタナカ」が常連客の元銀行員岡田隆氏と田中氏の共同経営となり「カレーショップ ターバン」に改称

1974年
田中氏が「カレーショップ ターバン」から分離独立し「タナカのターバン」（後に「ターバン」に改称）を開店

1996年
「カレーショップ ターバン」が「ターバン」を商標登録したため、「ターバン（タナカのターバン）」は「カレーのチャンピオン」に改称

田中氏が「洋食タナカ」で提供していたカレーライスが金沢カレーの始まりと考える場合は、「洋食タナカ」（現在の「カレーのチャンピオン」）が発祥の店ということになりますが、「洋食タナカ」で提供していたカレーは普通のカレーライスで金沢カレーの特徴を満たすカレーの提供が始まったのは「カレーライスのタナカ」に業態変更してからという話も。
そうすると、金沢カレーの特徴を満たすカレーライスの専門店としては「インデアンカレー」が一番最初にオープンしたお店なので、「インデアンカレー」が金沢カレー発祥の店ということに。


・金沢カレーの特徴
ステンレス皿
重ねやすく割れにくいため

先割れスプーンまたはフォーク
1本でスプーンとフォークの2役を果たすため洗い場の負担が減るため
昔使用していた豚肉が欧州産の肉質の固いものであったため

ルゥは黒に近い色でドロっとしている
（だから先割れスプーンやフォークでも食べられる）

カレーのルゥはライス全体にかけてある

キャベツの千切りが盛り付けられている
別皿でサラダを提供する手間が省けるため
元が洋食店で、とんかつ定食とカレーライスを合わせて提供したため

メモ
ソースがかかったとんかつとキャベツがカレーライスの上にのっているのは、元々が洋食店でカレーライスにとんかつ定食をのせて提供したため。
前身が洋食店であった流れから、クリームコロッケやエビフライ、ハンバーグといったトッピングが豊富。


＜料理＞
■野菜玉子カレー（キャベツ多め）…税込750円
玉ねぎとマッシュルームを炒めて玉子でとじた「野菜玉子」と呼ばれる具材がのったカレーライス。
インデアンカレーの定番メニューで、通称「ヤサタマ」。
それにスープが付きます。
なお、ヤサタマは、現かれー屋伊東（当初はインデアンカレーの加盟店「インデアンカレー 小泉店」でしたが1998年に独立）の伊東慎二店主が、インデアンカレーに加盟していた1979年に考案したと言われるメニュー。
スパゲティの具材であった薄焼き卵をカレーにのせて出したのが始まりで、現在でも「かれー屋伊東」の看板メニューになっています。
食券を渡して3分程で、小さな取っ手付きのカップに入ったスープが登場。
それから5分と待たずにメインの「ヤサタマ」がきました。
もちろん、ステンレス製の舟形皿ですし、スプーンは先割れスプーン。
ライスをカレーのルゥで覆い、その上に千切りキャベツとヤサタマがのります。
食券を渡す際にお願いすればキャベツは無料で量を増やせます。
カレーライスの上に盛り付けられているので、多めでお願いしてもそれ程量はありません。
サウザンドレッシングと思われるドレッシングもいただけますので、お好みで。
ライスは標準で300g。
-50円で200gに、+100円で400gに変更することも可能。
やや水気の多いやわらかめの炊き加減で、個人的にはもう少しかための方が好み。
そんなライスを綺麗に覆うカレーのルゥは、タマネギの甘さが効いていてフルーティで辛味は控えめ。
お願いすればカイエンペッパーとハバネロペッパーをいただけるので、そちらで辛味を足すことは可能。
「ヤサタマ」は玉ねぎとマッシュルームを炒めて玉子でとじたトッピングで、上にはマヨネーズとケチャップがかけてあります。
半熟とろとろで、カレーと一緒にいただくとよりまったりと。　
マヨネーズとケチャップがかけてあるのでただの玉子焼きよりコクとB級感がアップ。
面白いカレーライスです。


■インデアンカレー（キャベツ多め）+ルー増し…税込600円+100円=700円
トッピングのないカレーライス。
+100円でルー増しに。
こちらもスープが付きます。
増したルーはなぜか別皿での提供ですが、おかげでどれくらいの量が増えているのかわかりやすく、+100円でこの量は嬉しい。
とにかくルゥを沢山食べたい場合におすすめのルー増しです。