水戸に来たら買わずにいられない！ふわふわ柔らかいつきたて餅の、生真面目な大福。 : 小倉屋

水戸・千波湖畔は梅真っ盛り。
さらに県庁の方角へ、新興住宅街の生活道路を進んで行きます。
お目当ては、この街に来たら買わずにいられない「小倉屋」さんの大福餅。
ひとつ130円で手に入る、上質な豆大福です。

売り場の脇の仕事場では、ちょうど今日の分の餅作りを終えたところ。
搗きたて、包みたての豆大福が買えるのですね。
家まで我慢できなくて、持ち帰る分とは別にバラで売ってもらって、その場でパクリ！
うわっ！ふんわり柔らかい。
米の香りは良いし、ふわふわしていながら、ちゃんと餅らしいコシと伸びがあります。

餅が絡む赤えんどう豆は、塩加減良し、炊き加減は丁度良くてほっこり。
餡は、気のせいか柑橘のような清々しい香りがします。

水戸に来たら、小倉屋の豆大福。
電話一本で取り置きもできますが、午後早い時間に売り切れ仕舞いもあるので、くれぐれもお店に迷惑がかからないようにしたいものですね。

(2015/12 再々稿)

茨城県庁にも近い生活道路を走りながら、旨い豆大福を買いに「小倉屋」さんへ。
如何にも小さな、まだ新しさの残る平屋のお店。
裏手にクルマを停めて、こじんまりとした店内へ入ると、売られているのは「豆大福」(130円)ただひとつ。
大きな和菓子屋さんのような陳列もなくて、店内は数人で一杯になってしまいます。

売り場の直ぐ奥には工房が。
朝早くからもち米を炊き、豆をうるかして炊いて・・・
もちろん、餅菓子たるもの、今日作ったものは今日売って、あとは売り切れ仕舞い。
毎日毎日、生真面目にその繰り返しです。

買いたてをその場で一つ齧ると、米そのものの良い香りがふわり。
餅の粘りも引っ張りも極めて自然で、豆はふっくら柔らか。
餡は甘さがほどよく、控えめにしてコクがあります。

水戸に来たなら、何としても小倉屋さんにだけはお伺いしたい。
予め電話しておいて、営業時間内に取りに来られるようにスケジュールを組む。
古い街ですから、いろいろ魅力的なお菓子は多いのでしょうが、他をあたる気にはなかなかなれない。
それほどに旨い、絶品豆大福ですね。


(2011/12 再稿)

水戸への所用のおり、「小倉屋」さんの豆大福を買い求めます。
ひとつ120円の手軽な値段ですが、都心の老舗に比肩するかそれ以上のクオリティだと思います。

小さな平屋建ての店舗。
優しいおかみがいつものように丁寧に応対してくれます。
「作り立ては柔らかいので、しばらく置いてから食べていただくとコシが出てきます。でも、今日中に食べないと硬くなってしまいますので・・・・」
まさに自然のもち米で作った、生きている大福の証ですね。
クルマの中ですぐに食べると、たしかに搗きたての餅は、まだトロリとした感じです。
なるほど、搗き立てをこの程度に仕上げておかないと、時間が経つととても硬くなってしまうのでしょうね。

家に帰って、いつものように緑茶を淹れて。
搗いて５時間、なるほど絶妙な粘りとコシ。
この程度が、搗きたて餅の加減です。
あっさりした塩加減が絶妙な赤えんどう豆と絡んだ、ふんわりした香りの餅。
ご主人の親戚が近隣の茨城町内で丹精こめて育てたもち米を使っているとのことです。

北海道産の小豆を使った粒餡、しっとり、艶やか。
糖度を上げずに、ごくあっさりと、小豆の風味が生きる自然な甘み。
買った日だけ楽しめる、ホンモノの味ですね。


(2009/11 初稿)

茨城県庁にもほど近い水戸市笠原の住宅街に、とても旨い豆大福を売るお店があると聞きつけて、はるばると。
お店の前の生活道路を通っても、目立つ看板も掲げていないので、何度も通り過ぎてしまいます。
ようやく、白い暖簾がたなびく真新しい平屋のお店を発見。

対応していただいたおかみさんは明るい笑顔で出迎えてくれ、とても好印象です。
「作り立てですので今はとても柔らかいので気をつけて。時間が経つと硬くなってしまいます・・・」と、親切に説明してくれます。
豆大福は、ひとつ110円。

持ち帰り、丁寧に緑茶を淹れて、まずひと口。
つきたての餅を連想するふんわりとした口当たり。
質の良い糯米で搗いた餅自体がふんわりと旨い、最高の大福です。
流通側に都合の良いように混ぜ物をたっぷり入れられた大福とは全く違う、真面目に作った大福です。

餅が絡んだ赤えんどう豆は、わずかな塩加減で、とても上品な甘さと風味。
北海道産小豆を使ったという餡は、甘さをかなり控えていて、この控えめ加減が、赤えんどう豆の微かな甘みを引き立てているのでしょうね。

とにかく全体から受ける印象として、大福の既成概念を完全に覆されます。
大福というより、正月に振舞われる、懐かしい搗きたて餅とも言うべきか。
論より証拠、翌朝には見事に硬くなりましたが、トースターで軽く炙ると、それはそれで焼き餅風の旨さ。
材料の吟味、一つ一つの仕事の段取りも手を抜いていない、実直な仕事ぶりが分かります。

この中身で110円はとても良心的ですね。
老舗の百貨店や和菓子屋さんなどの、価格が倍近くするような大福と比肩するか、あるいは逆転するレベルかもしれません。