【淡路島・由良の心意気】地産・海の幸を食らい尽くす☆ : 地魚料理 海山

謹賀新年。
食いしん坊の皆さま、今年もよろしくお願いいたします。

新年1stレビューは、旅の思い出から。


旅の途中、決して一人では行けない店だろう。

カウンター6席とテーブル席、こじんまりとした家族経営の日本料理店。
若き大将と明るい奥様、潜水漁師のオヤジさんの3人で切り盛りしている。

オヤジさんが獲ってきた食材を息子の大将が調理して客に出す。
小さいが故、量が少ないが故、市場に出回らない希少な味が堪能できる店。
まさに地元でしか食べることのできない魚尽くしだった。

大将おまかせコースは通常３つ。
\5,400、\6,500、\7,600だが、この日は\10,000のグレードアップコースを予約済み。
ちなみに、てっちりコース・鱧鍋・淡路牛含め季節の魚鍋を予算に応じて予約可能。

ダウンライトで照らされる重厚なカウンターがショータイムの舞台。
小粋なお通しのあと、その舞台に次々に並べられていくのは聞いたことの無い名前ばかり。

■お通し
蛸旨煮、枝豆、白さ海老ボイル、大穴子焼きなます、モズク酢。
一つ一つは決して珍しい料理ではないが、同時に目にするとテンションがアップする。
モズク酢の酸味、蛸の甘みが食欲をいたく刺激する、、あぁ、、今夜も歯止めが利かなさそう。

■黒ウニ　造り
というか、殻付きの生うにである。
こんなの食べるの、初めてだ。獲ってきたウニをそのまま割って食べるなんて、これは贅沢だ～
自然な甘さと塩加減。いやぁ～～酒が進むなぁ～

■造り盛り合わせ
これ、驚異の盛り合わせだった。いや、「盛り合わせ」と呼ぶべきかどうかが悩ましい。
何故って、、、盛ってないんだもの～。ご覧いただいた通り、立派なカウンター台に次から次へと
小さくカットした魚たちがディスプレイされていく。幾何学的に・・・きっと大将なりの美学で。
しかも、聞いたことのない名前のオンパレード。

カイワリ（由良名：メッキ）、イボダイ（同：ボーゼ）、ヒメジ（同：ヒメチ）、軽く締めた鯵、針イカ耳、
蛸、夜鳴貝、カガリ、炙り鱧、ホウボウ、太刀魚、鯛、コチ、カマス、イシモチ、トラハゼ。

驚くなかれ、なんと16種類！！　16種類って、、、はぁ～～～？！
その刹那・刹那の味わいは当然のことながら一瞬。
素材の違い、生と炙りとの違い、調理法の違い、これらをレビューのために記憶に残すことは、
メモリー容量が１６ＧＢ程度しかない私には無理だった。
美味しい～～というより、驚嘆！という言葉で表現しておきたい。
機会があれば、その驚嘆をお試しいただきたい。
（さかなクンなら、全ての魚を言い当てられたのだろうか）

■てんぷら盛り合わせ
これ、美味かった～～！チューハイが進んで仕方ない。
めかぶ・きぬさや・スナップエンドウ・トマト・ヒイカの５種類。
カラッと揚がっているので、全く胸焼けしない。油が新鮮でしかも植物系だからかなぁ～
衣の中に個性と美味さを閉じ込めていたものが、噛んだ瞬間弾け、口中に広がる！

■マナガツオの背中＆腹・サバフグの刺身　
火を通したマナガツオは大好物、幽庵焼きがとりわけ美味しかった記憶があるが、
刺身で食べるのは久しぶり。
腹は柔らかく背中は歯ごたえを楽しめる。醤油よりポン酢が合うんだね。
サバフグもしかり。

■アワビの肝焼き
インパクト絶大な一品！　固形燃料でぐつぐつ煮る。焼いていく。香ばしい香りが立ち込め
よだれが垂れそうになる。。。（失礼！）
アワビを自身の肝で煮るんだもの、、濃厚で深い味わいになろうというものだ。
うまーーーい！ご飯が欲しくなるのは、私だけ？？？
歯ごたえも心地よく、味覚・嗅覚・視覚・触覚、全てで楽しめる料理。
これだけで酒を半合は飲めるなぁ～～♪

アワビを食べたあとは、煮詰めた肝とワカメが絡んだ素晴らしい酒のあてになっているではないか。
これは酒を飲まずにはいられない。。。
この日、地元・淡路島産の地酒（都美人）をたらふく飲んだ。
とてもふくよかでおいしい酒だったことはハッキリと述べておきたい。

■名古屋河豚藁焼き
これもまた美味い！　炙ったフグの香ばしい美味さ。
あっさりした味故、香ばしさが引き立つ。

■メバルのオランダ煮
Wiki先生によると、「オランダ煮（オランダに）とは、食材を油で揚げたもしくは炒めた後、
醤油、みりん、 日本酒、出汁などを合わせて作る煮汁にトウガラシを加えて煮た料理」
なるほど！　手間暇かかっているだけに、心して食べないといけない料理（ほかの料理もだが）。
メバルに煮汁がしみ込んでいて、とても美味しい～～。。「美味い」としか言えないわ、こりゃ。。。
いやーー。ご飯欲しい～～♪

■野菜サラダ
個性的で濃厚な料理の跡には、一服の清涼剤。
やっぱり野菜はたくさん食べなきゃね～～

■Kiss握り
爽やかな柑橘系の香りがふわっと漂い、とても美味しい♪
シャリは黒酢・りんご酢・米酢をブレンドしているという。
随所にこだわりを持つ大将らしい。それにしても上品な美味さ。

■サルエビ握り
しかし、何故サルと呼ばれる海老が存在するのか？？
再びWiki先生に登場してもらおう。
「十脚目クルマエビ科に分類されるエビの一種。日本の大部分を含むインド太平洋の熱帯・
温帯域に広く分布するエビで、食用や釣り餌に利用される重要産業種である」
「生きている個体は淡黄褐色だが死ぬと赤褐色になる」
なるほど！　確かに赤褐色だ。でも、海老本来の旨みは十分残ってる♪
うん。普通に美味しい海老だ。

■ハモのシンジョウ
地産の魚数種と鰹節で取った出汁を使用している。要するに地元の素材だけで取った出汁。
これまた絶品の美味さ！　ご飯が欲しい～～～！（こればっかだな、、、）

■タコの握り
■針イカ肝乗せ
■自家製一口羊羹　

冒頭にも触れたが、家族経営のこじんまりした料理店だ。
それゆえのアットホームな雰囲気と、妥協しない親子の職人魂が凛とした空気感となって
店内には漂っている。

カウンターに座り、大将や奥様と料理の話・島の話を。
オヤジさんとは珍しい魚や潜水漁の話を。

間違いなくここでしか体験することのできない思い出となるだろう。

都会の寿司店とはあまりに異なる内容に終始引き込まれっぱなしだった。
そもそも寿司を食べるのに高額なシャンパーニュなど必要はないのである。
ビールと地酒があれば充分だ。

ごちそうさま♪♪