明石の魚介を使った繊細で上品な料理の数々 : 一とく

両親を連れて明石へ。魚の棚商店街や明石海峡が見える絶景スタバ(神戸市ですが)に行ったりと一通り観光を堪能。
夜は予め予約しておいた一とくで食事をします。こちらは以前にも利用してかなり気に入っている一軒です(^_^)
ここは味つけが薄味・繊細なので、濃い味があまり好みでない両親の嗜好に多分合致するハズ。

予約時間の18時丁度にお店に到着。先客はカウンターに1人だけですが2階にも何人か客が居るみたいです。
我々は1階の小上がり席に案内されました。相変わらず清廉で凛とした割烹らしいイイ雰囲気です(^_^)

料理は鯛めし・蛸飯・煮付け・お造り等が定番ですが、仕入れより内容も値段もその日毎に変わります。
ちなみにこの日は予約時点で明石の食材を中心にちょっとづつアレコレ出してほしいとお願いしてあります。
各自ビールやハイボール等を注文して乾杯したのち、料理が適宜運ばれてきました(^_^)

・突き出し：穴子・アカザエビ・玉子焼き
いきなり好物の穴子が登場。炙った穴子ですが出汁に浸ったみたいにしっとりしてます(^_^)
蒸した穴子も上手いですがこっちの方が穴子の風味が強くて私は好み。味もなんか濃く感じます。
アカザエビの硬くて棘のある殻は綺麗に処理されています。チョイ硬めの食感で旨味が強いです。

・お造り：鯛・炙り鰆・雲丹
・カワハギの肝ポン酢
続くお造りは盛合せ3品とカワハギの肝ポン酢です。近海もののオールスターって感じのラインナップ^m^
鯛はやや厚めの切り口で旨味と香りが素晴らしいです。明石で喰ってるっていう高揚感もあって最高に旨く感じます。
モッチリした食感の鰆は脂ノリが良く炙って香ばしさも出ています。聞けば明石では鰆も結構出廻るそうです。
雲丹は淡路島産です。木箱そのままで出てきました。コクがあってサラッととける質感が堪りません(^_^)
そして一番の白眉はカワハギ。淡白な白身ですが肝が最高に旨いんです。しかもたっぷり和えてあります。
濃厚な肝をポン酢で割ってある味つけがめちゃめちゃ酒に合います。これは白飯とも絶対合うと思います！

・カワハギの煮付け
・ガシラの煮付け
煮付けは二種類。先ほど頂いたカワハギとやや小ぶりのガシラ(関東で言うところのカサゴ)です。
関東の甘辛でこってりした煮付けとは全く違う、魚自体の出汁を活かしたあっさり味の関西らしい煮付け。
色身が美しく魚の身がしっとりホロホロに煮えていています。何とも上品な煮付けですね(^_^)

・蛸飯
〆は蛸をこれでもかっ！ってくらい贅沢に使った蛸飯です。ご飯にツヤがあってほんのり桜色。
プリプリの蛸はそれ自体が最高に旨いですが米と合体すると更に最強です。この飯超旨いよ(T_T)
蛸の出汁が米に浸透していて蛸も米も両方旨くなっています。米の甘みは蛸の旨さと抜群に合います。
もともと蛸も米も大好きなので、この蛸飯は超ツボにハマりました。

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【最後に】
前回に引き続き明石の幸を存分に堪能できました。今回もかなり満足です。やっぱりイイお店ですね(^_^)
味つけは全体に薄味ですが、魚の旨さのツボはしっかり押さえられているので何を喰っても満足できます。
凛とした割烹の空気とアットホームなくだけた雰囲気が入り混じる感じも寛げてお気に入りです。
本日のお勘定は1人約7500円。ご馳走様でした。

【総評】
明石駅(兵庫)から徒歩7分ほど。繁華街の喧騒から少々離れた一角の一軒家で営業している割烹のお店です。
鯛・蛸・穴子といった明石を代表する魚介類に旬の野菜や日替わりの魚も交えて思う存分和食を堪能できます。
料理から指定するのではなく鯛を一匹使ってアラ炊き・お造り・障子焼き等に造り分ける融通も利かせてくれます。
繊細で上品な味わいの料理の数々についつい酒も進んでしまいました^m^

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外観は渋い一軒家で引き戸に小さな緑の暖簾がかかる簡素ながらも凛とした佇まい。
店内は1階がカウンターと小上がりで10人分ちょっと。2階席もありますが様子はうかがえませんでした。
お店は超血担当の物静かなご主人と奥さん(多分)にお母さん(多分)の3人で切り盛りしています。
席に付くと「寒かったでしょう」とお吸い物を出してくれました。こういう気遣いはとても嬉しい(^_^)

メニューは明石の魚介類を使ったお造り・煮物・焼き物等が一通り並びます。鯛めし・蛸めしは定番の模様。
品数としてはそんなに多くないので外せない鯛・穴子・蛸に加え、この日の仕入れでお勧めの魚も追加しました。
酒は地酒を中心に中々のラインナップ。最初は開運(静岡)からスタートして最後は芋焼酎にしました。

・突き出し
鯛の昆布〆・煮蛸・玉子焼きの3品。鯛や蛸があるあたり、既に明石尽くしは始まっております。
鯛は昆布〆の塩梅がかなり強めで身がねっとりしています。コレ旨味が強くてめっちゃ酒が進むよ(T_T)
煮蛸はシコシコした歯触りを残したタイプで鯛に負けない旨さ。玉子焼きもきっちり割烹の味わいです。

・穴子の山椒煮
山椒は控え目でそんなには感じません･･･というか、それよりも穴子の風味が圧倒します^m^
産地で食ってるという高揚感もあって、なんだかいつもの穴子よりも旨く感じるのは気のせいでしょうか。

・カワハギの薄造り・肝ポン酢
カワハギ自体はやや淡白で締った味わいですが肝ポン酢と合わさると旨味は数段膨らみます(^_^)
ポン酢の酸味に肝の脂肪分のコクが加わるとそれだけで酒の進む最強の組み合わせ。本体より旨いなコレ。
残ったアラは餡かけのお椀に。淡い味わいながらこちらも中々の美味。なんか良いモン喰った感が凄いです。

・ガシラのお造り
ガシラは関東でいうところのカサゴですね。地魚は地域により呼び方が様々でそれも一興(^_^)
カワハギに身質が似ていますが柔らかな分やや厚みを持たせてあります。旨さはこっちも負けません。
そして何より旨いのが軽く湯がいた皮と肝！外見のグロさからは想像もつかない上品な味わいです。
皮まで楽しめる分、トータルだとカワハギよりも美味しく楽しい魚かもしれませんね。

・明石鯛
明石鯛を丸々一匹使ってあらだき・野菜と合わせた蒸物・障子焼き(骨の焼き物)の3品を作ってもらいました(^_^)
甘辛なあらだきはプリプリな頬肉も旨いですが、皮・目・口周りといったトロっとした部位が更に旨いです。
出汁と合わせた蒸しものの上品さといい、野趣あふれる障子焼きといいプックリ肉厚の鯛はどんな料理でも最高です。

他にもサービスで鰯の丸干しと鶏肝の生姜煮まで付けてくれました。いや～、なんか至れり尽くせりですな^m^
鶏肝の生姜煮はお母さんの手料理なんですが、ビシッと生姜の利いたレバーは酒がめっちゃ進む味わいです。
これはサービス品じゃなくレギュラーメニューに昇格しても良いんじゃないでしょうか。絶対酒が売れますよ。

・蛸めし
土鍋一面にたっぷり蛸が敷き詰められています。うははは、こりゃ見るからに旨そうだ^m^
少量の醤油がご飯の甘味を引き立てていて、そこに蛸の旨味が充満しまくっています。コレ最高！
〆といいつつ、酒もすすんで仕舞う困ったご飯ですな～(^_^)

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【最後に】
全体に味付けは抑制が利いている感じですが、素材の力強さを楽しめて良かったです(^_^)
明石の魚介類のレベルが高いことはもちろん、こういう調理の方向性も旨さを引き立てています。
本日のお勘定は1人約8000円ほど。かなり飲み食いしまいましたがそれでこの値段は良心的ですね。
ご馳走様でした。