超久しぶりの関西出張で麺活(その３)、２日目の晩に選んだのはカリスマラーメン職人の店 : ロックンビリーS1

《店舗情報》
カリスマラーメン職人・嶋崎順一氏は、16歳の時アルバイト先でラーメンの作り方を教わって以来、ラーメン店を食べ歩き、10数軒の飲食店（ラーメン店を含む）で料理修業を重ねたそう
『支那そばや』の創業者で「ラーメンの鬼」こと故・佐野実氏や、「新横浜ラーメン博物館」の元広報担当の故・武内伸氏らの影響により、ラーメン一筋に生きることを決意
2005年12月26日に相模原市で『69'N'ROLL ONE(ロックンロールワン)』を開業しました
ちなみに屋号の由来ですが、「69'N'ROLL」は「ROCK」な生き方を表し「ONE」は順一の「一」を表しているのだとか
鶏と醤油が醸し出す圧倒的な旨味と嶋崎氏のユニークなキャラクターも相まって一躍人気店になりました
2011年2月26日に故郷の町田駅近くのビルへ、2013年には赤坂に移転したのち　2014年４月末に突如閉店
ラーメン界のレコード大賞と言われる「TRYラーメン大賞」を受賞し、醤油部門では6年連続1位を獲得した名店の閉店にラーメンファンが心配する中、今度は2014年7月11日に関西の尼崎市塚口で『らぁめん矢 ロックンビリースーパーワン』を再オープンさせました
《訪問情報》
超久しぶりに関西出張となり麺活、2日目の晩に向かったのはカリスマラーメン職人が営む『ロックンビリーS1』です
尼崎市ですがJR福知山線の塚口駅が最寄り、8月中旬の水曜日18時ちょっと過ぎに到着すると店外待ちは無く
そのまま螺旋階段を上って入店すると先客は1人、カウンター奥から2番目の席に案内され着席しました
《オーダー》
知りませんでした、ちょっと前から奥さんに替わって接客している若い女性が嶋崎店主の娘さんだったとは！
「尼ロック」「Ｓのロック」にも迷いましたが「元祖昆布水のつけ麺Ultimate(この日は醤油味)」をチョイスして、娘さんへオーダーしました
厨房では相変わらず嶋崎店主が黙々とワンオペ、先客も「つけ麺」だったので派手な湯切りは見れませんでしたが
ぼうっと厨房の様子を眺めていると、嶋崎店主から"つけ麺の食べ方"が記されたポップと薬味(刻み生姜、紫蘇、七味、胡麻、黒コショウペースト)が別皿で手渡されました
そしてオーダーしてから10分くらいで昆布水に浸された麺丼が着丼
《麺》
最近あちらこちらで見かけるようになってきた「昆布水つけ麺」ですが
2018年の大つけ麺博で『飯田商店』が「濃密鶏清湯と濃密昆布水のつけ麺」を提供しブレイクしたと記憶していますが
遡ること2014年くらいに、嶋崎氏が開発した「THE 俺のつけ麺」が「昆布水つけ麺」の起源なんだとか
指南書に記された通り、麺だけそのままいただくと、昆布水の粘りが麺によく絡んで喉ゴシと小麦の香りを楽しめます
ちなみに、麺は大成食品謹製の特注麺が使われているそうです
昆布の出汁が旨くて、これだけでも完結しているように思えてしまいます
《つけ汁》
続けて、つけ汁が提供され
熱々の漆黒つけ汁に昆布のとろみを纏った麺を浸して食べると、醤油の風味を纏った麺が独特の舌触りと食感です
つけ汁の醤油風味、昆布の旨味、麺の香り、が絶妙に重なり合っています
《トッピング》
麺丼には穂先メンマとレモン、鷹の爪
大判の豚チャーシューが垂れ下がったつけ汁の丼には鶏ムネチャーシューやらネギがトッピング
2種チャーシューのクォリティが高くて、黒コショウペーストを添えてダイレクトに肉の旨味を味わっても良し、汁に浸して食べるも良し
バリエーション豊かに切られたネギの食感もさすが
《所感》
途中で薬味を一気に投入して味変、黒コショウペーストは麺に付けるのが一番
食べ進めると底の方へ昆布の濃度がどんどん高まって、ネットリ昆布水を麺に纏わせて完食
麺が無くなったら昆布水をつけ汁に注いでスープ割として最後まで楽しみました
元祖「昆布水つけ麺」はなるほどと感心させられる逸品でした

《店舗情報》
ラーメン業界で嶋崎順一氏の存在を広く世間に知らしめたのは、2009年3月10日TV東京系列で放送された「最強ラーメン伝説2 これぞ必食のNo.1決定戦!!」と言われています
嶋崎氏が敬愛する「ラーメンの鬼」こと故 佐野実氏との出会いもそこだったとか
番組では佐野氏のほか「ラーメンの神様」こと故 山岸一雄氏、「ラーメン番長」こと『なんつっ亭』店主 古谷一郎、「神の舌を持つ男」石神秀幸氏を含む6人の審査員が実食し、唯一「参った」ラーメンに認定され、カリスマラーメン職人の称号を得ました
町田から2013年6月9日に赤坂へ移転した『69'N'ROLL ONE(ロックンロールワン)』を2014年４月末に突如閉店し
兵庫県の尼崎市塚口で『らぁめん矢 ロックンビリースーパーワン』を再オープンさせてラーメンファンを驚かせたのは2014年7月でした
《訪問情報》
COVID-19感染拡大による緊急事態宣言などもあって、国内出張も制限されていましたが
宣言解除され経済活動も再開ということで県境を跨ぐ移動も解禁となり、3ヵ月ぶりの関西出張です
尼崎界隈に訪問したので、昼食は4か月半ぶりに『ロックンビリーＳ１』へ
こちらは阪急神戸線の塚口駅、JR福知山線の塚口駅どちらからも微妙に離れており、阪急バス路線で向かいました
7月初旬の水曜日、西坂部バス停で下車して店舗に到着したのが12時ちょっと過ぎ
店外には12人の行列が、螺旋階段の下まで行列が形成されていました
午後の会議は14時からなので、何とか間に合うと思い接続しましたが、30分近く経っても全く行列が進みません
たまらず前の4人グループが離脱、その後急に並びが動きはじめ40分ほどで中待ち席へ移動できました
店内はカウンター8席で、中待ち席には4人というコロナ対応の営業
今では創業当時のように、厨房では嶋崎氏のワンオペスタイルに戻っています
そう言えば女将さんの姿が見当たりません、若い女性が接客とご飯ものを対応しています
それにしても回転が悪いので、タクトタイムを計測してみると
見ていると店主さまは１ロット通常2食、グループが3人の時のみ3食いっぺんに調理しています
この日の1ロット調理するのに要した時間は約7分半、とある情報ソースには1ロット当たり約4分となっていたので意図的に調理のスピードを落としています
回転が悪い理由が分かったので、自分の着丼予想時間を算出すると余裕で帰りのバス乗車時間に間に合う見込み
ちょっと安心したところで若い女性店員さんからカウンター入口側の角席に導かれました
《オーダー》
着席すると直ぐに注文を聞かれ「尼ロック」をオーダー
予定着丼時刻を楽しみに店主さまのストイックな所作を眺めていると、どうも湯切りをする様子がなく時間が経過していきます
様子がおかしいと思っていると、なんと自分の前の客が「つけ麵」だったのでロットがズレた模様
このまま8分近く提供が遅れると、バスの時間に間に合わなくなるとドキドキしていると、4分後(通常のタクトタイムですが)に着丼しました
《スープ》
「鶏と醤油だけで勝負」というスタイルはここも同じ
赤褐色の清湯スープの表面に黄金の鶏油がキラキラに輝くビジュアル、ひと口啜るとキレのある醤油の香りが鼻孔を刺激
続けて鶏の旨味がしっかりと、芳醇な鶏油が深みを加えて、さすがの味わいです
ちょっと久しぶりの「尼ロック」、『69'N'ROLL ONE』の「2号ラーメン」の延長線上にあるラーメンなんだそうです
店主さまブログによると「2号ラーメン」は初のオリジナルラーメンで、比内地鶏を中心に使い、鶏の旨味を引き上げたり足りない旨味を少量他の食材から加えた鶏醤油ラーメンが“足し算の「2号ラーメン」”
そこから比内地鶏以外の食材を全て引いてしまい、鶏と純水、そして生醤油を火上げしたタレのみを合わせたのが「尼ロック」で、言わば“引き算の「2号ラーメン」”ということになるのだそう
《麺》
麺は大成食品製の特注麺だそうで、滑らかな麺肌の中細ストレート麺です
ちょっと柔らかめの茹で加減がツルツルな食感と繊細な喉ゴシを演出しています
小麦の香りが仄かに感じられ、スープとの相性が抜群で相乗効果で旨さが増すようです
《トッピング》
具材は、穂先メンマ・刻みネギ・チャーシュー
ネギの香りが印象的で、エッセンスになっていました
《所感》
12:50には売り切れ宣告、客層を見ると、店主さまの拘りがごれだけ理解されているのかちょっと不安を感じます
平日のこの場所でカジュアルな店を目指しているとも思えず、中途半端な地域とのミスマッチングが今後どうなっていくか見守っていきたいと思いました

ラーメン業界では既にカリスマである嶋崎順一氏は、16歳の時アルバイト先の料理人にラーメンの作り方を教わって以来、ラーメン店を食べ歩き、10数軒の飲食店（ラーメン店を含む）で料理修業を重ねたそう
過去に3軒のラーメン店で修業した経験を生かして1999年8月にオープンした相模原市『キリン食堂』の店長として切り盛りしていた頃に出会った『支那そばや』の「ラーメンの鬼」こと故・佐野実さんと、「新横浜ラーメン博物館」の元広報担当の故・武内伸さんらの影響により、ラーメン一筋に生きることを決意
2005年12月に相模原市(最寄駅は町田)で『69'N'ROLL ONE(ロックンロールワン)』を開店しました
ちなみに屋号の由来ですが、「69'N'ROLL」は「ROCK」な生き方を表し「ONE」は順一の「一」を表しているのだとか
鶏と醤油が醸し出す圧倒的な美味さと店主さまの独特なキャラクターも相まって一躍人気店になるも
2011年に町田駅近くのビルへ、2013年には赤坂に移転したのち　2014年４月末に突如閉店
ラーメンファンが心配する中、今度は2014年7月に関西の尼崎市塚口で『らぁめん矢 ロックンビリースーパーワン』を再オープンさせました

JR福知山線・塚口駅から徒歩７～８分という決して良くはない立地
2月中旬の金曜日12時半に到着すると、この日は外待ちはなく入り口を入って中待ち席へ着席
直ぐに一番奥のカウンター端っこの席に着席しました
名古屋の超行列店『紫陽花』で「昆布水つけ麺」を食べて、ルーツの味を確かめたくて「元祖 昆布水のつけ麵 Ultimate 塩味」を注文
一説によると「昆布水つけ麺」は、『ロックンビリーＳ１』の嶋崎氏が2014年くらいに開発した「THE 俺のつけ麺」が起源とされています
1,500円という強気の価格設定に「提供までお時間がかかります。お急ぎの方はご遠慮ください。」と覚悟を問われます
厨房で店主さまが調理する所作、湯切りパフォーマンスに見惚れながら待つこと30分弱
店主さまから「まずは麺だけそのままに、そのあとつけダレ、さらに薬味で味変、昆布出汁につけダレあわせて味わうべし」と食べ方の指南を受けながら、まずは麺だけ提供、穂先メンマと星形のレモンが目を引きます
言われた通り麺だけスルスルと、昆布水の粘りが麺によく絡んで喉ゴシと小麦の香りを楽しめます
昆布の出汁が旨くて、この丼だけでも完結しているように思えてしまいます
続けて、つけ汁と薬味(刻み生姜、紫蘇、七味、辛味ペーストは柑橘の香りと辛味)の別皿が提供されました
大判チャーシューが丼に垂れ下がり、黄金つけ汁には鶏ムネチャーシューやらネギがトッピングされていて凝りに凝っている印象
熱々の黄金つけ汁に昆布のとろみを纏った麺をつけて食べると、独特の舌触りと食感です
つけ汁の旨味、昆布の旨味、麺の香り、が複雑に重なり合って不思議な味わい
小口切り、斜め切りの葱の食感もしっかりアシストしていました
2種類のチャーシューも贅沢の極み、汁に浸して肉の旨味を味わっても良し、薬味を付けて食べるも良し
食べ進めて行くと、麺の下に昆布がヌルヌルと隠れていることが発覚
どんどん粘度が高まっていく昆布水を麺に纏わせて、ツルツルと麺を啜り続け
途中から別皿の薬味を加えて、それぞれ異なる香りや味わいの変化をしっかり感じながら完食
麺が無くなったところで昆布水をつけ汁に投入して最後まで楽しみました

元祖と謳うほど、なるほどと感心させられる逸品でした

2005年12月に相模原市で『ラァメン家 69'N'ROLL ONE』をオープンさせた店主さま、その後2011年２月に町田駅前に移転
そして2013年６月９日のロックの日に都内の一等地、赤坂へ店を移転オープンさせたと思ったら
その店を2014年の４月30日に畳んで、何と兵庫県尼崎市に『らぁめん矢 ロックンビリーS1』の屋号で2014年７月11日に店をオープンさせて復活
驚いたのは、尼崎市でしかもJR宝塚線の塚口駅から少し離れた微妙な立地
これまで5度ほど行きましたが、平日の昼はだいたい中待ちがある程度の混み具合でした
ところが今年の5月に訪問すると螺旋階段の下までの大行列に訪問を断念
1か月後の尼崎出張でリベンジです
木曜日の12時ちょっと過ぎに到着すると、やはり螺旋階段の下まで行列が形成されてました
今回は１時間ちょっと余裕があったので怯まず、およそ外待ち15人超に接続しました
なかなか前進せず初夏の日差しに焦げそうになりながら待っていると、12時半くらいに売り切れ宣告
結局1時間待ってようやく着席できました
注文したのは、筆頭メニューの尼ロック
ストイックな店主さまが、正確なルーティーンと湯切りパフォーマンスで黙々と調理されている様子に関心していると着丼
黄金色した比内地鶏の鶏油が表面を覆う淡麗系のお手本のようなビジュアル
まずは琥珀色したスープをひと啜り、鶏の豊潤なうま味と生醤油の芳醇な香りに圧倒される絶品スープ、旨くてレンゲが止まりません
鶏と水と醤油だけでスープを炊いているとは思えない逸品です
小麦が香る中細ストレート麺は、なめらかでツルツルした口当たり、喉ゴシも抜群
大判の豚チャーシューは脂が程よくのっていて柔らかく、肉質の良さが堪能できます
穂先メンマは柔らかくシャキシャキの歯応えがアクセントになってました
あっという間に完食完飲
相変わらず近所のご常連と思われるお客さんが多く、大行列店になっても地元・塚口に愛されている様子がうかがえました

一年ぶりの訪問
金曜日13時の訪問だったが空席あり
東京時代の懐かしの中華そばが新メニューに加わったとのことで、東京醤油をオーダー
まずはスープを一口、それほど主張はしていないが仄かな煮干しの香りが食欲をそそる
続けて麺を持ち上げると細い縮れ麺が懐かしさを演出
トッピングは穂先メンマと刻みネギとナルト、芽ネギは丼に盛り付ける前に根からカットする拘り様
焼豚にも麺湯切りにも相変わらず仕事の丁寧さが感じられ納得の旨さでした

Ｓのロック
アッサリとして抜群の完成度、満足

個人的には、尼ロックが好み

尼ロック
テッパンの淡麗醤油ラーメン、醤油の上品な香りがメッチャ旨し

Sロック
俺のつけめん
尼ロック
淡麗系の典型、テッパンの旨さ