地元の美味いパン屋 : リョウイチヤマウチ

春分の祝日を利用して実家の西宮に戻った。年末年始に戻って以来なので約2カ月振りである。海外駐在していた際は当たり前だがこうも簡単に戻ることは出来ない。勿論、日本の場合でも、流石に金曜日の夜に戻り日曜日の夜に再び東京ということとなると、何だか勿体無いので、休日を利用してと少し余裕をもってということに限るが・・・

地元の夙川・苦楽園はパン屋の激戦地であるが、特段に贔屓にしている店がある訳ではない。どの店もこの小さな郊外の街で頑張ってくれると嬉しいし、毎日、今日はどこの店で買おうかと思い考えるのが楽しいのである。それは偶に帰る際の一つの恒例とも言える。

この日は、戻った翌日の朝で、これは家人が求めてくれていたもの。最近は惣菜パン一辺倒ではなく色々なものを食べるが、それでも惣菜パンは食べた気がしっかりするのでやはり選ぶことが多い。家人もその辺りを理解しているからこそ、そういうものを選んだのだろう。
このパンは「ちょい辛マルゲリータ」というもの。この店はどちらか言うと、気骨があり求道的とは言わぬが、とてもしっかりしたパンを提供する人気の店で、少し遅めに行くと殆ど売り切れている。地域のパン屋の中でも評判の高い店。
その割には、パンの名前がくだけた感じだが、食べてみるとその通りであり、まさにちょっと辛くて、マルゲリータに似た様な味で、偽りなしであった。一人暮らしの普段の平日の朝にパンは毎日食べぬが、食べてもコンビニのものである。それを立ったままコーヒーあるいは牛乳等といそいそと食べて会社に行ったり、そのまま、在宅勤務となる訳だが、やはり、たとえ一つのパンでもゆっくり食べることが正しい。家人と一緒なら尚更のこと。実家に戻るとどうであれ、少しはまともな朝食ということである。

日本に帰国する度に、近所にあるベーカリーを交互に利用する。少し足を延ばす必要のあるところばかりだが、都合７軒程あるのでありがたい。別に一軒でも一回に食べるのは一つなので構わないが、違う店を除いて明日の朝食はこれにしようと選ぶのはやはり楽しいことである。

今回は、日本に帰国した翌朝のもので、家人が求めてくれていたもの。ゴーダチーズとベーコンというものでシンプルで定番のもの。一度温め直すが、固まったゴーダチーズの香りが濃厚でカリカリになったベーコンの歯応えも良い。チーズも同様にパンより垂れた部分が、餃子でいう羽の様になっておりクリスピーである。生地は柔らかめだが、しっかりとした弾力もあり、噛むば噛むほどパンの味が染み入る様で充実している。

このパン屋の其れはどれも外れがなくて安心である。

春節で日本に一時帰国した際の三日目の朝に、前回の帰国と同様に再び店に出向き求めた。今回は、何やら細長いパンで中に牛蒡とベーコンが配されたもの。

このパン生地が実に、もっちりとしており、何でもそうだが、殆ど咀嚼をしないのだが、この生地は噛み締めれば締める程に、パンそのものの旨味が増す様で、成程なあという感じである。具材の牛蒡とベーコンの塩梅、組み合わせも実によい。
パンは一つだけだと、何やら存在感が小さいものもあるが、このパンは外観こそ無骨だが、中身の充実感は極めて優れている。

ここのパン屋は店の中も洗練されており、何やら洒脱で瀟洒な感じもする。香ばしい匂いに囲まれてパンを選ぶこと自体も楽しい。とても良いパン屋である。幸せなブレックファーストだった。人はパンのみにて生くるにあらずだが、裏を返せばパンはとても生きるに際し重要であるとの意味もあろう。日本のパンは総じてレベルが高くて、一時帰国した際の一つの小さな愉しみである。

年末に日本に帰国した日の翌日の朝のパン。家人が買ってきてくれたもの。この店のＲＥＶＩＥＷは10年程前に既にしている。その後、東京他に異動をしていて自宅のある苦楽園界隈の店を利用するのは、久し振りになる。
このパン屋も変わらず頑張っているのだな。良いこと。この界隈は美味いパン屋が幾つも有り、東京に居た際に比すととても便利。朝食はほぼパンだが、たった一つのパンだが色々沢山あるものの中から気分に合わせてパンを選ぶのは楽しい。もっとも、それは休日に限られるのだが・・・

今回、食べたのは「トマトとツナのクロワッサン」（270円）。こうした形態のクロワッサンは珍しい。通常はあの三日月の形でそれを半分に割いてその中にハムだとかチーズを挟むことが多いが、このパンは生地はそうでも形は正方形でそこに窪みを設けるかたちで具があしらわれている。

うむ、さくさくとしたあのクロワッサンの生地に相違なく、トマトの酸味にツナの程良い塩分がマッチしており、ツナがボリュームを上手に増しており、きちんと食べたという充足があった。「うん、このパン美味い！」と数度独り言ちた。蘇州では家の近所にあったパン屋が春節前に立て続けに3軒も閉店し、今、不自由をしている。代わりに朝はバナナにヨーグルトか、フリーズドライの粥みたいなもので凌いでいるが、休日にパンを求め、その昼下がりに菓子パンを一つ。翌朝に、サンドイッチなどを食べるのが細やかな楽しみであったのだが・・・

うむ、パンも日本人ならではの拘りが反映されるひと品だが、小さなパンが与えてくれるのは、小さな幸せであるのは間違いないな。長閑な休日の朝なら尚の殊。

店に立ち寄るのは久し振り。
平日は無理だし、いつも売切れで閉まってるイメージなのだけど。
休日に鮨を食べた後に、翌朝の為に購入。
今回購入したのはカレーパン。
大人のカレーパンである。ルーの絶妙な辛さがいい。
総じて、この店のパンの評価が高いのは理解出来る。
簡単に言うと、密度が濃く、凝縮されたパンで That' s it !!!　という感じだからである。
本物ってことだと思う。


（２００８年８月）再訪
今回は比較的早めに訪問。
ロースハムとモッツァレラのフランスパンを購入。
ブールみたいな丸い形のパンで、歯ごたえしっかり中身も旨いのである。
レジのところに予約の紙がベタベタとすごい量。
山食とかだけでなく、菓子パンも惣菜パンも予約で殆ど占められる様子。
うむ、かなり上質のパン屋だな。漸くその実力が見えてきた。


家内と散歩や買い物がてらに横を通る時に、「ここでパン買ったことある？」
と聞いたら、「いつも殆ど売り切りで商品が少ないんだよね」との返答。
確かに、そう店舗の大きく無いパン屋で、殆ど商品が無い状況で店に入ると、
何だか買わないと気の毒な感じもするし・・・　　難しいのである。

寿司を昼食に食べた後に、家内の提案で、まだ早いから大丈夫かもとのことで突撃！！
しかし、何だか商品が少ないのである。他のお客さんも何か確認をしていたけど
「予約しなきゃいけませんねえ～・・！」との言。
う～む、その時の気分次第でパンを購入する僕としてはなあ・・・
山食とかならいいけどね。そもそも１２時半ごろでもう殆ど無いなんて？？
結局、「粗引きソーセージ」を購入。
実は、僕は大学時代、大学の近くのパン屋で、中学時代の友人がその店長をしていたので、
バイトだが、パン焼き職人でもあったのである。
今でも左腕には、釜出しの際の火傷の後が、うっすらと残っている。懐かしいのである。

このパンは、まあ簡単な方。
ソーセージに帯状の生地を巻きつけて発酵。
その後、上に、切り目等を入れタルタルやケチャップを乗せてから焼くというシンプルなもの。
それゆえ、生地の旨さと巻き加減（発酵も）と焼き加減が大切。
今朝の朝食で食べたがＰＬＡＮＥな味で良かった。

注文としては包装。紙での包装なので、一緒に購入したクッキーのパッケージに、
油が、結構付いていた。改善したほうがいいだろうね。
いいものを少量作るということなのだろうなこの店は。