下町を極めれば至福なり : 守破離

もうすっかり我が家の様になってしまったこちらのお店。今日は年末最終営業日という事でおそらく満員だろうが、丁度予約客が先程何人か帰られたところの様で運良く席が空いていた。(^-^)

閉店間際の時間に訪問するとたまにママより大説教を食らう事があるが (^^;; 今日のママはご満悦。(笑)
30分ぐらいのステイで入れて貰った。(=^x^=)

東京下町酒場のスプリッツをどの店よりも強いコンセプトで抱いている店…
言われなくても自然にオーダーしちゃいますよ、一杯目は…

ホッピーの黒

黒をオーダーするのがミソです。(笑)

既に軽く食事を済ませて来たのでそれほどお腹が空いている訳ではない。

ママ、軽く何か見繕ってよと言うと…

任せなさい！とママ…(^-^)

まずは

マカロニサラダ

美味いんだな〜ここのマカロニが。(o^^o)
こいつを軽く嗜みながらホッピーで喉を潤す。
キンミヤのホッピーは美味いわ、やっぱ。
最近関西でもホッピーを出す店は増えてるけど、さーって、キンミヤの三冷で出してる店がどれだけあるか…

お後は…

おでん！

余り物やでとママは謙遜気味だが、
この時間にこの店のおでんが食えるのは超ラッキー。大阪と京都両方で育ったママならではの双方の味を融合したこのおでん。スンバラシイの一言ですな。

これも良かったら…ママ曰く

これとは？

おお！

これですよ、これ。(^^)

必殺、煮込みホルモン西成きらく上品バージョン。

まあ、いっぺん食うてみなはれ。
きらくに行けんようになりまっせ。(笑)

最後はこいつで〆よう。

牛乳ハイ

関西にはないこれも東京下町ご用達。

調子乗って飲むと足にきまっせ。(^_^;)

今日も至福の時を過ごさせてもらいました。

ママ、来年もよろしくね。

いつしか自分の事を運命論者だと語った記憶がある。

当たり前の事だけど私たちは天文学的なミクロの確立でこの世に生を受け、
そして再び天文学的なミクロの確立で普段何げなく顔を突き合わせている人と
出会う。ある時はその人間を我を失うほど愛し、ある時は抹消したいほど憎む。
運命に向かって走り続けている私達は実はその過程で自ら運命を作り上げている。
実は潜在意識の中にある自身の渇望がその渇望に出会うための礎を日々瞬間瞬間
の生命サイクルの中で密かに生成を繰り返しているのだ。そしてその渇望へのトンネルを
自ら掘り続けて行き、トンネルを潜り抜けたところで待っていたのが「運命の出会い。」

「俺はこの人に会うために生まれてきた」

ラブソングの歯の浮くようなセリフの様だが、これは人間が実は運命を自分で
作り続けている事の証なのだ。

今日お話しするのは「運命の出会い」の話。

４年前に私はふとしたきっかけで食べログを始めた。
「レビューというものはインパクトがあり楽しくなくてはならない。」
このポリシーがあるがゆえに通常ではあり得ない様なレビューが産出される事もあり
時には批判され馬鹿にされる事もあった。しかし私のポリシーを理解してくれた人達に
私のレビューを愛して頂き、その方々の後押しにより何度も辞めようと思った食べログを
私はがむしゃらに描き続けた。一般の読者の方々は勿論、同じ食べログレビュアー同志
お互いのレビューを尊重し、同感し、その上で時には実際会って食・酒を共にし、友好を
深めていく。

そんな中、私のレビューを愛してくれているレビュアーさんの中のお一人のお誘いで
神戸である店を営んでいるママさんと３人で飲み会ツアーをする事になった。
場所は西成。西成に普通についてくる女性、それだけでも只者ではない。（笑）
そして実際に会ってみると・・「おっさんの中のおっさん！」（笑）
もちろん中身がという意味である。言い方を変えれば男以上に男前なママさん。
同行者のレビュアーさんがこのママさんに惚れるのも分かる。
もちろん飲み友達としての意味である（笑）。
それ以上の事は私の知る範囲ではない・・・

このレビューはそんな運命の出会いをしたママさんの「お店」の話である。
ここからが本当のルー・フランクのレビューになる。

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５連チャンで毎晩酒飲みまくって体がボロボロですわ（笑）。

今日こそは家でおとなしくしてよう・・
とは言っても家のみ・・味気がないなあ～
あ～飲みに行きたい！(;^ω^)

京橋の帝王を誘いたい気もするが先週も誘ったしなあ・・
あんまり毎週誘うと・・・

おのれはホモかい！！

と言われそうやしなあ・・・( ;∀;)

やっぱり家飲みやろか・・((+_+))

ん・・
守破離ママからラインや・・

「今日店メッチャ暇で困っとんねん。約束ないんやったら来てえなあ・・」

しゃあないなあああああああああああ！！人助けやと思っていったるか！

せっかくゆっくり家飲みしようと思ってたのに、迷惑千万や！
・・と言いながら神戸に向かって足早に歩いとるわしはなんやねん（笑）

大阪のどぐされタウン西成・京橋・鶴橋・難波を活動拠点にしてるこのわたいが
神戸に飲みに行くなんてよっぽどの事や。

まあ一言で言えばこの守破離ママに惚れこんでるんやろな・・
お店のオーナーとしてという意味でっせ。
いや・・女性として惚れていない部分が全く無いと言えば嘘になるようなならないような・・(^-^;
どうでもええわ、そんな話！（笑）

しょうむない事言うてるうちにJR三ノ宮駅に到着や。
東口を降りて中山手通の繁華街の方に・・・
何回来ても分かりにくいところや・・(^-^;
しかし道に迷ったなんて言うて電話なんてしようもんならどんだけ馬鹿にされるか分からん・・( ;∀;)
意地でも自分の力で探したる！

・・・・やっと到着や
駅降りてから20分。
何が徒歩3分や（笑）

しかもこの店のビルが3階建てやから・・・階段や。
殺す気かホンマに　( ;∀;)

やっと店の前に到着や！
普段運動してへんから3階でも息切れや・・(+_+)

「ママ～　着いたで～！　暇やから言うて遊んどったらあかんでしかし！」

満員やがな！（爆）

相変わらず男をだますテクは超一流や(笑）

ここに来てる客みな同じ手口で騙されたんとちゃうんかいな（笑）

まあ・・・しかし端っこの席ちゃんと確保してくれてるわ。
さすがママやね・・俺に惚れてるだけあるわ（笑）

取り敢えず20分間ウロウロしたから喉からからや・・

「ママ・・取り敢えず生くれや、生」

「生？何眠たいこと言うとんねん。ワシの店来たらまずはホッピーやろが！」

「あほたれが！このテンションでいきなりホッピーなんかガブ飲みしたら天国一色線やろが！
生や、生！」

「しゃあないな・・酔って後でセクハラされても面倒やからな。ほな生にしとき。」

いきなりセクハラ親父呼ばわりかいな　(^-^;

まあこんな口の悪い男勝りのママでっけど店のオーナー・調理人としては超一流や！

そのへんのしょうむない女にこのルー・フランクが惚れると思いまっか？(笑）

何度かお話しした事ありますけど、私東京下町酒の大ファンですねん。
きっかけは何か忘れましたけど、昔なぎら健一が下町豪遊する番組を見てから
そのなんとも言えぬコアチック性と情緒に一目ぼれをしたのがきっかけだった様な気がします。

その私の嗜好にようやく世間が追いついたのが最近。まあホッピーを出す店はちょくちょく
増えて来ましたけどどうも本物志向性が少ない。その後名酒「電気ブラン」もちょくちょく
出てきましたけどまだまだ。

この店守破離はそういうものを超越しとるんです。

ホッピー？なんやそれ？置いてて当たり前やがな。
電気ブラン？何が珍しいの？普通に飲むがな。

こんな感じですわ。(^-^;

あまりメニュー類を羅列するのはポリシーに反するんでっけど、コアなもんは別です。

取り敢えずざっと思いついただけでもこんな感じかな。

三冷ホッピー
キンミヤ焼酎
ホイス
ブラジャー
サンピースハイボール
トンボワイン
めかぶハイ
キンミヤハイ

どないです、マニア諸氏？
よだれが出ますやろ？（笑）

まず三冷ホッピーの三冷というのはホッピーを美味しく飲む飲み方の事ですわ。
ホッピーを美味しく飲むには、ホッピー、焼酎、グラスの3つをキンキンに冷やして飲むのが一番で、これを三冷
と言いますねん。関東では普通に出回ってる表現ですけど、関西ではまだ馴染みが少ないようでんな。

次にキンミヤ焼酎。これは三重の焼酎なんですけど関東の下町では当たり前の様に出回っている焼酎。
普通に飲んでも美味しいんですけど、定番は「シャリキン」と呼ばれる焼酎を凍らせてシャーベット状にして
飲む方法。日本酒では時々あるけど焼酎では珍しいですわな。これがまた美味くてついついリピートするから
酔いが回るんだ（笑）

ホイス
これがまた珍しい。(^-^;
昭和レトロファンが涙を流して喜びますわ。
このホイス言うのは昭和30年頃焼酎やウイスキーがまだ高級品だと言われていた頃
街に出回っている焼酎は質の悪いものが多く、その臭さを緩和する為に生まれた
ノンアルコールドリンクで、ホイスそのものではなく、焼酎にホイスと炭酸水で
割ったものを総称でホイスと呼んでるんです。いわばハイボールの前身ですわ。
美味い酒っていうより昭和を懐かしむ酒ですな。
この酒は特約店制なのでそんじょそこらの酒場では飲めませんで。
もちろん神戸で飲めるのはここだけですわ。

ブラジャー
これはメニューにも書いてますがブランデーをジンジャーで割った
れっきとしたカクテルで、今横須賀ブラジャーっていうのが流行ってます。
あんまりママの前で露骨に「ブラジャー！フラジャー！」言うたらあきませんで（笑）

サンピースハイボール
これも知る人ぞ知る昭和の名酒ですな。
戦後の低迷の中「太陽の恵み」と「平和」をもじってつけられた酒。
きんみやの製造元と同じ宮崎酒造の酒ですわ。
これを飲むと戦後の人達は純粋に酒を心から楽しんで飲んでいたんだな～ってのが
頭に浮かびますね。

いやはやおそれいりますわ。
三冷だけでも凄いのにこれだけのラインアップを揃えるとはね。

ママが類稀なる努力家である事は間違いないのですが・・接してたら分かりますよ・・(^-^;
突進型ですわ！(笑）

さてこれだけ関東下町の酒が出るんやったら料理も関東下町バリバリ！

・・・思うでしょう？

これが違うんです。

ママの言い方真似しましょうか？

アホタレが！　料理も酒も東京の下町風で出しとったらただのパクリ店やんけ！
わしを誰や思てんねん！守破離ママやで！

このレビュー、守破離ママに見られたら殺されるかな？(笑）

何やと思います？

大阪名物西成ホルモン他大阪の下町料理ですわ！

最高でしょ？
酒は東京下町、料理は関西ドヤ街仕立て。
大衆酒場好きにはたまらん店ですわ。

残念ながらこの日はあんまりホルモン食べてませんねん。
前回来たときはホルモンがっつり食いましてんけど・・どういう訳か写真が消えてしまいましてん（いや、写真撮ってないやろ（笑））

この店の料理は基本ママのお任せです。
お任せ3品とお任せ6品の2コースのみ。
がっつり行きたい時は最初から6品行ったらええし、まずは軽くという時は3品でスタート、
その後追加するも良し、酔って勢いで6品追加するも良し。
もっと酔ってママに余計なもんおねだりしたらあきませんで（笑）（それはお前や！）

このママさんが、実はアレンジメントの天才ですねん。

ある店で覚えたという「ごぼうの唐揚げ」
何気ない料理やけど、ママの手にかかったら割烹料理や！(笑）
今日は絶品ごぼうの唐揚げからスタートですわ。

後は煮物やらなんやら頂きましたけど・・・ママのトークで爆笑し続けて料理の味あまり
覚えてませんわ。(^-^;

ほんまはおっさんちゃうの、ママ（笑）

この店予約制じゃないですけど・・まあ予約して来たが無難でしょうね。
私の様に騙されて店に来る人は別として（笑）

実際この日も名物のホルモン串焼きと煮込みや売り切れ。
まじな話何とかラストの一席で入れたものの、あと30分ぐらい遅かったら
アウトやったかも・・(^-^;

この日もママの「ごめんなさいね、満席なんです～」の声が何回も響いてました。
そういう時だけしおらしい声出すんですな(笑）

長々とふざけた事書いて来ましたけど・・・
冒頭で言った「運命」はこの店を「運命の店」と思ったので書いた次第です。

自分が運命インパクトを感じた店をシェアしたいが故のレビューです。

最後に一つだけ警告・・ママに絡まれない様に（笑）　←冗談です。

〈2017年3月再訪〉

もう何回目の再訪だろう。
我が家の様になってしまった・・（笑）
とは言いつつもまだ常連の域には達してませんけどね　(^_^;)

この店の真髄であるところのホルモンを中心とした料理をいくつかアップしました。
鮮やかなピンク色の冷製タン、一度食べてみて下さい。この店のレベルの高さが分かりますよ。
ホルモンの事をろくに分かってないおっさんが言っても説得力ないか（笑）