ブルーベリーの頃 : ミルティーロ

ブルーベリー繋がり…ん？　あれッ？　あはははは、書いてなかった。
繋がりとなる店、最後に食べたのがブルーベリーだったんで、本当なら繋がる筈だったのに、ね。って、繋げろよ（笑）

嗚呼　君の笑い声が呼んでいる　あんなにも遠く
寝転んだ僕の両手を擦り抜けた　雀斑の少女

なぁんてことを口遊みながら、本篇本篇。
最近、千歳と札幌市内を車で移動する機会が比較的多いのだが、営業時間内にうまく嵌ると、今は此方の店に寄ることが存外楽しみになっている。

ベリーファームと云う千歳では新しい部類に入る農家がある。3年程前から７月下旬から９月上旬にかけてブルーベリーの観光農園もやっており、有機JAS認定農家だ。
其の農家が、ブルーベリーを知って欲しいとの強い思いからジェラテリアを開業した。立ち寄ることを楽しみにしているのは、其のジェラテリアである。
店名にイタリア語のブルーベリーを付けていることからも其の思い入れは伝わってくるし、旬の味を謳うジェラートは常時10種類以上あるが、ブルーベリーが使われているものが必ず複数種類用意されている。
拙い経験で申し訳ないが、過去訪問したことを書けば、ブルーベリーは常時4種類用意されていると思う。一番人気はやはりブルーベリーらしく、時間帯によっては、其の中の一部は売り切れになっていることも珍しくない。
眼にもよく、抗酸化作用があるとなると、爺ぃにはブルーベリーは良い食べ物と云うことで、ブルーベリーをジェラートにすると云うの特性を考えればよく出来たものだと感心した。

嗚呼　青いブルーベリーが実ったね　あの頃のように
待ち侘びた君の涙の粒のよう　今何処に居るの

店の目の前はブルーベリー畑で、気持ちの良い季節なら心地よい風に揺られて、オープンデッキでジェラートを楽しむのも良いだろうし、寒くなると店内中央に陣取る薪ストーヴが体を温めてくれるので、道内の冬の過ごし方としては「あり」の店ではないだろうか。

ジェラートはシングル、ダブル、トリプルを選択し、好みに応じてカップかコーンと云うのが普通なのだろうが、個人的にはワッフルパフェ（数量限定）がお勧めだ。
好みのジェラート2種類、生クリーム、旬の果物にワッフル2枚分と結構ボリュームがあり、昼前後なら此れに珈琲で十分なぐらいだ。
嬉しいのはワッフルが甘くないので、ジェラート、生クリームの甘さをしっかりと支えてくれることだ。焼き立てのワッフルは香ばしい香りも振り撒いてくれるので、目の前に登場した際は嬉しさ倍増だ。
ワッフルは別売りも可能なので、何度も訪問が出来る方なら、ワッフルを単独で食べてみて、合いそうなジェラートを選択してみても良いかもしれない。
ジェラートと云う氷菓自体が、一般的なアイスクリームと比較して空気含有量が少ない分、密度が濃く、味にコクを感じ易い。亦、乳脂肪分もアイスクリームより比較的低カロリーであり、そういう点からも道内のアイスクリームと食べ比べるとあっさりした感じになるだろうか。この辺を認識して味を撰ぶ方が良い結果につながることが多い。

ブルーベリーにはアントシアニンが多く含まれているが、このポリフェノールは一度切ったり、ミキサーにかけたりすると、酸化しやすい性質がある。ブルーベリー自体を冷凍し解凍すれば、アントシアニンの細胞壁、細胞膜、液胞膜を壊すので、アントシアニンを体に取り込みやすくなると考えるのが妥当だろう。

トリプルで挑むなら、似たような味のものは避けるが原則であることは云う迄もないが、チーズケーキかヨーグルト系のブルーベリーを核に、プラム、スイートトマト、柑橘系といった感じにナッツ系、ほうじ茶、もしくは王道のミルクが良いと思う。
個人的にはスイートトマト、ほうじ茶が面白い。カカオはバランスを考えると、此処では我慢したほうが良いかなとも思う。

ワッフルパフェで挑むなら、初訪で無ければブルーベリーを撰ばないと云う選択肢はある。ワッフルがシンプルなので、はっきりとした果汁系とミルクかヨーグルトがはっききりとしたジェラートを選択するのが良いと思う。
ぴぃは貧乏性と云うのか、折角ブルーベリー系のジェラートが美味しい店なのだからと如何してもベリー系が外せないので、未だに踏み切れないでいるが、旬の果物が聞けば、味が被らないようなジェラートを撰んでいくのは良いだろうなと思っている。
まだ両手に余るジェラートしか口にしていないので、あまり偉そうなことを云えるようなものではないが（笑）

嗚呼　君の名前呟き噛み締める　ブルーベリーの味は
遠い日の唄を忘れた唇に　堪らなく酸っぱい