目当てのモノが飲めました : テイスティング・バー

《 2023年05月 再訪 》
コロナ禍のあおりで蒸溜所の見学が完全予約制になってしまい、前回２０２１年１１月に訪れた際には、この「テイスティングバー」を利用するには、見学ツアーに参加するほかは無かった。
余市蒸溜所の公式ツイッターによれば、２０２２年７月１日のツイートでは、売店とレストランのみ予約無しで利用可能とあるが、７月１８日のツイートではミュージアムも予約不要ととあるので、このタイミングで利用条件が緩和されたようで、ウイスキー好きには嬉しい限りだ。
現在は、公式サイトに「ニッカミュージアム」「レストラン」「売店」は予約無しで利用可能と明記されている。
また、利用に当たっての受け付け手続きも無くなったので、このエリアに限っては、従来の自由見学のように見ることが出来る。
ただ、予約した見学者以外は正面口を利用することが出来ず、奥の売店側の駐車場口を使わなければならないので、２５０ｍほど余分に歩かなくてはならないことになる。
大した距離の差では無いのだが、蒸溜所内を見物しながらプラプラと歩いてゆくのと、入場口を目指して遠回りに住宅街の中を歩いてゆくのは心持ちが違うよね。
今回は、前回から１年半ぶりの「ニッカ余市蒸溜所」で、コロナ禍前は年に２～３度は訪れていたことを考えると、なかなか寂しいモノがある。
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さて、見学は出来ないので、入場すると直ちに「ニッカミュージアム」にある「テイスティングバー」へ直行する。
実を言えば、本当は昨年末に訪れ、秋に限定販売された「シングルモルト余市アロマティックスイート」と「シングルモルト宮城峡アロマティックスイート」を頂いてみたかったのだが、コロナの感染状況が芳しくなかったために、断念した経緯が。
流石にこれらはもう終売となっていたが、これまでに飲んだことの無い銘柄は無いかと品書きに目をやると、この３月下旬に数量限定で発売となった「ニッカ ザ・グレーン」が。
実は今回はこれが目当てではあったのだが、ゴールデンウィークを挟んでいるので、終売しているかも・・・という思いもあったので嬉しいいことだ。
ニッカでグレーンウイスキーと言えば、蒸溜所売店で限定販売されている「シングルカフェグレーン ウッディ＆メロウ」や、市販されている「ニッカ カフェグレーン」が知られるが、この「ニッカ ザ・グレーン」は仙台宮城峡蒸溜所で作られたカフェグレーン原酒をメインに、九州の工場で作られたグレーン原酒をブレンドしているのだとか。
元々グレーンウイスキーは結構好きで、「シングルカフェグレーン」などは好んで飲むので、家にもボトルが有ったりする。
「ニッカ ザ・グレーン」はグレーンウイスキーらしく口当たりがマイルドな一方で、モルトウイスキーとは違った独特の香りがする。
一緒に頂いた「竹鶴１７年」と比べてみると顕著に違いがわかり、これが「余市」などと比べてみるともっと違うのかもしれない。
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有料試飲場も以前とは提供方法が変わり、正直、雰囲気を楽しむという点で言えば少しグレードダウンしてしまった気がする。
昔の、提供カウンターでバーテンダーのお話を伺いながら、好きな銘柄を一杯ずつ頂くという事は、もう出来なくなってしまった。
おそらくこれは、コロナ禍が完全に終息しても、もとに戻る事は無さそうだ。
さて、来年は「ニッカウヰスキー」が創業９０周年を迎えるのだそうで、新たな限定銘柄が販売される事が予告されている。
時期を見計らって再訪したい。
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◇ 1,000円（ニッカ ザ・グレーン 600円 / 竹鶴１７年 400円）

《 2021年11月 再訪 》
ニッカ余市蒸留所内の「ニッカミュージアム」に併設された有料試飲場である。
耐震工事に合わせて施設のリニューアルが行われ、「ウイスキー博物館」が「ニッカミュージアム」にリニューアルされ、有料試飲場も「ウイスキー倶楽部」という名称が付いていたが、現在は単に「テイスティングバー」という名称に変わったようだ。
ミュージアムの展示自体も以前とはイメージが変わり、旧来はウイスキーの製造・蒸留工程に関する展示がメインだったが、新しくなって、ウイスキーのブレンドなどに関する展示が多くなった。
有料試飲場の位置は以前と変わらないが、コロナ禍もあってか、スペースが広くとられ、客同士の接触は極減されている。
ちなみに、試飲はガイドツアーに参加した予約見学者に限られ、レストランや売店だけの一般利用者は、ミュージアムなどのあるエリアに立ち入ることは出来ないため、当然、テイスティングバーを利用することは出来ない。
試飲の前に、見学受付の際に渡された入場券のチェックがあり、有料試飲もひとり２杯までとなっている。
現在のメニューにはさほど目新しいモノはないが、酒販店などには出回らない「シングルモルト余市１０年」や「シングルモルト余市２０００'ｓ」を飲む事が出来る。
また、市場ではほぼ見かけない「竹鶴１７年」や、余市・宮城峡蒸溜所の売店のみで販売されている各銘柄が頂けるのは、ここの有料試飲場ならではで、ウイスキー好きの方ならば、これだけで訪れる価値はある。
そんな中、今回頂いたのは期間限定銘柄の「シングルモルト余市ノンピーテッド」と「シングルモルト宮城峡ピーテッド」だ。
これは今年の９月２８日に数量限定で発売されたもので、どちらも小売り価格が１本２万円と高額ながら、価格以上にまあ、その辺の酒屋に出回る確立はほぼ無いと言って良いだろう。
通常だと、「シングルモルト余市」はピートを効かせた荒々しい飲み口で、「シングルモルト宮城峡」のほうはソフトで口当たりの良い仕上がりになっているのだが、敢えて逆にしてみましたという商品で、ぶっちゃけて言えば原酒不足の中で如何に目新しい商品を出すかという、苦肉の策なのであろう。
市中のショットバーなどにもなかなか回らないであろうから、ここで飲んでおかなくてはなかなか飲む機会はないだろう。
ということで、ハーフショット９００円とやや高額ながら、頂いておくことに。
実際飲んでみて、いわゆる通常版とどのように違うのか？というのは良く判らなかった。
つまりは「シングルモルト余市」と「シングルモルト宮城峡ピーテッド」の差、「シングルモルト宮城峡」と「シングルモルト余市ノンピーテッド」の差がよく判らないのだ。
本来ならなばもう一杯、ノーマルの「シングルモルト余市」を加えてのみ比べてみなくてはいけないのかもしれないが、２杯までという制限がついているので、仕方なしというところだ。
改装前と違って、カウンターでバーテンダーとお話しながらという楽しみ方は出来ず、当然、ボトルを目の前に愛でながら、ということも出来なくなってしまったのは寂しい限り。
コロナ禍が明けてもこのスタイルが維持されるのなら、新製品のタイミングを見計らって、年イチくらいの訪問で充分かもしれない。
ただ、問題は前述したようにガイドツアーに参加しなければ有料試飲場に入場できないという点だ。
予約制で構わないので、時間帯で人数制限し、有料試飲場のみの利用が出来れば有り難いのだが・・・。
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◇ 1,800円（シングルモルト余市ノンピーテッド 900円 / シングルモルト宮城峡ピーテッド 900円）

《 2019年11月 再訪 》
毎度お馴染み、ニッカ余市蒸溜所内の有料試飲施設「ウイスキー倶楽部」、ＪＲの「一日散歩きっぷ」が１１月末で冬期間の販売休止となるのでその前に訪れてみた。
同蒸溜所にある「ウイスキー博物館」の中にあるのだが、ウイスキー博物館の一部が工事で立ち入り禁止となっている。
どうやら耐震補強工事の一環らしく、蒸溜所内の他の施設でも工事が行われているところがあるので注意が必要だ。
ウイスキー博物館は、貯蔵蔵２棟を利用して作られている施設だが、そのうち奥側の竹鶴氏に関する展示などが置かれている建物が丸ごと立ち入り禁止となっている。
「ウイスキー倶楽部」がある手前側の建物は利用が可能だが、こちら側から隣の建物に移動する渡り通路は使えないので、従来と違って入口と出口が同じところを利用するスタイルになっている。
さて、ウイスキーのほうは相変わらず目新しいモノは無し。
今回は、前回同様に在庫が払拭すれば販売終了となる「シングルモルト余市１０年」と、いずれ生産終了される可能性が高い「シングルモルト余市２０００ｓ」の２種類を頂いた。
余市１０年のほうは過去に販売されていた余市１０年、１２年、１５年、２０年のエイジングシリーズで唯一残っているもので、無くなってしまえば終売とのこと。
一方で「余市２０００ｓ」のほうは、発売からいささか時が過ぎて使用原酒のエイジングが高くなってきたことからいずれ生産終了されるのでは・・・というハナシも。
ちなみに、現時点では「余市２０１０ｓ」の生産の予定は無いとのことであった。
おそらくは年内の訪問はこれが最後となる予定だが、そろそろ新しい銘柄が出てきて欲しいところである。

《 2019年08月 再訪 》
前回の春の訪問から３ヶ月ぶりの「ニッカ余市蒸溜所」、今回の余市訪問はここがメインでは無かったのだが、予定外の雨に見舞われ、計画を大幅に変更し、早々に小樽まで撤退するハメに。
８時半過ぎに余市駅に到着し、１０時半前の列車で戻ったので、２時間に満たない短期訪問となった（笑）
さて、ニッカ余市蒸溜所の有料試飲所「ウイスキー倶楽部」では、相変わらず品不足に悩まされている。
飲んではいないが、前回のレビューでご紹介した「シングルモルト余市 リミテッドエディション２０１９」はすでに終売、常連にとっては、訪問した８月下旬の時点で、残念ながら目玉となるようなモノは置いていない。
前回は、市場ではすでに終売となった「ザ・ニッカ１２年」や、現時点では蒸溜所売店での限定販売ながら、やはり終売の噂が流れる「ピュアモルトブラック」などを頂いた。
今回は、こちらもいつ飲めなくなるか分からない有料試飲のみで提供されている「シングルモルト余市１０年」、まだ売店でも売られているがいつまで販売されるか分からない「シングルモルト余市２０００'ｓ」、そしてこちらは休売のアナウンスながらそのまま販売が終了になりそうな「ニッカカフェモルト」の３種を頂いた。
いずれも過去に頂いたことがあるモノだが、やはり次に来たときに飲めるかどうか判らないと思うと、ついつい手が伸びてしまう。
以前のように珍しい銘柄がいくつも並んでいるような状況ではないが、やはり、ここ以外では飲めないモノがある以上、ついつい足が向いてしまう。
さて、今回一つ気になったことが。
忌憚なく言えば、接客サービスの低下である。
特別に何かがあったとか、不遜な態度があったとか、そういうことでは全く無いのだが、どうやら有料試飲コーナーのスタッフが大幅に入れ替わった様子。
元々ここにはプロのバーテンダーが一人いらっしゃって、それ以外は蒸溜所の他の部署などで働いていた方が定年後に再就職のような形で務めておられる場合が多かった。
というのも、工場見学などの業務は「ニッカウヰスキー株式会社」ではなく、関連会社の「株式会社北海道ニッカサービス」が行っているからだ。
定期的に従業員の入れ替えがあるのは当然だろうが、以前に比べて事務的になったというか、ホスピタリティが落ちたというか、まあ、これだけ大勢の人が押しかける現状では仕方ないのかもしれないけれど、ブーム以前から知る者としては少し寂しい気がしてしまう。
さて、次回の訪問時には新たな銘柄が飲めるのか、また今ある銘柄のどれくらいが残っているのか、興味を持って訪れてみたいところだ。

《 2019年05月 再訪 》
昨年８月以来のレビューだが、実は１１月にも訪れており、半年振りの訪問である。
１１月にレビューを上げていないのは、他のお店のレビューにも書いたのだが、誤ってこの日撮影した写真画像を丸ごと消してしまったからである（汗）
また、この冬に訪れる機会が無かったのは、単にＪＲの「一日散歩きっぷ」が周年発売を止め４月上旬から１１月いっぱいまでの販売となった事と、昨年末は冬期の「青春１８きっぷ」を購入しなかったからである。
さて、半年振りの訪問で、まずは「ウイスキー倶楽部」へ直行・・・と言いたいところだが、以前は９時に開けていた同所は、現在９時１５分のオープンとなり、しかもかなり時間管理が厳密になったため、ギリギリにならないと「ウイスキーミュージアム」のドアも開いていない。
ということで、見学で時間潰しを・・・と思ったが、この日はポットスチルの火も入っておらず、もう今更見るべきところも無いしな・・・と、所内に咲いた八重桜などの写真を撮って過ごす（笑）
時間になって開くとともに突入、口開けの客となり、まずは顔なじみのバーテンダーさんとご挨拶。
「珍しいのが入ってますよ」ということで、「じゃ、それを！」というと品書きの一番最後の掲載されているという。
ページを開いてみると、載っていたのは「シングルモルト余市 リミテッドエディション２０１９」という宮城峡蒸溜所操業５０周年を記念して出されたボトル。
なんと１０ｍｌで７千円というお値段に、「いや！流石に手が出ないわ！」と丁重にご辞退申し上げる（笑）
なんでも、参考小売価格が７００ｍｌ一本で３０万円という逸品、ここは通常はハーフショット（１５ｍｌ）で提供しているのだが、これに限っては１０ｍｌでの提供をしているとのこと。
まあ、ハーフだと一杯一万を越えてしまうからね、流石に・・・。

ということで、まず頂いたのはこの３月末をもってすでに終売となった「ザ・ニッカ１２年」。
これを頂くのは、２０１４年に販売開始となった直後以来で、創業８０年を記念して発売された同銘柄も、原酒不足のあおりを受けて５年ほどで終売に追い込まれてしまった。
ブレンデッドだけに、ニッカにしてはマイルドで口当たりが良く、バランスの取れたウイスキーだ。
マッサン効果や、海外でのジャパニーズウイスキー人気もあり、原酒の枯渇はかなり深刻なようで、熟成済みの在庫を「竹鶴」に集約すべく、この銘柄も１２年モノから無印（ノンエイジ）にチェンジ、同様に販売休止となっている「カフェモルト」「カフェグレーン」も事実上の販売終了のようだ。

次に頂いたのは「竹鶴２１年」。
「ザ・ニッカ１２年」を頂いた後でも、さらにマイルド・・・というか、若干のトロミすら感じられる熟成した感じが流石！というところ。
こちらは現行品だが、街中の酒屋などでは滅多に見かける事は無い希少品で、同蒸溜所の売店「ノースランド」でも並ぶと同時にすぐに出払ってしまうような状況らしい。
ちなみに、参考小売り価格は１本１万５千円となっているが、アマゾンなどでは倍の３万円あたりが底値という感じだ。
ススキノのニッカバーではワンショット２千円を越えるが、ここではハーフ５百円、半額以下で頂ける。

最後に頂いたのは、現状では最もニッカらしいウイスキーと言っても良い「ピュアモルト ブラック」。
こちらもすでに一般発売を終了し、余市、宮城峡の両蒸溜所の売店のみで販売されている限定品だ。
荒々しいピートの効き具合がいかにもニッカらしい口当たりで、決して高いウイスキーではないので、売店で見かけたら手に入れておきたいアイテムのひとつと言ってよいだろう。

現時点の「余市」のエイジングモノはすでに終売しており、一般庶民が手の届く範囲にあるのが「シングルカスク余市１０年」のみで、こちらは樽出しをボトリングした希少品だ。
こちらもハーフショットで１杯千円とそれなりの値段だが、折角余市を尋ねたのなら、記念に頂いてみても良いだろう。

《 2018年08月 再訪 》
４ヶ月ぶりの訪問である。
前回はまだ在庫があった「余市１０年」「余市１２年」はすでに終売とのことで、ここの目玉となるものがほとんど無くなってしまっている。
かろうじて「シングルカスク１０年」はまだ残っているが、メニューリストにはある「余市２０００Ｓ」も現在欠品中とのことだった。
今回は１杯目に「鶴」を、２杯目に「シングルモルト余市ピーティ＆ソルティ」と性格の違う２銘柄を頂いた。
まず、「鶴」はもともと「鶴１７年」として市販されていたものを、蒸溜所限定販売の銘柄にリニューアル。
５年以上１７年以下の新しい原酒もブレンドされているので１７年の表記は外されてはいるが、もちろん熟成の進んだ原酒も使われており、ニッカの酒としてはかなりまろやかな印象だ。
一方で「シングルモルト余市ピーティ＆ソルティ」のほうは、こちらももともとは「シングルモルト余市１２年ピーティ＆ソルティ」のリニューアル版で、やはり原酒の枯渇から若い原酒も混ざっているために１２年の表記が出来なくなったものだ。
こちらはピートが効いたニッカらしい銘柄で、「ラフロイグ」ほどでは無いがかなりパンチの効いた味わいだ。
前述したとおり、有料試飲限定で飲める銘柄はほとんど無くなってしまっているが、それでも「竹鶴２１年」などは滅多に市場に出回らなくなっているし、「鶴」も蒸溜所内の売店で１本１万円以上はするので、ここで試飲できるのは有り難いかぎりだ。
なお、初めて訪れる方には、竹鶴２１年や竹鶴１７年も良いが、シングルモルト余市のキーモルトシリーズ「シェリー＆スイート」「ウッディ＆バニラ」「ピーティ＆ソルティ」の３種の飲み比べなどをお勧めしたい。

《 2018年03月 再訪 》
毎度お馴染み、ニッカ余市蒸溜所である。
元々は稀少なウイスキーが安価に飲めるという圧倒的なアドバンテージがあったのが、この「ウイスキー倶楽部」なのだが、２０１４年から２０１５年に掛けての「マッサン騒動」によって原酒が枯渇し、原酒シリーズはもちろん、余市のエイジングものも販売が終了してしまうという異常事態が発生、少量のシングルカスクを放出して目玉とはしているものの、ここのウリである稀少なウイスキーの試飲という最大のアドバンテージが活かされなくなってしまった。
それでも、市場の酒屋などではなかなか見かけなくなってしまった「竹鶴１７年」や「竹鶴２１年」などを安価に口にすることが出来るのは、ここならではという感じがする。
さて、今回頂いて気になったのは「ニッカ カフェ ジン」である。
近年、サントリーの「六（ＲＯＫＵ）」などに代表されるクラフトジンが発売されるようになり、ニッカでも「カフェ ジン」が発売されたが、ジンの代表銘柄である「ビーフィータ」などに比べると、３倍近い市場価格の高級ジンとして販売されている。
流石に５千円近いボトルを買うのは躊躇してしまい、今回ここで試飲してみることにした。
ジンはカクテルベースとしてはお馴染みだが、ストレートやロックで飲むには癖が強いと嫌う方も少なくない。
中には、松ヤニ臭いとか、セメダイン臭いなどという方もいて、生で飲むのは一部のマニアの方というイメージが強い。
個人的には、ジンをロックで飲むのは嫌いでは無いが、今回頂いた「ニッカ カフェ ジン」の旨さには正直驚いた。
なんと言っても香りが良く、公式サイトには「シトラスの香りと山椒のスパイサーさの調和」という文言があるが、まさに柑橘系の香りの良さが口の中に広がり、正直、ジンとは思えない味わいだった。
もしかすると、ソーダを加えてハイボールにすると、もっと甘みが引き出されて一層旨味が感じられる気がしないではないが、いずれどこかで試してみたい。

《 2017年10月 追記 》
ニッカ余市蒸溜所の有料試飲コーナー「ウイスキー倶楽部」に新製品が出た。
生産数限定３５００本の「シングルモルト余市 モスカテルウッドフィニッシュ」だ。
入荷数が少なかったため、売店ノースランドでの販売は止め、有料試飲場でのみの販売にしたとのこと。
ラベルの裏書きによれば、スペイン産のぶどう、モスカテル種を使ったワインの樽で熟成させたモノだそうで、実際に頂いた感想としては余市にしてはマイルドで甘みが強い感じだ。
ハーフショットで５００円で頂けるが、ネット通販では７００ｍｌのボトルが５万円を超えているところもあり、これを考えると非常にリーズナブルな印象だ。
実際のところ、有料試飲所に何本入荷したのかは分からないが、正直それほど多くは無いと思われ、スタッフによると試飲リストにも最後のほうに載せ、ウイスキーのお好きなお客様だけにお勧めしているとのこと。
興味がある方は早めに尋ねてみたほうが良いだろう。
なお、１０月時点で余市１０年、１２年はまだリストに載っており、在庫ももう少しあるとの事だった。

《 2017年04月 再訪 》
ニッカ余市蒸溜所、またまた行ってまいりました。
今回は小樽の「小樽倉庫Ｎｏ．１」へ小樽ビールの４月限定品を飲みに行ったついで、余市蒸溜所の売店に頼まれモノを買いにいく目的もあり、足を延ばした。
小樽は午後からの予定にまわし、まずは余市へ直行する。
午後からはビールも頂く予定なので、今回は無料試飲場はスルーパスで有料試飲の「ウイスキー倶楽部」のみの立ち寄り。
前回は「十年浪漫倶楽部」のシングルカスク５年、１０年を頂いたので、今回はまだ在庫のある余市１０年と余市１２年を１杯ずつ頂いた。
在庫についてはまだしばらくは・・・とのお話で、夏ぐらいまでというシングルカスクよりは長く飲めそうだ。
余市１２年がハーフショットで４００円、余市１０年は１５０円というリーズナブルな価格で頂け、シングルカスクに比べるとかなりのお得感だが、昔は原酒シリーズも適度な価格で飲めたのだよなぁ～と、昔を思い出して懐かしい気分に。
それにしても、以前に比べれば本当に目玉が無い。
やはりここだけで飲めるという目玉があってこその有料試飲場、シングルカスクが無くなり、余市エイジングシリーズも枯渇してしまえば、その価値は大きく下がる。
バーテンダーさんの話では、今後の事はいろいろ考えてはいるのですが・・・という事だったが、何か面白いモノが出てくるのか、淡い期待を抱きながら待ちたいところだ。

《 2017年03月 再訪 》
秋以来のニッカ余市蒸溜所、なんでも有料試飲所の「ウイスキー倶楽部」でシングルカスクが飲めるとの噂を聞きつけ足を向けてみた。
お話を伺ったところ、「十年浪漫倶楽部」の配布分の余剰を、有料試飲用にボトリングして提供しているとのことで、シングルカスク余市の１０年がハーフショットで千円、５年が５００円で提供されている。
今回はコレが目的なので、決め打ちで１杯ずつを頂いてきた。
先に頂いたシングルカスク１０年は、どっしりとした印象だが、まろやかさなどはもう一つという感じで、この辺はやはり以前に販売されていた原酒シリーズの１５年や２０年などに比べると及ばないところかもしれない。
後から頂いたシングルカスク５年は、口に含んだ瞬間は、スッと入る感じを受けたが、そのあとに広がる芳香がやや角の立った印象で、これは先に１０年を頂いているので仕方の無いところかもしれない。
以前のシングルカスク原酒シリーズの１０年が３００円、５年が２５０円で提供されていた事を考えると、かなりの割高感は否めないが、今ここでしか飲めないという希少価値を含めれば、仕方の無いところだろうか。
ちなみに、在庫の方は「お盆あたりまでは持ちそうですが・・・」という事であったが、どうして飲んでみたいかたは、ゴールデンウィークにでも訪れてみたほうが賢明かもしれない。
なお、旧余市シリーズは１０年と１２年がまだ提供されており、鶴の１７年ももう少し飲めるようだ。

《 2016年09月 追記》
小樽の「おたるビール 小樽倉庫Ｎｏ.１」へ９月～１０月限定の「フェストビール」を飲みに行ったついでに余市まで足を伸ばした。
もうすでに在庫払拭したであろうと思っていた、余市２０年・１２年・１０年の在庫がかろうじて残っており、これが最後かと思い、再び「余市２０年」を頂く。
今回は土曜日午後の訪問であったが、それなりの人出はあるものの、思った程の混雑では無かった。
バーテンダー氏のお話では、最近は土日休日の個人客は落ち着いてきたものの、平日のツアー客は相変わらずという状況のようだ。
余市シリーズの在庫はまだ少しあるものの、もう本当に残りわずかという感じだそうで、興味のある方は早めに訪れるのが良いだろう。

《 2016年04月 追記 》
ゴールデンウィーク前にもう一度・・・と考え訪れた。
前回、３月の訪問ではまだストックがあった余市シリーズ、今回の訪問では余市１５年がとうとう欠品し、メニューリストから落ちてしまった。
余市１２年、余市１０年はまだ在庫があるようだが、余市２０年はもうそれほど残りが無いらしい。
市場での販売は終了し、もう二度と飲めないウイスキーだけに、興味のある方、もう一度飲んでおきたい方は、今のうちに是非とも！という感じだ。
それにしても、これらの在庫がすべて払拭してしまえば、正直言ってここの有料試飲場の魅力は半減、何とか有料試飲場ならではというモノを考えて頂きたいところだ。
個人的には、有料試飲場限定で樽から直に原酒をくみ出しというのも面白いと思うのだが。
なお、以前は売店でも売っているポットスチルやマスターオブブレンダーの絵が入ったショットグラスを使っていたが、現在は一般的なモノに替わっている。
伺ったところ、マッサン騒動以降、なんとグラスを持ち帰る不届き者が多いのだとか。
酷い時には日に数個も無くなるのだそうで、売店で一個千数百円もするグラスが次々に無くなってはさすがに堪らないということでグラスの変更を余儀なくされたのだとか。
しかし、この一連の騒動、売り上げが伸びたのは間違い無いのだろうが、ニッカウヰスキーにとって果たしてプラスだったのかマイナスだったのか・・・。

《 2016年03月 追記 》
市場ではすでに終売となったブレンディッドウイスキー「鶴１７年」、以前は無料試飲場のほうで提供していたため、今までは有料試飲場の「ウイスキー倶楽部」では出していなかった。
しかしながら、無料試飲のラインナップが「余市１０年→竹鶴」「鶴１７年→スーパーニッカ」に変わり、現在は無料試飲で出さなくなったのでこちらで提供されている。
前述したように、市場ではすでに販売が終了した品なので、バーなどでストックをしてある店以外ではもはや飲むことが出来ない。
こちらではハーフショットが５００円で提供されているが、バーテンダーに伺ったところでは、在庫の状況を見るともうしばらくは提供可能だとの事、ただし売り切れしてしまえばそれまでなので、味わってみたい方は早めの訪問をお勧めする。
ちなみに、同じく終売となったシングルモルト余市シリーズもまだ提供されており、こちらもしばらくは在庫があるだろうとの事であった。

《 2015年09月 追記 》
新しい「余市」、そして「宮城峡」の登場である。
平たく言えば、原酒の枯渇対策という事なのだろうが、ともかく蒸溜所の名を冠したシリーズが新たなものに変わる。
そして、新しい「余市」を初めて口にするのは、やはりここしか無いだろうということで、例のごとくＪＲの「一日散歩きっぷ」を利用して朝から余市蒸留所へ向かう。
小樽発８時７分の長万部行きはすし詰め状態、余市へ向かう人、ニセコへ向かう人さまざまな模様。
余市駅について蒸溜所に向かうと、８時５０分に開門との事でしばしウエイティング、以前は時間まで待合で休ませてくれたのだが、観光客が大幅に増加したための対策だろうか。
開場と同時にすぐさま有料試飲へ駆け込み、まずは新しい「余市」を頂く。ハーフショットで３００円と旧シリーズの１２年とノンエイジの間の価格設定。
味の方はと言えば、バカ舌の私になぞは以前の余市との違いもわかるほどでは無く、若干マイルドになった気もするが、何とも表現しがたいところだ。
バーテンダーの話では「思いのほか熟成した原酒も入っているので、ある意味お得ですよ」との事である。
続いて頂いたのは新発売に伴って限定販売されている「余市ヘビリーピーテッド」と「宮城峡シェリーカスク」で、こちらはどちらもハーフショットで５００円。
全国で限定３千本の販売だそうで、余市蒸溜所にも１０本しか入らなかったため、売店には置かずすべて有料試飲に回したとのこと。
ノーマルの余市に比べると、ヘビリーピーテッドはやはりピートの効きがキツメ、シェリーカスクのほうはかなり甘めで、過去に飲んだシェリーウッドフィニッシュのウイスキーのどれよりも、シェリーの風味が残ってという印象を持った。
限定品を味わってみたいという方は、いつまであるか分からないので早々に訪れたほうが良さそうだ。

《 2015年07月 追記 》
秋まで訪問の予定が無かった余市蒸留所、シングルモルト余市シリーズ終売の報を耳にし、急遽訪れてみることにした。
というのも、近隣の酒店、スーパーなどことごとく廻って見たが、すでにどこにも「余市」は無かったのである。もしかすれば此処ならまだ余市を飲めるかも・・・ＧＷ前の訪問では欠品していたが、わずかな期待を胸に余市へ。
結論から言えば、有った！エイジングものはすでに品書きから消えていたが、ノンエイジの余市が有った。ニッカの公式サイトでは現在休売中となっている「シングルモルト余市５００ｍｌ」、ここにはまだ置いていた。
そういえば、ノーエイジの余市を飲むのはいつ以来だろうか？普段自宅ではフロムザバレルやピュアモルトばかりで、余市を買う事は無いしね。
もちろん、１５年、２０年といった年代モノに比べれば、少々角が立った感じは否めないが、恐らくはこれが最後に飲む旧余市、余市蒸留所で飲む最後の余市と思うと感慨もひとしおではある。
ちなみに、このシングルモルト余市、売店のほうでは結構な数の在庫があった。
在庫はこれとノーエイジの竹鶴くらいで、余市４桁シリーズをはじめその他はほぼ売り切れ状態、お一人様３本までのポップだけが虚しく商品棚に揺れている。
次回の訪問は秋の予定、新しい「余市」を試しに訪れたいと思っている。

《 2015年05月 追記 》
朝の連続ドラマ「マッサン」が終わり、少しは混雑が納まるかとも思ったが、まだまだ大盛況の様子。
恐らくは夏休みくらいまではこの混雑が続くのでは無いだろうか。
今回は昼を少し回った午後の早い時間という事もあり、個人客はもちろんだが、駐車場には大型バスが何台も連なり、蒸留所内の公開エリアはかなりの人だかり、売店などは身動きの取れない状態であった。
有料試飲も品切れが多く、「シングルモルト余市」は市販のシリーズが全て欠品で、蒸留所限定販売の１９８０ｓ、１９９０ｓ、２０００ｓや１２年モノシリーズ（シェリー＆バニラ、ウッディ＆バニリック、ピーティ＆ソルティ）だけが頂けるという状態で、後から後から続々と訪れる客に、のんびり銘酒を味わうという感じも無い。
無料試飲場のほうもアップルワインが欠品状態で、この騒動が収まるまではこの蒸留所本来の魅力を堪能するのは難しいかもしれない。

《 2014年12月 追記 》
マッサン効果で混雑必至の状況のため年内は訪問の予定が無かったのだが、新しいボトルが登場したという噂を耳にし訪れてみた。
新しく登場したのは「余市シングルモルト１９８０'ｓ」「同 １９９０'ｓ」「同 ２０００'ｓ」というもので原酒ボトルシリーズと同様、蒸留所での限定販売品である。
今回は思い切って「１９８０'ｓ」を頂いたが、余市蒸留所の１９８０～１９８９年産モルトを厳選しブレンドしたというもので、ハーフショットで１５００円と中々のお値段。
しかし、バーなどで頂くとシングルショットで５０００円前後はするであろうから、この値段で「味見」が出来るのは有り難い事だ。
ちなみに某所からの噂によれば、今後は原酒ボトルシリーズに変わり、こちらのシリーズに移行するようだ。
うがった見方をすれば、マッサン効果で原酒ボトルが大量に売れてしまったために生産計画に狂いが生じ、苦肉の策として多様なエイジングの樽をブレンドして作った酒とともとれる。
もちろん、ニッカのブレンダーが自信を持って送り出したものであるし、「１９８０'ｓ」は２５年～３４年という長期間熟成させた樽をブレンドしたという事になるので、ある意味美味しいどこ取りという感じはしなくもない。
味の方は・・・といえば、私のようなバカ舌の持ち主には「芳醇でまろやか」ぐらいとしか言いようが無いが、ウイスキー通の諸兄には是非とも試して頂きたい一本だ。
なお、原酒直売所は閉鎖されているが売店のノースランドで購入可能、ただし「余市シングルモルト１９８０'ｓ」は１８０ｍｌのミニボトルでさえ１万４千円（税別）とかなりの値段である。

《 2014年10月 追記 》
今週の月曜日から、ＮＨＫの連続テレビ小説「マッサン」が始まった。
ドラマが始まってからは混雑必死だろうと言うことで、９月下旬に再び余市ニッカ蒸留所を訪れてみた。
街の目抜き通りにはマッサンの舞台をアピールするのぼりが立ち並び、すでにマッサン一色、蒸留所も今まで見たことのないくらいの人出である。
今回頂いたのは当然「竹鶴」である。
聞けば、中旬の３連休で、直売所の原酒ボトル３カ月分のストックが出払ってしまったとかで、直売所は当面休止との事。
帰りに寄った小樽出抜き小路のニッカバー「リタ」でも、原酒ボトルの一部在庫を切らしているくらいだった。
冬にはドラマの舞台が余市に移るとの事で、その頃には今以上に観光客が押し寄せる事だろう。
ＪＲも結構な混雑で、今後、週末や年末年始は車輛増結などを検討されたほうが良いのかも。
ドラマはまだ２話分を見たに過ぎないが、すでに感情移入してしまっている自分がいる。
町民では無いが、余市の盛況ぶりが嬉しい反面、あまりの賑わいに戸惑いがあるのも事実ではある。

《 2013年12月 追記 》
来年の朝の連続テレビ小説に、ニッカの創業者である竹鶴政孝氏とリタ夫人をモデルにした「マッサン」の制作が決まったとの事で、さぞ余市は盛り上がっているのだろう・・・と思い、久々にニッカ余市工場へ訪れてみた。
ＪＲ余市駅に到着すると、駅舎外壁には垂れ幕が掛かり、「おー！やっぱり」という感じだったのだが、いざ余市工場へ足を踏み入れてみると案外とひっそりとしたもの。
どうやら、ニッカは来年が創業８０年に当たるのだそうで、どうやらそちらの方に力を入れている模様。
記念の限定品なども計画されているようで、今から楽しみではある。
今回は新製品という「竹鶴ピュアモルト シェリーウッドフィニッシュ」を頂いたが、数量限定らしいので興味のある方はお早めにというところかもしれない。

《 2010年05月 初訪 》
サントリーと並ぶ日本の二大洋酒メーカーであるニッカ、その原点が余市にある。
ここ「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」にはレストランとは別に２つの試飲場があるが、一つは「ニッカ会館」の２階にある無料試飲場、そしてもう一つがこのウイスキー博物館の中にある有料試飲場「ウイスキー倶楽部」である。
今までに余市工場は何度か訪れているのだが、いつも車であったため試飲場を利用するのは今回が初めての事。
イギリスのパブをイメージして作られたというスタンドバー形式の造りは、暗めの照明もあって雰囲気はなかなかのものである。
有料とはいってもあくまで試飲場であるので、チェーサーの容器などは使い捨てのものだが、ボトル棚にはニッカで製造されているさまざまな銘柄が並ぶ。
せっかくなのでここでしか飲めないものが有れば・・・とお伺いしたところ、原酒は蒸留所内の販売所でボトル買いしていただく以外はなかなか味わえませんが・・・とのこと。
どうしようかとテイスティングリストを眺めていると、「竹鶴３５年」の文字が目に入り・・・竹鶴に３５年があったのか・・・などと思いながら伺ってみると、限定１０００本の希少品とのこと。
間違ってもボトルでは手が出ないであろう（帰宅後にネットで調べてみるとニッカのオンラインショップで１本７３，５００円という値段）と思い、これを頂くことにしたが値段の方はワンショットで１７００円、安価な普及品のウイスキーならフルボトルで買えてしまう値段である。
で、味の方はといえばマイルドで芳醇・・・と言うべきところだが、正直言って普段は安酒しか飲まない小市民には、値段だけの値は感じ取れなかった（笑）
あくまで試飲場であるので、一般のショットバーなどとは異なるが、同じ工場内にある無料試飲場とは大きく雰囲気が異なり、この雰囲気だけを楽しむのも価値ありである。
なお、今回はＪＲで小樽へ訪れた際に足を伸ばしてみたが、試飲と言ってもドライバーは厳禁！・・・ということは皆様に念を押すまでも無いことである。