ホスピタリティのクオリティが高い、札幌三つ星フレンチ : レストラン・モリエール

札幌４日間食べ歩き、１０店目。

円山公園エリア、北海道神宮のそばにあります。

白のクロスのテーブルには、小さな青リンゴが。

内装はそれほど凝った感じではありませんが、６名のスタッフによる

サービスは、３つ星にふさわしい、かなり高いクオリティでした。

お料理の説明も、ユーモアを交えるところなど、パリの３つ星を彷彿とさせ、

すっかりリラックスして、楽しみました。

ディナーコースは、９９００円、１２４００円、１５０００円。

この日は、１５０００円のコース、Menu Terroir をいただきました。


１、玉葱　　　　　　　　　　玉葱のキッシュ風タルト
　　　　　　　　　　　　　　あつあつの焼き立てで、サービスプレートから手でとって
　　　　　　　　　　　　　　いただきました。
　　　　　　　　　　　　　　玉葱の甘味が心地よい一品。

２、とうきび　　　　　　　　コーン（みらい）の冷たいスープ、と
　　　　　　　　　　　　　　あつあつの焼き立て。
　　　　　　　　　　　　　　これを交互にいただきます。
　　　　　　　　　　　　　　これも、コーンの甘味が・・・。

３、ニョッキ　　　　　　　　ジャガイモのニョッキをバジルの泡で

４、ホタテ　　　　　　　　　ほたてと大葉の天ぷらにわさびが。
　　　　　　　　　　　　　　枝のオブジェのようなものに盛り付けられ、
　　　　　　　　　　　　　　アーティスティック。
　　　　　　　　　　　　　　「これ、フレンチ？と言われそうですが」と、サービスの言。

５、野菜　　　　　　　　　　温野菜２５種。
　　　　　　　　　　　　　　底にあるバターソースを、まず、全体にからませてください、
　　　　　　　　　　　　　　とのこと。
　　　　　　　　　　　　　　その後、周囲に配された梅肉、ビーツ、ほうれん草、レモンの
　　　　　　　　　　　　　　各ピュレ、ごま塩、を混ぜてください、と。
　　　　　　　　　　　　　　で、混ぜていると、「混ぜすぎないのが、コツです」
　　　　　　　　　　　　　　と言って、笑わせてくれます。
　　　　　　　　　　　　　　北海道の初秋を感じる野菜の数々です。

６、馬糞雲丹　　　　　　　　雲丹の殻の中に、クリームチーズ、コンソメジュレ、オクラの　
　　　　　　　　　　　　　　すり流しが。
　　　　　　　　　　　　　　雲丹は利尻です。
　　　　　　　　　　　　　　クリームチーズがものすごくいいマリアージュなのですが、
　　　　　　　　　　　　　　なんと、通常だしているものより、今回の雲丹が小さく、
　　　　　　　　　　　　　　供されたスプーンが入らない、というアクシデント。
　　　　　　　　　　　　　　すぐに、もう一回り小さいスプーンを出してくれました。

７、アワビ　　　　　　　　　真っ黒な塊。
　　　　　　　　　　　　　　蝦夷鮑を蒸して、表面にイカ墨のパン粉をつけて、
　　　　　　　　　　　　　　フライパンで焼いたもの。
　　　　　　　　　　　　　　迫力の外観です。
　　　　　　　　　　　　　　これに、テーブルで、いかすみリゾットが添えられます。
　　　　　　　　　　　　　　蝦夷鮑は、小ぶりですが、柔らかく、味が凝縮。

８、洋梨　紅茶　　　　　　　紅茶とレモンのソルベ

　　　　　　　　　　　　　　まず、このまま一口。　その後、
　　　　　　　　　　　　　　「洋梨のブランデーをかけます。すると、劇的に味が変わります」
　　　　　　　　　　　　　　と言って、ポワール　ウィリアムが注がれます。
　　　　　　　　　　　　　　なるほど、これまでとは、まったく別のソルベに。

９、牛肉　　　　　　　　　　十勝牛のフィレ、なのですが、
　　　　　　　　　　　　　　お皿が供されたときには、蕪を真っ黒に焼いたローストのみ。
　　　　　　　　　　　　　　あれ？と思っていると、おいしそうに焼き立ての牛肉が
　　　　　　　　　　　　　　供されます。
　　　　　　　　　　　　　　その後、さらにジャガイモのドフィノワが。
　　　　　　　　　　　　　　とても上質な十勝牛です。

１０、クロタン　　　　　　　山羊のチーズをこんがり焼いて。
　　　　　　　　　　　　　　このチーズが乗っていたパンは、
　　　　　　　　　　　　　　忍路にある超人気パン屋さん「エグ・ヴィヴ」のライ麦パン。
　　　　　　　　　　　　　　今回、行きたかったパン屋さんだったので、かなり
　　　　　　　　　　　　　　テンションアップ。
　　　　　　　　　　　　　　薪焼のパンです。たしかに、抜群に美味。

１１、イルフロタント　　　　と、書かれていましたが、モンブランが登場。
　　　　　　　　　　　　　　トップに、生栗を散らしています。

１２、小菓子　　　　　　　　ピオーネ
　　　　　　　　　　　　　　イチジクの生チョコに、山椒の葉

１３、ピレネー　　　　　　　なんと、最後に、ワゴンで巨大なバウムクーヘン。
　　　　　　　　　　　　　　「オー・ボン・ビュータンのピレネーに似ている」と
　　　　　　　　　　　　　　　つぶやくと、「その通りでございます」とのこと。
　　　　　　　　　　　　　　特注のサイズを作ってもらっているそうです。
　　　　　　　　　　　　　　実は大好物で、また、テンションがあがります。
　　　　　　　　　　　　　　

１４、ハーブティ　　　　　　フレッシュのカモミールとミント

バゲットは、自家製。　クラストがぱりっとして、抜群に美味なバゲットでした。

バターには、ロゴがエンボスされています。


お供は、赤ワイン。

CONFIDENTIA 2015。　グルナッシュ、シラーが主体で、天然地下蔵熟成です。

ペリエ。　　添えられたレモンとライムのカッティングがすてき。


この日も、満席。

しかし、お料理は、いいペースで、登場し、

サービス陣の動きも素晴らしいです。

若手のサービスマンでさえ、きちんと笑いを交えた

コミュニケーションができることに、感動。

これは、教育だけではできないことで、ご本人の資質なので、

そういう人材を揃えていることに、３つ星の格を感じます。

北海道の初秋の味覚を存分に楽しませていただきました。