高コスパなアフターヌーンティーセットで過ごす優雅すぎる午後 : FIKA CAFE Lagom

創成川のほとりを二条市場よりさらに南に向かって、ほぼ国道36号線沿いにある、旧東武ホテル。
現在はマリオットの系列ホテルとなり、その際にb's Kafeから現在のお店へと変わったようだ。
b's Kafeも良い評判を聞いており一度行きたかったが、結局行けずじまいになってしまった。
それゆえ比較はできないが、白を基調として開放感あふれる現在のお店の雰囲気もかなり良い。
ゆったりと落ち着いた店内は、まさに優雅な午後のため長居するのにぴったりの空間である。

今回は「ストロベリーフェア」と謳った、アフターヌーンティーセット（2700円）が目当てだ。
2日前までの予約が必要だが、6月末までの開催ということもあり、受付終了の日も見受けられる。
13時に入店した私達はスムーズに案内を受け、ウェルカムカードが置かれた窓側の明るい席へ。
イチゴの形の可愛らしいメニュー表には、セットの内容とフリーフローのドリンクが盛り沢山。
期待と共に最初の注文、5分ほどでドリンク、その後10分ほどでティースタンドがやってきた。

基本的にはフリーフローのドリンクだが、唯一セットにつき1杯限定なのがフルーツモクテル。
しかし最初のドリンクとして選んだそれが来た時に、なるほどこれなら仕方ないと納得できた
透明なグラスの中に涼を詰め込んだかのような、色鮮やかなフルーツでいっぱいのモクテル。
見た目の華やかさは言うに及ばず、味もボリュームもこれだけで一品のスイーツのようなもの。
急に夏めいたこの日の暑さも消し飛んでしまうような爽やかさが、すっと喉を通り抜けていく。
このモクテル以外も、近隣の名店「玉翠園」に「徳光珈琲」「ロンネフェルト」が名を連ね、
アフターヌーンティーの主役となるドリンクへの力の入れ様を魅力的にアピールしていた。
珈琲・紅茶以外のソフトドリンクも豊富で、ドリンクの選択だけでも存分に頭を悩ませられる。
実際これらのドリンクを各々の好みのままに堪能できた3時間は、大変充実した一時だった。
アイス・ホットの対応も手広く、同じドリンクでもまた少し異なる表情を楽しむことができる。
結局この日、私は全部で7種類のドリンクを注文しており、それでもまだ心残りさえ感じた。
ポットで提供される紅茶はカップ3杯分はあったが、それを2種類注文してなおの心残りだ。

そして何はなくともこの日のメイン、3段に分かれたティースタンドが来た時の高揚感たるや。
2人分が乗ってるとは言え、これでもかと言うほどにスタンドいっぱいに広がる美しい品々。
イチゴがテーマということで、過ぎ行く春を感じさせる明るい色合いに目移りしてしまう。
小さい中にも趣向を凝らしているのが窺え、サンドイッチもスイーツも上質さを感じる。
バゲットサンド、苺のムース、ガトーフレーズ、クロワッサンと苺のババロアが特に良かった。
ふるふると自重で崩れそうな、ふわりさらりとしたガトーフレーズの生クリームが印象に残る。
食感も味わいもメニューごとに大きく異なるため、一式を飽きることなく食べきれるだろう。
一つ一つは小ぶりながら、どれもしっかりと食べ応えを感じさせ、全て食べきる頃には満腹だ。

3段目を食べ終え、2段目も後半に差し掛かろうという頃、セットの最後の一品がやってきた。
これまた近隣の「SATURDAYS CHOCOLATE」とのコラボスイーツ、フォンダンショコラ。
専門店ならではの濃厚なチョコレートは、ナイフを入れた瞬間にとろりと存在感を発揮する。
スタンドはいったん保留し、できたての温かなうちに優先して食べるのをおすすめしたい。
私は珈琲は飲まないが、珈琲・紅茶どちらとも調和の取れた甘さを楽しめると思われる。
ティースタンドにも負けないほどに、特別な一皿のスイーツは自らの価値を強く主張していた。

1時間半ほどでスタンドのメニューは食べ尽くし、その後はゆったりとドリンクを楽しんだ。
15時過ぎだろうか、スタッフさんがテーブルを回り、「ストウブパン」を提供してくれた。
これはこのお店の方針の一つで、店名にも冠した「FIKA」を過ごすためのサービスである。
提供時に鼻をくすぐる香ばしい香りのイメージのままに、外側はカリッと、内側はふんわり。
既に満腹なはずだが、生地に織り込まれた桜の風味と程良い甘さが、紅茶と共に流し込まれる。

率直に、この価格でこれだけのアフターヌーンティーセットは、破格と言っても差し支えない。
長く過ごしやすい空間、質・種類共にこだわりを感じるドリンク、そして美味しいスイーツ。
スタッフさんの目も行き届いており、快適に優雅に心とお腹を満たせる3時間を過ごせるだろう。
6月末までなのを残念に感じていたが、7月からテーマ・コラボメニューを変えて継続とのこと。
ぜひともこのお店の目玉として末永く続けてほしいし、私も喜んで再訪を検討していきたい。