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食べログ 寿司 EAST 百名店 2022 選出店
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札幌が誇る老舗寿司屋・三代目の創意工夫が光るおまかせ寿司(#金寿司)
おまかせ寿司16カン5500円はもの凄いコストパフォーマンス
金寿司@北海道札幌市
・おまかせ寿司16カン 5500円
・ビール(中瓶) 700円
・冷酒 国稀 北海鬼ころし 600円
・追加3カン(イカ、タコ、ゲソ) 1000円
札幌出張の仕事のひとつ目のヤマを超えたので、ご褒美おひとりさま寿司。JR札幌駅から南東へ約1.5km、大型商業施設サッポロファクトリーの近くにある寿司屋。昭和9年(1934年)創業の老舗で、現在は三代目の今井努さんが暖簾を守っている。
元々は地域密着型の町の寿司屋で、出前や折詰、地元の方々の法事や会食などが中心だったそうだが、三代目がお店に入り、手の込んだ仕事をした江戸前のにぎり寿司を出すようになると、評判を呼び次第に道外からの観光客も増えるほどの人気店になっていったそうだ。
2014年9月に初めて来て以来、札幌に来るたびにほぼ毎回立ち寄っている。今回で3度目の訪問。今回は当日16時過ぎに電話をし、1名で当日予約が可能か確認。17時から18時30分までだったら空いてるとのこと。コロナの影響で席数を減らしているため、当面の間は事前予約のみとしているそうだ。
注文はいつも通りおまかせ寿司の16カン。カウンター奥の角席で三代目の大将自ら握っていただいた。
1. 真鯛
2. 鱸の塩締め
3. 炙り北寄貝
4. 帆立
5. つぶ貝
6. かんぱち
7. まぐろ漬け
8. かつお燻製
9. まぐろトロ
10. 剣先いかの昆布締め
11. うに
12. いくら青唐辛子のせ
13. いわし
14. あじ
15. 甘海老と海老みその塩辛
16. 穴子
前回最後に来た5年前は5000円で現在は5500円に値上がりしているが、内容を考えたら値上がりしても安過ぎると感じるぐらいコストパフォーンス抜群。
カウンター目の前の黒い付け台に1品ずつタイミングを見て提供される。最初にガリが出てくるがこのガリも凄い。半分は甘酢漬けでもう半分は塩揉みで味の違う2種類のガリ。食前や食後は甘酸っぱいガリがいいけど、にぎりを食べている間はやっぱり塩漬けのガリの方がネタの邪魔をしないね。
真鯛は北海道島牧村産のものだそう。夏らしくさっぱりした白身で一貫目にピッタリ。皮目は醤油を塗って炙ってある。大将曰く、やはり真鯛の皮は一番美味しいとこなので皮を外しちゃうのはもったいないそうだ。
鱸(スズキ)は塩でしっかり熟成して濃厚な旨味と弾力のある歯触り。北寄貝は磯臭さを抜くために、火が入らない程度にサッと網の上で炙っていて特有の甘みを存分に堪能できる。
帆立の貝柱は繊細な味なので包丁で切ると味が落ちてしまうため手で割いている。ネタとシャリの間に小さく切った板海苔が挟んであり最初は帆立の甘みが舌に広がって後から海苔の風味が寿司らしい表情に変わる。
この時期だと南の海のマグロの方がサイズも大きく脂が乗っていて、北海道のマグロが美味しくなるのは秋以降だそう。冬の時期をさらに越えて日本海をUターンした2月頃に北海道の西沖で獲れるのが極上らしい。漬けは滑らかで官能的な舌触り。大トロは身の横側だけ炙ってあり、口の中でとろける味わい。ネタとシャリの間に壺漬けの千切りを挟んでありパリパリした食感も絶妙。
カツオは林檎とさくらんぼの木で燻製している。藁焼きの土佐造りよりさらにスモーキーで香ばしい。イカは剣先いかを昆布締めして上品で淡白な味わいに昆布の旨味をプラス。ウニは海苔で巻いて軍艦にすると海苔の風味の方が優ってしまうので、シャリの中にウニをにぎるという高等テクニック。
イクラの軍艦には青唐辛子を使った醤油ジュレが乗っていて、イクラの濃厚な味わいとピリ辛の風味が絶妙。イワシは見たこともないほど脂がノリノリ。アジは"へべす"の果汁を搾ってあり、へべす特有の柔らかい酸味でさっぱり食べられる。
15カン目にいよいよ登場、甘海老と海老みその塩辛。これぞ札幌・金寿司のスペシャリテ。甘海老のにぎりと具の無い寿巻き軍艦に海老みその塩辛のタレがかかっている。お皿にかかった海老みそ塩辛を軍艦で拭って食べると、海老の濃厚な旨味が口の中に広がって至福。締めは穴子。前回、前々回は塩だったが今回はツメ(たれ)。木の芽のピリッとした風味も絶妙。
お好みでイカ、タコ、ゲソの頭足類3点セットを追加。こちらのゲソは初めて食べたけど、海苔で巻いて山椒漬けが乗っている。ぷりぷりの弾力が心地いい。タコは塩も大根おろしも使わずに40分間ひたすらマッサージして柔らかくしてから、ほうじ茶で炊いている。
これだけ手の込んだクオリティの高いにぎりをお腹いっぱいいただいてビールとお酒も飲んで税込8000円ちょい。1万円を超えるような高級寿司店も味は間違いなく美味しいんだけど、ちょっと緊張して気疲れしちゃうし、個人的にはこのぐらいの町の寿司屋でちょっと贅沢するぐらいが肩肘張らずにリラックスできるし、一番性に合ってる。
3カン目ぐらいから大将から「シャリをもう少し大きく握りましょうか?」と聞かれて「じゃあお願いします」と言ったので、締めのラーメンも入らないぐらい満腹。最後に「ウチは年配のお客さんが多いから、久しぶりに大きなシャリで江戸前らしい寿司が握れて楽しかったです。」と言われてこちらも和んだ。
アイディアとセンスに溢れる札幌寿司の名店
<2014年9月初訪>
北海道旅行に際して、友人から札幌周辺のオススメの寿司屋として教えてもらった「金寿司」。駅前の繁華街からはだいぶ離れているがこの立地でこの店構え、外観だけでも間違いなくアタリだと分かる。
地元でも人気店のようで昼どきでも予約なしの来店は満席だと断られていた。自分はおひとり様だったが、念のため当日の11時30分ぐらいに電話で席を予約をしておいたので良かった。
カウンターの真ん中の席に通され、目の前で応対してくれるのは年配の職人さん。他の職人さんと比べても一番ベテランそうだし、こちらのお店の大将かもしれない。
せっかくここまで来たのでケチケチせずに、一番良いおまかせ(5000円)を注文。にぎり16貫に鮭のお腕とお新香付き。
食べたいもの、苦手なものはリクエストに応じてくれる。「いくらとウニは食べたい」をお願いしたが、国産のウニは今の時期シーズンオフとなり市場に出回っているのはロシアなど外国産になるので扱わないため品切れなのだそう。
1、ひらめ
白身魚の横綱。すだちを一搾りした風味が絶妙。
2、鯛
身の締まったぷりぷりの歯応え。
3、かんぱち
脂ののりが最高でしっかり口に残る甘さと絶妙の歯応え。
4、北寄貝炙り
網でサッと炙ってあり、磯臭さを消しつつ香ばしさをプラス。
5、ずわい蟹
蟹の味が濃くてみっしりした肉質。
6、さんま
ベストシーズンのさんま。この包丁の切り口は溜め息もの。
7、帆立貝
貝柱を包丁で切ると味が落ちるからなんと手で割いているそう
8、カツオ燻製
ウイスキー樽にも使われるホワイトオークで燻していて、藁焼きの土佐造りよりさらにスモーキー。
9、おおすけ
キングサーモンのこと。脂たっぷりの外国産とは違い鮭の身の味が濃い。
10、水蛸
包丁入れは神業。半生で噛むほどに甘い。
11、しめさば
浅締めでさっぱりした酸味と奥に隠れる甘さが絶妙。
12、甘えびと海老みその塩辛たれ
具の無い巻き寿司に海老みその塩辛のたれをつけて食べるという面白いアイディア。
13、とろ
ピンク色のさしが贅沢に入った見た目に反して脂が上品。熟成の妙。
14、つぶ貝
もはやスイーツと言っても差し支えない甘さ。
15、16、いくら(2カン)
特大粒で舌と上あごの間でトローッととろける甘さが絶品。
いやー、さっぽろ朝市で食べたカウンターのお寿司も十分美味しかったけど、やっぱり違うんだなあ。ネタの味わいの深さが段違い。
鮮度が良ければ良いほど美味しいなら簡単な話だけど、それぞれのネタのベストな熟成のタイミングを見極めるのが寿司職人の腕なんだというのを思い知らせる。
あなごが北海道苫小牧産だというのでアンコールに追加。数が少ないから道内でしか流通しないそうだが、職人曰くこの時期のあなごでは日本一美味しいそうだ。江戸前の甘いツメではなく、サッと香ばしく炙って塩で頂くのであなご本来の風味や香りが存分に味わえる。
なんだかんだで今回の北海道旅行で一番心が動いた食事はここだったな。銀座辺りでこのクオリティのお寿司を食べたら倍近いお会計になるだろう。
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<2015年5月再訪>
去年9月の北海道旅行以来、半年ぶりに札幌の「金寿司」へ。いやー美味しかった!つい先日ミシュラン二つ星の寿司屋に行ったばかりだけど、トータルの満足度で言えばあまり変わらない印象。むしろ常連になりたいと思えるのはこちらの方かも。
もちろんお店としての立ち位置が違うのは承知の上だけど、肩ひじ張らずに美味しいお寿司を満足するまで色んなネタを食べたいという自分の好みとまさにドンピシャのお店。おまかせ5000円でこれだけバライティに富んだ握りが16貫も出てくるというのはすごいコストパフォーマンスだと思う。
1、鯛
塩で2日間熟成。皮目に醤油を塗って焼いてあり香ばしい。
2、平目
中に山椒の実で炊いた昆布の佃煮が入っている。ピリリとした山椒の辛さと熟成した白身の旨味が絶妙。
3、帆立
味が劣化しないよう繊維に沿って縦に手で裂いている。
4、北寄貝
サッと網焼きしてあり、磯臭さが抜けていて美味。
5、ツブ貝
高級な和菓子みたいな上品な甘さ。
6、まぐろ漬け
しっかり熟成された官能的な舌触りと濃厚なまぐろの風味。
7、かつお燻製
ウイスキーオークのチップでスモークしている。喉を通過するときにカツオ節のような風味。
8、トロ
身の横は炙ってあり、中には細切りのつぼ漬けが入っている。脂身の柔らかさとつぼ漬けパリパリの歯応えが絶妙。
9、スミイカ
歯応え抜群。柚子の香りがたまらない。塩で。
10、ウニ
なんとシャリの中にウニを握っている。前回来たときは時期的にウニが無かったので今回食べられて良かった〜!
11、シャコ
殻ごと炙った後に炊いていてふっくらした食感と香ばしさ。
12、甘海老と海老みその塩辛
これが金寿司イチのアイディア!甘海老にぎりと海老みその塩辛をす巻き軍艦に付けて頂く。海老の濃厚な旨味がすごい。
13、ホタテの白子と卵巣
この時期にしか無いレアなネタ。ウニよりも甘くて濃い味。ポン酢で。
14、鯵
今が旬の鯵。味が良いから「アジ」、「美味し過ぎて参る」から「魚参」という一説も。
15、水蛸
仕入れた直後に塩も大根おろしもつけずにひたすら40分間マッサージしてるそう。ほうじ茶で炊いてる。柔らかくて楽に噛み切れる。
16、穴子
ツメじゃなく塩で味わうのでアナゴ自体の味、風味が格別。職人さん曰くこの時期なら長崎産、秋なら北海道の噴火湾産が美味だそう。 (前回は北海道産穴子を頂いた。)
アンコールに「おおすけ」(キングサーモン)と「いくら」を追加。鮭親子セットで北海道の初夏の魚介を堪能。
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sanokuni
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店名 |
金寿司(きんずし)
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受賞・選出歴 |
寿司 百名店 2022 選出店
食べログ 寿司 EAST 百名店 2022 選出店
寿司 百名店 2021 選出店
食べログ 寿司 EAST 百名店 2021 選出店 |
ジャンル | 寿司 |
予約・ お問い合わせ |
011-221-2808 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
地下鉄東西線バスセンター駅より徒歩5分 バスセンター前駅から602m |
営業時間 | |
予算 |
¥10,000~¥14,999 ¥6,000~¥7,999 |
予算(口コミ集計) |
¥8,000~¥9,999
¥6,000~¥7,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Diners、JCB、AMEX、Master) 電子マネー不可 |
席数 |
59席 (カウンター12席、テーブル12席、小上がり8席、2階15席、個室3部屋12席) |
---|---|
最大予約可能人数 |
着席時 6人 |
個室 |
有 (4人可) |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
有 店舗東側 |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、席が広い、カウンター席あり、座敷あり |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり |
---|---|
料理 | 魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
サービス | テイクアウト |
お子様連れ |
子供可(小学生可) 小学生未満NG |
ドレスコード | なし |
オープン日 |
1934年 |
備考 | |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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金寿司@北海道札幌市
昭和9年(1934年)創業の札幌でも屈指の歴史のある老舗の寿司屋。JR札幌駅南口から南東へ約1.6km、タクシーだと10分ぐらい、徒歩だと20分強の場所にある。
元々は地域密着型の町の寿司屋で、出前や折詰、地元の方々の法事や会食などが中心だったそうで、お店の造りもカウンターだけでなく、テーブル席も多くあり昔ながらの大衆店の趣き。
現在は三代目のご主人が創意工夫を凝らした"おまかせ"が人気。おまかせは12カン4400円、16カン6050円。三代目は札幌のミシュラン一つ星の名店「すし善」で修業されたそうで、伝統的な江戸前寿司の仕事をベースにしながら、現代的な手法も巧みに取り入れ、次第に道外からの観光客も増えるほどの人気店となっていった。
2016年に初めて訪れて以来、札幌に来たら毎回必ず立ち寄っている。今回で4度目の訪問。今回もおまかせ16カン(税込6050円)を注文。相変わらず内容からしたらコストパフォーマン抜群だ。前半から後半に向かってしっかり盛り上げていく構成力も見事。追加でお好み4カンでお会計は7500円程度。
お店の雰囲気も値段もカジュアルだが、寿司のクオリティは都内の高級寿司店にも引けを取らないと思う。肩ひじ張らずに好きなネタをお腹いっぱいになるまで堪能できる。ネタの魚の味わいや食感の特徴を最大限に活かす仕事は本当に素晴らしい。なぜそのネタにそういう仕事をしているのかが、しっかり推敲されている。
(1) カレイ
初手は白身の定番カレイ。すだちと塩でさっぱりと。
(2) 真鯛
皮目を醤油で炙って香ばしさが格別。シャリとネタの間にネギを挟んである。
(3) ホタテ
濃厚な甘みのホタテ。金属の味がつかないように包丁で切るのではなく手で割いているそうだ。
(4) ホッキガイ
網の上で軽く炙って少し香ばしさを加えることで、磯の香りが甘みに変わる。
(5) まぐろの漬け
江戸前寿司の定番のまぐろ漬け。まぐろの血の味が一切出ないように丁寧に仕込んでいる。濃厚な旨味。
(6) アオリイカ
しゃぶしゃぶにして昆布締めしたアオリイカ。咀嚼しているとイカの甘みが口の中で昆布の味に変わっていく。
(7) 牡蠣
低い温度で短時間加熱し、生っぽい食感にしつつ芯までしっかり火を入れた牡蠣。牡蠣のエキスを吸って生牡蠣よりもとろりと濃厚な味わい。
(8) 甘えびとえびみその塩辛
金寿司の"スペシャリテ"。フランス料理のソースをバゲットで拭き取るのを寿司でやってみたくて三代目が考案したそう。お皿のタレ(海老みその塩辛)をネタのない軍艦でぬぐって食べる。
(9) かつおのたたき
ぶどうのツルとくるみの殻を砕いたチップで燻したかつおのたたき。香りが絶妙でかつお独特の血合の味を旨味に昇華している。かつおの産地や時期によって使うチップを変えているそうだ。
(10) すずき
塩で締めたヒラスズキの塩締め。脱水されて滑らかな舌触り。噛めば噛むほど旨味が出てくる。
(11) 中トロ
中トロの横を炙ってシャリとネタの間に大根のたまり醤油漬けを挟んでいる。パリパリとした漬け物があるので、なかなか飲み込めない分、たくさん咀嚼することになるので、中トロの脂の甘みを堪能できる。高級版のトロたく(ネギトロとたくあん)という感じだ。
(12) いくら
いくらの軍艦に青唐辛子の醤油漬けをトッピング。青唐辛子を醤油に漬け込んで麹を入れて長期間発酵させることで、辛味は穏やかになり、青唐辛子の香りだけを引き出している。青唐辛子のパリパリとした食感が加わることでいくらのプチプチした食感を隠して、口の中でいくらがとろけるような感覚。
(13) あじ
脂の乗った濃厚な味わいの鯵(アジ)。光物をきっちり酢締めすると魚自体の味が分からなくなってしまうので、こちらでは酢橘(ずたち)をちょっと絞って味をしめている。
(14) いわし
鰯(イワシ)の身に玉ねぎの芯だけをくり抜いてすりおろしたタレをかけている。イワシの脂と甘みたっぷりの玉ねぎのタレが絶妙にマッチ。光物の独特のクセを酢締めや生姜で上書きして消すのではなく、味の特徴として活かす仕事が素晴らしい。
(15) しめさば
酢締めのネタでもちゃんと鯖(サバ)独特の味わいを残している。
(16) ぶり
軽く炙って大根おろしでさっぱり。最近は海の温度が上がってブリの漁場がどんどん北上し、北海道でブリがたくさん揚がるようになってきているそうだ。
追加はゲソ、コハダ、タコ、ホッキガイ。下足(ゲソ)はアオリイカのゲソをオリーブオイルと味噌に漬け込んで炙った変化球。小肌(コハダ)はザ・江戸前寿司というド直球。
タコは一般的には塩や大根おろしで揉み込んでぬめりを取るが、こちらでは余計な味をつけないように塩も使わず40分以上マッサージするように揉んでほうじ茶で炊いている。タコは足と頭の両方のネタがあって、北海道の人は頭(胴)の方を好む人が多いそうで頭にしてもらった。
締めはおまかせで出た北寄貝(ホッキガイ)をおかわり。まぐろや白身、光物は東京でも美味しいネタがあるけど、ホッキガイはやっぱり産地の近い北海道で食べるの鮮度の良いものが一番美味しい。