瀬戸内海の魚介串かつ◆一口 : 串かつ 一口

広島県尾道市久保2-20-2、一口。
1964年創業。瀬戸内海の魚介類がメインの老舗串かつ店。
開店と同時に満席になる超人気店。
12席(カウンターのみ)。予約不可。喫煙可。クレジットカード不可。
駐車場なし(近隣にコインパーキングあり)。
営業時間17:30～23:00。定休、日曜日。

瀬戸内しまなみ海道を折り返し、向島からは観光タクシードライバーの粋な計らいで渡船に乗って尾道へと渡ります。
車ごと乗船し降りても大丈夫とのことで、デッキで潮風を受けながら尾道へ。
着岸上陸するとそこには、日本一短い船旅との看板。
日本一短い定期航路といえば、広島県呉市の音戸ノ瀬戸の江戸時代から運行されている定期船との認識があります。その運航距離120m。
こちらはもう少し距離ありますよね？車の乗る船ではと言うことかな？
尾道もロケ地観光者が多い街。着岸した場所には「てっぱん」のロケ風景の看板もありました。
タクシードライバーさんとは、大林監督の尾道３部作「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の話で盛り上がって。
尾道の出身の大林監督のことをドライバーさんはよくご存知でした。
「男たちの大和」も、尾道での撮影がありましたね(^^

さて、飲食店を観光タクシーのゴールにして貰う話になっていました。
一口か魚信旅館で食事をしたいと思っていたのですが、魚信旅館は事前予約が必要で今からでは無理。
一口は予約不可。確認電話を入れましたが予約不可は間違いなしです。
ドライバーさんは、一口の席が空いてたのを見たことが無いと言われます。
う～ん(^^;
自分の食運を信じたい！
店へ行って行列が無かったら降ろして貰い、無理だと判断したらドライバーさんおすすめの店へ行くことにしました。
お店前。
行列なし！
様子見に店内へ入り席が空いてるか確認。お店から０Ｋを貰うとタクシーへ戻り精算。
ドライバーさん、お世話になりました！
幸運にも席が空いていた。食の神様有難う(^^
同時に空いた5席に私達2名が座り、その後の来店4名は入れず断念、その後の来店2名が横に座られました。
そのお二人は30年来の常連さんとか。
常「何見てここに来たの？」
私「食べログですけど…」
常「我々ね、食べログ研究会やってるの」
私「？！…(ﾟﾛﾟ;)」そんな会があるのですか！勿論レビュアーだとは言いません。
飲食店関係のお二人だと言われていました。
今日その食べログ研究会があって、その後に、結局一番人気の店へ行くべしとなられたよう。
人気店に入った一見としては、洗礼を受けた気分でございます。
食べログレビュアーだったのだと、このレビューで知ってください(笑

やっと店の話です。店内はカウンター席のみ。狭いです。
綺麗とは言えなくも、清掃が行き届いてる感じがします。
店内は短冊に串かつメニューがずらり。
100円～300円が大半で、あさりだけが800円。
アルコールは、ビールだけがメニューとして壁に貼られていましたが、種類を言うと他もありました。
生ビールはサッポロ。550円。ハイボールや焼酎の水割りもいただきました。
先にキャベツが出ます。塩で食べるらしいです。キャベツは皿にとって上から塩ふりとのこと。
キャベツを食べながら、好きなものを注文。

・きす 220円…レモンを絞って塩を少し。抜群に美味しい！
・なす 100円…箸で穴あけタレを上からたっぷりと。
・玉ねぎ 100円
・たこ 220円…ぶつ切りで皿で供されます。塩で。嗚呼、冷えたビールとあう！
・れんこん 120円
・いわし 200円…大将自ら醤油を垂らしてくれました。これまた旨い！
・えび 280円…ぷりぷりです！たまりません。
・くじら 220円…素揚げで。
・くじら 220円…串カツで。ソースを上からたっぷり。
・あさり 800円
　常連さんから、あるなら食べるべしと言われたあさり。
　店主、キャベツの"やわいとこ"使うから食べてしまわんといてとのこと。
　提供は皿盛り。むき揚げに唐辛子の味付けが入りピリ辛仕上げ。
　これをキャベツに2～3個のせて食べるようにとのこと。
　うん。美味しい！
　店主「天かすに見えるけど、貝柱やから」ほんとだ！あさりの貝柱も小さいけど一緒に揚がってる！
・串カツ 120円…胡椒をかけて上からソースを。
・はも 230円…店主、そっとレモンのスライスを添えてくれる。
・はも 230円…唐揚げでもいただく。これもレモンで。

店主はソースと言わずタレと言います。
二度漬け禁止とかではなく、タレにミニおたまがついていてます。タレの味はマイルド。
大阪弁の店主、山本さんは元鮨職人。
26歳で大阪から尾道に移り住み、翌年この店を始め半世紀。お元気です。
串かつの美味しい頃合いを音で聞かれているらしく、店内が騒がしいと静かにしてほしいと言われます。
特に、あさりはそう。
恐い人なのかなぁと思ってましたら、笑顔は可愛い。
常連さんが、九州から来てるんだから大将の写真くらい撮らせてあげたらと言うと「いいよ」と照れ笑い。
食べ方に拘りがあり、美味しく食べられるようアドバイスしてくれます。
油に近い席だったので一通り聞けました。その通りに食べるとやはり旨い。
塩やタレ。串かつをつけるのではなく、串かつに上からかけるのを良しとされているようです。
口喧しく感じる人もおられると思いますが、それなりに謙虚で良い店主。
息子さん夫婦と店を切り盛り。
席に座れて幸運でした。
とても美味しかった。職人的な店主が好ましいです。
油は高頻度で入れ替えされてるよう。
ラードを感じたので聞きましたら、ラードも使ってるよとのこと、ブレンドみたいです。

私達が店を出る頃、また客が入り入れ替わります。
席の後ろが狭く心配してましたら、実は入口は2つ。
カウンターの両サイドの延長に扉があるのでした。奥の扉は化粧室横。よく出来てます。
串かつのみで、他のサイドメニューはなし。たらふく食べて飲んで一人5000円ほど。
店を出ると周辺は街灯も少なく暗い。
この店の活気と対照的でした。
熱々の瀬戸内の魚介串かつに満足。尾道駅から家へと帰ります(^^