ファーストキスの思い出が、蘇ります？！ : 串かつ 一口

〈2016年11月　再訪〉
尾道の歴史ある繁華街にぽつんと佇む13席の串かつ専門店
地物の新鮮な魚介串が安くて絶品！

開店後席に案内され、入店順に全席のオーダーを聞いてから大将が同じ種類の串毎に揚げていくのですが、最初に届けられるのは「きす」

かなりの種類を頼みましたが、特に「いわし（小いわし３匹）」、「はも」、「きす」
今回はこの3品が悶絶級の美味しさでした♬

熱々で香ばしくサクッとした表面から、ふんわりと上品で柔らかい白身へと続く触感のグラデーション
レモンや、醤油の香りの後に口の中にじんわり広がる魚の甘味（旨み）

串を揚げる油の音、大将の説明、初めて訪問客の反応や、地元常連客の「じゃけん」、「ぶち」といった方言交じりの雑談・・・
時間が経つにつれお客同士の一体感も生まれ、酔いとともに？店内全ての雑音？が、美しい音色へと変わっていきます・・
SNS時代に薄まりつつある「日本の良さ」？

情緒あふれる美しき尾道の街の景色にも引けをとらない・・
都会のミシュラン３つ星店では味わえない？
歴史ある港町の小汚い店の明かりは、優しき幸せの灯？

目を閉じると今でも最初のに食べた「きす」、ファーストキス？の触感が、よみがえります・・・

一口で、思わず笑みがこぼれます♪


【備考】
・予約不可、カード不可、喫煙可、定休日　日曜と水曜？　また不定期の休みもあるそうなので、事前に訪問予定日の営業確認を！
・一人訪問でも全く気にしないでOK
・17時30分にオープンするのですが、お店右奥手横の屋根の下のコンクリートの待合スペースで（イス4つ位あり）待ち、
　開店と同時に早く来た順に店内に案内されます。
・12～13人逆コの字のカウンターのみの小さなお店で、月曜でも開店後しばらくで満席となり、1時間30分位はまず席は開かない印象なので、　遠方から初めて行く方は、訪問する曜日や、ホテルの混み具合等も考慮して開店10分〜30分前から並ぶか、１回転後の19時40分位に勝負をかけるか。
・店内に入ると、おしぼりの封を開けて大将が手渡し、串用、たれ、塩用の皿や、レモン、キャベツや、箸等が用意されていきます。
　「とりあえず生！」と声をあげたくなりますが、注文は焦らず、声をかけられるまでは、なんとか我慢しましょう＾＾
・常連さんは、一人同じ串を2本ずつ頼まれる方も多いですが、オーダーは1本でもOK　
・あなごは、一本サイズだと600円
・「あさり」は、ある程度タイミングをみてから同時にあげるので、最初には頼まない　　※裏メニューで「ピリ辛」味もあり
・特に地物の新鮮な魚系が抜群という印象（肉系も美味ですが）で、「くじら」や、「海老」は地物でない場合あり
・ハイボール、メニューにない、焼酎水割りウーロン等もあります
・初訪問の方でも、大将が一つ一つ食べ方を指南してくれるので安心（レモンを軽く絞って！　塩で等）
・塩は上からさらっと振ってかけ、たれは薄目なので最初からたれ用の皿に事前に多めにたらしておき、さらに上からかけてもOK（こちらも指南あり）
・トイレの前では待たないように（ドアにぶつかります＾＾）
・時にあまりに大声で話すと「声が大きすぎて、串が揚がらないよ！」と制したりレンコンの穴の数のネタ（下？）を楽しそうに話す大将は、
　年末に80歳になられるそうです！　まさかルックスからは、クリスマスイブが誕生日には見えません（笑）


〈2015年4月〉

一口で悶絶！？　熟練の技が冴える驚愕の串揚げ


まさか・・嘘でしょ？　

正直「串揚げ、串かつ」でこんなにも感動するとは夢にも思ってもいませんでした。

尾道市の串かつ「一口」を訪れるまでは・・・


尾道の飲み屋街に溶け込んだかのような歴史と趣きさえ感じます。

予約出来ないお店で18時30頃お店に着いたら満席で、

空席が出来るまで外の待合のイスで待たせていただき15分程度で入店。

カウンターのみの11席程度のお店ですが、開業ほぼ50年という歴史が醸し出す昭和の味わいがたまらない安堵感を与えてくれます。

満席の店内は広島弁の常連客ばかり。

お通しのキャベツは、ちょうど旬の春キャベツの芯を除いた部分。　
→なくなりそうになると言わずとも追加してくれます。

地物でないのは、くじらと海老のみだそうで、肉・野菜そして魅惑の魚貝達がショーケースに並んでいます。


♦にし（アカニシ貝）　200円
常連客が「ニシン」とオーダーしたように聞こえ、鰊（にしん）？

と思ったのものが、にし（アカニシ貝）と気付くのに10分位（笑）

抜群に美味しい！

基本たれ(ソース）、塩、レモンの組み合わせでいただくのですが、

常連でない方には、大将が塩だけ、レモンをちょっとしぼって！
たれ(ソース)で、半分塩で半分ソース！と素材ごとに最適の食べ方を指南してくれます。


♦穴子の一本揚げ
尾道地物の穴子。臭みも全くなく、衣も少な目でパン粉も小粒。

サクッとした香ばしい衣と、ふんわりとした絶品の穴子。

レモンと塩だけでいただくのですが・・・

サイコ―に美味しい！！


♦きす　220円
こちらもレモンと塩でいただくのですが、臭みもなく、衣は薄目ですがサクッと香ばしく・・

その後に厚みのあるきすの上品な身の絶妙な舌ざわりが訪れ・・・・これは、本当に参りました。

悶絶級に美味しい！！！


♦あさり　800円
この「あさり」は常連には「ピり辛味」が人気の様で・・直ぐに便乗してピり辛でいただきました（笑）

後半にちびりちびりと？最高のつまみです。


♦串カツ　120円
豚肉の一口かつは、レモンとソースで。

ソースはいわゆる大阪の串揚げのソースと比べると、ややマイルドで少しとろみと甘みもあり、たっぷりかけても濃すぎとは感じないくらいの「心地よい濃さ」です。

大きい取り皿を「ソース」、
小さな取り皿を「塩」でいただくのですが、

ソースは、二度漬け禁止というつけ方ではなく、

まず大皿の下に並々としいておいて、

そのソースの上に串を抜いた揚げものを置き、

さらに容器からソースすくって揚げ物の上からもしっかりとかけるのが一口流。

このソースと一口かつの相性も抜群！

イワシとタコは訪問日は良いものが入らずなしだそうですが、本当に上記メニューだけでも大満足。

お酒はメニューにはありませんが、日本酒、焼酎、NIKKA　WHISKY等も有り。

カウンター喫煙以外の大きなマイナスほとんど見当たりません。


またどっしりと構え、殆ど揚げ場から離れない大将は、78歳。

「油は植物系と、動物系を混ぜたもの」だそうで、サクッとした衣からは香ばしさと共に心地よいコクが訪れます。

食べている合間にも何度か油を入れ換えていらっしゃいました。


絶品の串と酒、そして大将の真剣に揚げる横顔と、優しい笑顔の後には、熟練の奥義を思う存分堪能させていただいたかのうような心地よい満足感が訪れます。

狭いお店ですが、大将と息子さん、女性陣との呼吸もカウンター越しから見ていても気持ちよく、
接客も一見客の自分にもとても丁寧に対応していただきました。


然程お金をかけずとも、本当に幸せな気分に酔わせてくれる・・・

いや、たった一口で、ここへ来て良かったと思わせてくれる！？

歴史ある尾道に夜の街に輝く奇跡の名店です。