辛くなくても美味しいつけ麺。つけダレの風味が楽しめます。 : 聖屋

ここ数年で、広島駅北口もかなり開けてきました。


そんな休日のある日。サイクリングでこの界隈を流していました。
すると、住宅街の一角にあるビルの１階にあるこのお店を発見しました。


お店前の立て看板には、「定食」「カキ（こちらは完全スルー）」とあったので、ランチでも
食べようと思い、外観写真を撮って入店です。


お店に入ると、「いらっしゃいませ」と出迎えてくれたのは、女性店員の方。


案内されたのは、対面テーブルでした。


席に着いてメニュー表を見ると、定食の他につけ麺も提供しているようです。


ということで注文したのは、

・本格つけ麺　普通盛（広島つけ麺・１玉・８５０円・辛さ０倍）　　　　　　です。


このお店の近くには、広島つけ麺の名店「かず」があるのですが、あのお店はつけ麺専門店
なので、住み分けはできているようです。


注文を受けて、女性店員の方が奥にスタンバイしている男性店員の方にオーダーを入れます。
厨房前には、大きな衝立があるので、中の様子は窺えません。おとなしく待つことにします。


店内は、カウンター席が２席、６人掛けのテーブル席が１卓、対面式のテーブル（１０人掛け）が１卓、
座敷席として、６人掛け×３、４人掛け×１と大勢のお客さん＆１人客が来店しても十分対応できる
席数が確保されています。


また、白壁にはいたるところにメニュー表が貼り付けられているので、魚料理専門の居酒屋に
来たような印象です。


そして、たばこは…私の斜め前に座っていた男性客が灰皿をもらって吸っていたので、禁煙では
ないでしょう。


厨房の中では、氷とボウルの擦れる音がしているので、一生懸命、氷水で麺を締めているのでしょう。


待つこと約１０分。私のもとに本格つけ麺が運ばれてきました。
なかなか豪快な盛り付けです。そして、つけダレは、さすがに辛さ０倍なので、タレの色は黒いです。


では、早速実食です。
麺をつけダレに漬して食べると、麺は、やや固めに茹でられていますが、もっちりとした食感。
そして、やや中太の印象。つけダレの風味を程よく絡め取ってくれます。


ちょっと、つけダレが気になったので、つけダレのみの味見です。
つけダレは、昆布と複数の小魚＋αでダシをとったものに醤油ベースのダシを加えたもののようです。
そして、後味で残ってくるのが、みりんのほのかな風味。


これは、そのままのつけダレでも美味しくいただけそうです。
その後、キャベツ・キュウリを漬して食べましたが、魚介の香りが豊かな冷麵を食べているような
感覚がしました。


辛さ０倍は経験したので、女性店員の方につけダレを５倍（激辛）にアップしてもらうようお願いしました。


ほどなく運ばれてきたつけダレを見ると、見事に真っ赤です。まあ、これが本来のつけダレといえるでしょう。
つけダレをよ～くかき混ぜてから、改めて、つけ麺を食べていきます。


今度は、キャベツをつけダレに漬して食べます。
すると、今度はキャベツの甘みがはっきり感じられます。これぞ広島つけ麺！と思っていましたが、
後味として感じるみりんの風味がよりはっきりとしてきました。
個人的には、辛さの中に感じる甘みを楽しむところで、少しこの風味は邪魔な気がしました。


しかし、これは個人の問題。つけダレ自体はかなり本格的なもののようです。
その後、麺・きゅうり・ねぎ・チャーシュー（脂身が少なくきちんと冷されており、非常に食べやすかったです）
をつけダレに漬して食べ、最後に残ったつけダレを飲み干し完食です。


広島つけ麺を食べた感想は、辛くなくても美味しいつけ麺。辛いのが苦手な方や広島つけ麺初挑戦の方
にお勧めできそうな１品でした。


食事も終わり、他のお客さんも帰った（１人を除く）ので、女性店員の方と少しだけお話しです。


話の概要は下記の通りです。

・お店は２００８年１１月から営業。

・このお店には、観光客の方が多く訪れ、多くの方は牡蠣を注文していく。

・昼は、定食の他には「網焼きぶた定食」がよく注文される。

・夜は、お酒を目当てで来店されるお客さんが多い。

とのこと。


えっ！お酒目当て？と思いメニュー表を改めて見ると、確かに見覚えのあるお酒のメニューの中に
珍しいお酒もいくつか見られます。


焼酎では「赤霧島」、日本酒では「雁木」が人気メニューとのこと。
確かに厨房前のカウンターには、赤霧島の瓶が複数本並んでいます。このお店のオーナーの方の顔が
広いのでしょう。


その後、私とともに残っているお客さんと思われる方が、私の方に歩み寄ってきて、「実は麺にも
こだわりを持っていまして…」と話をされるので驚きましたが、実はこの方がお店のオーナーでした。


オーナーのお話によると、お酒もこれまで築きあげた人脈を利用して仕入れていると同時に、
つけ麺専門店ではないのもかかわらず、麺は原田製麺から仕入れているそうです。


やはり、しっかりとした料理を提供するには、きちんとした食材を仕入れないといけないということでしょう。


支払い代金は８５０円。「ありがとうございました。またお越しくださいませ」とオーナー・女性店員の方
に見送られてお店をあとにしました。


美味しいつけ麺でした。ただ、辛さ０倍の方が印象が良い（あくまでも私にとってですが）つけ麺は
このお店が初めてかもしれません。


実際、このお店はつけ麺専門店ではなく、昼は、定食・網焼き豚丼…。夜は、魚料理を食べながらお酒を
楽しむ居酒屋スタイルと幅広く営業されています。


今回は、その幅広い中の「広島つけ麺」という部分を覗かせてもらいました。


次回は、昼に伺うか、はたまた夜にお酒を飲むか？選択肢が多く、なかなか決められそうにありません。


美味しくいただきました。ごちそうさまでした。