定番揃いの美味しいブレッドバー。パンの美味さを引き立てて主張しすぎないジャム・ペースト。デリやパンケーキと合わせて遅めの朝食はいかが。 : アンデルセン キッチン 広島店

広島本通りのほぼ中央に位置する広島アンデルセン。
アンデルセン・リトルマーメイド・タカキベーカリーの総本山的店舗。

本通りに面した２階建て被爆建物の外壁に大きく開いたウィンドウから見える姿は”焼きたてパンのカフェ”ですが、
８階建ての新館が隣接しており、パンのみならず、
１階には、惣菜・精肉・ワイン・チョコレート専門店・チーズ・生花が並び、
２階はサンドイッチの他、グリル・ピザ・パスタ・中華も含めたフードコートとなっています。
上層階には、カルチャースクール、結婚式場としても使えるパーティルームなどを備え、
デンマーク領事館まであります。

１階のカフェは毎日朝食営業をしていますが、
今回は２階のフードコート”アンデルセンキッチン”で遅めの朝食。
アンデルセンキッチンは通常昼と夜の営業ですが、土日祝のみAK'sブランチとして朝９時から一部営業されています。

店内のエスカレーターで２階へ、座席へ案内されます。
ブランチタイムは美しい吹き抜けのある、本通り側旧館部分２階での営業となっています。
会計用のバーコードが入ったカードを受け取り（退店時にこのカードを会計で渡して精算となります）、
オープンキッチンのカウンターへ。

サラダ、グリルメニュー、オムレツ、パンケーキ、フルーツなどのメニューを注文すると、
＋¥540でブレッドバー（ワンドリンク付き）を追加できます。
ブレッドバー（＋ワンドリンク）のみ(¥972)で一人利用という方も多かったです。

エッグベネディクト＆グリルドソーセージのブレッドバーセット（アイスティーレモン）(¥1,188+¥540)をオーダー。
番号札とドリンク、ブレッドバー用の皿の載ったトレーを受け取ります。

おかわり自由のブレッドバー。
バゲット、ハイジの白パン、クロワッサン、トレコンブロート（ゴマたっぷり）といったアンデルセンの定番食卓パンのほか、
ペストリー３種（フロマージュ、ストロベリー、スパンダワー）と、スライスされたマリボーチーズフランスも。

パンのお供も充実。
塩と胡椒、エキストラバージンオイル、バターといった定番。
ブルーベリージャムは粒そのまま、他にミックスベリー、オレンジマーマレード、パイナップルジャム。
ペーストが３種。ブルーベリー＆バターのほか、
ホテル朝食などではあまり見かけない惣菜系ペースト、スモークサーモントラウト＆クリーム、トマト＆クリームチーズの２種類。

この２種の惣菜ペーストが絶品。
塩っぱいものを想像していましたがまったく。
塩味控えめで、あくまでも脇役としてパンの味や香りを引き立てるものでした。
（１階のショップで探しても見当たらなかったので、このレストランでしか味わえないものなのでしょうか）

メインが到着。
表面にパリっと焼き色の入ったソーセージと
ナイフを入れると黄身がとろけ出すエッグベネディクト。
定番のパンと一緒に。

朝９時から１時間ほど居ましたが、さほど混みあうこともなくゆったりできました。

前日は遅くまで広島の夜を楽しんで、寝坊してはじめる広島観光をこちらでスタート、
お昼は混みあう正午前後を避けて少し遅目に、なんていかがでしょうか？

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お店で見かけた「アンデルセン物語ー食卓に志を運ぶ「パン屋」の誇り（新潮社）」を読みました。

創業夫妻のルーツが長野と富山にあったことに親近感を感じつつ。
創業前には、同じく広島発であるカルビー（の前身会社）とも縁があったそうです。
よそより少し高くても良いパンを、という理念は創業当初から。
広島工場に併設されていたスリフトショップの閉鎖も、
そういった考えが根底にあります。

そして、日本で初めての、
デニッシュペストリー、トングでトレーに取るシステム、パン生地の冷凍技術。
先に進むには既存の常識にとらわれていてはいけないということを再認識。

数十年前、地元（広島県三原市）にもタカキベーカリーの支店（FC?)がいくつもありました。
幼いころからテレビで何度と無く見たタカキベーカリーの広島ローカルCMには、具体的な商品の宣伝はなく、パンを食べるひいては朝食を食べることをすすめる内容でした。
そしてここ広島アンデルセンには、パンにとどまらず惣菜・精肉・ワイン・チーズ店や、テーブルウェアの店、パンやワインなどのカルチャー教室まで揃っている。

この本を読むことで、これらすべてがつながりました。

すべてが創業夫妻の考える
”パンのある（似合う）食卓づくり”とつながっていました。

パン生地の冷凍技術特許を無償で公開し、パン業界全体の発展に寄与し、全国のパン職人を長時間労働から解放した。
数多の社員を留学させ、そこに集うひとを育てた。
自社農場を作り新入社員に小麦の栽培からパン作りまでを一貫して経験させている。
単にパンを売るだけではない。
「パン文化」を作り育てる、という高い志のある企業なのだと理解しました。