キメ細やかなもてなしと、華やかな料理。スタイリッシュな和の雰囲気の中で、ゆっくり食事が出来る。 : 日本料理 三嵋

この店、前の職場の近くで、帰り道にあるのでず～～～～っと気になっていた。
雰囲気良さそうだなぁ～、でも高いんだろうなぁ～、でもちょっと行ってみたいなぁ～・・。
そんな事を思いながら家路を急いでいたら、転勤食らって北九州へカムバックｗｗｗ
以来、心残りだったのだが、今回なんと！広島へ旅行に行った際に訪問できた。
　
思っても見ない機会を頂いて超感謝である！(*ﾟ∀ﾟ)
そんな訳で、Ｂ級グルメレポーターの俺が、Ａ級グルメを堪能しますよｗｗ
　
　
店はアーバンビューという広島で１～２番目に高い高層ビルの２Ｆにある。
このビル自体がお洒落な雰囲気があり、上階は”億ション”になっているわ、１Ｆに噴水やらギャラリーやらあるわ、高級スーパーもある。１袋５００円のポテチとかあるので、面白い。
買わんけどなｗｗｗ
　
　
で、店は和モダンを追求した落ち着いたデザイン。
綺麗な百合の生け花が飾られており、水がたゆたう優雅なエントランスだ。
直線を基調としたスタイリッシュな内装は、シャープでキレがあるスタイル。
しかしチーク材のようなやわらかい色調の木が多用されており、和調である為、落ち着きのある風合いである。
ケバケバしさはなく、あくまでシックに大人のゆったりした世界観を構築していた。
店内のところどころに、生け花やちょっとした飾り物があり、それがまた目を楽しませてくれる。
我々の部屋の照明は明るかったが、暗めの設定の部屋もありました。
基本はパーテンションによる個室となっているので、会食や宴会にも向いてるなと。
スタッフは男性がピリッとしたスーツ、女性は和装で、ここにも
スタッフはよく教育されており、キメの細かい応対を頂き、また気配りも出来ていた。
上品で質の高いサービスを展開してる。
　
トイレに関しても男性トイレが混んでいたのを見られ、
「私が見ていますので、女性用をご利用下さい」と言われ、女性用を使わせて貰っちゃったｗｗ
どちらも清潔でとても居心地良いｗｗ（おいおい・・。）
便座カバーが人感知センサーで、前にくると自動で開きますよｗｗ
おお・・やるなトイレ！と訳の分からん感動を覚えた。
　
オーナーさんと思しき和装の女性とお話しました。
北九州から来ましたと伝えると、その方も北九州出身で、しばし話し込んでしまいました。
冒頭の気になっていて偶然今日来れたというエピソードを話すとありがとうございますと丁寧にお礼も言われ、また機会があれば是非お越し下さいと落ち着きの有る言葉遣いで案内されました。
モチ！機会があれば再訪しますがなｗｗ
　
「敷居高そうだったから行き難かった」と失礼な感想も述べたが、「昼もやってますし、昼のコースはリーズナブルですよ」と模範的回答を頂く。
そこらの定食屋と事情は違うそれなりの値段だが、この雰囲気を味わうのであれば安いんじゃないかな？
　
開店から６年を数えるそうで、このサービスと雰囲気であれば、リピーターは多いだろうなと感じましたよ。
　
　
さて、やっと料理の方に移ります。（毎度長いレビューだな・・・。）
　
　
今回頂いたのは１２０００円のコース。
飲み放題２０００円を付けて、１４０００円だ。
　
テーブルには小さな生花も飾られており、朱色のお盆のような漆器に料理が運ばれてくる。
瓶ビールは枡状の受けに入れられ、箸は店名を入れた帯で封をさているなど、小物にもこだわりを感じます。
　
　
食前酒に赤紫蘇梅酒を頂きました。
やわらかい飲み口と紫蘇の香りと甘みのある味が、アペリティフには良い感じ。
　
　
前菜は信田寿司、焼き茄子と焼きウニ割り醤油掛け、菊花添えエノキ・菊菜・とんぶり和え、鮎うるか焼き、おくら煮凝り。
器に凝っており、固めの和紙をアーチ状に被せた状態で運ばれ、小さなかわいらしい器にそれぞれがちょこちょこと盛られている。
　
信田寿司（しのだずし）は要するに稲荷寿司。稲荷寿司の昔の呼び名。
なんで稲荷寿司を呼ばないかは不明ｗｗ
お揚げの旨味がしっかり美味しい。
押し寿司のように、しっかりご飯が詰まっていて、モッチリした食べ応えだった。
　
焼きナスはウニの香り付きで、さっぱりなのにまったりした味わい。
薄めの味付けだったので、ライトに食べられる。なかなか小粋な焼きナスである。
　
エノキ・菊菜・とんぶり和えは、トロミのある和風ダシにエノキ茸と菊の花が彩り有る冷製の和え物。
こちらも上品な味付けで、やわらかい口当りだ。
となみに”とんぶり”とは、豚と鰤の愛が育んだ珍味で・・・・って嘘書くなｗｗｗ
ほうき草と言われ、ガーデニングとかにも使われる葉っぱがふわっとした可愛らしい草の実。
「畑のキャビア」とか言われ、プチプチした食感が楽しい。
　
鮎うるか焼きは濃厚な味わいだった。
香ばしく焼かれた鮎の身が酒に合いましたよｗｗ
　
おくらの煮凝りもやさしい味付けだが、旨味もしっかり詰まってました。
　
　
御椀（汁物）に続きます。
牡丹ハモ、松茸の澄まし汁仕立てです。
銀色の器にハモと松茸が泳いでいますよ。
あと、他の人は何だこのキュウリ？って言ってたが、ズッキーニじゃないかコレ？ｗｗ
と思った献立に書いてたｗｗ でも食っただけで分る俺って結構やります。(｀･ω･´)
　
ハモは皮一枚で残している絶妙な骨切りをされており、これは職人技である。
綿毛のようにフワッと花開いたようにやわらかく、まさに器に咲いた牡丹！
淡白な味わいの中に、松茸の香りが移った旨味の高いスープが浸潤して、相乗効果で非常に美味しい。
ゆったりとした優しい澄まし汁が、酒で焼けた俺の胃袋に染み渡ると、何だか癒された気持ちになるね。

柚子の皮が浮かべられており、爽やかな香りが表面を覆って、良いアクセントになっておりますた。
　
　
お次は御造り（刺身）だ。
大島産天然真鯛、五島産戻りカツオ、車海老。
クラッシュドアイスを敷いたガラス製の涼しげな器に、ちょこんとお刺身。
紫蘇の花とケヤキの葉が飾られており、演出も素晴らしいものがある。
　
ここで一つだけ言っておく事がある。
　
広　　島　　は　　刺　　身　　が　　不　　味　　い　　！
　
これはガチだった！
北九州で美味い刺身食い慣れてしまっていた俺にとって、広島の魚はどうしても鮮度が無く、また身の締まりも甘かった。（これだから北九州人は鮮魚料理店に嫌がられるのだ・・。）
接待などで料亭や寿司屋などで高い金払って食っても、北九州のその辺のスーパーで売られている刺身とどっこいってのがセオリーだったのだ。
俺は諦めの境地に達しており、刺身が出た瞬間に・・「あ～あ、また大したことねぇんだろな・・。」と意気消沈していた。
　
が！
　
量こそ少ないものの、「三嵋」の刺身は広島の常識を打ち崩したね！
ちゃんと美味い！（酷い言い様だ・・・。）
身の締まりも申し分なく、鮮度が高いのを裏付けるように甘みのある身だった。
使用している素材の良さを如実に物語る味で、目からウロコがポットリ落ちたね。
車海老もプリップリで、噛んだ歯を弾くような歯応え。
真鯛もコリッとした弾力で実に良い。
刺身醤油も九州の甘めの醤油で、やわらかい口当りで旨味濃厚だった。
　
広島で刺身食うならここしかないと思ってちゃったよｗｗ
　
　
刺身はもう一品あって、厚岸産秋刀魚だ。
秋刀魚の刺身は大好物で、濃厚な青魚の味が敵知らずだよね？
ここでも装飾に凝っており、風車のように切られた野菜（ｽﾏﾝが正体不明だった）や黒い小さな棒ｗ（カラスミか？）も乗っており、濃厚な味わいのわた醤油に付けて頂く。
これ大好き！
うまうま言いながら、隣で青魚が食えないヤツのも奪って食った。
可哀想なヤツめ。この味が分らんとは人生の７％くらいは損してるぞ。
　
　
煮物も出ました。
瀬戸内産真たこの柔らか煮で、冬瓜、小芋、南京、絹さや、木の芽、生姜入り。
トロミのあるダシの効いた醤油餡を付けていただきます。
なんか一息つくようなホッとする味ですわ。
　
　
焼き物は名前が長かったな・・・。
「瀬戸内産マナガツオ味噌柚庵焼き はじかみ 大島産黒アワビ塩昆布和え」である。
カツオは味付けがサッパリしており、以外に淡白な味わいだった。
はじかみ（甘酢漬けの芽ししょうが）と一緒に頂きましたよ。
　
アワビの塩昆布和えは流石の歯応えで濃厚だ。
味付けが巧妙で、アワビと塩昆布のコラボレーションがこれほど良いとは思わず、料理長のアイデアに舌を巻く。
　
　
広島牛ロースの炙りはやわらかく、味・旨味濃厚で一気に食っちゃったｗｗ
でもちょっと薄くねぇか？
　
　
酢物が出てきて、毛がにを土佐酢ジュレで和えていた。
酢の強さが毛がにの味を殺すんじゃないかと思ってたが、酸味が少なく、やわらかい口当りなので、バランスが良い。
しっかり毛がにの甘みを引き出す役に仕立ててあるのは結構凄いと思うよ。
　
　
〆のご飯ですが、鯛めしだった。
鯛の味がご飯に染みており、非常に上品、且つ旨味が豊かな鯛めしだ。
やわらかい昆布の旨味がご飯粒を包み込み、よくほぐれた鯛の身が所々に散りばめられていた。
どうでもいいが、御新香として出た広島菜の漬物は美味かった！
　
　
総評として一言言わせて貰えば、一品一品の味や演出は非常にグレード高い。
食べる人を喜ばせる工夫や、楽しませるアイデアも豊富で、運ばれてくる度にウキウキします。
が！
量が圧倒的に少ない・・・＿|￣|○
　
俺のような呑み助は、飲んでるから別に量は要らないのだが、食べる事を目的とした人は、恐らく食べ終わった時こう言うだろう。
「あ～美味しかった！お腹空いたなぁ・・。」
ってねｗｗｗｗ