屋台発祥店で広島らしいお好み焼きを◆元祖八昌 : 元祖八昌

広島県広島市中区竹屋町5-21、元祖八昌。
広島ご当地グルメの代表格お好み焼きの人気系列、八昌の元祖となる店。
日赤病院前電停から600ｍ。
7席。喫煙可。駐車場1台(隣の3番のみ)、近隣にコインパーキングあり。
テイクアウトあり。
営業時間10:00～麺がなくなるまで。定休、日曜・祝日。

たまにソースものが無性に食べたくなります。
鉄板で焼けるソースの香りを脳が要求してくる感じでしょうか。
広島へ行くにあたって、立ち寄りたい店がありました。
以前、広島のお好み焼きの概念を変える体験をさせて貰った、薬研堀 八昌。
その元祖店があることを、広島レビュアーさんから教えて貰っていました。
そちらへと向かいます。
それにしても広島のお好み焼き店の数って多いんですね。
県下1700軒以上と聞きますし、広島市だけでも800軒以上だそうで。
店舗数は全国三位、人口当たりの店舗数では全国トップとか。
福岡県における焼鳥店と同じですね。
広島県民の皆さま、誰しも贔屓のお好み焼き店をお持ちの事でしょう。

この日は秋だと言うのに暑くて。
日差しの中、歩き続けると体力を奪われるような日でした。
麺が無くなれば終わりの小さなお店。
食べられるかどうかは、その日の運。
もうすぐ店の前。
開いてる？開いてる！
空いてる？空いてる！
カウンターを囲む7席の小さなお店。
入口は二ケ所。解放されたドア。店内には扇風機とテレビと雑誌。
鉄板前は暑くて、歩いてきた汗もひかないままに注文。
聞かれることも多いのでしょうか。
八昌の歴史が書かれているメニューチラシも置かれています。
焼き上がりをライブで見せて貰いながらビールをいただきます。
ビールは瓶で500円。
おつまみに竹輪＆枝豆が出されました。

写真の承諾を得て、撮らせて貰いました(^^
広島風お好み焼きは生地と具材を混ぜずに焼く、重ね焼き。
戦前の東京で誕生したといわれる、お座敷料理のお好み焼きや戦後に広まる混ぜ焼き式のお好み焼きの影響を受けていません。
戦災からの復興過程(1950年頃)に出来たといわれる屋台街(後のお好み村)にて、戦前の一銭洋食をベースに独自の変化を遂げ、後に広島風お好み焼きと呼ばれる料理に発展したと聞きます。
混ぜ焼き式のお好み焼き育ちの私にとって、重ね焼きを知った若かりし時はカルチャーショックを受けたものです。
繊細なる重ね焼きの料理過程を見るのは楽しみの一つ。

昔ながらの広島のお好み焼きの店は小規模な個人店が多く、真ん中に大きな鉄板を擁するテーブル。
お客は大きな鉄板の周りに座り、焼かれたお好み焼きを鉄板から直接小型のヘラを使って食べる。
鉄板から直接ヘラで食べるのは、屋台発祥店では皿を利用しないので水の節約になったと言いますし、割り箸の消費量を減らすという理由もあり、慣習となったそう。
近年の店は大型店も多くスペースの難もないですし、観光客や女性配慮で扱いにコツが要るヘラに足して小皿や箸は出されていますが、元祖八昌は昔ながらの店。
観光客に迎合していない、広島のお好み焼きの背景そのままに営業されている従来スタイルの店です。
日頃は小皿と箸に慣れてしまっているのですが、郷に入れば郷に従え。
ヘラ食でいただきます！

◆そば入り 肉・卵 750円(税込)

オーダーは、肉玉そば入りで入ります。
熱々の鉄板に小麦粉を水で溶いたものを薄く伸ばして焼く生地。
その上に、たっぷりのキャベツ。モヤシ。葱。調味料。
その上に天かすと豚肉。つなぎの生地をおたまでまわしかけ、ラードを少々かける。
反すとジューッという音。
最初はたっぷりの野菜と具で高さがありますが、生地が蓋になり蒸し焼きで嵩が減っていきます。
そのタイミングでゆで上がった麺を鉄板へ。
私の地元では、そばは蒸し麺利用をしている店がほとんど。
広島では生麺が大半なのも大きな違いです。
こちらも、いその麺ですね。広島の店でよく見ます。
軽く炒めた麺の上に半分出来上がった本体をのせ、鉄板に卵を割る。
先程の本体を、丸く広げた卵にのせる。
それを返してソースを塗る。
このソースの粘度は、ウスターソースではお好み焼きにしみこんでしまうため、ウスターに片栗粉を入れてとろみのあるものへとソースメーカーがニーズに応えたことから生まれたものとか。
ソースの上に調味料と青のり。
私の注文はこれで完成。
ご一緒している方は、ねぎかけ。ビジュアルはこちらが上ですね。
屋台時代からの広島の店らしくマヨネーズなし。
ソースは足りなければ足して食べられるように側に置かれました。
ヘラで食べるのは火傷に注意ですが、鉄板から直接食べていくのは最後まで冷めずに美味しくいただけますね。
ランチ後の入店だったので空腹ということはなく、残りを持ち帰るのも可とのことで1/3くらい容器を貰ってテイクアウト。

訪問したかった元祖を堪能しました。
元祖八昌は先代の次女さんのお店。
次回は三女さんの、ゆりちゃんへ行かねばなりませんね(^^

この後は、ご同行いただいた地元の方に名勝「縮景園」に連れて行って貰いました。
1620年(元和6年)に、茶人で知られる浅野藩家老の上田宗箇により、浅野藩主の別邸として作庭。
中国の世界的な景勝地、西湖を模して造られたそうで、園内は、山川の景、京洛の態、深山の致を庭の中に縮景。
そこから、縮景園と名付けられたとか。
園の中央に掘られた濯纓池には大小の島。巧妙に配置された渓谷、橋。
1945年(昭和20年)、原爆により壊滅状態になりましたが、現在は復元。
池の鯉の餌が売ってます。
もれなく購入。
鯉だけでなく鳩も欲しがります。
沢山寄ってくる鯉。
(↓動画)こんな感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=k8L80Z0WTLk&feature=youtu.be
風のノイズが入っててお聞き苦しいかとは思いますが。
見てると鯉だけではなく、ボラ、チヌ、黒鯛…　黒鯛？！
池の水は、汽水なんですね。
かつて鯉が全滅したことがあるそうです。
夏場で雨が降らず池の水の塩分濃度が5%を超えた時だそう。
鯉が生きられる水は塩分5%以下なんですね…
見応えのある名勝でした。