期待を裏切らない四万温泉の宿　初めての鮎料理に感服 : 湯元 長静館

　四万温泉旅行の際に宿泊。2年前に訪れており、温泉、料理ともに気に入りました。四季折々で様々な料理が供されますが、鮎料理が絶品との噂を耳にし、3か月前に電話しいつから鮎料理が提供されるかを伺い予約しました。

　シマノネで昼食後、ぐるりんバスで奥四万湖を観光。温泉街まで戻り15時チェックイン。部屋は前回と同じ和室8畳の部屋。トイレ、洗面はありますが、布団を敷くのはセルフ。土曜日泊で＠17600円＋150円（入湯税）＝@17750円。

　お風呂は男女別の内風呂と男性用には露天風呂付。プラス貸切風呂が1つあり、フロント横のボードに部屋名のマグネットを貼り予約します。当日は2組でしたので、内風呂もほぼ貸切で利用できました。自家源泉の湯はなめらかで心地いい。

　夕食は18時から1回の食事処で。1皿ずつ供されます。

●地野菜のムース ～ 甘い新玉葱で　　やめらかな舌触りで、ほんのりした新玉葱の甘みを感じ上々の始まり。

●彩菜 ～ 群馬のニジマスと野菜たち　　相変わらず美しい盛り付け。それぞれの野菜に合わせて、生、茹で、ソテーと調理を変え美味しさを引き出しています。ソースはパプリカ、バルサミコ酢、反対側に人参、ほうれん草と飽きさせません。ニジマスは瞬間燻製でしょうか、軽い燻香を感じます。ねっとりとした身は熟成感もあり濃厚な旨味。

●シャルキュトリー ～ 国産豚もつのトマト煮　　嫌な臭みはないものの、もつの風味は十分感じます。トマトの酸味、甘みがうまく味を纏め美味しい。

●鮎いろいろ ～ パテ・骨せんべい・倍量の鮎でパートフィロ焼き　　鮎3尾分使った一皿。バジル、レタスの下には鮎のパテ。内蔵も使われているので、苦みと旨味が見事に合わさり美味。ワインも進みます。キヌアの粒々感との食感のコントラストも楽しい。パリっと焼かれたパートフィロ焼きは、噛むと鮎の香りと旨味が口の中一杯に広がり絶品。2尾分という事で存分に鮎の美味しさを味わえます。骨せんべいのサクサク感はおつまみに最高。

●おしのぎ ～ A5ランクの黒毛和牛で　　上質の脂の旨味。軽い塩、コショウのみで意外とあっさり。ただ鮎でお腹一杯になりつつあったので1人2貫はちょっと多い。

●やまと豚のプレゼ ～ 肩ロースをベッコフ風に　　肩ロース肉はスプーンで繊維がホロホロと崩れるやわらかさ。当然のように美味しいが、何より肉の旨味を吸った周りの野菜が渾然一体となり抜群に旨い。

●お食事　その日のお楽しみ　　素麺で作った冷麺風。キムチのちょっとした辛味とあっさりした出汁で、パンパンでしたが何とかお腹に納めました。

●プレドルチェ ～ フルーツの水菓子　　キウイの酸味でさっぱり。

●ドルチェ ～ レアチーズケーキ　　夕食時はギブアップで朝食後に頂きました。生クリームの下にはブルーベリー。甘酢っぱさがいい。

　朝食は8時から。茄子煮びたし、ほうれん草しめじ胡麻和え、炊き合わせ、牛肉と舞茸煮物、卵焼き、鮭塩焼き、具沢山味噌汁、ご飯、干しきゅうりの漬物、蕗味噌など。十分な品数で朝からお腹一杯です。

　建物の作りは高級旅館のそれには遠く及びませんが、綺麗で小物や飾りには女将さんのセンスが溢れています。部屋は10室ありますが、通常時で4部屋、現在は3部屋で満室扱いで営業されているそうです。前回の訪問でたちまちシェフのファンになったわけですが、今回も期待を裏切らず特に鮎料理は今まで食べた事のない美味しさで絶品でした。次回はどの季節にしようか今から楽しみです。

　

　四万温泉旅行2泊3日の2泊目。こちらの宿は5～6年前から泊まってみたいと思っており、今回の旅行は長静館に泊まりたいために計画したと言っても過言ではありません。15時ちょうどにチェックイン。外観はこじんまりしていますが、ロビーを始め館内はとてもきれいで、小物なども洒落ています。館内の説明を受け2階の部屋へ。和室8畳。洗面、トイレあり。平日泊で14580円（税込）＋150円（入湯税）＝＠14730円です。浴室は男女別内湯、男性用には露天風呂、そして貸切露天風呂があります。長静館の自家源泉でナトリウム・カルシウム - 塩化物・硫化塩温泉で源泉かけ流し。つるスベ感もありいいお湯です。夕食は18時から大広間で。メニューを見て、ヴィジェガ・ブリュットを注文。では一皿ずつ。

●　下仁田葱のエチュベ ～ 自家製ベーコンと温泉玉子
下仁田葱の甘さとベーコンの燻香、塩味のバランスが絶妙です。温泉玉子でコクが増しマイルドに。
●　彩菜 ～ 群馬のニジマスと野菜たち
彩りが見事。ソースは4種あり、下がパプリカとバルサミコ、上が人参とほうれん草。好みのソースをつけて群馬の野菜を頂きます。軽くスモークされたニジマス（銀光）の身はねっとりして程よい脂の乗りが旨い。
●　手作りのシャルキュトリー ～ ハムとサラミ　アラグレックと共に
サラミは市販のものとは全く違い、化学調味料の嫌な味もなく肉本来の味わい。柔らかく塩味も穏やかで食べやすい。ハムはしっとりした肉質で旨味が凝縮。ワインがすすみます。
●　すずきのパイ包み焼き ～ ゆずのソースで
肉厚のすずきの身はふっくら。改めてパイ包みとは蒸し料理なんだと再認識。淡泊な身は柚子ソースでさっぱり。マッシュしたポテト、濃厚なコンキリエとのバランスが良くおいしいです。
●おしのぎ ～ 黒毛和牛（A5）のサーロインで
黒毛和牛は霜降りでとろけます。ほうれん草は甘酢和えで口はさっぱり
●　やまと豚のロティ ～ 2種類のロースをリンゴのソースで
火入れの温度が素晴らしい。肉厚のロース肉がしっとりジューシー。甘酸っぱいソースとの相性もいい。左にある小さめのロース肉は香ばしく焼かれ、脂の甘みを強く感じました。
●　お食事　細うどん
柚子の香りもさわやか。お腹は一杯でしたが、おいしい出汁と香りで箸がすすみます。
●　プレドルチェ ～ フルーツの水菓子。グレープフルーツ
●　ドルチェ　ブランマンジェは宝石箱
生クリーム、イチゴ、数種のぶどう、ブランマンジェ、底には柑橘系のソースなど幾層にもなりおいしいです。

　夕食は会席とフルコースを融合させたもので、供られるタイミング、温度も最適。味付けも上品でくどさを感じず最後まで飽きずに食べさせます。ただお腹は一杯になり、最後のドルチェは朝食後にしていただきました。

　朝食は8時から。玉子焼き、牛肉すき煮風、大根おかか和え、ほうれん草きのこ胡麻酢和え、炊き合わせ、鮭塩焼き、きのこ佃煮、みそ汁、ご飯。味付けの上品さは相変わらずで変化もあり満足です。

　宿のHPには出迎えはなし、布団はセルフでとありそういうサービスを求める方には合わない宿だと思います。自分達はむしろその分料理や食材が豪華な方がうれしい。しかもそれは期待を大きく上回り、オーベルジュを思わせる素晴らしいものでした。料理は季節で変わるようなので、また別の季節に伺いたい宿です。