独学でこの域まで登り詰める努力に敬服 : コイコイ

伊勢崎市太田町にある、ラーメン店超激戦区の未訪問店を、今回、2017.9.16（土）に訪問してみた。この店のすぐ隣には、群馬県伊勢崎市内ラーメン店「食べログ」評価第7位、評価点 3.52〔2017.9.現在〕の『うめはら 伊勢崎店』、一棟別ではあるが 20m と離れていない所には、同評価第5位、評価点 3.54〔2017.9.現在〕の『濃厚ラーメン じゅん』がある。半径 10m 以内に、ラーメン店 3店舗、そのどれもが絶品ラ－メンを提供してくれると言う大激戦区である。そんな中、女性店主がワンオペレーションで頑張っているお店がこちらだ。


『麺 & cafe Coi.Coi（コイコイ）』
群馬県伊勢崎市太田町149-1
0270-24-5177

twitter Page : https://twitter.com/Diningroomcoico
Ameba Blog : https://ameblo.jp/coicoiisesaki


群馬県道2号前橋館林線の駒形バイパスの区間、「竜宮」交差点と「連取町」交差点の間にある信号（南東に『オートバックス 伊勢崎店』あり）を折れて東進、道なりに右にカーブしつつ 350mほど進む（東南東進）と、道路左手（北東側）に『運動場』『西部公園』と見えてくる。『西部公園』を過ぎると今度は、道路左手（北東側）にオムニコート〔砂入り人工芝〕のテニスコート、右手（南西側）に『伊勢崎市民病院』があり、その『伊勢崎市民病院』を通り過ぎること 70m 程で、道路左手（北東側）に『麺 & cafe Coi.Coi（コイコイ）』はある。


営業時間は、平日 11:00～15:00、土日祝祭日 10:00〜15:00、水曜定休で、夜営業を行っていない。土日は、営業開始時間が早いこともあり、麺切れ、具材切れによる早仕舞いもあると言うことなので注意されたい。　　

ワンオペレーションで頑張る店主は女性で、『大和麺学校』出身だそうだ。
『大和麺学校』とは、麺作りそのものはもちろん、スープ、出汁、トッピング、盛付の基本や応用、また麺店経営のマネジメントなど、麺ビジネスや麺に関する知識の全てを学べるのだそうだ。7日間と言う短期間で自分だけの一杯を創り上げることができると言う。日本全国から、又は海外からも、未経験者、既に開業しているプロも参加する学校なのだが、弟子入りや店舗修行を経ることなく開業まで至ることが可能であるため、事実上師匠がいない形となる。こちらを卒業し、その後の修行は独学で頑張っていくしかないわけだ。

SNS上での人気店振りを私が称えたところ、『麺 & cafe Coi.Coi（コイコイ）』の女性店主いわく、

「独学なもので大したことないんですよ。人気は SNS 上だけです」

とご謙遜であった。実際独自の研究と努力によって、ラーメンの味がこの域まで至るとは、正しく敬服に値する。SNS 上の Ameba Blog では、レギュラーメニュー以外の各種新作メニューを積極的に研究・開発している様子がうかがえる。斬新なアイデアに基づく作品の数々は、実際に食指が動かされる逸品ぞろいだ。

なお、『大和麺学校』の詳細に関しては、このレビューの文末に記載したので、興味のある向きは、ご覧おき戴けると嬉しい。


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着席後
口頭にてご注文うかがいます
お支払いは前払いでお願いします
お水はセルフです
店内は禁煙です
宜しくお願いいたします
…………………………………………

と言ったシステムで、先ず着席を促される。珍しい方式ではあるが、食券制と対面販売制の間と言った感じで面白いアイデアだ。一見の方は知っていると慌てずにすむことだろう。

店内のポップには化粧板に刻字された、次のようなものが掲げられている。

…………………………………………
自家製の細麺に
添加物・化学調味料を一切使わず
素材の味を活かしたスープの
ラーメンです。

オーナーの惚れ込んだ
野菜たっぷりの両面焼き餃子は
試行錯誤を繰り返した
二十数年来の逸品でございます。

更に手作りデザートやコーヒー等
ご用意いたしました。

是非 麺とカフェの融合を
お楽しみください
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自家製麺
無添加無化調

この二つの基本コンセプトは、店舗入口にも堂々表示されており、店主の深い拘りと、提供品に対する矜恃が見て取れる。

また、女性店主ならではの気遣いも店内随所に見られ、テーブル席には

「お子さま連れ お年を召された方 優先」
と言った表示があるなど、細やかな心遣いがされた店舗経営も『麺 & cafe Coi.Coi（コイコイ）』の特徴の一つであろう。


さて、それでは実食に入ろう。


「濃厚豚煮干」700円 「大盛」無料
「餃子」5ヶ 400円

一見でもあり、店主にお奨めメニューをうかがったところ、

「煮干しがお嫌いでなければ、煮干しラーメンが早めに具材切れしてしまう人気メニューですね。本日は入口にも表示されていますが、『濃厚豚煮干』もあります」

とのことで、早速にこちら「濃厚豚煮干」を注文、「大盛」にしてくださいとお願いしたところ、「大盛は無料になります」とのことで、にんまりとしてしまった。
続いて店内ポップにある「餃子」も5ヶで注文。「先の餃子から配膳になりますね」と、店主は即座に調理に入る。

注文から待つこ8分余り、先ずは「餃子」が配膳となる。その後、1分もしないうちに「濃厚豚煮干」も配膳となった。


「餃子」5ヶ 400円

少々、お値段的にお高いかなと思っていたのだが、配膳された品物を目にして、思わず納得した。
何せサイズが大きいのである。総重量（実測値）184g。平均的な餃子1人前量の相場は、現状、100g～150g で 250円～400円と考えられ、グラム単価的には大まかに、350円 / 140g として、2.50円 になるが、こちら『麺 & cafe Coi.Coi（コイコイ）』のグラム単価は、2.17円。かなりのコストパフォーマンスの高さである。

味はニンニクがよく効いており、大きな一包みの中の餡は野菜がぎっしりと詰まっている。
皮はもちっとしていて厚みがあり、噛み応えが存分にある。更には両面焼きと言うことで、底面を焼いた後、上面も返して焼いているようだ。皮のもちもちの部分が、焼き目のかりかりの部分にサンドされているかのような感じで、歯応えにバラエティーがあってよい。

ニラの色目の緑が強く残っており、事前に作ってある餡に焼く直前で加えているのだろうか。ビジュアル的にも楽しめる餃子である。


「濃厚豚煮干」700円「大盛」無料
「替え玉」100円 かため×1、柔らかめ×1 計200円

煮干し油にほんのり醤油の返しが効いて、一見して濃厚さが伝わってくる。
背黒鰯（セグロイワシ）、いわゆる片口鰯（カタクチイワシ）の煮干しと水だけで炊いた濃厚スープは、どろっとした見た目で、魚粉が丼の縁に大量に付着しているので、見た目から既に煮干し出汁の濃厚さを思わずにいられない。
が、味の方は煮干し独特の臭みは左程強くなく、旨みの方が色濃く感じられる。くどさがほとんど感じられない煮干し出汁は生まれて初めての体験であった。


トッピングは、豚バラチャ－シューが 2枚、あとはカイワレ大根と刻み玉ネギ、メンマのみという、シンプルなものである。
バラチャーシューのサイズは、7cm × 5cm、厚さは 8mm 程とそこそこの厚さである。1枚当たり重量（実測値）は 26g。それが 2枚載っているのだが、煮干しスープと豚バラチャーシューがこうもマッチングするとは驚きだった。脂身の多いバラ肉故に、肉の甘味の強さが魚粉の苦味と合うのかも知れない。


麺は機械打ち角刃麺、縮れのないストレート細麺である。
麺量は 並盛 茹で前 150g、大盛 200g。大盛は無料で提供してくれる。

最初の配膳時には、濃厚なスープの色目に隠れていて気づけなかったのだが、替え玉で戴いた麺は、一目で全粒粉配合と分かる粒状の色目の濃い部分がたくさんあった。全粒粉は、胚乳だけを用いる通常の小麦粉と異なり、小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしたもので、通常の小麦粉と比べ栄養価が高く、薄力粉と比較して3倍程度の食物繊維や鉄分を含み、ビタミンB1の含有量も高いとされる。
店舗入口左側には製麺室があり、『大和麺学校』出身の店主故に当然の如く自家製麺であるが、全粒粉配合麺の、小麦の「香り」は心地よい。噛み応えもほどよくあって、実に美味である。

替え玉では、「固め」「柔らかめ」と食してみたのだが、店主お奨めの、配膳時提供の「やや柔らかめ」が、やはり一番食しやすかったように感じた。


研究・努力を積み重ねてきた店主自慢の逸品、実に美味しうござった。


さて、本日の実測値は

「濃厚豚煮干」700円
「大盛」無料
総重量（実測値）815g
うち麺・具材重量 509g
うちスープ重量（麺・具材等完食後）306g
バラチャーシュー1枚当たり重量（実測値）26g × 2枚
器サイズ
直径 21cm、高さ 8.5cm、器重量 743g

「替え玉」
「固め」総重量（実測値）160g
「柔らかめ」総重量（実測値）163g
器サイズ
横 15.5cm、縦 15.5cm、器重量 304g

「餃子」5ヶ 400円
総重量（実測値）184g
器サイズ
横 22.5cm、縦 16.5cm、器重量 457g

実食総重量 1,322g


完食時間 : 計測せず


現在、『麺 & cafe Coi.Coi（コイコイ）』は、群馬県伊勢崎市内ラーメン店「食べログ」評価第15位、評価点 3.46〔2017.9.現在〕に位置しているが、更に評価点が上がってもいいと私は考えている。


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『大和麺学校』解説
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『大和麺学校』は、ラーメン製麺機「リッチメン」を始めとする、うどん製麺機、そば製麺機、生パスタ製造機等の業務用製麺機の製造会社である『株式会社 大和製作所』が主宰している。会場は、JR瀬戸大橋線とJR予讃線が交差して作る三角形の中で、香川県道186号大屋冨築港宇多津線〔さぬき浜街道〕沿いにある『ドリームスタジオ香川（本社）』（香川県綾歌郡宇多津町浜三番丁37-4）だ。

ラーメン 7日間、うどん 6日間、そば 6日間の日程で実施され、それぞれの日程の最後の2日間に、経営ノウハウ講義が含まれているそうだ。参加費用は 7日間で 38万円 + テキスト代 とのことである。

ラーメンに関する知識と繁盛店の作り方を学ぶ 7日間で、麺、スープ、具材、それぞれの基本、応用を学んで、独自の一杯を創りあげることができるようにしてくれるそうだ。


「ラーメン学校」自家製麺講習（初日～２日目）

まずはどうすれば美味しい麺を作ることができるか、麺の基本について座学で学んだ後、実習で実際に製麺する。全国・世界中から集めた小麦粉等の材料を使って、配合・加水率（少・中・多加水）等を調合した後、製麺機を使用して切り刃・形状等を調整し、試作麺を製麺するのだそうだ。
美味しい自家製麺でなければこれからのラーメン業界では生き残れないと言うコンセプトの下、自分の店で提供する麺の試作から講習は始められるようである。

次に、元ダレ、香味油の作成、メンマ等トッピングの作成方法を学習する。
チャーシューは、自分の店で提供するラーメンに合った、独自の製法を一緒に見出し、自分の店だけの独自の味で差別化できるようなチャーシュー作りを指導してくれるそうだ。
香味油だけでも、1回の講習でつくるのは、10種以上。その時々の参加者の要望に合わせて指導してくれると言う。

「ラーメン学校」スープ講習（3日目～5日目）

スープの仕込みは、動物系、魚介系、参加者の要望により様々な指導をしてくれるのだそうだ。個別対応なので、自分が作りたい、世界に一つだけの独自スープを、『ラーメン学校』の中で追求・完成させてくれると言う。
再現性の高い「デジタルクッキング」で、0.1g 単位で数値化し、レシピにして味を調整することで「いつでも、誰でも、同じ味をつくれる」ようにしてくれると言うのだ。
最後に、麺、スープ、具材合わせを行い、独自ラーメンの完成までをとことん指導してくれると言うのだから驚きである。

「藤井薫の経営ノウハウ講義」（6日目～7日目）

『大和製作所』代表「藤井薫の経営ノウハウ講義」は、繁盛の法則、店舗作り、マネジメントなど、の内容の講義を通じて、どれほどの利益がでるか事前に把握できるようにしてくれると言う。更には、外食業界の最新トレンドや40年蓄積したノウハウも伝授してくれると言う。
この「経営ノウハウ講義」単独での受講も可能なのだそうだ。


なお、『大和麺学校』は、香川県の『ドリームスタジオ香川（本社）』での受講だけでなく、東京都品川区北品川一丁目8番11号 Daiwa品川Northビル 1階 の『ドリームスタジオ東京』でも、同様なプログラムが行われていると言う。
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