群馬県桐生市名物「ソースかつ丼」巡り #2 : 藤屋食堂

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4.2

¥1,000~¥1,9991人
  • 料理・味4.5
  • サービス4.5
  • 雰囲気4.0
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク4.0
2018/01訪問1回目

4.2

  • 料理・味4.5
  • サービス4.5
  • 雰囲気4.0
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク4.0
¥1,000~¥1,9991人

群馬県桐生市名物「ソースかつ丼」巡り #2

群馬県桐生市は、かつては織物が盛んで「織都」として栄えた街であり、群馬県が誇る郷土歌留多の『上毛かるた』に、「桐生は日本の機どころ」と謳われている。奈良時代から絹織物『桐生織』の名産地として知られ、その歴史は、1300年前、奈良の正倉院に御物を収めたことに始まるとされる。実際に、奈良の正倉院御物には「上野国新田郡淡甘郷」(現在のみどり市笠懸町付近)から調貢された「黄絁(きあしぎぬ)」が保存されており、天平勝宝4年(752年)の紀年があると言う。「西に西陣、東に桐生」と言われるなど、京都 西陣 と並び称され、織物の町として古くから繁栄してきた桐生市であるが、関ヶ原の戦いでは、徳川家康が急遽反転西進し石田三成を討伐することに決した際、不足した軍旗をわずか 1日程で 2,400 も集め供出、東軍の勝利に貢献したという逸話も伝えられている。
この地の名物料理は、何と言っても『藤屋本店』〔群馬県桐生市本町1-6-35 〕などを代表とする、麺幅 10cm 以上ある、特異な形態のうどん「ひもかわ」と、こちらの店の様に、玉子で綴じずに揚げ立ての豚かつを甘辛いソースに潜らせる「ソースかつ丼」の二つであろう。
今回は、その「ソースかつ丼」を戴くのだが、2連食で訪問してみた。その第二弾がこちら。


『藤屋食堂』
群馬県桐生市清瀬町5-49
0277-45-1805


R17 と「県庁前通り」との交点でもある群馬県前橋市「本町一」交差点を起点とし、JR常磐線水戸駅北口にある、茨城県水戸市「水戸駅前」交差点に至る、総延長 161.5km の一般国道 R50。その沿線上を前橋市方向から桐生市方向に向けて東進し、桐生市に入る手前の、群馬県みどり市笠懸町にある「阿左美・仲」交差点を過ぎたら、R50 から左(北)へ降りて、道路左手(北側)に『東邦病院』を見ながら左折(北折)し、「桐生ボートレース場」「桐生大橋」「桐生市街地」方向へと向かう。ややカーブが連続するものの道なりに進み、R50 を降りてから 2km 余り北進すると渡良瀬川に架かる「桐生大橋」に出る。「桐生大橋」を渡って直ぐの「美原町」交差点を右折(南南東折)して、100m 程南南東進した所に、街路樹の隙間の様に見える、信号のない側道入口様の三差路があるが、そこを右折(西折)して 10m 余りで、戻るように再度右折(北折)すると、80m 程北北西進すれば、道路左手(西側)に『藤屋食堂』はある。
この信号のない三差路を折り返すのが『藤屋食堂』へ行くポイントなのだが、「美原町」交差点南西角に『藤屋食堂』は見えているので、恐らく迷わないことであろう。


こちら『藤屋食堂』の屋号は、店主の 遠藤健三郎 氏の苗字、「遠藤」の『藤』から名付けられたものだと言う。苗字をそのまま使わず、二文字目だけを使用するという着眼点が面白い。なかなかにユニークな着想の持ち主の店主であると見受けられた。

大正末創業、創業80年余の歴史を持ち「ソースかつ丼の元祖」と称されている『志多美屋本店』で10年間の修行を積んだ 遠藤 氏が、1967年(昭和42年)に創業した『藤屋食堂』。その50年の歴史を持つ『藤屋食堂』の伝統を紡いできた大きな暖簾の前には、店主の等身大のポップが置かれ、何ともど派手なイメージだが、この仕様にも店主の何らかの狙いがあるのだろう。
因みに、同市内にある「ひもかわ」で有名な『藤屋本店』とは、何の関係もないとのことであった。


そもそも「ソースかつ丼」とは、卵で綴じないのが特徴で、ソースをベースにしたタレに揚げたての豚かつを潜らせ、ご飯に載せたものを言う。一口かつが複数個トッピングされたものが基本で、肉の部位は「ロース」を使用する場合もあるが、「ヒレ」肉使用が一般的である。特に群馬県桐生市の「ソースかつ丼」は、キャベツ等をトッピングせず、豚かつとご飯のみの丼ものである。


本日は群馬県桐生市内に出張となり、職務内容が比較的時間の自由度が高いものだったので、昼食にはじっくり時間が掛けられるだろうと踏んで、「ソースかつ丼」の連食でもしてみるかと考えた。その際、第一弾は、桐生市内「食べログ」人気第 5位 評価点 3.57〔2018.1.現在〕の『志多美屋本店』を選び、もう一店舗「ソースかつ丼」連食しようと考えた際に、出張会場から比較的近隣となるこちらを選んでみたわけである。
因みに、この『藤屋食堂』、本日一店舗目の『志多美屋本店』と、現在、人気で双璧を成している。


『藤屋食堂』で提供される「ソースかつ丼」の豚肉の部位は3種類なのだそうだ。

「ソースカツ丼(上ヒレ)」1,130円 上州豚「ヒレ」肉使用
「ソースカツ丼」830円 上州豚「モモ」肉使用
「ソーストンカツ丼」1,030円上州豚「ロース」肉使用

桐生市で一般的な「ソースカツ丼」は、豚「ヒレ」肉使用であるが、この「モモ」肉使用のものもまた絶品との評判である。

「豚肉王国」群馬の、赤城山麓の美味しい水で育てた上州豚を使用し、100% ラードで香ばしくサクサクに揚げた豚かつを、醤油をベースにウスターソースを加えた特製ソースに潜らせて、ご飯に載せた「ソースカツ丼」830円 、「ソースカツ丼(上ヒレ)」1,130円。これらは、桐生市を訪れたら必食の逸品である。


こちら『藤屋食堂』は、兎に角、接客が非常に好い。ホールの店員も、店主を中心とする厨房内も、元気に笑顔で仕事をしている。こちらも人気店であるから、店内は混み合っていて、空席待ちの行列も当然出来るのだが、てきぱきと誘導し、声掛けなど気遣いもしっかりと笑顔でしてくれるので、不愉快な思いをさせられることはなさそうである。

「食べログ」アップ用に店内写真撮影の許可を戴いた際にも、店主から、

「いくらでもお好きなだけ撮影してくださーい」

と、明るくユーモア交じりにご返答戴き、かなり店内は混み合い忙しい中であろうに、心にゆとりを持ったその接客に感心した次第である。

桐生市内「食べログ」人気第12位 評価点 3.53〔2018.1.現在〕と大変人気のある店である理由も素直に頷けようというものだ。


『志多美屋本店』で滞在時間 50分ほどを過ごし(開店待ち時間に12分、配膳待ち時間が25分かかった)、こちら『藤屋食堂』への現着は 11:50。入店して大盛のメニューを伺ったところ、

「ソースカツ丼 夢ジャンボ」1,130円(税込)
通常の「ソースカツ丼」で使用している豚かつ〔豚「モモ」肉使用とのこと〕が 6枚〔通常の「ソースカツ丼」は 4枚〕載った「ソースカツ丼」。ボリューム満点だとのことである。

「ソーストンカツ丼 ジャンボ」1,080円(税込)
豚「ロース」豚かつをソースに潜らせた「ソーストンカツ丼」。豚かつ自体の大きさはこちらの方が、Total でやや大きいかも知れないとのこと。「トンカツ丼」と言う響きが何となく奇異だが、豚「ロース」豚かつ使用である旨を強調するためなのだろう。

の二種類を教えて戴いた。

せっかくの連食なので、違ったものを食そうと考え、今回は、思い切って定番品ではない、豚「ロース」豚かつ使用のメニューで行くことにしてみた。


「ソーストンカツ丼 ジャンボ」1,080円(税込)


注文から配膳までは、わずかに 7分。続々と来店者がある忙しない中、スピーディーな配膳は実に小気味良い。こう言うサービスは非常に嬉しくさせてくれる。

ご飯大盛は、たったの 50円増しなのだが、今回は大盛にしなかった。まあ、元が「ジャンボ」なのだから、そもそもが大盛なのだし、ジャンボの大盛っていったい? と言うことになってしまうだろう。。。(^0^;)


配膳された品を目にして、先ずは豚かつの大きさに感動する。通常の「ソースかつ丼」の一口サイズの豚かつと異なる、豚「ロース」豚かつを使用しているので、1枚のサイズが当然デカいのだ。
豚カツの厚さは 2.5cm、中味の肉自体の厚さが 1.5cm。全体の大きさは、横幅 15cm × 縦長 9.5cm(最長部分)と、なかなかの大きさであった。

一切れの「ソーストンカツ」を箸で挟み、一口戴いてみてまたビックリ! サクサクの衣の中にある豚「ロース」肉は、脂身が、豚「ヒレ」肉や豚「モモ」肉よりも当然多いわけだが、この脂身の柔らかさ、ジューシー感、甘味が、兎に角もう半端でない。一口食して、「おお! これは !!」と、一気に魅了されてしまった。
その上、たっぷりのソースが染みたご飯も相当な美味で、豚「ロース」豚かつとの相性も抜群である。
豚「ロース」豚かつを一口食した瞬間から、箸の動きは留まることなく、総重量(実測値)850g の「ソーストンカツ丼」を正に一気食いであった。


店自慢の自家製ソースは、創業以来継ぎ足してきたソースとのことで、ウスターソースが基調になっている。醤油と和風出汁の香りもするが、全体としてやや辛口の味わいで、『志多美屋本店』のソースよりも更にウスターソースの味わいが濃い様に感じた。

元来が、ソースの味わいには鋭くない私の舌であるからして、甘辛さの違い程度のコメントでご容赦戴きたい。。。(~_~;)


岩手県一関市、福島県会津若松市、長野県駒ケ根市、などで提供される「ソースかつ丼」とは違い、群馬県桐生市の通常の「ソースかつ丼」はキャベツをトッピングしない。福井県福井市の『ヨーロッパ軒 総本店』同様、豚かつとご飯のみの丼ものである。

ところが、こちらの「ジャンボ」の 2メニュー(「ソースカツ丼 夢ジャンボ」「ソーストンカツ丼 ジャンボ」)に限っては、キャベツ、レタス、パセリやトマトがトッピングされている。

一口サイズのソースかつとキャベツなどの野菜を組み合わせると水っぽくなると言うのが、通常の「ソースかつ丼」にキャベツをトッピングしない理由らしいのだが、ジャンボの量があれば水っぽさは感じずに済むと言うことなのだろうか。
今回実際に食してみて、豚かつと同じソースのかかったキャベツもまた美味であり、キャベツと「豚かつ」を一緒に食していても、特に水っぽくはならなかったのは確かである。
ここは、「ジャンボ」メニューのキャベツ使用に関して、店主の着想について聞いてみたいところだ。


総じて、こちら『藤屋食堂』、サービス精神、料理の味ともに秀逸で、大変居心地の好い店であった。豚「ロース」肉の甘さと柔らかさを、こうしてレビューを書いている今も思い出す。

何ともまあ、本当に美味しうござった。


そうそう、若干蛇足の感があるが、「味噌汁」の出汁が濃厚で、実に好い味わいであった。久し振りに美味しい「味噌汁」に舌鼓を打った私なのであった。


さて、今回の実測値は、

「ソーストンカツ丼 ジャンボ」1,080円(税込)
総重量(実測値)850g
器サイズ
直径 21.5cm、高さ 9.5cm、器重量 314g
「味噌汁」
総重量(実測値)192g
器サイズ
直径 9cm、高さ 3cm、器重量 77g
「お新香」
総重量(実測値)33g
器サイズ
直径 8cm、高さ 2.5cm、器重量 54g

実食総重量 1,075g

完食時間 : 計測せず

訪問日 : 2018.1.20(土)


2連食の「ソースかつ丼」ツアー、「ソースかつ丼」単体二つの総重量(実測値)で、合計は 1,516g。ちょいと満腹感にまで至らない量ではあったが、充分に美味しかった。「ソースかつ丼」は、人によって好みが分かれるものらしいが、私は嫌いな方ではないようだ。

※ 後になってから気がついたのだが、今回の「ソースかつ丼」連食企画、既に敬愛する群馬県の大食いレビューワー「うさぎのミミー」さんが実施していた。しかも、連食両店とも同一店であった。いやはや流石である。


今回の群馬県桐生市名物「ソースかつ丼」巡り、その三弾はこちらであった。

群馬県桐生市名物「ソースかつ丼」巡り #1『志多美屋本店』
群馬県桐生市名物「ソースかつ丼」巡り #2『藤屋食堂』
群馬県桐生市名物「ソースかつ丼」巡り #3『冨士山食堂』


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「ソースかつ丼」の起源
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(1) 東京都新宿区『ヨーロッパ軒』発祥説

福井県出身の 高畠増太郎 氏が、1907年(明治40年)から6年間、ドイツ・ベルリンの日本人倶楽部にて料理を学び、1912年(明治45年)に帰国。その後、「子牛のカツレツ」(豚肉・鶏肉でもよい)と言われるドイツの「シュニッツェル(das Schnitzel)」を、ウスターソースで味付けして丼飯に載せた料理(「ソースかつ丼」)を考案、これを「カツ丼」と名付けて、1913年(大正2年)に東京で開かれた料理発表会にて披露した。同年、東京市牛込区(現 東京都新宿区)早稲田鶴巻町の早稲田大学前に『ヨーロッパ軒』を創業し、1917年(大正6年)頃には提供していたと言う説である。

薄くスライスした上等のロース・モモ肉を、目の細かな特製パン粉にまぶして、ラード・ヘットでカラリと揚げた豚かつに仕上げ、 熱々のうちに、ウスターソースをベースに各種の香辛料を加えた秘伝のタレにつけて、タレをまぶした熱いご飯にの上に載せたかつ丼である。

※ ラード : lard(英)豚脂(とんし)豚の脂肪組織から精製した食用油脂。融点 = 27~40℃。
※ ヘット : Fett(独)牛脂(ぎゅうし)牛の脂を精製した食用油脂。融点 = 35~55℃。

『ヨーロッパ軒』は1924年(大正13年)に 高畠増太郎 氏の故郷である福井県福井市に移転、以来、の同市順化の片町通りに本店を構えている。


(2)「早稲田高等学院生」考案説

『早稲田大学八十年史』を執筆した、早稲田大学の非常勤講師兼職員の 中西敬二郎 氏が、早稲田高等学院生であった1921年(大正10年)2月に「ソースかつ丼」を考案したと言う説である。

日頃から食べていた「カツ飯」に食べ飽きた 中西 氏が、自ら厨房に入り、皿に乗っていた「カツ飯」を丼に移し変えて、カツを切ってその上に載せ、ウスターソースと小麦粉をフライパンで煮合わせ、とろみがついたソースを丼にかけて、エンドウをふりかけて食べてみたのが始まりだと言う。東京都新宿区西早稲田2丁目にある神社「穴八幡宮」付近にあった『カフェーハウス』と言う店がその舞台で、『カフェーハウス』の店主を説き伏せて、自ら「カツ丼」と名付けて特売品にさせたと言われている。


(3) 1920年(大正9年)、岩手県一関市『和風レストラン松竹』にて誕生したと言う説。

創業は1920年(大正9年)、現在も存在する『和風レストラン松竹』〔岩手県一関市上大槻街2-1〕は、百年食堂と呼ばれるほどの歴史を有する。

つやつやのご飯の上に 千切りキャベツ、その上にカツを載せ、醤油や鶏ガラスープがブレンドしてあるたっぷりの自家製ソースをかけた「ソースかつ丼」である。

創業以来の「ソース味カツ丼」であり、一関のかつ丼と言えば、玉子綴じでなく「ソースかつ丼」と言うくらいの伝統の味となっている。


(4) 1924年(大正13年)、福井県福井市『ヨーロッパ軒』にて誕生したと言う説。

東京都新宿区の『ヨーロッパ軒』が、1923年(大正12年)の関東大震災で再建不能となり、創業者の 高畠増太郎 氏が故郷である福井県へ帰郷し、1924年(大正13年)1月に、同県福井市順化の片町通り〔現在の『ヨーロッパ軒 総本店』所在地(福井市順化1丁目7-4)〕で、福井『ヨーロッパ軒』として営業を再開させたことに起因する説である。

発祥は飽くまでも東京都新宿区『ヨーロッパ軒』であるが、その伝統を、現在の『ヨーロッパ軒 総本店』が正式に受け継いでいると言う観点から言われている発祥説でもある。


(5) 大正末年〔1920年代 詳細不明〕、群馬県桐生市『志多美屋本店』にて誕生したと言う説。

大正末創業で、創業80年余の歴史があると言う『志多美屋本店』〔群馬県桐生市浜松町1-1-1〕。群馬県桐生市名物のひとつである「ソースかつ丼」を最初に出した店と言われ、「ソースかつ丼の元祖」と称されている。

『志多美屋』のルーツは鰻の卸業で、現在の店主 針谷智之 氏で4代目になるそうだ。その祖父の代となる2代目の頃に、兄は『志多美屋』という鰻料理の店、 弟は『浜松家』という「かつ丼」などを扱う一般的な定食屋を、それぞれ兄弟で始めたのだと言う。兄が引退するにあたり、弟がその暖簾を引き継ぐ際に、店名を『志多美屋』に統一した。そこから、豚かつを扱う『志多美屋』が誕生することとなり、現在へと繋がっている。
2代目は、兄から引き継いだ鰻の甘辛いタレを、豚かつに使えないかと研究をし、豚かつにかけるソースと鰻のタレを組み合わせて誕生したのが、現在の、独特の甘辛さが特徴のソースなのだと言う。そのソースに「ヒレ」かつを潜らせ、丼ぶりものとして提供したのが「ソースかつ丼」の始まりなのだそうだ。
『志多美屋』のソースは、ソース独特の酸味も少なく、味は濃過ぎず、薄過ぎず、絶妙な甘辛バランスが魅力のソースである。


(6) 1930年(昭和5年)、福島県会津若松市『若松食堂』にて誕生したと言う説。

会津でかつ丼といえばソース味のかつ丼が当たり前だと言われている。

丼飯の上に、千切りキャベツ を敷き、その上に豚かつを載せ、ウスターソース〔トマトケチャップ、酒などを加えたもの〕をかけたものが「ソースかつ丼」である。会津は「『ソースかつ丼』に 最初にキャベツを入れた町 」でもある。

創業昭和 5年の昔ながらの食堂「若松食堂」〔福島県会津若松市大町2丁目7-1〕は、東京浅草からコック 2名を招いて開店したのだが、そのコックが目玉商品として「ソースかつ丼」の名前と製法を考案したと言われている。その歴史の古さから、会津ソースカツ丼の発祥地とも言われている。


(7) 昭和年間に、群馬県前橋市『西洋亭』にて誕生したと言う説。

前橋市中心部の馬場川通りに1915年(大正4年)創業した、「ソースかつ丼」の創家と言われる『西洋亭』〔群馬県前橋市千代田町2-12-12〕。醤油をベースに野菜を加え、たっぷりの酢を混ぜ合わせて作ったタレは、創業以来、継ぎ足しつつ、今もなお味を守り続けていると言う。

創業は1915年であるが、「ソースかつ丼」の提供が開始された詳細な時期は不明とされる。

現在は、『市』と言う居酒屋が『西洋亭』の伝統の味を引き継いで、『西洋亭 市 前橋店』と言う名前で営業しているそうだ。


(8) 昭和初期、長野県駒ケ根市にて誕生したと言う説。

駒ヶ根「ソースかつ丼」はご飯の上に 千切りキャベツ を敷き、その上に秘伝のソースに潜らせた豚かつを載せた丼だ。昭和の初めから駒ヶ根市内で提供されていた丼で、駒ヶ根では「かつ丼」と言うと、この「ソースがかかったかつ丼」を指す。

豚肉の「ロース」を基本とし 120g 以上、豚かつはパン粉を付けて揚げたものでなければならない、キャベツ以外の野菜は載せないなど、「お客様のための駒ヶ根ソースかつ丼規定」を「駒ヶ根ソースかつ丼会」で規定するなどして、ソースかつ丼による街おこしに取り組んでいると言う。
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「ソースかつ丼」その起源は、上記の様に各種の起源説が存在していて、確たる定説はないと言われている。どこが真の起源となるのか、未来の裁定を待つほかないのだろうが、そんな中、郷土群馬の土地が、その起源に 2種も名を連ねていることが実に嬉しい。

「ソースかつ丼」の起源の解説は以上となる。

その一方で、「かつ丼」と言えば、大抵の人が思い浮かべるであろう「玉子綴じ かつ丼」がある。その発祥の店に関しても、以下に一言申し添えたい。


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「玉子綴じ かつ丼」発祥の店
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「玉子綴じ かつ丼」発祥の店と言われているは、早稲田キャンパス付近の馬場下町交差点にある、江戸時代から続く老舗そば屋 『三朝庵』〔東京都新宿区馬場下町62〕 である。

『三朝庵』の前身は『平野庵』と言うが、初代店主の 加藤朝治郎 氏が、そば打ち道具などとともに『平野庵』を買い取り、自身が「三河屋の朝(ちょう)さん」と呼ばれていたことから、店名を『三朝庵』に改めたのだそうだ。

大正初期には高級な洋食屋でしか食べられなかった豚かつを、1918(大正7)年から、特別な客の宴会の折りに、知り合いの肉屋から仕入れて出すようになったのだが、宴会の欠席、キャンセルなどで高価な豚かつが余る事態が生じ、朝治郎 氏が「冷めた豚かつは客に出せない。何とかならないか」と考えていると、常連の学生から「『玉子丼』みたいにしたら」との提案があり、蕎麦汁で煮て玉子で綴じて作ってみたのが「玉子綴じ かつ丼」の始まりだと言う。

現在の『三朝庵』店内には、「当店のカツ丼はこだわりカツ丼でわありません。普通のそば屋のカツ丼です」との貼り紙があるのだそうだ。「元祖」を聞きつけて、期待して訪れる客があまりに多いことから掲げているのだそうだが、気取らず、名前に胡座をかかず、、、そんな正直な店の姿勢がうかがえるエピソードであろう。
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  • 藤屋食堂 - 「ソーストンカツ丼 ジャンボ」1,080円(税込)

    「ソーストンカツ丼 ジャンボ」1,080円(税込)

  • 藤屋食堂 - 「ソーストンカツ丼 ジャンボ」配膳された品を目にして、先ずは豚かつの大きさに驚く。豚「ロース」豚かつを使用しているので、1枚のサイズがデカい。

    「ソーストンカツ丼 ジャンボ」配膳された品を目にして、先ずは豚かつの大きさに驚く。豚「ロース」豚かつを使用しているので、1枚のサイズがデカい。

  • 藤屋食堂 - 「ソーストンカツ丼 ジャンボ」接写。。「トンカツ丼」と言う響きが何となく奇異だが、豚「ロース」豚かつ使用である旨を強調するためなのだろう。

    「ソーストンカツ丼 ジャンボ」接写。。「トンカツ丼」と言う響きが何となく奇異だが、豚「ロース」豚かつ使用である旨を強調するためなのだろう。

  • 藤屋食堂 - 「ソーストンカツ丼 ジャンボ」豚カツを縦置きにしたところ。豚カツの厚さは 2.5cm、中味の肉自体の厚さが 1.5cmであった。

    「ソーストンカツ丼 ジャンボ」豚カツを縦置きにしたところ。豚カツの厚さは 2.5cm、中味の肉自体の厚さが 1.5cmであった。

  • 藤屋食堂 - 「ソーストンカツ丼 ジャンボ」半分量達成時点断面。たっぷりのソースが染みたご飯も相当な美味で、豚「ロース」豚かつとの相性も抜群であった。

    「ソーストンカツ丼 ジャンボ」半分量達成時点断面。たっぷりのソースが染みたご飯も相当な美味で、豚「ロース」豚かつとの相性も抜群であった。

  • 藤屋食堂 - 「ソーストンカツ丼 ジャンボ」上から。群馬県桐生市の通常の「ソースかつ丼」にはキャベツを使用しないが、この「ソーストンカツ丼」に限っては、パセリ、レタス、キャベツやトマトがトッピングされている。

    「ソーストンカツ丼 ジャンボ」上から。群馬県桐生市の通常の「ソースかつ丼」にはキャベツを使用しないが、この「ソーストンカツ丼」に限っては、パセリ、レタス、キャベツやトマトがトッピングされている。

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』メニュー表1

    『藤屋食堂』メニュー表1

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』メニュー表2

    『藤屋食堂』メニュー表2

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』メニュー表3

    『藤屋食堂』メニュー表3

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』メニュー表4

    『藤屋食堂』メニュー表4

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』メニューポップ1

    『藤屋食堂』メニューポップ1

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』メニューポップ2

    『藤屋食堂』メニューポップ2

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』店舗外観

    『藤屋食堂』店舗外観

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』店舗入口

    『藤屋食堂』店舗入口

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』店舗入口にある店主のポップ。

    『藤屋食堂』店舗入口にある店主のポップ。

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』店舗入口にある看板。

    『藤屋食堂』店舗入口にある看板。

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』店舗内観「テーブル席」

    『藤屋食堂』店舗内観「テーブル席」

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』店舗内観「お座敷席」

    『藤屋食堂』店舗内観「お座敷席」

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』店舗内観「カウンター席」

    『藤屋食堂』店舗内観「カウンター席」

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』店舗内にある『藤や食堂』の心を洗わした額。

    『藤屋食堂』店舗内にある『藤や食堂』の心を洗わした額。

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』店舗内にある「出会いに感謝 ありがとう」

    『藤屋食堂』店舗内にある「出会いに感謝 ありがとう」

  • 藤屋食堂 - 『藤屋食堂』店舗内に表示されてる各種サイン色紙。

    『藤屋食堂』店舗内に表示されてる各種サイン色紙。

  • 藤屋食堂 - 「ソーストンカツ丼 ジャンボ」1,080円(税込)総重量(実測値)850g。

    「ソーストンカツ丼 ジャンボ」1,080円(税込)総重量(実測値)850g。

  • 藤屋食堂 - 「味噌汁」総重量(実測値)192g。「お新香」総重量(実測値)33g。

    「味噌汁」総重量(実測値)192g。「お新香」総重量(実測値)33g。

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店舗基本情報

店名
藤屋食堂
ジャンル かつ丼、とんかつ、食堂
予約・
お問い合わせ

0277-45-1805

予約可否

予約可

住所

群馬県桐生市清瀬町5-49

交通手段

東武特急「りょうもう」号で新桐生駅へ(北千住から約90分、浅草から約100分)。
新桐生駅から桐生中心市街地へは散策も可能ですが、「桐生市おりひめバス」も利用できます。
高崎、前橋、佐野、小山からはJR両毛線(桐生駅・店舗最寄り)利用。
前橋、大胡からは上毛電鉄(西桐生駅)利用。
尚、桐生駅から徒歩は7分

桐生駅から711m

営業時間
  • 火・水・木・金・土・日

    • 11:00 - 14:30
    • 17:00 - 20:15
    • 定休日
  • ■ 定休日
    第2火曜

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算(口コミ集計)
¥1,000~¥1,999 ¥1,000~¥1,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード不可

電子マネー不可

席・設備

席数

55席

(20席以上ありました。)

個室

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

店舗の裏側に第2パーキングあり。(店前に4台、第2パーキングは10台は可能)店前の道路は駐車禁止になっていました。

空間・設備

座敷あり

メニュー

ドリンク

日本酒あり

特徴・関連情報

利用シーン

家族・子供と 知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

一軒家レストラン

サービス

テイクアウト

お子様連れ

子供可

ホームページ

http://www.tobu.co.jp/train/campaign/ryomo/kiryu/g_002.html

備考

店舗の入り口が、すごく分かりにくいです。店舗正面より手前で、左折して進入してください。

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