ふっくらふわふわ、鰻の粋を堪能する! : うな長

この口コミは、kazutansさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

4.2

¥3,000~¥3,9991人
  • 料理・味4.5
  • サービス3.5
  • 雰囲気4.5
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.5
2019/10訪問1回目

4.2

  • 料理・味4.5
  • サービス3.5
  • 雰囲気4.5
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク3.5
¥3,000~¥3,9991人

ふっくらふわふわ、鰻の粋を堪能する!

本日は、次男坊の努力の結晶を祝うべくの贅沢仕様だ。お祝いの食事に行くとしたらどこへ行きたいのかと本人に聞いてみたら、「鰻」が食べたいということであった。そこで、早速に食べログって見たところ、群馬県前橋市内「鰻」提供店「食べログ」評価第1位、評価点 3.59〔2019.10.現在〕のこちらの店がヒットした次第である。前橋市内では、老舗鰻店『古久家』〔群馬県前橋市本町2-11-6〕が良く聞く店名で有名なのだが、そちらの「食べログ」評価点は 3.57、前橋市内 第2位 とあり、それを凌駕しているこちらなのであった。
少々価格がお高いのは、こちらに限らず「鰻」である以上致し方なし。今回は「食べログ」評価に素直に従って、まあ、その高級品を存分に堪能しようと期待感大での訪問なのであった。


『うな長』
群馬県前橋市六供町1-5-1
027-223-7002


「南部大橋(なんぶおおはし)」は、群馬県前橋市小相木町と前橋市南町を結んで「利根川」に架かる橋であるが、道路としては前橋市道 西部環状線が通っている橋である。その「南部大橋」に向かって、前橋市天川大島町の変型四差路「天川大島町」交差点から延びているのが、前橋市道 南部大橋線になる。この、前橋市道 南部大橋線を「天川大島町」交差点から 2km 足らず西進した、前橋市六供町の「生川」交差点を右折(南折)し、群馬県道11号前橋玉村線に乗り、40m 足らず南南東進すると、道路右手(道路西側)に『うな長』はある。
なお、「生川」交差点から「南部大橋」まで は 400m 余りの距離となっている。
専用駐車場は、店舗前の 3台分 だけではなく、店舗直ぐ南 20m 程の通りを西折して 20m 程西進した交差点の、南西角と南東角にもあって、10台分 のスペースが用意されているので利用されたい。


海で産卵・孵化を行い、淡水に遡ってくる「降河回遊(こうかかいゆう)」と言う生活形態をとる「鰻(うなぎ)」は、完全養殖が大変難しく、人工孵化では、各種の試みがそれぞれに成功の兆しが見えつつあるものの、未だ困難な状況が続いており、養殖種苗となる「シラスウナギ」を捕獲し、成魚になるまで養殖する方法しか、商業的には実現していないのが実情だ。

食材として、高蛋白なのはもちろん、ビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンEやDHA・EPA、 ミネラル(鉄、亜鉛、カルシウム、銅)が大変豊富で消化も良いために、夏バテ防止に鰻を食べる習慣は、古く『万葉集』にまで遡ることができるそうだ。

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『万葉集』雑歌 巻第十六 「嗤咲痩人歌二首」
3853 石麿尓 吾物申 夏痩尓 吉跡云物曽 武奈伎取喫
3854 痩々母 生有者将在乎 波多也波多 武奈伎乎漁跡 河尓流勿
右、有吉田連老。字曰石麿。所謂仁敬之子也。其老為人身體甚痩。雖多喫飲、形似飢饉。因此大伴宿宿祢家持聊作斯歌、以為戯咲也。

「痩せたる人を嗤咲ふ歌二首」
3853 石麿に われ物申す 夏痩せに 良しといふ物そ 鰻取り食せ(めせ) 
3854 痩す痩すも 生けらばあらむを はたやはた 鰻を取ると 川に流るな
右は、吉田連老といふひとあり、字は石麿と曰へり。所謂仁敬の子なり。その老、人と為り身體甚く(ひどく)痩せたり。多く喫飲すれども、形飢饉に似たり。此に因りて大伴宿祢家持の、聊か(いささか)にこの歌を作りて、戯れ咲ふ(たはむれわらふ)ことを為せり。

「痩せている人を笑う歌ニ首」
3853 石麻呂さんに申し上げますが、夏痩せに効き目があると言うことですよ。鰻を捕って召し上がってくださいまし。
3854 痩せながらでも、生きていればそれでよかろうに、(あなたはひょろっとしているから、万が一にも)鰻を捕ろうなどとして、川に流されるなよ。
右は、吉田連老と云う者がいた。字を石麿と云う。俗に云う「仁を教える徳」の人である。その老は成長しても、体はひどく痩せていた。たくさん飲食しても、その姿は飢饉に遭った人に似ていた。そこで、大伴宿禰家持がちょっとこの歌を作って、それで戯れ笑うことをした。
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二首の作者は大伴家持。石麿(いわまろ)とは、吉田連老(よしだの・むらじ・おゆ)と言う人物なのだそうだが、この人は大伴家持の友人で、痩せの大食いタイプの人だったらしい。痩せた相手に「鰻を捕って食べなさい」と奨めておきながら、「いや、川に流されたら危ないから止めておけ」と心配してみせる、いわゆる戯れ歌である。一説には、家持も同様に痩せていたとの話があって、同病相哀れむ「をかし」が表現された和歌であるとも言われている。


「鰻」と言えば、誰しもが「土用の丑の日」をまず最初に思い浮かべることだろうが、現在「土用鰻」として定着している夏の風習、その起源を少しだけここで考えてみたい。

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「土用の丑の日」について
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「土用」
いわゆる「土用」とは「土旺用事(どおうようじ)」の略で、「 土(つち)の気が最も旺盛に用事(働き・支配)する期間」の意だ。
四立(立春・立夏・立秋・立冬)前の 約18日 の期間を「土用」と言うが、万物は木・火・土、金・水の 5種類 の元素からなるとする説陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)で、春に「木」気、夏に「火」気、秋に「金」気、冬に「水」気を割り当て、残った「土」気を季節の変わり目として割り振り、これを「土旺用事」=「土用」と呼んだことによる。 従って、「土用」とは立春・立夏・立秋・立冬の前の 約18日間 を言うわけで、四季それぞれに「土用」はあると言うことになる。現在は「夏土用」〔多少前後にずれるが、一般的に 8月7日頃 に立秋があるので、その立秋の 18日前、7/20 ~ 8/6 頃に当たる〕のことだけを一般的に「土用」と言うことが多い。
「土用」には、「土の気」が持つ破壊と再生の作用が強くなり、地上の気全体が乱れるとされ、土いじり、建築に関わること(地鎮祭や基礎工事の着工など)、住環境に関わること(引っ越しや庭木の移動など)、旅行などはしない方がいいとされ、新しいことを始めてならないと昔から言われているそうだ。

「丑の日
ここで言う「丑の日」の「丑」は、もちろん十二支の「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の「丑」であるが、この順序が日付や時刻、方角などにも適用されていて、日付で用いられる場合、12日 で一周することから、12日 に 1度 は「丑の日」がやってくることになる。「土用」の期間は 18日 であるから、2回 丑の日が来る年もあるわけで、その場合、それぞれ「一の丑」「二の丑」と呼称されている。
「土用丑の日」と言う場合、一般的には「夏土用の最初の丑の日」に鰻屋の祭り「土用丑」と称して鰻を食べる日ということになっており、「一の丑」の方が主となるようだ。

「土用鰻」
夏土用は、一年の中で最も暑さが厳しいとされる時期であり、江戸時代にはこの期間の「丑の日」を「土用の丑の日」として重視し、元々、柿の葉などの薬草を入れたお風呂に入ったり(丑湯)、お灸を据えたり(土用灸)すると夏バテや病気回復などに効き目があるとされていたのだそうだ。その習慣から派生した「土用蜆(しじみ)」「土用餅」「土用卵」などの言葉が、現在も残っているのだと言う。
夏土用に鰻を食べる習慣が一般化したきっかけは、諸説あるものの、幕末の万能学者として有名な蘭学者の平賀源内が、夏場に鰻が売れないので何とかしたいと近所の鰻屋に相談され、「本日丑の日」と書いた貼り紙を店先に張り出したところ、大繁盛したことがきっかけだとされているが、実は、この平賀源内発祥説は、その出典が定かでない。Wikipedia で出典とされる、風来山人〔平賀源内〕著『里のをだまき評』〔安永3(1774)刊〕に、「土用の丑の日に鰻を食べると滋養になる」と記されているとあるが、原文にはそのような記述は見られない。また、青山白峰の随筆『明和誌』〔文政5(1822)刊〕にも、「一、近き頃、寒中丑の日にべにをはき、土用に入、丑の日にうなぎを食す、寒暑とも家毎になす。安永天明の頃よりはじまる」とある程度で、平賀源内発祥説の根拠とはならないようだ。実際には、具体的にその起源を示す記述は見当たらないようなので、平賀源内発祥説は飽くまでも通説と考えておく方が良さそうである。
いずれにせよ、「土用鰻」が万民受けした背景には、当時 「『丑の日』にちなんで、『う』から始まる食べ物を食べると夏負けしない」 という風習があったのだそうで、「饂飩(うどん)」「梅干し」「瓜(うり)」「兎(うさぎ)」「馬(うま)肉」「牛(うし)肉」などを食していたとされる。そこへ『万葉集』の時代から、「夏痩せに 良し」とあった「鰻」が入り込んでくれば、当時、爆発的な人気を博したのも頷けるであろう。
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思えば、お高い「鰻」が、「土用の丑の日」前後には更にお高くなるものだから、私個人は、美味しい鰻を食す機会は大変少ない。今回、次男坊の希望により、こう言ったお高い代物にありつけて、実に幸せな私なのであった。

当日の現着時間は、18:30。今回は、こちらの店の実情に関して無知なままの訪問であったが、そんな無謀な訪問にも関わらず、実に運が良かった。たまたま駐車場が空いていた上に、ピーク時間近しと言えど満席ともなっておらず、そのまま奥のお座敷テーブル席へと通されたのであった。

この運の良さに関しては、入店後、続々と来店者があり、あっと言う間に満席になってしまった点と、退店時の 19:30 には、大変特徴的な白一色の無地で仕立てられた暖簾が、既に店内に取り込まれていて、早くも店じまいの準備をする勢いだったことからも見て取れるのだが、そもそもが、店舗入口には、以下のような文面が掲示されていることで、その実態が入店時には把握出来るのではなかろうかと思う。

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大変申し訳ございませんが混雑時には一時間以上お待たせしてしまうことがございます。
ご了承いただきますようお願い申し上げます。
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何とも、こちら『うな長』、正に「『殿様商売』よのう~ !!」と感じた次第で、最高品質の品を提供するためにはとことん時間を掛けるが、営業時間自体は決して欲を掻くことはなく、あるだけを捌いて「売り切れ御免」、、、好い物を出来得る範囲でと言う感じなのだ。
本来的には、「商品知識や接客など、儲けるための商売上の努力・工夫に気を遣わない商い方を皮肉った語」である「殿様商売」だが、今回は「利益に拘らない」「好い物しか扱わない」と言う点で、そう感じた次第である。


さて、こちら『うな長』のメニューであるが、10月の消費増税後の主なメニューの価格は以下の通りである。


「かば焼き(松)」1尾1/4 ………… 5,400円
「かば焼き(竹)」3/4尾 …………… 3,400円
「かば焼き(梅)」1/2尾 …………… 2,400円 

「うな重(松)」1尾1/4 …………… 5,600円
「うな重(竹)」3/4尾 ……………… 3,500円
「うな重(梅)」1/2尾 ……………… 2,600円 

「かば焼定食(松)」1尾1/4 ……… 5,600円
「かば焼定食(竹)」3/4尾 ………… 3,500円
「かば焼定食(梅)」1/2尾 ………… 2,600円 

※「ライス大盛り」…………………… 150円


「鰻」における「松」「竹」「梅」は、その昔、「鰻」の品質の差異なのかと思っていたところ、唯だの量の差であると言うことが分かったのはいつだったろうか。かなり年齢を積んでからのことだったと思う。

本来の私であれば、少しでも量多くと言うことで、「松」を注文するところなのだが、こと「鰻」に関しては、バランスの良い「竹」がお奨めである旨、某所で聞き齧ったものだから、今回の注文は「うな重(竹)」3/4尾 3,500円 にしてみた。。。こう言うこともある、この世の不思議の一つである。( ̄▽ ̄)


さて、恒例の長文の能書きは、今回、このくらいで辞めておこう。
早速に、美味なる実食へと移っていこうではないか。

注文から配膳までは、かなりの混雑振りの中、今回は 37分 であった。まあ、それでも早い方と踏んでおきたい。待っている間、配膳された玄米茶が美味かったので、お座敷隅に用意されている急須を手にして茶葉を入れ、ポットからお湯をセルフサービスで注ぎ、自分でお代わりを茶碗に注ぎつつ、唯だひたすら大人しく待ったのであった。

関西「腹開き」、関東「背開き」。開き方からして地域によって異なる「鰻」だが、こちら『うな長』は「背開き」の「蒸し」ありと、典型的な関東流である。

江戸の町の侍にとって、「切腹」を連想させる「腹開き」は縁起が悪いとされ、「背開き」が主流になったと言われているが、思えば不思議な捌き方である。唯だ、「鰻」に関する限り、背中から捌いたほうが「鰻」が大人しく、調理効率が良いとのことなのだそうだ。
逆に、大阪の町の商人にとっては、「腹を割って話す」意味で「腹開き」が好まれたと言うのも、大阪らしくて愉快であろう。

一度素焼きにした「鰻」を「蒸し」、ふっくらほくほくさせた上で、もう一度タレをつけて焼き上げる。そんな手間暇かけた「鰻」であるからして、一品の出来上がりまでに時間が掛かる。その意味の待ち時間であれば、この私であっても我慢が利くと言うものだ。
今回の37分、ワクワクが止まらない時間なのであった。そんなこんなで、前述したが、この待ち時間の間に、隣席が埋まり、店内は満席になる。流石の人気店だ。

ようやくに配膳となった「うな重」、期待感を露わにして、さあ、蓋を取って、早速に戴こう。


「うな重(竹)3/4尾」3,500円「ライス大盛り」150円(税込)


提供品には、「胆吸い」「お新香」に、小鉢として「もやしの和え物」が付属する。

「鰻の肝のお吸い物」である「肝吸い」だが、「肝」という文字がを用いられているものの、部位は肝臓ではなく、胃を中心とした腎臓や腸の一部が付着した部位なのだそうだ。身に比べて脂肪分が少ないことからお吸い物に向いていると言う。
「鰻」の胆には、ビタミンA や E が豊富に含まれていると言われ、肝のエキスがたっぷりと出ているお吸い物は実に美味だ。しかも、こちら『うな長』の「肝吸い」は、「鰻」の肝が新鮮この上ないために、臭みらしきものは一切感じられない。透明度の高い出し汁に、定番の三つ葉がたっぷりと投入され、その香り高さゆえに、「鰻」を食す際には、何とも相性の良い代物だ。
出汁に関しては、大きく出しゃばる強さはなく、鰹節と昆布出汁が程良く調和した感じだ。兎に角「鰻」の肝を、存分に味わって欲しいと言う店主の心意気が伝わってくるような味わいであった。
「鰻」の肝自体にプリッとした弾力があり、歯応えが強めに感じられるために、味わいにアクセントを生み出す品となっている。これは、実に旨い「肝吸い」である !!

「もやしの和え物」は、一瞬、唯だの茹でもやしかとも思ったのだが、一口食してみると、そうでないことがはっきりと分かる。淡く上品な味付けが施され、それ単体でも美味しく戴ける仕様となっている。醤油をベースとした味付けなのだが、出汁も利かせているのだろう。決して強くない淡い味わいなのに、もやしに奥深さが感じられるのだから驚きだ。
各定食全品に付属するようだが、これを、もう少し余計に食してみたいなと思った程に、小気味好い味わいであった。

「お新香」は、「沢庵」3切れ、「奈良漬け」、「白菜の浅漬け」が配膳となった。
「沢庵」は市販品に感じられる甘味のようなものはない。米糠の発酵臭がほんのりと感じられ、酸味と甘味のバランスが何とも絶妙な仕上がりであり、田舎風味が小気味好い感じであった。恐らく自家製の「沢庵」ではなかろうか。
「奈良漬け」も「鰻」の脂に満たされた舌を、軽く刺激してくれる味変となって、その甘味が生きている。
「白菜の浅漬け」のシャキシャキ感も程良く、全体としてよく考えられた「お新香」の取り合わせと言えよう。


さて、愈々お待ちかね。「うな重」のレビューをしていきたい。


関西風のキリッとしたふわふわ感とはまた別物の、関東風の「背開き」の「蒸し」あり「鰻」。そのふわふわ感は、それはもう半端でない。一口食して、ああ、これが高級「鰻」なのかと、悦に入ってしまった。どう考えても、スーパー等で手軽に入手出来る外国産の大量流通品とは、一線を画している。

ビジュアル的にもふっくらと膨らんだ感じが、「鰻」の身の充実感を示してくれている。肉厚な「鰻」が、お重の中でご飯の上にびっしりどーんと配されていて、ワクワクしてくる。
今回の注文品は「うな重(松)」3/4尾 なのであるが、お重の中で「鰻」3枚が全体を覆い、ご飯が隠れて全く見えない。これが「うな重(松)」1尾1/4 であったら、5枚 載ることになるのだろうが、いったいどうやって載せるのだろうと言うくらいの量だ。これは贅沢感が高い品である。

その「鰻」の身は、文字通りふっくらふわふわ、肉厚な鰻を口に運び、咀嚼を始めると、一噛み一噛みとろとろと解れて、その柔らかさに舌鼓を打つ。ぐっと噛み切る必要は一切なく、気づいたら口中で解れているという仕様なので、噛み応えを求める向きには物足りないのだろうが、「鰻」と言う食材に噛み応えを求めるということ自体、邪道であろうから、この味わいで至高と言って良かろう。

皮の焼き焦げの具合はもう絶妙の域で、カリッとした噛み応えもしっかりと感じられる。が、もちろん、主役の座は「鰻」の身にあるので、「鰻」の皮自体は強くその存在感を主張してくることはない。重の中で下になっている「鰻」の身の皮部分をひっくり返して、よく見てから食すと、皮のカリカリ感が伝わってくるといった感じだろうか。
いずれにしても、「鰻」全体としては、表面はパリっと、中はふっくらふわふわの食感で、何とも美味である。

「鰻」のタレは、甘さと塩っぱさのバランス感が堪らない。どちらかと言えば甘口に属すのであろうが、甘ったるいような感じではなく、キリッとした醤油の味わいがきちんと感じられる濃い口の味わいだ。ご飯に染みるタレの量も適量で、最後の最後まで、味わいに変化なく戴くことが出来た。


そんな、「鰻」の下を守る「ご飯」だが、今回、「ご飯大盛り」にしたので、量的にはそこそこに満足感はあった。
まあ、個人的な見解では、「うな重」で満腹にしたいなどと考えること自体無謀なので、そこは考えないことにしておいたが、、、baku爆baku

実際に、ご飯の炊き加減は固めに仕上げられていて、「うな重」のような「タレもの」「お重もの」には、万全の旨さである。もっちりとした味わいで、一粒一粒が立ち、充分に火の通った感のある炊き上がりだ。
もちろん、タレとの相性も抜群で、甘さとキレを双方表現したタレが、白米に染み込んで、米自体の甘味とともに、「鰻」の味わいを下支えしてくれていた。


高級鰻店の一品メニューである以上、通常なら備長炭の香りを、ここで云々したいところなのだろうが、こちら『うな長』は炭火焼きではないそうだ。実際、食していても炭の香りは全くしてこない。
何でも、「電気グリラー」の専業メーカー『ヒゴグリラー株式会社』〔大阪府大阪市平野区加美東6-15-41 URL : http://www.higo-griller.co.jp/〕製の電気グリラー「ヒゴグリラー」を使用しているとのことである。発熱体の表面温度が備長炭と同等の火力である 850℃ と極めて高温のため、「スイッチの付いた備長炭」と呼ばれているそうだ。「鰻」も炭火で焼いたような艶ある焼きあがりで、表面は香ばしく、身はしっとりと絶妙な焼き具合が自慢だ。
実際、こちら『うな長』の「うな重」の仕上がりは、炭の香りがないだけの話で、蒲焼きの中心からホクホクと熱が伝わってくる出来上がりで、炭火で焼いたとしか思えない出来栄えである。「ヒコグリラー」侮り難しと言ったところだろう。


ううむ、それにしても、旨い。
こう言った系統の高級鰻店に、足を踏み入れる機会の少ない私としては、至福の一時となった次第だ。次男坊よ、ありがとう♪

ああ、本当に美味しうござった。


さて、今回の実測値は、

「うな重(竹)3/4尾」3,500円「ライス大盛り」150円(税込)
総重量(実測値)623g
器サイズ
縦長 15.5cm、横幅 13.5cm、高さ 7cm、器重量 269g
「付け合わせ」〔もやしの和え物〕
総重量(実測値)29g
器サイズ
直径 8.5cm、高さ 4.5cm、器重量 74g
「お新香」〔沢庵、奈良漬け、白菜の浅漬け〕
総重量(実測値)40g
器サイズ
直径 8.5cm、高さ 3cm、器重量 80g
「肝吸い」
総重量(実測値)140g
器サイズ
直径 9.5cm、高さ 6.5cm、器重量 51g

実食総重量 832g
うち固形物重量 692g
完食時間 : 計測せず

訪問日 : 2019.10.2(水)


家の次男坊、大学を卒業して早や 2年半 になる。東京の大手証券会社に晴れて就職したのであったが、営業職ゆえのパワハラまがいの上司からの厳しい指導に、数多くの同期が脱落してい中、1年半 は頑張ってみたのだが、本人がこれを一生続けていくのかと考えた時に、深く疑問を抱いたらしい。そこで、思い切って見切りをつけて退職、以来、公務員試験の受験勉強に 10ヶ月 に渡って精進し続けた。そうしてこの秋、国家公務員一般職、国税専門官、東京特別区Ⅰ類事務、県職員1類行政事務など、怒濤の合格・内定を勝ち取った。我が子ながら実によく頑張り、見事であったと思う。
そのお祝いとしての「鰻」であるから、それなりの品をと考えてのこちらへの訪問である。次男坊曰く「旨過ぎる」とのことであった。確かに、「鰻の粋」を味わえたように私も思った。まあ、斯様な折である、不味いと感じるはずもないのだが、実際に美味であった。いやあ、慶事にはお奨めの「鰻」店であろうと思う。

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」3,500円(税込)

    「うな重(竹)3/4尾」3,500円(税込)

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」上から。今回の注文品は「うな重(松)」3/4尾 なのであるが、お重の中で「鰻」3枚がぎっしりと全体を覆い、ご飯が隠れて全く見えない。これは贅沢感が高い品である。これが「(松)1尾1/4」となったらどうなるのであろう?

    「うな重(竹)3/4尾」上から。今回の注文品は「うな重(松)」3/4尾 なのであるが、お重の中で「鰻」3枚がぎっしりと全体を覆い、ご飯が隠れて全く見えない。これは贅沢感が高い品である。これが「(松)1尾1/4」となったらどうなるのであろう?

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」接写。関西風のキリッとしたふわふわ感とはまた別物の、関東風の「背開き」の「蒸し」あり「鰻」。そのふわふわ感は、それはもう半端でない。一口食して、ああ、これが高級「鰻」なのかと、悦に入ってしまった。

    「うな重(竹)3/4尾」接写。関西風のキリッとしたふわふわ感とはまた別物の、関東風の「背開き」の「蒸し」あり「鰻」。そのふわふわ感は、それはもう半端でない。一口食して、ああ、これが高級「鰻」なのかと、悦に入ってしまった。

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」鰻断面拡大。その「鰻」の身は、文字通りふっくらふわふわ、肉厚な鰻を口に運び、咀嚼を始めると、一噛み一噛みとろとろと解れて、その柔らかさに舌鼓を打つ。ぐっと噛み切る必要は一切なく、気づいたら口中で解れているという仕様だ。

    「うな重(竹)3/4尾」鰻断面拡大。その「鰻」の身は、文字通りふっくらふわふわ、肉厚な鰻を口に運び、咀嚼を始めると、一噛み一噛みとろとろと解れて、その柔らかさに舌鼓を打つ。ぐっと噛み切る必要は一切なく、気づいたら口中で解れているという仕様だ。

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」付属の「肝吸い」透明度の高い出し汁に、定番の三つ葉がたっぷりと投入され、その香り高さゆえに、「鰻」を食す際には、何とも相性の良い代物だ。「鰻」の肝が新鮮この上ないために、臭みらしきものは一切感じられない。

    「うな重(竹)3/4尾」付属の「肝吸い」透明度の高い出し汁に、定番の三つ葉がたっぷりと投入され、その香り高さゆえに、「鰻」を食す際には、何とも相性の良い代物だ。「鰻」の肝が新鮮この上ないために、臭みらしきものは一切感じられない。

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」蒲焼きの中心からホクホクと熱が伝わってくる出来上がりで、炭火で焼いたとしか思えない出来栄えである。発熱体の表面温度が備長炭と同等の火力である 850℃ と極めて高温の「ヒコグリラー」侮り難しと言ったところだろう。

    「うな重(竹)3/4尾」蒲焼きの中心からホクホクと熱が伝わってくる出来上がりで、炭火で焼いたとしか思えない出来栄えである。発熱体の表面温度が備長炭と同等の火力である 850℃ と極めて高温の「ヒコグリラー」侮り難しと言ったところだろう。

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」ご飯断面。ご飯の炊き加減は固めに仕上げられていて、「うな重」のような「タレもの」には、万全の旨さである。もっちりとした味わいで、一粒一粒が立ち、充分に火の通った感のある炊き上がりだ。

    「うな重(竹)3/4尾」ご飯断面。ご飯の炊き加減は固めに仕上げられていて、「うな重」のような「タレもの」には、万全の旨さである。もっちりとした味わいで、一粒一粒が立ち、充分に火の通った感のある炊き上がりだ。

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」鰻の表面拡大。皮の焼き焦げの具合はもう絶妙の域で、カリッとした噛み応えもしっかりと感じられる。が、もちろん、主役の座は「鰻」の身にあるので、「鰻」の皮自体は強くその存在感を主張してくることはない。

    「うな重(竹)3/4尾」鰻の表面拡大。皮の焼き焦げの具合はもう絶妙の域で、カリッとした噛み応えもしっかりと感じられる。が、もちろん、主役の座は「鰻」の身にあるので、「鰻」の皮自体は強くその存在感を主張してくることはない。

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」付属の「肝吸い」の具材「鰻」の肝。肝自体にプリッとした弾力があり、歯応えが強めに感じられるために、味わいにアクセントを生み出す品となっている。これは、実に旨い「肝吸い」である !!

    「うな重(竹)3/4尾」付属の「肝吸い」の具材「鰻」の肝。肝自体にプリッとした弾力があり、歯応えが強めに感じられるために、味わいにアクセントを生み出す品となっている。これは、実に旨い「肝吸い」である !!

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」付属の「お新香」は、「沢庵」3切れ、「奈良漬け」、「白菜の浅漬け」である。「沢庵」は、米糠の発酵臭がほんのりと感じられ、酸味と甘味のバランスが何とも絶妙な仕上がりであった。

    「うな重(竹)3/4尾」付属の「お新香」は、「沢庵」3切れ、「奈良漬け」、「白菜の浅漬け」である。「沢庵」は、米糠の発酵臭がほんのりと感じられ、酸味と甘味のバランスが何とも絶妙な仕上がりであった。

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」付属の付け合わせ「もやし」一瞬、唯だの茹でもやしかとも思ったのだが、一口食してみると、そうでないことがはっきりと分かる。淡く上品な味付けが施され、それ単体でも美味しく戴ける仕様となっている。

    「うな重(竹)3/4尾」付属の付け合わせ「もやし」一瞬、唯だの茹でもやしかとも思ったのだが、一口食してみると、そうでないことがはっきりと分かる。淡く上品な味付けが施され、それ単体でも美味しく戴ける仕様となっている。

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」蓋をした状態。思えば、お高い「鰻」が、「土用の丑の日」前後には更にお高くなるものだから、私個人は、美味しい鰻を食す機会は大変少ない。今回、次男坊の希望により、こう言ったお高い代物にありつけた。

    「うな重(竹)3/4尾」蓋をした状態。思えば、お高い「鰻」が、「土用の丑の日」前後には更にお高くなるものだから、私個人は、美味しい鰻を食す機会は大変少ない。今回、次男坊の希望により、こう言ったお高い代物にありつけた。

  • うな長 - 「うなぎと刺身定食」3,400円(税込)次男坊の注文品。

    「うなぎと刺身定食」3,400円(税込)次男坊の注文品。

  • うな長 - 「刺身定食」1,700円(税込)家の奥さんの注文品。

    「刺身定食」1,700円(税込)家の奥さんの注文品。

  • うな長 - 『うな長』メニュー表「コース料理」

    『うな長』メニュー表「コース料理」

  • うな長 - 『うな長』メニュー表「地酒」

    『うな長』メニュー表「地酒」

  • うな長 - 『うな長』メニュー表「うな重」「かば焼定食」「しら焼定食」

    『うな長』メニュー表「うな重」「かば焼定食」「しら焼定食」

  • うな長 - 『うな長』メニュー表「一品料理」

    『うな長』メニュー表「一品料理」

  • うな長 - 『うな長』メニュー表「いも焼酎」

    『うな長』メニュー表「いも焼酎」

  • うな長 - 『うな長』メニュー表「焼酎」

    『うな長』メニュー表「焼酎」

  • うな長 - 『うな長』メニュー表「夜の献立」

    『うな長』メニュー表「夜の献立」

  • うな長 - 『うな長』店舗外観

    『うな長』店舗外観

  • うな長 - 『うな長』店舗入口

    『うな長』店舗入口

  • うな長 - 『うな長』大看板

    『うな長』大看板

  • うな長 - 『うな長』店舗内観「お座敷テーブル席」

    『うな長』店舗内観「お座敷テーブル席」

  • うな長 - 『うな長』店舗内観「カウンター席」

    『うな長』店舗内観「カウンター席」

  • うな長 - 『うな長』テーブル付属の各種調味料類

    『うな長』テーブル付属の各種調味料類

  • うな長 - 『うな長』混雑時のお詫び

    『うな長』混雑時のお詫び

  • うな長 - 『うな長』早仕舞いとなり、店内にしまわれた暖簾

    『うな長』早仕舞いとなり、店内にしまわれた暖簾

  • うな長 - 「うな重(竹)3/4尾」3,500円(税込)総重量(実測値)623g。

    「うな重(竹)3/4尾」3,500円(税込)総重量(実測値)623g。

  • うな長 - 「お吸い物」総重量(実測値)140g。

    「お吸い物」総重量(実測値)140g。

  • うな長 - 「付け合わせ」〔もやし〕総重量(実測値)29g。「お新香」総重量(実測値)40g。

    「付け合わせ」〔もやし〕総重量(実測値)29g。「お新香」総重量(実測値)40g。

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店舗基本情報

店名
うな長
ジャンル うなぎ、どじょう、海鮮
予約・
お問い合わせ

027-223-7002

予約可否

予約可

住所

群馬県前橋市六供町1-5-1

交通手段

JR両毛線前橋駅南口 徒歩15分

前商入口バス停から255m
城南小入口バス停から241m
生川バス停から145m

前橋大島駅から3,565m
新前橋駅から2,102m
中央前橋駅から1,791m

前橋駅から899m

営業時間
  • 水・木・金・土・日

    • 11:00 - 13:30

      L.O. 13:00

    • 17:00 - 20:30

      L.O. 19:30

  • 月・火

    • 定休日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算(口コミ集計)
¥5,000~¥5,999 ¥2,000~¥2,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード不可

電子マネー不可

サービス料・
チャージ

未確認

席・設備

個室

貸切

不可

禁煙・喫煙

分煙

カウンターは禁煙確認

2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

駐車場

店前に3台、裏手に10台

空間・設備

カウンター席あり、座敷あり

メニュー

ドリンク

日本酒あり、焼酎あり、日本酒にこだわる、焼酎にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

家族・子供と 一人で入りやすい 知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

一軒家レストラン

サービス

ドリンク持込可

お子様連れ

子供可

ドレスコード

なし

公式アカウント
備考

〒371-0804

初投稿者

tomiyatomiya(0)

最近の編集者

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