季節の味と最高の飛騨牛を味わう。 : 飛騨季節料理 肴

飛騨高山に観光にきて、いつものように郊外のＪＲ系ホテルである
“ホテルアソシア高山リゾート”に宿をとる。
そして、いつもはこのホテルのレストランで夕食をとるか、高山の町中に食事＆酒飲みの場を求めて
出ていくかのどちらかなのだが、今回はホテルのすぐ目の前にあるこの店に行くことにしました。
というのは、先々月も高山に来てこのホテルに泊まった際この店を発見し、その際完全予約制であること、
そしてメニューなどを確認しておいたので、あらかじめ12600円のコースを予約しての訪問です。
一応お店の前に掲示してあったメニューには“ステーキコース”、“すき焼きコース”、“しゃぶしゃぶコース”
などがあり、それぞれ何段階かランクがあったのですが、事前に電話で予約を入れた際に、店主から
予算はいくらくらいか、ｋどれくらいの量が食べられそうか、季節の山菜、魚介類そしてお肉の配分はどうか？など事細かにこちらの希望を聞いてくれました。
その結果、ほとんどメニューには無いようなわれわれだけのためのコースのようにしてくださいました。
ほぼフルオーダーで、オリジナルのようなコースになったので、どんな風になるのか楽しみにさっそくホテルに荷物を置き、目の前のお店に向かいます。


暖簾をくぐり、ドアを開けるとまっすぐに伸びる通路があり、左手は座敷席が。
その座敷席ではすでに一組の先客が声までは外に聞こえないものの、にぎやかに食事をされている様子。
そこを通りすぎると目の前に夜景をバックにしたカウンター席が広がっています。
このカウンター席に二人で陣取り、気さくな店主との会話のあとさっそくコースが始まりました。
まず最初はもずく。もずくというと普通ふにゃふにゃとやわらかいイメージがあるのだが、この日のもずくはシャキシャキしており、いかにも海藻という感じである。海の味がするのである。
なかなか触感といい、その味わいといい一品目から驚く。
次は山菜の煮物が小鉢で二品出てくる。
店主曰く、これが今年最後の山菜とのこと。このあとこのお店のメニューも夏に切り替わっていくらしい。
山菜最後はたけのこの蒸し焼きである。皮を剥かれたたけのこの煮物などはよく口にするのだが、皮をかぶったままのたけのこは初めてである。
皮を剥きながら、出てきたたけのこをいただくとまるでとうもろこしのようなふくよかな味が。これがたけのこの本来の味なのかーと驚いてしまった。
次に出てきたのが岩がき。これがとっても大きい。
がぶっとかぶりつくと、とってもクリーミーな舌触りに加え、塩の味がする。ここでも岩かきが海のものであることが実感させられる。
そしてお造り、カニ身、鮎の稚魚と魚介系メニューが続く。
鮎の稚魚は頭からそのままいただく。最初煮だしの味がほんのりするのだが、その後魚の身の味そして、内臓のほのかな苦みと続く感じがなんとも言えない。普通この手の魚は甘露煮などこてこての味に煮込まれ食感はともかく、魚の味などわからなくなりがちなのだが、まさに魚を食べている感じ。
さきほどのもずく、岩がきもそうだったのだが、この店は味付けでごまかすのではなく、食の素材を生かながら、その食材の持つ味を引き出すように調理し提供してくれているんだなーと食べていて感じた。
いやー、山菜も食べたし、魚介類もいただいたし満足したなーと思っていると、店主がそろそろステーキ出しますねーと言ってくる。
そうだ、今回は飛騨牛のステーキを食べに来たのだとふと我に返る。ここまでの料理の充実ぶりにメインを忘れてしまっていた。
そして、目の前に出てきた最高等級Ａ５のサーロインをまずは目で楽しむ。
これについては、言葉でなにを言っても伝わらないと思うので写真で楽しんでください。
今まで普通に食べてきた肉とは見た目も、食感も別物としか言いようがない。そして、飛騨にきて飛騨牛を食ってるんだーという贅沢感をかみしめる。

最後には釜炊きのごはんと、お味噌、そしてサラダをいただき、これでコース終了。
一体何品出てきたんだろうと思うくらいの品数でありながら、一品一品質が高く、これで12600円ならば！と大満足でした。また今回、結局カウンター席はわれわれ二人のみ。座敷席でのお客さんは別として、まるでわれわれだけでお店を貸し切ったような超贅沢感を味わえました。
完全予約制のお店といのも邪魔されず自分たちの世界に浸れるのでいいものです。大将をわれわれだけでほぼ独占できました。
大将が夏は鮎がうまいと言っていたのでそれも食べたいし、次は飛騨牛のすき焼きコースも食べたいしと思いながら大将と別れ店を出ました。
店を出ながら次にまたこの店に来て何を食うかなんてイメージできるお店ってなかなかないですね。