凄腕の職人さんが焼き上げるヴィエノワズリー。高山を代表するパン屋さん、行列は語る！ : トラン・ブルー

［岐阜県高山市］
2013/5/4（祝）
飛騨高山の有名ブーランジェリー。
パンの世界大会で日本代表になった、凄腕の職人さんがいるという。
特に、クロワッサンやフルーツを乗せたデニッシュ、ブリオッシュ（総称：ヴィエノワズリー）が
得意なパン屋さんだ。

駐車場は10台分くらいあったが、ゴールデンウィークだけあって車がぎっしり。
誘導員が配置されており、関西・東海地方の県外ナンバーが並ぶ。

12:15、店の外周を囲むような行列。人数にして30名くらいか。
やはり20～30代の方が多いが、年輩の方やファミリーもいらっしゃる。

パン好きでなければ、なかなか並ぼうとは思わないだろう。
何分並ぶかの見当も付かないまま、行列の末尾に並んだ。

行列の途中で工房をちら見できる、
クロワッサンなのか、こねた丸い生地を、ちまき状に整形している様子だ。

30分ほど並んだ頃、店員さんから
「商品が少なくなってまいりました、申し訳ありませんが店内にあるものをお買い求め下さい、
1名様8点まででお願いします」とお触れあり。

8個はさすがに買わないな。 （←結局買ったけど）
一番人気のクロワッサンは無くなったかもしれない。

店内で焼き上がりを待つ人がいるのか、列が進むのは結構遅い。
「桜あんぱんしかなかった」と苦笑しながら出てくるお客さんも。
店外から覗き見ると、ブールや食パンはあるように見えるが…

一方で「めっちゃあったかい」と焼きたてのパンを手に、笑顔で出てくる人もいる。
要は、店に入れたタイミングで、たまたまどのパンの焼き上がりに当たるか、という話である。

50分は並んだか…ようやく入店！
クロワッサンやフルーツデニッシュは、やはり売り切れ。
それでも、思ったより多くのパンが買えて、結構満足。

（特に母が）勢いに乗じてたくさん買ったが、その中から何点かご紹介。

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■パン・オ・レ
楕円形の大きな食事パン。
「牛乳パン」の名前通り、水を使わず、牛乳だけで練った生地を使用。
クラスト（皮）は見た目ほど固くなく、クラム（中身）はふんわり柔らかい。

塩味も砂糖味でもないから、純粋に生地の味と香りが楽しめる。
知らず知らずのうちに、次から次へと手が出てしまう不思議なパンだ。

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■ミルクスティック（￥165）
ミルククリームを、ソフトフランス生地で挟んだ素朴な菓子パン。

クリームはまったりと濃厚で、ミルクリッチという形容がぴったり来る。
そのクリームの印象が最初は強いが、パン生地の美味しさが後から追いかけてくる。
香ばしさと、ざっくりした食感がたまらない。

子供から大人まできっと大好きな、あと引く美味しさだと思う。

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■ラング・ドゥ・ブッフ（￥190）
バターたっぷりの生地に、シュガーをまぶしたブリオッシュ。
ボコボコ穴が開いたような見た目が面白い。フランスの地方菓子だそうだ。

しっとり生地と、ざらざらシュガーという食感の対比も面白い。
お菓子好きなら納得の味。ぜひ、コーヒーに合わせたい。

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■バトン（￥85）
見た目はねじり棒、チェダーチーズ風味のハードデニッシュ。
シンプルにチーズのコクが楽しめる。
ビールやワインのつまみにもぴったりだ。

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■パン・バニーユ（￥100）
バニラビーンズの種が入っているだけの、小さな柔らかいパン。
なんと、バニラアイスクリームをイメージして創作したのだという。
個人的には、今回最も驚きのあった作品だ。

カスタードや生クリームを使わずに、バニラの香りだけで、
アイスクリームを表現しようという発想がすごい。
同時に、生地の風味に自信がなければ、考えつかないアイディアとも言える。
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この他にもあんパンやレーズンパンなど、素朴なパンが意外と充実している。
それもそのはず、先代は給食向けのパン製造業を営み、
今もその家業を並行して続けていらっしゃるのだそうだ。

お値段も、有名店としては意外なほど、買い求めやすく抑えられている。
（その分 ひとつひとつのパンが小さめ）

特別な日のお洒落パンではなく、毎日の食卓にある美味しいパンを焼こうという、
店員さんの想いが伝わってくるようだ。
大変な混雑ぶりのため、どうしても特別な存在に見られてしまうと思うが…

作業場を見れば、オーブンに入るのを待つクロワッサン、ソーセージ入りクロワッサンが並んでいた。
あれが焼けるタイミングで、店内に入れる人はラッキーだな。

忙しい中、店員さんは笑顔を絶やさず頑張っている。
ここから独立して、自分の店を持つのが夢という人もいるだろう。
いやいや仕事をしていては、絶対に出てこない笑顔だ。

次回はぜひ、クロワッサンやフルーツデニッシュ、美味しいと評判の食パンを食べてみたい。