超こだわりのお店シリーズ①ここまでこだわる蕎麦屋は見たことがありません。 : そばの里深萱ふ～ど

＜はじめに＞

～蕎麦の香りではなく、蕎麦の甘味の分かる方に～

１０月末から仕事の繁忙期に入り、レビューが全く書けない状態。そうこうしている内に、味を忘れてしまい、結局書けず仕舞いになるお店がどんどん膨れ上がっていきますが、そんな中で、どうしても味を覚えている間に書きたいと思ったお店を４店ほどご紹介させて頂きます。
それも、個人的に４．６以上と思えるお店で、とにかくこだわって、こだわって、こだわり続けておられるお店をご紹介します。

まず最初にご紹介するのは、こちらの蕎麦屋さんであります。正直食べログで高得点で有るわけでもなく、私自身全くのノーマークだったのですが、こちらは、白川郷のどぶろく祭りにお伺いした際に、そこで屋台を出しておられた的屋さんとの出会いによって、こちらのお店を知ることに。
この的屋さんと、岐阜県のどこの蕎麦が一番美味しいかという話になり、私は、最近頂いて、かなり気に入っている蕎麦庄 やまこしさんをあげると、こちらの的屋さん、岐阜県のみならず、かなり各地を回っておられ、蕎麦好きということもあるのですが、こちらのふーどさんが一番美味しいと太鼓判をおされます。

正直、半信半疑だったのですが、丁度この話をして３日後に岐阜市に出張が入っていたこともあり、少し家を早めに出て、美濃加茂に立ち寄り、こちらのお店にもお伺いすることになります。美濃加茂市は、岐阜市に行く途中で立ち寄ると考えていたのですが、結構遠回りをしたような。。
そして、田園風景の中を車で進んでいくと、こちらのお店がぽつんと、何とも情緒のある雰囲気で佇んでおります。

人気店ということで、さぞ混んでいることかと思いましたら、結構空いておりました。まあ、お昼の営業時間の最後の方だったこともありますが、自由に好きな席に座れる感じであります。

＜お昼のあれこれ膳：もり盛り膳（１６００円）＞

せっかく遠路参ったので、２種類くらいは蕎麦を頂きたいと思っていたところ、お昼のサービスメニューがあることに気が付きます。こちらは普通のお蕎麦と粗挽きの両方を楽しめ、また茶漬けも出てくるというものであります。迷わず、こちらをオーダー致します。

１）盛りそば

結構手の凝ったお通しを楽しみながらも、程なく盛りそばがやって参ります。これは、見た目から、結構私好みなような。美味しそうです！
急いで写真を撮り、いざ蕎麦を手繰ります。
ぬぬぬぬぬ！！！！！
これは、何とも珍しい食感というか、初めての食感であるように感じます。
とにかく、蕎麦に甘味があり、またしなやかで、むっちりとした、何とも優しい美味しさ。
餅のようなむっちり感とも違い、自然なコシというか、瑞々しさがあり、どのようにすれば、このような蕎麦になるのかが、とても気になるところであります。これは美味しかったです！

２）粗挽きそば

そして、二品目目の粗挽きが出て参ります。こちらも細切りですね～。粗挽きだけに、盛りそばよりかは、パサパサしているかと思いきや、こちらもやはり、独特のしなやかさ！！う～ん、これは美味しい！！どぶろく祭りに来ていた的屋さんが、粗挽きがお勧めと言っていたことを思い出し、半信半疑ではあったものの、これは確かにレベルが高いです！粗挽き独特の香りもあるものの、それ以上に、やはり蕎麦の甘味がじわ～と口の中一杯に広がります。
悔しいですが、これは確かに美味しい。

３）蕎麦の実茶漬け

蕎麦を２つ頂いた後で、これまた優しい、茶漬けがやって参ります。見た目も美しく、出汁が自然に効いていて、何とも私好みな味付けであります！
蕎麦で得た満足を、さらに茶漬けに引き立たせてくれますね～。お見事！

＜総括＞

食後、女将さんと色々と蕎麦のことを教えてもらい、帰り際、わざわざ店主が追いかけて下さり、そこでまた色々とこだわりの蕎麦のお話しを聴かせて頂きました。こちらのお店は、新そばには、全くこだわっておられず、温度と湿度管理を完璧にさえすれば、年中美味しい蕎麦を頂けると言われる。すなわち、新蕎麦は、タンパク質やデンプン質の加減で、粘りが出やすく、打ち手には打ちやすいが、それが本当に一番美味しい蕎麦かと言われると、それは違うと言われる。なるほど、この考え方は、以前奈良で頂いた玄のご主人と同じお考えであられますね。それに、蕎麦の食感も、どことなく似ているような（笑）。
以上のようなお考えであるので、こちらは使用する蕎麦粉の内、約半分弱を自家栽培で賄っておられるのであるが、こちらの自家栽培分の蕎麦の刈り方が独特というか、普通の刈り方の何倍も手間のかかる方法で刈っておられます。そして、刈った蕎麦は、すぐに使用せずに、天日干しをして質を安定化されます。その他、普通の蕎麦屋のプロセスでは、絶対しないような、手間暇をかけて、現在の蕎麦に至っておられるという。
正直、この食感は、他にはなかなか見当たらず、オンリーワンのように感じますし、蕎麦の奥義を知り尽くした方だから出し得る、何とも完成度の高い蕎麦でありました。
蕎麦の香りがいいとか良くいいますが、香りなどは、簡単に調整できるとのことで、大事なのは、蕎麦の甘味を理解できる舌を持っているかどうかだと言われる。なるほど、もう１日でも話を聴いていたかったのですが、仕事のアポに遅れかけていたこともあり、急いで店主さんのお見送りを受けながら、岐阜市内へと向かう私でありました。本当に素晴らしい、穴場なお店でありました！

＜雑談＞

ちなみに、こちらのご主人さんに教えて頂いた、岐阜市内のお勧めのお店にお伺いしたのですが、こちらのお店に匹敵するくらい美味しかったものの、食べログの掲載で、人が増えては、お店が回らないということで、レビューアップ禁止となり、かなり残念な結果に。本当に美味しいと思えたお店で、レビューを書けないというのは、レビュアーにとっては、最も辛いところでありますね。
次は、京都のこだわりのお蕎麦をご紹介させて頂きます。


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