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ムササビヒンソーさんの他のお店の口コミ
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店名 |
Schweine Schulze
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ジャンル | ドイツ料理 |
予約・ お問い合わせ |
(+49) 049514122944 |
予約可否 | |
住所 |
ドイツNeue Str. 36, 29221 Celle, Lower Saxony, |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
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禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
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駐車場 |
無 |
空間・設備 | 落ち着いた空間 |
ドリンク | ワインあり |
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利用シーン |
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ロケーション | 一軒家レストラン |
ドレスコード | カジュアル |
公式アカウント | |
初投稿者 |
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「シャチョー! 展示会の人気が高すぎて、ハノーファ市内に宿が取れません! 」
…秘書のケメ子が叫んだところから、今回の旅は始まった。
安野モヨコの自画像似な彼女は、かつてスワロゥ惨状ステイション(仮 ちかくにあったうさん臭い興信所で働いていたが、当社に引き抜き、移籍させて以来、スケジュール管理、交通機関のチケット、宿泊先の手配等を任せている。
しかし凄腕のケメ子をして、流行りのインダストリー4.0人気はどうしようもなく、市内にホテルが取れないという。
「あ、でも、隣町のツェレというところがあります。えっと、空襲を受けていないので15世紀の家並みと古城が残っており、一種の小京都のよう…まぁ、ステキ! 」
どうも本人、海外観光旅行を趣味としているから、つい本筋から逸脱したことを口走りがちなところが玉にキズ。
それにてもツェレってどこよ? とケメ子の前に置かれたパソ・コンをのぞき込むと、ハノーファ市内からは40キロあまり。列車を使えば、一時間足らずで展示会場まで行き来が出来るらしい。
「これで決まりですね。スマホにドイツ鉄道とハノーファ市内交通のアプリ入れて、クレジットカードも登録しておいてください。これにグーグルマップがあればどこでも行けますし、タイムテーブルも一目瞭然。切符も窓口で買わず、すべてケータイで手配できますからね。」
ついでに航空会社のアプリも入れときゃ、それこそオマエの仕事も…と軽口を叩きそうになるが、社内コンプライアンスとワークライフバランス厳しい折、余計な事を言うとロクな目にあわないからグッと口をつぐみ、NRT発MUC経由HAJ向け機材に搭乗とあいなる。
空港からは前出のアプリを起動させ、これに従いチケットを取り、列車に乗り込み、途中乗換をし(乗降プラットホームまで案内してくれる)、気が付くとホントに鄙びたツェレ駅舎に到着して「しまう」
なんだかキツネにつままれたような、夢を見ているような塩梅で、展示会以前にIOTの実態を、まざまざと見せつけられたような気になる。
宿で荷を解き、旧市街を経廻る。
なるほどケメ子「解説」の通り、石畳の道を歩いていると、古い、積み木細工の様な家々が並び、風情がある。
…が、観光客から徹底的にオアシをふんだくるもといストーリー仕立てにしてツーリズム・インダストリィに街を上げて取り組む、という風ではなく、建物は昔ながら、なんであるが、軒先はイタリア料理屋だのドネルケバブ屋だのに無節操に侵食されているさまが少々物悲しい。
表通りを眺め、路地裏に入り込み、ボーマン博物館で中世のキッチンや鍋などを見物しているうちに腹が減ってくる。
これも社の、海外営業グループ「ストーン氏」に推薦されたトリップアドバイザーのアプリを開き、博物館のちかくにあるこちらへ伺う。
ご案内の通り、豚肉料理専門であり、歴史があり、多くの著名人が出入りした店だという。
入口の扉をひらくやいなや、こんぬつわ。という間もなく店主が「こっちへこい」と相席の大テーブルを指差し、英語と中国語のメニュを差し出す。
へえ、こんな地方まで爆買いさんたち来てるんだぁ! とある種、感銘を受けるとともに、生憎中国語は不如意で云々、と丁寧にご辞退申し上げると、一瞬「え゛? 」という顔をされる。
ここいらへんのひとびとの社会通念では、いまでもシニーズンもジャパーニッシュもおんなじなんであろう。
古いドイツ料理屋ではシュニッツェルに決めている。
決めているのに理由はない、あったとしても忘れてしまった。
もしあるとすれば、これまでじぶんが現地の展示会でさんざ揚げてきたから出来栄えの良否が比較的分かりやすい、とは、食事に来てるんだか、官能試験をやってるんだかわからない「食べログのひと」みたいだから、って、そのものじゃん! と自己矛盾に陥るから黙っている。
そう思いながら、Jäger Schnitzelすなわち「狩人風」という奴をとってみると、思った通りのきのこ・トッピングにさもありなん、と頷き、ナイフを入れると、低温のバタで揚げた事がわかる芳香が漂い、フォークで口に運ぶと、当地独特のきめの細かい豚肉の食感が結構なのであるが、油切れや形状凍結性という「料理屋として人に食わせる」テクニックの面では、やや、あんりまあ! という具合で、シットリというよりヂットリとした衣が見る見るうちに剥がれ落ちていくのをカトラリ総動員で押さえつけ放り込むように口に入れ、咀嚼の時間も惜しいとばかりに次々と飲み込むと、喉に詰まりかかり、ついヴァイスビアのお代わりを重ねてしまい、同じ席に着いていた地元ドイツ老紳士から、「おお、そんなに旨いか! よかったな! 」と言われながら、目をシロクロさせない、事もない。