食堂なまえ。 : 食堂なまえ

初回訪問。

「源来軒」を出た後、せっかく喜多方まで来たのだからと、名物の蔵巡りをいくつかした後、
喜多方ラーメンミュージアム、ラーメン神社にも行ってみたけど、残念ながら定休日。
で、その後「坂内食堂」か「まこと食堂」に行くつもりだったのだが、一方は定休日、一方は営業時間が過ぎていた。( ﾉД`)

仕方がないので再度検索してみると、なんと喜多方地区ラーメン部門１位の「食堂なまえ」が残っていた。(^ ^
(この時点では１位だったけど、今の時点では２位。１位の「坂内食堂」とは同じ点数だが、レビュー数の差か？)
喜多方市最後の一杯としては相応しいかと、ナビ頼りで向かう。

「源来軒」の在る県道210号線を東に歩いていると、えっ？ここから？と思うような、民家と民家の間の、私道の様な狭い道を地図が示している。
入っていくには躊躇する様な道なので、地図を再度確認するがこの道で間違いない。
恐る恐る歩いて行くと、余り密集しない住宅街の中にポツンとある駐車場の角にラーメンの幟が見えた。
良かった、間違い無かった。٩( ᐛ )و
で、隣接した直ぐ横の建物がお店かと思ったが、「食堂なまえ」はその反対側。

振り返って見て、その立ち姿と立地に愕然⁉︎
(*ﾟДﾟ)*ﾟДﾟ)(*ﾟДﾟ)ｫｫｫｵｵ

民家その物の姿。(๑º△º๑)

食べログ喜多方地区のラーメン部門１位のお店だったので、新進のバリバリの若手の、イマドキ風な新しいお店かと想像してたら、全然違った。
勿論、嬉しい方に。(´^ω^｀)
変に古民家をリノベーションした様なお店ではなく、ストレートな民家。(^^;
こう言ったお店は大好きである。
心の中でニコニコしながら店内へ。

平日の午後3時過ぎ。
先客2人の後客2人。
入って正面奥が厨房で、3人掛けが２つ、6人掛けが１つのテーブルだけの店内。
3人用のテーブルに着席。
70代後半ぐらいのご夫婦で営業。
う〜ん、これもまた良い。こう来なくっちゃ。(o^_^o)

メニューは厨房前の壁に札が掛けられている。
極太平打ちラーメンも気になったが、ここはやはりデフォと思われる、中華そば550円を注文。
店内は本当にこじんまりとしていて、昔の食堂の雰囲気のままで、3歩も歩けば壁に当たりそう。
色々と色紙も飾られていて、結構メディア出はされている様子。
食べログ話題のお店のシールも有ったが、なんとなく違和感を覚えるけど・・。
でも、浮ついた感じは全然なく、昔から年月を重ねて来たお店の雰囲気。
私の理想とするお店にかなり近い。

4分ほどで中華そばの到着。
どんぶりは、一般的なラーメンどんぶり。
具は、チャーシュー、めんま、ねぎ、ナルトの定番ビジュアル。
スープは、透明感のある薄めな茶色。
一口啜って見ると、穏やかで、仄かな醤油の風味で、角のない滑らかな口当たり。
口に入ってから、何事も無かった様に喉に落ちて行く。
ベースのスープは何かと色々探って見たが、これと言って目立つものは無かった。
色々溶け込みあって完全に姿を見せない感じ。
手放しに旨い、とまでは言えないが、永い営業の中で積み重ねられて来た味と思えば、感慨も湧いてくるという物。
麺は極太の平打ちでやや縮れている。
つるんつるんの口当たりで、表面が非常に滑らか。
表面下ぐらいまで僅かに柔く、そこから少し圧を上げて行き、中心部には微かながら弾力を感じる、クチッに近い歯切れ。
麺も私の理想に近い。
味は余りないが、口当たりと歯切れは、かなり好みな麺。
こんな所(と言っては失礼だが)で出会うとは思いもしなかった。
チャーシューは、大きさちょい小さく、厚さはバラツキがあるものの、少し厚め。
しっかりと形が残っている割には、柔目で、味は肉主体。
噛む程に旨みが出てくる。
メンマは珍しい白いタイプで、味は薄味。

ご夫婦は、穏やかで商売っけなどはさらっさら感じさせない応対。
店内だけが昭和にタイムスリップしたような世界。
ほっとしてしまう様なお店。

いやぁ、喜多方最後のお店としてぴったりだった。(^^

因みに、「食堂なまえ」の名前の由来は、昭和47年にお店を始めた、「生江フク子」さんの名前の、生江=なまえ、から来ている様です。(^^


満足感一杯で、「食堂なまえ」を出て喜多方駅へと向かいます。(^^

で、次の目的地の事など考えながら、線路沿いの道を歩いていたら突然、ブオォォォーッと言ったけたたましい音が、静かな喜多方の街に響き渡る。
何事⁉︎と驚いてキョロキョロすると、向かっている駅方向に真っ黒な煙が立ち昇る。
事故でも起こったのかと思うような、轟音と煙。
えっ？もしかして駅で事故？
だとしたら次の目的地へ行けなくなる・・と、不安を覚えてつい早足になる。

だが、轟音は1度だけで、火の気は無く、黒煙もだんだん薄れてきた。
ん？もしかしてこれは？・・いや、あれは・・・汽笛？
この路線にSLが走ってるのだろうか？
だとすれば、あの轟音と黒煙とも符号する。
鉄道記念館と言った所で、動かない物は見た事は有るが、実際に走っている所はまだ見た事が無い。
もしかしてこちら方向に走ってくるかと期待するが、線路と歩道の間に家が建っているので、このままでは良く見えない。
家の切れ目まで走る(実際は急ぎ足ぐらい。。)が・・・・やって・・来なかった。( ¯−¯٥)

駅に着くと、周りは何事も無かった様な空気。
淡々とした日常がそこに有る。

あの轟音も黒煙も幻だったのか・・。

後で調べてみたら、1999年の4月29日から磐越西線(丁度この路線)で復活したSL(C57-180)が「SLばんえつ物語」として定期運行しているらしい。
そんなのが有るのだったら乗ってみたかった、と思ったが、サイトを見てみると運行は週末だけの様。
・・でも、この日は9月28日(木)で、運行日とはなっていない・・。
なのに、あの音と煙は・・。
臨時便だったのか・・？
祭日でもない平日に走るのだろうか・・。
でも、時刻表と写真の時間を照合すると、ぴったりと合う。

う〜ん、益々幻に・・。