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メヒカリの握りが凄い! ネタの新鮮さはもちろん、昆布締めなどの仕事が光る、いわきの最高峰。
甘鯛の昆布締め、アツアツの穴子、一貫一貫が鮮やかな印象を残す。普通に見える味噌汁にも、驚くべき秘密が!
[福島県いわき市]
2014/11/15(土)
いわき中心街にある、高級寿司店。
福島県の南東、太平洋に面する街・いわき。
スパリゾートハワイアンズの「フラガール」で知られる街でもある。
いわき市は広域合併により出来た市で、面積が非常に大きい。
1994年まで、JRいわき駅は「平駅」と言われていたように、
中心市街地はもともと「平」という街である。
一方、市域の南端には小名浜港を擁し、海産物に恵まれた街でもある。
人気店ゆえ、当日に電話を入れた上で訪れた。
「19時頃は満員なので、20時頃に再度電話の上でお越しください」とのご案内。
当日連絡でも受け入れていただける点は、有り難い。
1名であっても、可能であれば予約しておいた方が賢明だろう。
場所は、JRいわき駅の南西、徒歩6分。
繁華街からは少し離れており、静かな界隈。
外観はあくまでも大人しく、ひっそりと灯るあかりが、上品な印象。
扉を開けると、目の前にカウンター席。
ちょっとコワモテの板前さんが、迎えてくれる。
客席はカウンター8席に、座敷が1卓。
少なくともカウンターは、全席禁煙。
座敷の方はかなり盛り上がっており、居酒屋的に使われているようにも思える。
お品書きは以下の通り。高級寿司店としては控え目な部類だろう。
・お任せ(¥5000)
・握り一通り(¥8000~¥10000)
・おまかせ、おつまみ付き(¥13800)
朴訥な雰囲気の店主に、握り一通りでお願いした。
仕事場に置かれた竹籠が、存在感たっぷり。
新潟から取り寄せたもので、今では入手困難という。
何年も使ったあと、最後は魚を焼く(わら焼きのように風味が付く)のに使うそうだ。
竹籠の中にはお櫃があり、そこからシャリが取り出される。
地元・いわき市の農家から直接買い付ける「古米」。
新米では良い味が出ないということだろう。
魚は毎朝、なんと…築地市場で仕入れているという。
いわき~築地までは200kmあり、普通なら、毎日行き来できる距離とは思えない(^-^;)
現在、地元産の魚は使える状況になく、厳しい状況下だが、
良いものを出そうという努力に、頭が下がる。
高級店としては珍しく、醤油皿が出てくる。
自分で醤油を付けて食べるスタイルかと思いきや、寿司は煮切りで味付けされており、
個人的に醤油を付ける必要性は感じなかった。
地酒の品揃えは見事なもの。
種類が多いだけでなく、あまり見慣れない銘柄の酒が揃っている。
0.5合単位で注文できるので、いろいろ呑み比べられるのも嬉しい。
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■日本酒 いわき・四家酒造「又兵衛」
まずは、地元の酒を半合。
グッと来る強い味わい! これは味が濃い! 芳醇の極致。
いわき市内で 95%が消費されるという、地元民のための地酒。
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■日本酒 福島県古殿町・豊国酒造「東豊国」
先ほどとは打って変わって、透き通った綺麗な酒質!
個人的には、こちらが好みだな。
呑み進んだところで、お冷やを出していただく。
基本静かな店主だが、この提供タイミングは適切。客をよく見ている。
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■握り一通り
◎いくら
トップバッターは、こう来たか!
小鉢にキラキラ、たっぷりと盛り付けられたいくら(^-^)
その中に、ひとさじのシャリが添えられる。
ひとさじがなければ、これは小鉢であるが、
私はこの一鉢を「寿司」だと受け取った。
居酒屋によく「こぼれ寿司」という、頭でっかちな握り寿司があるけれど、
それをはるかに超える、贅沢さ。
上品な塩気が、順調に日本酒を進ませる。
店主が、卸し金で生ワサビを摺り下ろす。
提供のタイミングは、かなりゆっくり。
やはり、おつまみ付きで頼むのが正解であったか(^-^;)
◎セイコガニ
待ち時間が長くなったので、店主が気を遣って出して下さった一品。
噂には聞いていたが、私はここで初めて体験した。
ズワイガニの殻に、蟹肉・蟹味噌(内子)・ぷちぷちの外子がきっちり詰まる。
無論、殻を外して食べやすいように詰め直すのは、職人の手仕事である。
「蟹は好きだけど、食べるのがちょっと…」というおっくうさんには、最上の酒肴。
蟹味噌は期待通り、濃厚な風味で、日本酒に合わせれば最高の贅沢。
外子というのは初めて食べたが、魚卵的な、ぷちぷちとした食感が私にとっては新鮮だった。
◎トリ貝(写真撮り忘れ…)
わさびと田楽味噌でいただく。
田楽味噌の甘辛さを、ジャキジャキッと充実した食感のトリ貝が包み込む。
この取り合わせ、気に入った。
★ツブ貝
見るからに元気そうなツブ貝。
コリッコリッ、コリッ。コリッ。
なんと印象的な食感!
★甘鯛の昆布締め
昆布の風味がすごい!
あくまで淡泊な甘鯛をプラットフォームに、昆布の旨味が躍る寿司。
掛けられた手間の分だけ、価値を感じられる一貫。
◎シメ鯖 ワサビが鮮やかに貫く。酢の加減も良い。
◎アジ これは肉厚! 充実した食べ心地、青魚の旨さを噛みしめる。
◎シャコ シャコならではの、鼻に抜ける香りが素晴らしい。
◎煮蛤 甘いツメが掛けられており、風味が良い。
◎車海老
茹でたてのアツアツを提供して下さる。
天然の甘さが上品!
◎コハダ
このタイミングで、光りものが出てくるとは。
斑点模様も美しいコハダ。
甘さは無しに、さっぱり男性的に酢締めがなされている。
◎ウニ手巻き
なるほど、ウニをこう出してくるか…
海苔のパリッと感を楽しむため、速攻でパチリ、さっそく口へ!
これは技あり!
★穴子
「かなり熱いですから、気を付けて下さい」
すぐには食べられないくらい熱いのだという。珍しい寿司だ(^-^)
しばらく経ち、ふぅふぅしながら口に入れると、本当に熱い!
熱い、熱い、
それと同時に、国の中に広がる充実感。
身の締まり具合が、これまで食べてきた穴子とは全く違う。
タレでごまかした穴子ではなく、その白身そのものがしっかり旨い。
「旬の時期には、秋刀魚の骨抜き塩焼きなんてのも出してます。
まあ、遊びですけどね」
◎マグロ赤身、ヅケ、中トロ
怒濤のマグロ三連打。
とろけるような中トロ!
そして、クライマックスの大トロへと突き進むストーリー性。
新鮮さだけを売りにするのではなく、熟成し、旨味を強めたマグロを握る点がこだわりだ。
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★お椀
見た目には、普通の味噌汁。
頂いてみると… おお、ぐぐっと来る旨味!
なんと、味噌汁の中で、蟹を殻ごと潰して出汁を絞り出しているのだという。
(袋の中で潰すのだろうか、殻はしっかり取り除かれている)
フレンチにおけるスープの一種で、甲殻類を裏漉しして作る「ビスク」というものがあり、
その技法を和食に応用しようと、閃いたものだという。
店主のアイディアとセンスに唸らされる。
◎玉子
The 寿司屋のデザート。山芋入りのムースみたい!
これにて締め。
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お会計 ¥12,312。
クレジットカード使用可。
帰り際、重量感のある、藍色の古い衣服が掛けてあるのに気付く。
「江戸時代の火消しが実際に着ていた半纏です。若い頃、大金をはたいて買いました」
国内にも数点しかない骨董品なのだそうだ。
丁寧な手仕事で織られた半纏は、二百年以上の時を経ても、艶やかな風合いを失わない。
丁寧な手仕事で握られる寿司は、一瞬にして喉の奥へ消えるけれども、
長く忘れられない印象を、食べ手の心に刻み付ける。
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よい子
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よい子さんの他のお店の口コミ
店名 |
鮨 いとう
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受賞・選出歴 |
2024年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2024 Bronze 受賞店
2023年Bronze受賞店
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2022年Bronze受賞店
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寿司 百名店 2021 選出店
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ジャンル | 寿司 |
予約・ お問い合わせ |
0246-35-7066 |
予約可否 |
完全予約制 前日までの予約をお願いします。 |
住所 | |
交通手段 |
JRいわき駅から徒歩で10分内 いわき駅から419m |
営業時間 |
|
予算 |
¥20,000~¥29,999 |
予算(口コミ集計) |
¥20,000~¥29,999
|
支払い方法 |
カード可 (JCB、AMEX、VISA、Diners、Master) 電子マネー不可 QRコード決済不可 |
席数 |
7席 |
---|---|
個室 |
無 カウンターのみ |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 店内での喫煙はご遠慮願います。店舗脇に灰皿が置いてあります。 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり、ワインあり、日本酒にこだわる |
---|---|
料理 | 魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 隠れ家レストラン、一軒家レストラン |
ホームページ | |
初投稿者 |
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[福島県いわき市][来訪回数:2回]
2020/3/13(金)
JRいわき駅南口、中心市街地(平田町)にある寿司店。
店舗情報は、1回目の "行った" をご参照あれ。
場所は… いわき駅・南口を出て、駅前通りを真っ直ぐ進む。
3つ目の信号=東邦銀行の角を右折、しばらく歩いて左手にある。
いわき駅から徒歩7分。日曜定休(三連休の場合は月曜定休)。
3月14日、実に9年ぶりに JR常磐線が全線開通すると聞き、
いてもたってもいられず、新橋でチケットを買い、前日からいわき入りした。
電話予約を入れたところ、めでたく残り1席に滑り込むことが出来た。
ちなみに予約は営業時間中でなく、昼間にすると喜ばれる。
客席はカウンター6席(場合により7席)のみ。全席禁煙。
コースは「おまかせ」¥19800 一本で勝負。(量を減らすことは可能)
以前は座敷席もあったが、2019年から席数を減らし、
同時にコース料金を¥6000ほど引き上げ、「質で勝負する店」へ進化を図る。
前回伺ったのは 6年前(2014年11月)。
そのときはツブ貝・甘鯛の昆布締め・穴子、それから蟹の味噌汁が、特に美味だったと記録されている。
さて18:30、全員一斉スタート。カウンターの中には、潔く店主一名のみ。
遅刻は厳禁、満を持しての開幕である。
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■お酒
福島県産をはじめ、10種類以上を取り揃える。
その全てが「純米系」で揃えられているのは、シャリとの相性などを考えた、店主のこだわりであろう。
半合(90ml)単位で注文できるのは、酒に弱い私にも非常に助かるサービス。
片口や猪口といった酒器にも、こだわりが感じられる。
地元の大堀相馬焼、それ以外にもごつごつとして素朴で、土の質感が伝わるもの。
◎大木代吉本店「楽器正宗」純米吟醸(1合¥1430)
福島県矢吹町(西白河郡)の酒。
酒銘は「酒造りも楽器を奏でることも、元は同じく神様への捧げ物」と
宮内庁の雅楽師が述べたことに由来する。なんと風流な…
旨口の微炭酸で、通り一遍の辛口でないところが通好み。
◎四家酒造店「又兵衛」純米大吟醸(半合¥1650)
地元いわきを代表する酒。
カップ酒から大吟醸に至るまで、幅広く市民に浸透している。
こちらは純米大吟醸、甘さと複雑さを兼ね備えた味わい。
◎浪江・鈴木酒造店「磐城寿」赤ラベル 純米原酒(半合¥715)
浜通りで永く愛される酒。災害後は山形に移り、郷土の酒を醸し続ける。
原酒ならではの香りの強さ。甘辛のバランスが取れた一杯。
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■おまかせ(¥19,800)
つまみ8品、握り13品+味噌汁品という構成。
カウンター越しに店主の仕事が見られ、木製のネタケース(氷を使うタイプで貴重)から
さまざまなネタが開陳されるので、次は何が出るだろう… と想像しながら待つのも一興。
◎相馬沖の毛ガニ
スタートは汁物から。
殻を煮込んで出汁を取り、吸物仕立てにしてある。
天然の甘みが、じわりと口の中に広がる。
蟹のほぐし身も入っているが、これは明らかに「出汁」がご馳走!
6年前に伺った際も、蟹の殻を使った味噌汁が美味しかったことを思い出した。
◎炙ったヤリイカの頭
いかめしみたいな、面白い見た目。
ヤリイカの頭にシャリを詰めてあり、ねっとりとした甘さが楽しめる。
子持ちのイカを使っているので、プチっとした食感もアクセント。
◎厚岸の牡蠣
干し椎茸と鰹の出汁で、低温調理にしてある。
生牡蠣にはない「旨み」を加える技法であるとともに、恐怖のノロ様を抑える働きも。
ほぼ生と同じ食感を残しつつ、不思議と「燻製のような香り」をまとい、これは絶品~
1個といわず、2個でも 3個でもツルッといきたくなる。
店主の熱心な研究が実を結んだ一品。
◎北海道・野付半島の青柳と小柱、相模湾の真鯛
おろしたての山葵と、インド洋・クリスマス島の粗塩でいただく趣向。
青柳は、反り返ったような形が官能的。
少量の塩でシンプルに食すと、思った以上に甘みを発揮する。
小柱も元気な食感で好印象。
熟成させた真鯛はねっとりとして、口に入れた後からじわりと旨味が広がる。
あえて醤油を使わず、山葵だけ付けて食すのも面白い。
◎愛知のタイラガイ
海苔巻き、つまり磯辺巻スタイルで。
でっかい貝柱は食べ応え満点、子供の頃から貝柱好きな私、すごく幸せな気分になれる(^-^)
パッと振られた七味唐辛子と、甘辛醤油が絶妙な相性!
◎干し子
褐色の正三角形、ナマコの生殖巣を干した珍味で、地域によりクチコ・バチコとも呼ばれる。
さけるチーズみたいに、縦に裂いて食べる。帆立にも似た香り。
塩辛さは控えめで、旨味たっぷりの珍味。私は初体験だったが、クセもなく美味しい~
◎三浦半島・長井のアジ
血合いの暗紅色が美しい。
肉質はもっちりしており、生姜醤油がぴったり合う。
◎相馬のメヒカリ
福島県を代表する魚。その名は、大きな目がライトブルーに光ることに由来する。
唐揚げにされることが多いが、この店ではシンプルな塩焼きで、魚の旨みを引き出す。
焼きたてだからアツアツ、中はホコホコ!
内側は雪のように白い身で、食感はとても柔らかい。
尻尾までサックリと焼かれており、骨まで難なく食べられる。
こんなに美味しい魚とは… 驚きの再発見。
さすがに生では食べられないよな…と思っていたら、このあと二度目の驚きが訪れることに。
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開始から1時間20分、ここから握りに入る。
店主の包丁捌きも冴える。こちらもお酒が適度に回ってきて、期待感が高まる瞬間。
◎ガリ
生姜の代わりに、カブの酢漬が供される。
はじめ甘口かと思ったが、後味はキリっと引き締まる。
通例に捉われず進化を目指す、店主の姿勢を感じる。
◎スミイカ
一貫目はイカから。淡泊なネタで始めるのは、最もオーソドックスな組み立て。
口に入れるとプリっと、そしてとろける。
軽く振ったすだちと岩塩、後味には昆布の香り。
赤酢を用いたシャリは、小振りで上品。
◎シメサバ
銀色の背が美しい。柔らかな醤油の香り。
この旨味はどこから出てくる? 決して酢は主張せず、生サバの良さを引き立てている。
◎閖上の赤貝
全国に名を知られる赤貝の産地。震災から復興し、また上物が手に入るようになった。
貝の表面の美しさ、ぬらぬらとした色気を伝えるため、修整なしの写真をお送りする。
握られて、まだ動いているくらいの鮮度感。サクッとしてプリプリ~
◎青森のサクラマス
サーモンの一種だが、天然ものだから、何より「香りが良い」。
とろける柔らかさで、思わず酒が進む。
◎車海老の昆布締め
店主のスペシャリテ。
まずは見た目に注目。シャチホコが反り返ったような、新鮮さを具現化したような上向き加減!
食感は「生」で、海老ならではのねっとり感と、プリプリ感が同居。
味の方は… 海老の甘みと、昆布の旨味が共鳴。
先ほどの牡蠣もそうだが、海産物と出汁の旨味が合わさったときの説得力というか。
生の海老は食感が良いけど旨味が薄い、茹でた海老は甘みが出るけど食感が単調…
両者のいいとこ取りを実現させる技法として、災害後、常磐ものが使えない時期に
店主が研究して確立したという。なるほど~と唸らされた一貫。
◎いわき沖のタコ
醤油の香り豊か。見た目にもぷっくりとして、包み込まれるような柔らかさ。
◎メヒカリ 二枚乗せ
なんと… メヒカリが寿司ネタになるとは想定外!
さっそく口に入れると、トロンと蕩けるような脂ノリでありつつ、
食感はサクサクとして新鮮さが伝わってくる。
こんな寿司は食べたことがない! 私の興奮は最高潮、今宵最大のクライマックス(^-^)
メヒカリは一般に脂が多く、刺身にできないことはないが、
鮮度が悪いと、ただ柔らかいだけの魚になってしまうという。
管理を徹底し、サクサクとした食感を残している点が店主の自慢。これには参りました。
◎コハダ
黒いドット模様が明瞭で美しい。
酢の酸味は前面に出ておらず、全体に統一感があり、まろやかな美味しさ。
不思議なほど香りが良く、驚かされた。
◎赤身
軽いヅケにしてある。黒みを帯びた色合いが、実に絵になる。
ねっとりとした食感がたまらない~
◎中トロ
ほど良い脂のノリ。
決してくどさを感じることなく、トロならではの芳醇な香りが広がり、日本酒を進ませる。
握り全体の流れを見ても、マグロ、マグロで攻め立てないところが、個人的に好み。
◎手巻ウニ
手際よく巻かれた手巻き、その内側には黄金色のウニ!
有明海の海苔がパリッ♪
ウニは根室で水揚げされた、北方領土のもの。甘い香りでとろける~
◎しじみ汁
フィナーレへと向かう流れ、八丁味噌のしじみ汁が登場。
八丁味噌を用いた深い味わい。味噌の香りって、落ち着きますね。
◎穴子
焼きたてなので非常に高温、ヤケドに気を付けて… 6年前の記憶が蘇る。
表面は適度に焦がされ、いかにも美味しそうな顔をしている。
ほわっと、そしてカリッと。危険な美味しさ。
◎玉子焼
最後はメレンゲ系の玉子焼で、ふんわり気分のシメ。
熱い玄米茶で一服。
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提供スピードはゆっくりめ、3時間に渡る「いとう」劇場。
まるで大河ドラマを見るような、贅沢な時間であった。
団体さんが帰り、私一人がお茶を飲みつつ余韻を楽しんでいたところ、
店主がいろいろお話を聞かせてくれた。無口な人かと思ったら、大間違いである(^-^)
もともと地元客が多い店だから、地元のネタより、築地の魚の方が喜ばれることもあったという。
震災後は常磐ものが使えず、全国から魚を送ってもらうようになり、各地に人脈が広がった。
また車海老の昆布締めのような、独自の技法を研究する期間にもなった。
3年前から地物が使えるようになり、それを軸に組み立てようかと思う時期もあったが、
福島ばかり強調することも、それまた、違うと思うようになってきた。
これからは、各地にできた人脈を活かし、全国の本当に旨い魚を集めてやっていきたい。
昔は突っ張っていて、そのあとは食べログの評価とか気にしていたけど、
四十代に入った今は、自分の出したいと思う、寿司を出せたら。
6年経って変わったのは、寿司の味や値段だけではなかった。
カウンター越しに、握り手の人生に立ち会う。そんな楽しさも寿司屋にはあることを知った。
今度また、別の季節にお邪魔したいと思う。