極太やわらか麺、たっぷりのもやし・豚バラ、甘口芳醇ソース♪　B-1王者「浪江焼そば」、価値ある逸品！ : 杉乃家

［福島県二本松市］
2014/11/14（金）
JR二本松駅近くにある、そば・うどんの店。
特に、ご当地グルメ「浪江焼そば」の店として知られる。

うどんのような極太麺を使い、たっぷりのもやしと豚バラ肉を加えて焼き上げる「浪江焼そば」。
B-1グランプリでの優勝経験もあり、福島が誇るB級グルメの代表格と言える。

場所は、JR二本松駅から西へ、徒歩2分。
二本松市市民交流センター（美術館を併設したコミュニティセンター）の1階に入居する。

入口には「そば・うどん」と染め抜かれた紺の暖簾。
もとの店、60kmあまり離れた浪江町から、こちらへ運んできたものだという。

店内に入ると「いらっしゃいませ！」と元気な声が掛かる。
正面には「がんばろう浪江！　ありがとう二本松！」という大きな横断幕。

客席は、2人掛け・4人掛けのテーブルが10卓くらいあっただろうか。
おそらく全席禁煙。
BGM代わりにテレビが流れる。

メニューは…
　・なみえ焼そば　・なみえ焼そばセット（ごはん付き）
　・川俣シャモのとりうどん　・えび天鍋焼きうどん　・すき焼き風鍋焼きうどん
　・必勝かつ丼　・天丼　・親子丼　・カキフライ丼
　・ソースカツ重　・カツ定食　・カレーラーメン

この店を訪れるお客さんのほとんどが、浪江焼そば狙いであることは間違いないだろう。
ただ、個人的に気になるメニューが、ほかに 2つあった。

★必勝カツ丼
　一般的な玉子とじのカツ丼に、なんと「納豆」を大胆投入！
　粘り強く頑張って勝利する、浪江の心意気。

★えび天ラーメン
　東北地方各地で見られる、天ぷらそば＆中華そばのハイブリッド。
　仙台では何店舗か見掛けたが、今日は福島までの南下を確認できた(^-^)

さて、私は当初の予定通り「浪江焼そば」を注文。
厨房からは、ダイナミックに振られる中華鍋の音、
焼そばを炒める、シャーシャー、ジャージャーと美味しい音が、盛んに聞こえてくる(´▽`)

提供時、ティッシュを用意してくれる心配りも嬉しい。

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■浪江焼そば（普通盛り￥650）
前述の通り、極太麺を用いたソース焼きそば。
緑青色が特徴の、大堀相馬焼の器で供される。

さっそくすすり込んでみると、その麺の個性がはっきりと分かる。
それはほとんど、うどんとも言える太さで、もっちりと柔らかい。
名古屋の喫茶店などにある「焼きうどん」に近い感覚だ。

甘口芳醇なソースが、柔らかい太麺に絡まる。
全く別の食べ物ではあるが、三重県の伊勢うどんを連想させる部分もある。

具は豚バラ肉・もやしともに、たっぷり入っている。
それ以外には、何も入らないシンプルさ。

「半分くらい食べたら、にんにく七味を掛けてみて下さい」
これがまた良い、旨み倍増！
辛さというより、にんにくの旨味とさまざまな香りが、焼そばの風味を一層高める。

大盛にしなくても、ボリュームはなかなかのもの。
ソース焼きそばというと、つい単調な味になりがちだが、最後まで飽きずに食べさせるのはソースの妙。
さらに、もやしの瑞々しい食感が、一役買っているのも間違いないだろう。
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食べ終わると、大堀相馬焼の皿がその全貌を現す。
九頭の馬が描かれ、「馬九行久」…万事うまくいく、という願いが込められている。

かつては20軒の焼きそば店が軒を並べたという、福島県浜通りの浪江町。
原発事故に伴う全町避難で、残念なことに全店が閉鎖となり、
現時点では、ここ「杉乃家」ただ一軒でのみ、オリジナルの味を体験することができる。

相馬焼に託された、馬九行久の願い。
いつか元の場所で、この焼そばが食べられますように。

まだまだ先は長いけれど、この時代に立ち会った日本人として。
私は何年経っても、この思いを忘れずにいられたらと思う。


P.S.
■浪江焼そば味のかりんとう（￥350）
レジ近くで売っていたので、思わず購入。
スタンダードなソース味と、ピリ辛ソース味の 2種類ある。

うどんのような形状は、浪江焼そばの特徴「太麺」をよく表している。
ボリボリと素朴な食感は、確かにかりんとうだが、
香りはまさに、ソース焼そば。

甘いだけではなく、ソースのコクが再現されているので、
次から次へと手が出る。
店主自ら、かりんとうに合うソースの味付けにこだわったという。

単なる話題性の商品ではなく、確かに美味しいお土産として
お勧めできる一品だ。