「赤みそラーメン」長期熟成による発酵臭が味噌の豊かな風味を創出 : 伊達屋

2019年4月15日
中華そばに続き連食

麺量が200グラムくらいあるためにお腹が張ってきましたが、なかなか食べれないため連食


赤みそラーメン 850円


ベースは
伊達鶏、豚骨、鰹節、アゴ節、昆布、香味野菜と同じ

味噌ダレ
40種類の食材の命がギュッとつまった手作りの赤味噌との事

見た目はオーソドックスな味噌ラーメン
大振りの豚肩ロース肉チャーシュー、もやし少々、海苔、小口切りの青葱

無化調スープをいただくと、長期熟成させた味噌の旨味に大豆が発酵したと思われる発酵臭が広がります
濃厚でもなく油頼みでもない、つまりは熟成により発酵した味噌のストレートな風味旨味がベースのスープを下支えに豊かに広がってきます
かなりレベルの高い味噌だと思います
というよりこの味噌スープ好きです

特盛の野菜で誤魔化さず、油で誤魔化さず、味噌よりもベースを濃厚にして誤魔化したりしてない
味噌ダレがメインの味噌スープ
しかも
大豆、強いては味噌が発酵した風味が強く広がる
そして甘くない

アゴ節や昆布の風味が熟成赤味噌の発酵臭を補助
正油や塩と同様にボディーもしっかりしています

普通っぽさもあるのですが、この長期熟成による発酵臭を強く感じるのが特徴的です
発酵期間は軽く1年以上でしょうか？
米の甘みが減り、アルコール臭と大豆が発酵したかの如くの風味が味噌感を強く感じる味噌スープです


自家製麺
正油、塩同様の切り刃20番手(麺幅1.5ミリ)加水率30%程の低加水角ストレート麺
太ちぢれ麺なども合いそうですが、細ストレート麺も合っています
ゴツゴツした食感に、これまた味噌の発酵臭が広がります


もやしもシャキシャキしてます
海苔も磯の風味が良い

大振りの豚肩ロース肉チャーシュー
油っぽ過ぎず崩れ落ちる様は、低温調理ではないオーソドックスなホロホロ系豚肩ロース肉チャーシューのお手本の様です
味付けも丁度良い塩梅でスープを邪魔してません

確かに伊達屋は塩が個性的だと思います
無化調バランス系ながらクッキリハッキリの驚嘆の旨味をダイレクトに味わうなら出汁感をダイレクトに感じれる塩でしょうし、遠方から来て味噌メインの選択は伊達屋の個性を味わうにはちょっと足りない

しかし
バランス系ベースの味噌ラーメンで今まで食べた中では1番美味しかったかな
その理由は、キチンと味噌を味合わせてくる処にあります
表現悪いですが、納豆(つまりは大豆)の様な発酵臭やアルコール臭を味噌で感じたのも初めて、赤味噌から味噌ダレを作って更に独自に長期熟成発酵させてるのだと思われます

非常に美味しい味噌でした
ごちそうさまでした

2019年4月15日訪問

今日は有給休暇を使って伊達屋へ
マージャンフェイスプックリ純情派も同行
というより、マージャンフェイスプックリ純情派も2年振りに訪問したかったらしい

朝9時にマージャンフェイスプックリ純情派を拾い、4号線で南へ
到着したのは渋滞などもあり昼12時
お店裏の駐車場は争奪戦ですね^^;
そして完全に全国区のお店
車のナンバーは多摩、つくば、千葉、山形など自分も含めて県外組多数

前回、超絶の無化調バランス系塩を食べてるので全国区なのも納得です

月曜だというのに相変わらずの外待ち多数
自分らは30人目くらい
名前を書いて暫しおしゃべりタイム
マイペースなマージャンフェイスプックリ純情派はワタクスの馬鹿話に付き合ってくれます

回転率が悪いのは、一杯一杯丁寧に提供してるのと接客は奥様のみというオペレーションシステムの悪さにあります
悪さにあるといえど、これで良いのでしょうとも思う
接客の質を落としてまで、味を落としてまで営業する必要はないと思います

ワタクス
「中華そば(正油ラーメン)」と「赤みそラーメン」
マージャンフェイスプックリ純情派
「塩雲呑麺」と「白みそラーメン」


まずは
「中華そば(正油ラーメン)」 750円


大振りの豚肩ロース肉チャーシュー、海苔、枕木メンマ、輪切りの青葱に微塵切りの白葱
魚醤を使った無化調醤油ダレ
伊達鶏、豚骨、鰹節、アゴ節、昆布、香味野菜を使った無化調スープ

忙しすぎて他の詳しい秘密については聞くに聞けないお店


琥珀色の透き通ったスープからは節系の香りが漂います
熱々の無化調スープをいただくと、アッサリしてそうな淡麗な見た目からは想像しえない厚みのある味わい

まず、正油の香り旨味というよりは
動物系に下支えを受けた鰹節、アゴ節の旨味と風味が上品に半端じゃない感じです

オイルも鶏油の感じはなく、どちらかというと節系などの魚介オイルの感じです

伊達鶏を支える豚骨の厚み、節系を支える昆布の旨味、さらに魚介系の風味を支える香味野菜
これらがキッチリ完璧な分量で影響し合って、風味豊かで厚みのある纏まったスープを作り出している

そして、魚醤の癖のある醤油の旨味が節系の旨味と相乗

旨味表現のために一寸の狂いも無い分量という感じですかね

確かに何処か懐かしさも感じるスープなのだが、大雑把な処が全くない
確かに洗練されているのだが、今風とは全然違う
一寸の狂いも無い完璧に影響し合っている旨味という感じで、バラバラにもなり得る足し算の感じも無く、完璧に纏まり切っている旨味という感じ

口あたりは旨味が複雑だけれども、味合わせたいモノがハッキリと伝わってくる
わかりやすく余韻してるのは、鰹節とアゴ節の風味旨味と魚醤です


自家製麺
シルキーな見た目
通常のかんすいは使わず、アルカリ濃度の低い代替え品を使用し、卵を使いツルリとさせてるとの情報
ゴツゴツした低加水の食感からは加水率30%程を想像
麺幅は約1.5ミリの断面角、オーソドックスな中細角ストレート麺です
小麦の香りはあまりしませんが(スープの香りが半端じゃ無さすぎて消えてしまうのかもしれません)ツルリとした啜りにゴツゴツ食感
小麦の香りを楽しむ麺というより、スープをガンガン際立たせる麺という感じです
ツルリは卵というよりも、かんすいの代替え品起因なのでは？とも想像


海苔は風味が良く麺の啜りに変化を与えます

豚肩ロース肉チャーシューはホロホロホロホロ崩れ落ちる食感で、味付けもスープを邪魔しない絶妙な塩梅

メンマは発酵臭はあまりせずコリコリしてます


「バランス系醤油ラーメン」と普通に言えるが、さらに細分化してしまうと「節系魚介醤油ラーメン」と言うのが妥当な処でしょうか

素材から溢れ出る旨味という無化調の利点をフルに出し切った感じですね
そしてフルに出し切った後の素材の旨味通しの押し引きが完璧過ぎる

出汁感が驚異です
ごちそうさまでした

2018年11月6日 PM12時頃訪問

夜勤明け(AM9時30分)
猫好きタイフーン純情あっさり派(職場の同僚、塩ラーメン派女子)がイチオシの「伊達屋」(福島市)へ
今日は火曜の昼、定休日は水曜と週によっては木曜

自分もかなり気になっておりましたが
火曜の休みは少ないとわかっていつつも、過去に4回フラれてるため不安（笑）


夜勤明けで頭はパヤパヤ

仕事後にて馬鹿舌ナイスガイ号で向かいました
AM10時過ぎ
さすがにこの時間の福島へ下る4号線はそんなに混んでないだろうと思ってましたが甘かった…
45号線から名取近辺まで4号線はかなりの渋滞

そしてやはり馬鹿舌ナイスガイは夜勤の疲れからか？だんだんブチキレモードへ

らーめん変人はコーヒーを飲んで渋滞に臨んでしまった為、急激なレストルーム欲求に苛まれ、油汗をかきながら無言

猫好きタイフーン純情あっさり派は80年代流行ミュージックを大熱唱、特にキャッツアイがお気に入りの御様子

15分が経過し言葉を発する事も困難になってしまったらーめん変人、コーヒーの見事な利尿作用というご褒美付きで限界突入

馬鹿舌ナイスガイは高速道路へ向けてまっしぐら
途中なんとかレストルームに辿り着き、再度高速で「伊達屋」へ向かう

今日の馬鹿舌ナイスガイは血管がキレません
流血してないね！と物申すと「うるせー！甘い！！！」とアクセルを踏むつもりがブレーキを踏んでしまい追突されてしまいます
馬鹿舌ナイスガイは首を捻挫してしまいました（笑）
という上記の「流血〜」のクダリは嘘で…らーめん変人と猫好きタイフーン純情あっさり派はキャッツアイを大熱唱
馬鹿舌ナイスガイは何を聞いても「懐かしい懐かしい」それだけ連呼

ウインクが流れ始めたら、急に泣き出し始めました
そうだ…失敗した…馬鹿舌ナイスガイにウインクだけはダメなんだ…過去の傷口をえぐられるような恋愛の思い出があるらしい
しかし、ウインクのみを流す事しかもう許さない馬鹿舌ナイスガイ
馬鹿舌ナイスガイは、一人号泣一人大熱唱一人時に実際にウインク(気持ち悪い…)…変人とタイフーンは無言…


そんなこんなで12時過ぎに伊達屋に到着
いやー人気店もいい処で外には30人程待ちが出来ている状況
待ち人数を知らせる用紙に3名と記入し、しばし待つ
最小オペで丁寧に作り提供している為に回転は非常に悪く、待つには根気が必要です
1時間程外待ちをして、13時頃名前を呼ばれ入店(平日火曜でこれなのですから、整理券が必要なレベルと思いました)

店内はカウンター7名くらい、4人がけの小さなテーブル2つ、入口横に3人着席可能なカウンター
フロア担当の奥様が一人、厨房に店主さん一人
これに至極丁寧に一杯一杯提供されると来るものですから、じっくりじっくり待つ必要があります
「塩ラーメン大盛」と奥様に告げて20分後着丼


※※「塩ラーメン」750円 大盛100円※※


大盛ゆえ大きめの高台丼
上面を油が覆うほぼ無色に透き通った極めて綺麗なスープ
かなりアツアツです
美味しそうな鶏と魚介の香りが立ち昇り食欲はマックスクライクライクライです

具材
大振りの国産豚肩ロースチャーシュー
輪切りの青葱、海苔一枚、枕木メンマ
と極めてオーソドックス

スープ
伊達地鶏、豚骨、鰹節、アゴ節、野菜、昆布…とオーソドックスなバランス系
塩
沖縄天日塩(カエシはおそらく塩のみ、しかし確証は無し)


スープをいただきます
先ずは優しいサッパリした口触りからシッカリクッキリした旨味に変貌します
バランス系といえ使用食材は最小限に抑えられてるからか？「支那そばや」で感じるような旨味波は起こりません
しかし、この見た目の透明感とは裏腹のシッカリクッキリしたコクのある味わいに先ず驚きます
油は香りと旨味から言って伊達鶏の鶏油と推測

初動→鶏の上品な香りと魚介系の深みのある磁味が口内に広がります
次の動き→上記磁味を纏った塩角が甘みをもって押し寄せる
最後→コクをもってゴクッと終焉

見た目に反して旨味の輪郭がハッキリクッキリにまた驚嘆
さらにはボディの強さも兼ね備えたコク深いスープ
味が全然ボヤボヤしておりません

・香り豊かな旨味と厚みのある伊達地鶏出汁を豚骨がコクをもってしっかり補助
・伊達地鶏の香りと魚介系の旨味がリンク、豚骨と伊達鶏に広げ支えられた魚介系の旨味が口内で拡大
・塩角の立て方が非常に上手い、沖縄産の塩の特色たるシットリ甘みを活かして塩角を立てるので「甘みの裏で鋭角的塩分」を表出、塩と魚介系のリンクのさせ方もボヤっとしておらず輪郭クッキリ、故にもしかしたらスープにのみ魚介系で塩ダレに魚介系は使わず塩のみかもしれません、そのくらいカエシが甘みを持って鋭角的です

何より1番驚いたのが
会計時に奥様に「非常に美味しかったのですが、化学調味料不使用ですか？」と伺った処なんと「化学調味料不使用」との回答、店主さんもお忙しい中、近くに寄って来てくれて「うんうん」とニコニコ頷いてくれました(接客素晴らしい)
この組み合わせとこの旨味感で「無化調」とは正直驚嘆具合が余韻レベルです(^◇^;)

表現不適切ですが、まるで化調を使ってるかのような「鋭角な塩と旨味の纏まり感」、つまりは「素材それぞれが自分の特性をお互いフルに活かし合い個々の役割を120%果たしている感」、この感じを「無化調」で表現する店主さんの非凡な腕にただただ驚くばかりです

要するに
化調を使って安易に纏めてるのではなく、素材の組み合わせで纏めている
しかも、使用食材がバランス系で多数
これは至難の技ですよ！


自家製麺(会計時にこちらも奥様と店主さんへ質問し確証済)
「通常のかん水は使用せず、アルカリ濃度を低くしたかん水の代替品となるものを使用」
さらには「卵が配合された低加水麺」との公式情報

さりげないながら凄い技が光ってました

加水率は30%程の低加水でしょう
しかし、啜りが多加水の如く「ツルツルツルツル」です(えーーーー何故？)
喉越しは「ツルン」
麺幅約1.5ミリの切り刃20番でしょうか、断面は角の中細ストレート麺
卵が絶妙に配合された事により、低加水にも関わらず「滑らかな啜りを創出」
食感は低加水を活かして「ゴツゴツとしたコシ」があります

啜りは多加水感、食感は低加水感

上記の融合
これを「一つの麺で成立させてしまう」ってよくよく考えると凄い事だと今になって実感
そして麺がスープを抜群に持ち上げ、中華麺ではあり得ないかん水不使用の為に食品添加物感たる嫌な臭みは皆無ゆえに鶏と魚介の香りを麺がフルスペックに纏う
故にスープとの相性抜群中の抜群です！

ここまで到達するのにかなりの「試行錯誤されて来た感」がマザマザと伝わってくる「スープと麺のバランス」です

これは美味しいなんてレベルじゃないです


磯の香り豊かな海苔を麺に絡めて啜れば、明らかな「啜り変」を楽しめます

輪切りのネギ
スープに更なる香りを添えます

枕木メンマ
醤油と味醂の味付けが絶妙、塩スープにおいて一変の食材、食感もシャキシャキとアクセントをつけてきます

国産豚肩ロースチャーシュー
スープを邪魔してません
むしろスープを豊かにするチャーシュー
食感を求めてはいけない感じです
つまりは柔らかさの極み、口の中で溶けてなくなるのを楽しめます


中盤から後半
麺小麦がスープに溶け込まない為、スープの味が最初から最後まで変わりません
新鮮な状態を一杯の中で最初から最後まで味わえます
ここにも一工夫

最後までコク深く旨味豊かな無化調塩スープ
麺も最後までヘタれずコシがあります

正直過去最高のバランス系の一杯です
(バランス系では醤油含め過去最高、<水と鶏のみスープ>なら飯田商店)

しかも無化調と来るのですから、「言うことは無い」というより驚嘆
ごちそうさまでした^_^^_^

これは個人的に全メニュー制覇確定です
嬉しい事に家から100キロ圏内と近い^_^
夜営業ご訪問の際は、平日でも大人気で即スープ切れのために17時ジャストをオススメします
平日夕方18時訪問で3回フラれてます（笑）

地元の方々からも愛され、他県からもラーメン好きが多数訪問
その理由が「美味しいから…」という漠然としたものだけではなかった一杯(まあやはりでしたが…)

正直、無化調ラーメン好きな方にこそ食べてもらいたい
そして感想を聞きたい

素材それぞれの旨味を引き出しサッパリしながらもコク深いスープ
それでいて無化調なのに旨味クッキリ抜群に纏まっている
大袈裟に言えば、無化調の概念を凌駕するかのようにクッキリした旨味のバランス系塩全面型無化調スープ

バランス系ながらクッキリと旨味引き出された無化調スープ
と
試行錯誤が繰り返されたハイクオリティ自家製麺
そして
スープと麺の抜群の相性感

上記に4.8を進呈