福島頑張れ。頑張れ福島。 : 米沢牛炭火焼肉 上杉 福島店

「厚切り上タン塩」を三人前也。
本当に厚切りで、艶々と上品で、
ほど好い塩味が付いているタンタン、タン。アハっん～。タン。
ここ福島市で焼肉を食べるのなら、ここしかない。でしょう。

炭火焼肉　上杉　様

「高いから旨いのは当たり前だ」との暴言を浴びせられても、全然平気。
だってネ、
「この美味しさがこの値段なら、全然安いっス。安すぎる」
いったい、ゼンタイ何と何の比較なのだろうか・・・？

「不倫　対　タン塩？」
「不正請求　対　タン塩？」
「完全感覚Dreamer　対　タン塩？」

最後のは、意外と噛み合ったりして・・・。

これだけのお肉達を、この上品な個室空間的なとこに、
都内でアテンドしてもらうとしたら、ちょっと怖すぎます。
預金残高の文字数とカードの使用限度を必死に、思い出してしまいマする。
まぁ、トコロ変われば値段変わるです・・・。何か違うな。

まぁ、久しぶりに、ちょっとネジを弛めて視界の全てを書いてみる。

炭火に熱せられ独特の対流を持った空気が、
雲間でゆっくり上昇しながら漂う龍のよう。
レモンの絞り汁を惜しげも無く塗り込められた金網を
最上の調理器具へと変幻させる。

その上に、万物の理論のように全ての力を統一した理論をまとい、
超弦理論の何かが足りないあの違和感を払拭するべく、

「厚切り上タン塩」を召喚する。

当然、天使の喘ぎ声がジワジワと拡散し出す。
当然、声音とともに柔らかな羽毛に煽られて、鼻腔に誘惑の刺激が届けられる。
当然、私の上半身と下半身の連動金具ははずれ、カタカタと小刻みに動き出す。

そして、いよいよ至福の時間が訪れる。さぁーiza。口へ・・・。


「ねぇー。ちょっとパコ聞いている？」
「ほぇ？」

「だから、パコ！説明してよ。
　家族で10ギガのプランの方が得だってパパに説明してよ！」
「あっ、ごめん。タン塩のご機嫌が気になって聞いてなかった」

師匠は、スマホの通信量アップを師匠パパに交渉していた。
私は、口に入れるタン塩の肉汁量アップを目論んでいた。


師匠
「だから、今の状態を説明するね。簡単な引き算なのパパ。
　パコは今、綺麗に美味しく焼けたタン塩を　5枚　持っています。
　私が遠慮して２枚ちょうだいと言ったら、
　パコは、タン塩を何枚持っていますか？　はい、パコ」

私、
「・・・5枚です」
タン塩から目を離せない。

師匠パパ
「・・・。・・・。ふ～っ。いいよ10ギガで・・・」

師匠
「何か・・・なんか嬉しくない」


・・・。・・・。・・・。


福島に住む私の「愛すべき師匠」とマッタリしてきた。

中々身動きが取れなくて、言い訳ばっかりの私に、

「無理しないで、来られる時に来て・・・。」

何てなことを優しく言われてしまうと、勢い

「いや、行きます。今すぐ行きます」

と、なってしまう。


私の「愛すべき師匠」は、
一時避難で、たまたま私の部屋の隣に引っ越してきた女の子。
福島に戻ってからは、私が時々会いにいく。
仲良しの大事な大事な友達。

FaceTimeで話しているし、
久しぶりでも無いけど2、3ヶ月会わないでいると、
なんか思春期の女の子は、大人びる雰囲気の速度が早すぎて、

本当こっちがドキドキする。

背がスラッと伸びて、脚長。髪の毛も腰まで伸ばして、肌が白い。
なのにニキビが無い・・・。


炭が豪快にセットされたテーブルの向かいに、師匠パパと並んで座る師匠。
肉なんて本当に食うのか？と思うほどの聡明さだが、
小ライスを片手に持って、ワシワシ肉を食っている。


「ねー。なんでそんなに肌、綺麗なの？」

特別な洗顔フォームなんかが有るのかと探りを入れるが、

「うーん。(ピー)?(･ω･*≡*･ω･)?の(ピー)じゃない。フフフっ」
「それ、(ピー)過ぎて笑えないです・・・」
「冗談、ジョウダン。洗顔が好きなの。キリッと引き締まるでしょ」
「・・・はぁ。そうなの」

完全なる美人顔が放つ、ブラックジョーク・・・。
どんな大人になるのか、ちょいと心配・・・。

でも、witは美人の条件。
どんな時でも、どんなことが起こってもその感覚があれば、
必ず逆転できる。
ピンチをチャンスに自ら変えられる。
それこそが、大人になって誰もが欲しがる物。

神様に愛されている証。


・・・。・・・。・・・。


「パコ。私ね、お医者さんになるの産婦人科のね」
「えっ～。そうなの」
「私が医師になる頃、福島は本気で環境が読めないと思うから」
「え～。それなら、私も手伝う。受付とかヤルやる」
「それこそ、え～。だよ」
「何で？」
「パコは、その頃には結婚して子供がいないとダメだよ。
　10年後も一人でフラフラしてるの？」
「うっ・・・。そうね。・・・。
　あっじゃ師匠にとりあげてもらう為に、その頃に妊娠するね」
「・・・。はい。別にいいですけど・・・。」


・・・。・・・。・・・。


東日本大震災で被害を受けた
岩手、宮城、福島３県の復興支援のために
全国の警察から特別出向した後、
３県警に所属を切り替えて定年まで勤める
「永久出向」
を選んだ警察官が現在まで６７人。

特別出向の人数は、震災後からこれまで、
永久出向の６７人を含めて延べ１７５１人。

内訳は
福島が１０３５人、
宮城が４９５人、
岩手が２２１人。

特別出向者は被災３県を除く４４都道府県警と皇宮警察から年度単位で派遣される。
仮設住宅周辺のパトロールや交通整理、
震災に便乗した犯罪の取り締まりなどに当たっている。

永久出向者以外でも、任期を延長し、任期後に出向元の警察に戻った後、
再び志願して特別出向し、被災県で勤務した警察官もいる。

福島県では原発事故による避難生活が長期化しており、
復興や生活再建の遅れが警察活動にも影響している。

縁のない県への永久出向を決めた警察官。

警察庁の担当者は、
「町並みや暮らしぶりを目の当たりにして、『ここに骨をうずめよう』
と思い立った人もいたのではないか」と話している。

・・・そう思う。

頭が下がる。頭が下がる。頭が下がる。・・・。


師匠パパは、スラスラと数字を言いながら、
私に、重くもなく軽くもなく話してくれた。


「あえて、食事の時に話す内容じゃないと、思うかもしれないけど
　家族で話す本当のことは、食事の時だと思うから・・・。」


その暖かい空気感から伝わるのは、
私を家族と認めてくれる「ありがたさ」と、

全ての者に、感謝の気持ちが色褪せない師匠パパの「誠実さ」だった。


私が書くものに賛否両論あるのは分かっている。
でも、偽善者の謗りを受けようとも、私は叫ぶ。

「福島頑張れ！」