銀行前屋台を再現した久留米の老舗ラーメン店 : 久留米ラーメン清陽軒 諏訪野町本店

久留米市の県道753号一丁田久留米停車場線沿い、国道3号線と交差する諏訪野町一丁目交差点から西鉄花畑駅方面に400メートルほどの左手にある老舗久留米ラーメン店です。
一軒の屋台から始まった昭和27年創業の老舗で、一度は閉店した後、平成21年にこの場所に復活オープンしました。
銀行のような重厚な建物ですが、赤提灯と大きな暖簾が掛かる木造の入口は屋台風に作られています。
店頭には18台分の第1駐車場と県道の脇道を隔てた場所に5台分の第2駐車場が用意されています。

平日のお昼前11：35ごろ、「ひろせ食堂」でラーメンを食べた後、こちらを訪問しました。
「ひろせ食堂」からは、約1.4kmの距離です。

店頭にメニューのスタンド看板が置かれ、入口を入ると右手に昔の屋台が再現されています。
さらに店内への入口横の壁には「第一銀行」の小さな看板が見えます。
かつて、久留米市内の旧第一銀行（現みずほ銀行）前で小さな屋台を立ち上げたことをイメージしているようです。

店内は広く、左側が厨房、右側の中央に16席の間仕切りのある対面カウンター、右の窓際に6席のカウンター、対面カウンターの先と右奥に4人用のボックス席5卓、ガラス窓を隔てた奥には座敷があり、6人用の座卓が4卓用意され、計66席のキャパがあるようです。
テーブル席は殆ど先客で埋まっていましたが、カウンター席はガラガラで、「お好きなカウンター席にどうぞ」と言われたので、窓際のカウンター席に着きました。

混み合っている時間帯には、タッチパネルの受付マシンで番号シートを受け取って待つシステムのようで、その辺りも銀行をイメージしているようです。
左手前に順番待ちのスペースがあり、12枚のサイン色紙や写真が貼られていました。
スタッフの人数は確認できませんでしたが、若い男女のスタッフがたくさんいました。

写真付きのメニューが卓上に置かれています。
「屋台仕込みラーメン」と「すっぴんラーメン」の2種類が基本で、いずれも570円です。
いずれも「ワンタンメン」と「チャーシューメン」が740円のほか、各種トッピングやお得なセットメニューが用意されています。
「屋台仕込みラーメン」は、国産豚の頭だけを使用し、3日間かけて作られる100%とんこつのスープで、昭和27年の創業来の伝統の味との説明です。
「すっぴんラーメン」は、創業来の味はそのままに、ラードを一切使用しない”すっぴん”の味わいで、あっさりだけどコク深いとの説明です。

「ひろせ食堂」のラーメンの麺量が意外と多くて、食べ終えて20分も経ってなく、まだお腹にたっぷり溜まっていましたが、「屋台仕込みラーメン」を注文しました。
麺の固さを訊かれたので、「カタ」でお願いしました。
麺の固さは、「バリカタ・カタ・普通・ちょいやわ・やわ」の5種類です。

卓上の調味料類は、からし高菜・紅しょうが・こがし一味・にんにく醤油・餃子のタレ・ラー油・ブラックペッパー・コショウ・ゴマなど充実しています。
卓上に用意された小皿には蓋が被せられ、綺麗で清潔感があります。
冷水ポットも卓上に置かれています。
持ち帰りできる女性用の髪留めも用意されていました。

注文するとすぐ、プラスチックの箸箱に入ったエコ箸が運ばれてきました。
注文後5分ほどで、黒いトレーに乗せられた「屋台仕込みラーメン」が運ばれてきました。
白濁したスープは少し泡立ち、チャーシュー2枚、メンマ、海苔、青ネギがトッピングされ、豚の脂を揚げた久留米ラーメン特有の「カリカリ」が浮いていました。

ややトロミがあって、こってり感のするスープですが、トレーに付いてきたレンゲでスープを啜ると、見た目ほどのコッテリ感や豚骨臭はなく、豚骨のコクと旨味が抽出された円やかな味わいでした。
麺はストレートの細麺で、「カタ」でも堅すぎず、シコシコ感が少し残る茹で加減で、スープとも絡み、美味しくいただけました。
チャーシューはバラ肉で、厚みはないですが、程よく脂身が付いて柔らかく、旨みのある味わいでした。
「屋台仕込み」ということで、濃厚で豚骨臭漂う武骨なラーメンを期待したのですが、意外と上品な今風の豚骨ラーメンでした。

途中からは、からし高菜とにんにく醤油で味変を試みました。
からし高菜の辛さは控えめで、にんにく醤油との相性はいい感じで風味よく味変しましたが、さすがに連食で後半はきつくなり、スープは半分程度残しました。