つづみぐさ。 : つづみぐさ

国道から入り込んだ所で、通りには看板も無く、たまたま通りかかって気づく様な場所にはないので、口コミでしかその存在は知られないと思われる様なお店。

国道322号線(旧ではない方)の、「新鮮食品館 ケンちゃんの村」が角にある、「井手浦浄水場入口」交差点を西に曲がり、ちょっと行った斜めのT字交差点を左折し、すぐ先の「日田彦山線」の踏切の手前から左に鋭角に曲がって、ちょっと行った左側に在ります。

外観は、蕎麦屋と言うよりは蕎麦家。(^^
店舗と言うよりは民家で、庭やエントランスにも緑が多い。
ただ、二階建ての黒い建物は、周りの雰囲気と比べるとちょっと異質な感じを受ける。

連休中の日曜日。
開店10分前に着いたが、既に暖簾が掛かっていたので店内へ。
店内と言っても民家そのもので、他所様の家にお邪魔する感じ。(^^;

ドアを開けて中に入ると、奥さんが出て来られた。
予約していないんですけど大丈夫ですか？
え〜っと、何名様ですか？
1人です。
奥の厨房のご主人に確認を取られると、OKとの事。
予約で一杯と断られるかと思っていたので、ラッキー。(^^

入って正面奥が厨房の様だが、入り口からは見えない。
右側の座敷が客席で、分厚い一枚板の低いテーブルが３つ、どん、と置かれている。
特にその中の１つは、大木を輪切りにしてそのままテーブルにした様な、老舗旅館の玄関にでも飾ってありそうな物。
前回はそちらのテーブルに座ったが、予約分の席らしく中央のテーブルに案内。
久しぶりに胡座をかいて座るので、ちょっと座り難い。
体、硬くなったなぁ。(^^;

メニューを持って来てもらったが、注文するのは来る前から決めている。(^^
天ざる(盛)1300円+大盛り100円。
前回来た時、他のお客さんが注文していた大盛りの量に目を奪われていたので、次は是非あれで、と思ってた。
普通盛りでも、一般的な蕎麦屋の大盛りぐらいある。
常々、蕎麦屋で出される蕎麦の量に不満を持っていたので、それを見て嬉しく思った。
もっとも、蕎麦自体はそれ程好きだと言うわけでも無いのだけど・・。

先客は3名だが、まだ料理は届いていない様子。
壁には絵画、棚には壺や茶釜、茶器、石などが展示？されていて、そう言えば道沿いの看板には、店名の上にギャラリーと書かれていた事を思い出す。
客室からは庭が見える。
縁側が付いているので出て見たい所だが、ガラス戸は開けられていなくて、ブラインド越しに鑑賞。

開店直後はまだお客さんも少なく、ゆったりとした雰囲気だったが、次第に電話が鳴ったり、お客さんが来たりと、やや慌ただしくなる。
予約無しのお客さんが何組か有ったが、申し分け有りませんと断られていた。
先客さんの話を何となく聞いていたら、どうやら予約無しで入店出来た見たいで、開店直後や1人とかだと、割りと予約の間に潜り込めそう。
もっとも、その時間に予約が入ってたらアウトだけど。
私も、前回は予約無しで入れたが、その前の初回は断られた。
予約して行くのが確実と思われます。

15分ほどでまずは天ぷらが、そしてすぐ後にざる蕎麦の到着。
木製のお盆に天ぷら、天つゆ、麺つゆ、薬味、小鉢が乗せられて。
蕎麦は、四角い皿にこんもりと盛られている。

蕎麦屋で見る蕎麦で、ここまで盛られている蕎麦を見るのは初めてかも知れない。(^^
そう言えば前回来た時、天ざると蕎麦がきを注文したのだが、大盛りで注文したら、量が多いからと制止された。(^^;
蕎麦の大盛りとかたかが知れていると思っていたので、いやぁ大丈夫ですよ、と言ったが、いやいや、ほんとに多いですから、と再度制止された事を思い出す。(^^

蕎麦は手打らしく、太さ、大きさともバラバラで、太いのは細身のうどんくらい、細いのは細麺のラーメンくらいで、やや平打ちの蕎麦。
色は薄いグレーで、中に斑点が見える。
まずは蕎麦のみで一口。
口当たりには僅かなザラつき感が有るが、少し水分を纏った感じでその分摩擦感は少なめ。
食べ終わった後の皿に残った水分は少なめだったので、水切り不足とかでは無いと思うが。
前回は、もっと蕎麦の肌を感じる舌触りだったと思う。
表面から中心までほぼ同じぐらいの圧で、噛むとそのまますっと歯が入って行く。
試しに引っ張って見ると、抵抗なくふっと切れた。
麺の状態も、完全には切れずくっついたままの物も有ったりして、今日のはイマイチか。
蕎麦の風味自体は前回よりは良かったのだが、麺自体は前回の方が少し張りが有って、クツクツとした歯応えだったと思う。
蕎麦つゆは少し甘みが強い。
しかも厚みも有るので、初めの2〜3口ぐらいまでは旨く感じるが、次第に重く感じて来る。
薬味を入れずに食べていたので、それも有るのかも知れないが。
甘みが強いので出汁の風味は奥に退がった感じ。
もう少し甘みを抑えて、出汁が前に出る方が好みなのだが・・。
柑橘系の薬味でも有ったら、甘みの抑制が効いたかも。
蕎麦湯は、少しトロミを感じる白い物。
つゆとの相性は良くて、甘みを良い具合に緩和させ、飲み易く仕上げてくれる。

天ぷらは、エビ、キス、シメジ？、ごぼう、かぼちゃ、インゲン、ナス。
衣は、色白で油感は低く、さくっとしていて軽やかだが、前回はもう少し衣の味が濃く、ネタの味を引き立てていて、久しぶりに美味い天ぷらを食べた、とちょっと感動したぐらいだったが・・。
今日はホント言うと、蕎麦よりは天ぷらが食べたくてやって来た様なものなんだけどね・・。
天つゆは、衣に合わせてか、さらっとしたあっさり味。
なのでか、もう一つ天ぷらの味が引き立たない。
天ぷらは塩派なので、ここはやっぱり、と卓上の塩を振って食べて見ると・・・旨い！
これに衣の香ばしさが加われば、文句無しの旨さになるのだが。

最後は、サービスのコーヒーとサーターアンダギー。
食べている途中で、後からコーヒーが出ますけど大丈夫ですか、と聞かれる。
コーヒー自体は好き(缶コーヒーは全くダメ)なのだが、蕎麦の後のコーヒーってどうなの？と思いつつも、ハイっ。(^^;
サーターアンダギーは、油感は低く、ぽろぽろとした食感と抑えた甘み。
まあ嫌いでは無いが、口の中に纏わり付いてくれるのが・・。(^^;
コーヒーは、底から上部にスッと伸ばして、最後に少し口が開いた細身の器で。
酸味、苦味、コク、香りとも抑えめで、すっと飲める。
蕎麦の後だったら、これくらいが丁度良いかな。

コーヒーまで飲んだら、流石にほぼ満腹。(^^

蕎麦も天ぷらも前回と比べるとイマイチだったけど、前回食べたのが本来の姿だと思う。
なので、評価点は、今回のではなく前回ので付けてます。(^^

蕎麦を腹一杯食べたくなったら、またやって来よう。(^^;