落ち着きある味わいの街道沿いの人気店 : 丸純うどん

九州から関門トンネルに向かうには、大動脈たる国道３号線と、それに国道199号線や25号線が交わった桟橋通り交差点から老松公園交差点を過ぎると国道２号線に名称が変わるようです。

後者の25号線は大分や宮崎、いわゆる東九州方面からの一般道ですが、その大動脈たる国道10号線は、未だに小倉北区三萩野交差点で３号線と合流しています。

つまり、それだけ現在25号線が通っている門司区の周防灘側は、昭和の頃は未開の地で、道も大型トラックなんぞ走れないオンボロ田舎道でした。。

それが新門司港の開発や曽根の街並みが北に広がるにつれ、土地は余るほど空いてたもんだから片側２車線の立派な国道並みの道となり、今や10号線を小倉くんだりまで出て関門トンネルに行くなんて馬鹿はいないでしょうし、広がったはずの25号線も朝晩渋滞することもしばしばです。。。

ただ、どれだけ渋滞しても同店『丸純うどん』さんのある猿喰の辺りだけはスイスイ快調に流れています。

この猿喰（さるはみと読みます）地区って地名の由来や新田開発など、この近くの小学校に通った子なら十中八九知ってるらしく、ワタシも門司出身の知人から聞かされたことがあります。

その知人いわく、

「猿喰があったけー、あの道、できんかったんやろ？」

みたいな北九州は豊前寄りの訛りで、新田開発で元は海だったから、地盤がユルかったんじゃないかと。。

とはいえ、それって江戸時代とかの話だし、今や海側には新門司港があり、デカいトラックがビュンビュン走ってるし、まずだいたいそんなこと言ってたら、そこから数㎞行った場所の地名は、ズバリ『沼』です。。。

その沼地区、立派な団地もあり、結構人が住んでらっしゃるので、こう言うのも恐縮ながら、個人的に住むんならまだ猿喰という地名の方がいいです。

もちろん現在、猿喰も沼も整備されており、同店のある25号線沿いもデカいトラックが通ってもピクリともしない頑強な地盤になっています。

専用駐車場はお店の左右にあり、結構広いんで全部で15台くらい駐められそうですが、店内がカウンター５〜６席と４人掛けテーブル４〜５席、小さめ２人掛けテーブル１席と、それほどのキャパはないんで、お昼時など店内で待つことがあるかもしれません。

平家建て、街道沿いのうどん屋さん然とした佇まい、ご想像通りおばちゃんばかりの従業員さんも良い感じの昭和っぽさを醸し出しています。

とはいえ、寄る年波からなのか夜営業は現在されてないようで、昼のみですけど、開店が10時からと一般的な他店より１時間早いのも、どうしても朝型になりがちな高齢者っぽさに因るからなんでしょうか？

さりとてワタシも高齢者寄り、同店を訪れたのも11時前に開いてたからで、遅めのブランチうどんを食べたかったからに過ぎません。

それにまあ、通る度、かなり駐車台数はあったんで、いつか寄りたいなとは思ってたからでもあります。

入店すると、すでに２〜３割の入り、もっとも先客の年齢層は高く、８割方はシルバー世代。。

後２割は仕事中に寄りやすいから来たような方々みたいです。

面白かったのは、前者シルバー世代はうどん単体を、後者の仕事師は早めのランチ代わりなのか丼とのセット物をと、はっきり分かれてたことです。

で、ワタシは高齢者なんでしょうか？ まあ、遅めのブランチということで、

『きつね わかめ うどん 510円』

を、お願いしました。

これにしたのは、他のレビュアーさんが推されてたからで、さすがに憶えてたりメモってたりはしてませんでしたが、駐車場で食べログを観てました。

街道沿いだけに提供は早く、となると麺は茹で置きなのか、かなりヤワで、ほぼコシはありません。

ただ、手打ちなのか少し小麦の香りはあり、表面はモチっとやわらかい、中くらいの太さの麺です。

スメは年配者に気づかったのか塩分は控えめの、ほんのり甘めな、良く言えば上品な、悪く言えばハッキリしない味です。。。

昆布が強く、カツオより他の魚介系が薄く感じられる程度、それより醤油が舌に残り、それが好き嫌いをハッキリ分かれさせそうな感じでしょうか？

ただ、具材のお稲荷さんは薄めながらも大きく甘さ充分で、わかめも出所が言えるような品の良さがありました。

全体的に落ち着きがあるからシルバー世代に好まれるんでしょうけど、まだワタシはギラついちゃってんでしょう妙な元気があるから、さすがに好きな味とは言えないものの、たとえ若くても、塩梅さえ合えば嵌まっちゃうかもしれません。。


● 個人的 食べログ 評価点・・・3.0

※ 2019年10月以前、増税前の価格です