夏めく筑前の恵みを飾るは、松山氏のセンスと美学。 : 御料理 まつ山

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福岡出張の前乗りで日曜日のランチ時に訪問です。そんな都合良く空いてないよな〜、と1週間前くらいまでは席も空いてませんでしたが、4〜5日前かな？突然狙っていた日に1人枠が空いていたため、迷わず予約を入れました。

カウンターのみ6席、常連さん3名1組とカップル1組で、1人客は私だけ。お店は松山ご夫妻とお弟子さんの3人。本日のコースは以下の通りです。

◆ おまかせコース 22,000円/税込

・八女茶 氷出し玉露
・素麺 じゅんさい、オクラ、椎茸、いりこ出汁
・鮪節 本枯節と荒節
・自家製 唐墨餅
・クエと椎茸のお椀
・キジハタの造り
(沖縄 屋我地島の塩、小豆島塩昆布、ポン酢)
・季節の八寸
(ヤングコーン、博多とよみつひめ、地場産 枝豆、季節の炒り豆腐、地場産 烏賊の笹寿司)
・長野県 天竜川産 稚鮎、蓼酢、胡瓜のソース、西瓜
・のざき牛ヒレ肉 赤ワイン煮の茶碗蒸し
・揚げナスと萩の赤雲丹
・土釜ご飯、自家製ちりめんじゃこ、自家製明太子、鯖のぬか炊き、ぬか漬け、しじみの味噌汁
・宮崎県 飛来幸地鶏のスペシャルTKG
・太陽のタマゴとキスヴィンのアイスクリーム
・抹茶、塩と生姜の金平糖
・幻のバターサンド【お土産】

◆ ドリンク

・ディッキービール まつ山オリジナル
(まつ山×スカイホップブルーイング)
・越乃冷梅 純米吟醸 灑
(新潟県新潟市／石本醸造)
・月のダークラガー
(宮崎県／宮崎ひでじビール)
・純米 ど辛
(秋田県山本郡／山本酒造店)

------以下詳細------

最初に挨拶代わりの八女茶の玉露。まろやかでスッと入っていきます。胃の準備は万端です。

まずは素麺から…、いりこ出汁に、チュルリとしたじゅんさい、すりおろしたオクラ、そして地物の椎茸。初夏を感じさせますね〜、可愛いカエルの氷が浮かび、まるで池を切り取っているかのよう。

次に鮪の本枯れ節と荒節の削りを食べ比べ。やはり旨みに丸みがあるのは本枯れです。焼津では鰹ですが、こちらでは鮪節が一般的なのでしょうか？

ここで唐墨餅。本当ならこの時期出さない予定だったみたいですが、常連さんのお願いで今日食べることが出来るみたい。パリッと焼いた餅の中には、これでもかとたっぷりの自家製唐墨が…！旨すぎる。塩気が絶妙で、ねっとりと旨みが広がります。食べられてよかった…。

次にクエのお椀。プリッと引き締まったクエは、ホロホロと身が柔らかい。合わせるのは鮪出汁、旨みのバランスが良く、クエを生かした味わい。地物の椎茸、これがまた美味いですね。ジューシーで染みてますが、煮崩れ皆無。

お椀でホッとした後はキジハタのお造り。酢橘をかけ、沖縄県屋我地島の塩、小豆島の塩昆布、ポン酢でそれぞれ頂きました。キュッと旨みが詰まってます。

お造りを堪能した後は、八寸、やはり日本料理の醍醐味の一つですよね。地物のヤングコーンと枝豆は、どちらも非常に甘い。特に枝豆は、良い意味での緑臭さが強く、濃い味わい。とよみつひめというブランドのイチジクは、1時間じっくりと焼きを入れて提供、ねっとりとした甘みですが、その甘みにしつこさがなくみずみずしい。イカの笹寿司は、ねっとりと甘みを引き出してます。

八寸が終わると、長野県天竜川産の稚鮎を炭焼きで…。まだ元気に泳ぐ姿を見せてもらえます。松山氏曰く、鮎は生きたままでないと内臓の美味しさが全く違うらしい。じっくりとパリパリになるまで焼きを入れ、器に…。まるでお皿の上で泳いでいるかのような…。蓼酢と胡瓜のソースで頂きました。頭から尻尾まで食べられます！パリッと芳ばしく、内臓は変な苦味がなくめちゃくちゃ旨い…こんなに旨い鮎は、銀座しのはらさん以来。口直しの西瓜もイイネ！

絶品の鮎を食べ終わると、次は茶碗蒸し。中には赤ワインで柔らかくなるまで煮込んだ、鹿児島の黒毛和牛"のざき牛"のヒレ肉が入ってます。ホロホロに崩れていきますが、旨みがジュワッと口に広がります。温まるな〜。

次は萩の赤雲丹登場！やった、これ食べたかったんだよね〜。コース途中からじっくりと揚げていたナスと、その上にたっぷりの赤雲丹。萩の赤雲丹は初体験でしたが、ミョウバン無しでここまで綺麗に残るとは…。味が非常に濃く、ただ馬糞のような濃厚さではなく、後味はスッと消えていきます。これが出汁を吸った揚げナスと相性抜群です。

さて、お食事の登場です。炊き立ての白米が何杯でも食べられるであろう、最強のおかずたちが登場。ふるさと納税の返礼品にもなっている自家製の明太子を始め、ちりめんじゃこ、ここらの名物である鯖のぬか炊き、ぬか漬け。こりゃ堪らん…、白米瞬殺です笑 味噌汁も美味しい…、5〜7年モノのしじみの味が濃い。

これでデザートかと思いきや、常連さんから「スペシャルTKGないの？」とのお声が…！普段は手間がかかるしお断りすることもあるそうですが、今回は作ってもらえました(オプションです)！もちろん、ただのTKGだはなく、"スペシャル"。ご飯に平飼いの飛来幸地鶏の卵黄に、粉末醤油とたっぷりの自家製唐墨をこれでもかと…、やばいよやばいよ笑 とんでもないTKGですね、夢中でかっこみました。卵黄＋唐墨でプリン体ヤバそうだな〜笑

お腹いっぱい食事を堪能した後は、デザート。宮崎県産 最高級のマンゴー"太陽のタマゴ"と、濃厚なキスヴィンのアイスクリーム。言うこと無しです、マンゴーの甘さは言わずもがな、やはり、アイスが美味しい〜。

最後はお抹茶と砂糖菓子を頂き、終了。

ご馳走様でした！
最高ですね…、北九州の恵みを存分に堪能することが出来ました。初夏を感じる素晴らしいコース、私的ベストな和食だったと思います。また是非北九州に足を運んだ時は伺いたいです、いっぱい出張作ろっと…。

※訪問時→評点 4.35