ＷＥＬＣＯＭＥ ようこそ日本へ : 捏製作所

子供が大っ嫌いな俺にとって、夏休みはまさに地獄。

普段はお昼ご飯は開店直後、晩御飯は夜９時以降と、子供がいない時間帯を狙っていくのだが、夏休みはそんなの関係ねぇ～。

歓迎 台風１０号様。

台風のおかげで外出する人が少なく、ゆっくりと食事を楽しむことができる。

普段は２１時より前は、なかなか当日席が開いてない捏製作所だが、台風のおかげでお客さんが少ない、

とはいえ飛び込みのお客さんで８割方席が埋まっている。

いつものつくね１０種盛り

みょうがと土佐醤油：みょうがの香りとシャキシャキ感、それを醤油が包み込む。

オクラと自家製ＸＯ醤：オクラの粘りけとＸＯ醤の旨味と苦味が絶妙にマッチ。

バジルと松の実：バジルの香りと松の実の苦味、イタリアと日本の国際結婚。見事に調和している。

かぼすとチーズ：口いっぱいに広がるかぼすの爽やかな香りとチーズのコク。夏にピッタリ、ビールにピッタリ。

焼き舞茸とアンチョビ：椎茸といりこの出汁を混ぜるように、キノコとイワシは相性抜群。舞茸の弾力ある食感がクセになる。

やりいかと赤紫蘇：イカと紫蘇、食べなくても分かる美しきハーモニー。青紫蘇ではなく、赤紫蘇の香りがたまらない。

タコと青唐辛子：プリっプリなタコと青唐辛子の風味。カラヒィを思い出す。

エビとしめじ：エビのプリプリ食感としめじの弾力。噛めば噛むほど、旨味が溢れ出す。

くるみとミツル醤油のオリ：くるみの香ばしさと、醤油のオリの奥深さが一致団結で幸福を導く。


ガチョカヴァロのチーズパスタが食べたかったけどなかった…

それでも頭の中、口の中、胃の中が幸せいっぱい。

素材の味と幸福感に包まれ、俺に盆休みをくれたお店と台風に感謝。

つくね制作所

素材にこだわり、つくねの概念が変わり、慶びに包まれるお店。

普段は予約しないと入れないが、２１時以降なら１人、２人なら飛び込みでも入れる可能性が高い。

普段は２２時ラストオーダー、２３時閉店。

そのつもりで２１時過ぎに訪問すると、日曜日は２１時ラストオーダー、２２時閉店らしい。

４月ということで春の、旬の食材がたくさん！

・筍と土佐醤油のつくね

鰹出汁の醤油、土佐醤油。鰹の旨味が口いっぱいに広がる。

・こごみと花わさびのつくね

こごみ…携帯で調べたら、あぁ、これか！

こごみの苦味とガツンとくるわさびの香りがたまらない。

・山椒としらすのつくね

山椒だから辛いのかと思いきや、酸っぱい。

以前あった瀬戸内レモンとしらすのつくねに似ていて、爽やかな酸味に包まれる。

・あおさのりと桜海老のつくね

ネーミングは俺の中でドストライクなのだが、蒸すことにより、あおさのりの香りと食感が逃げてしまっている印象。

・海老とパクチーのつくね

個人的にパクチーが苦手なので、遠慮しました。

・するめいかと黒七味のつくね

他のいかよりイカ臭いというか、独特の風味があるするめいかだけど、このイカ臭さが酒に合う。

・原木椎茸と黒にんにくのつくね

小さなつくねに細かく刻んだ椎茸。なのに肉厚でジューシー。

椎茸の旨味の中にそっと顔を出す黒にんにく。

白いにんにくとは違い、コクがあるまろやかな香りが椎茸を引き立てる。

・揚げ納豆と自家製ＸＯ醤のつくね

つくね制作所の中でも新しい味と食感。

納豆の風味とＸＯ醤。ＸＯ醤といえば中華を代表する調味料ながら、日本の醤油に近い、でも日本の醤油にはない深みと旨味がある。

・生黒胡椒とチーズのつくね

黒胡椒とチーズの組み合わせといえばカルボナーラ。

カルボナーラのような感じを想像していたら、全然違う。

ガツンとくる生黒胡椒の辛さをチーズが優しく包み込む。

黒胡椒が暴れる生徒ならチーズは金八先生。

・つくねの磯辺揚げ

天ぷら粉に青さ粉を入れただけなのに、磯辺揚げはなぜこうも美味いのか？

カリカリの衣を突き破れば、青さの香りと鶏肉の旨味が鼻から突き抜ける。


いつもはつくね１０種盛りを頼んだあと、お気に入りの５品を５種盛りで注文する。

今回なら、生黒胡椒とチーズ、揚げ納豆とＸＯ醤、椎茸と黒にんにく、するめいかと黒七味、こごみと花わさび。

だけど閉店時間なので店をあとにする。

つくね製作所

やっぱりまずはつくね１０種盛り。

季節や、その日仕入れた食材により、１０種類のつくねが用意されている。

好きな食材、苦手な食材、人それぞれだが、苦手な食材でも勇気を出して食べるべし。

店主の想いと計算されつくされた料理がアナタを出迎える。

桜海老と空豆

思いの他エビの風味と空豆と風味は薄かったが、海の香りが豊か

貝柱とアオサノリ

海だ、海だ、海だ。ワカメとか、アジの干物とかが干してある漁港の香りそのまま。

アオサノリのなんともいえない食感に、貝柱はハマグリのように噛めば噛む程旨味が染みでる。

やりいかと大葉

ロングセラーの一品。以前は、イカの旨味が強かったが、今回は大葉全開。シソの香りとイカの弾力がたまらない。

ゴーヤと味噌

ゴーヤがしゃきしゃき、ゴーヤの苦味を味噌の旨味と深みが包み込み、ゴーヤが苦手な人でも美味しく食べれる。

逆にゴーヤの苦味を楽しみたい人には向いてないかもしれない。

らっきょうとごま

らっきょうのしゃりしゃりした食感とらっきょう独特の味を活かしながら、らっきょうの悪い部分はごまと鶏肉が消し去ってる。

トマトと玉子

トマト、玉子、鶏ミンチ、わざわざ説明するまでもない間違いない組み合わせ。

シラスと自家製ラー油

シラスの香りがブハーッときたあと、ラー油の風味と辛味が通り過ぎていく。

旬のシラスと仄かな辛味がたまらない。

紺青さんのカンパーニュとチーズ

カンパーニュを使ったつくねは、いつもはフランスパンの小麦の味がするのだけど、今回はチーズにパンが消されてしまっている印象。

ただチーズが濃厚で、鶏ミンチと合わないわけがない。

ミツル醤油のオリとエビ

ミツル醤油の甘味とプリっプリっのエビ。ジューシーな鶏ミンチがあいまって、酒がススム。

〆はチーズパスタとつくね屋の雑炊。

カルボナーラ的なやつを想像していたら、チーズのコクと鰹の旨味が半端ない。

カルボナーラとぶっかけうどんを１つの皿で味わえる。

鰹の旨味と苦味、苦味は鰹だろうか？イリコだろうか？アゴだろうか？

よくわからないけど、鰹出汁が美味しくて、美味しくて、美味しくて、

あの鰹出汁をベースに、梅とシラスとかの和風パスタが食べたい。

そして雑炊。

色んな味のつくねがたっぷり、てんこ盛り。

これは空豆だ、貝柱だ、大葉だ、トマトだ、ラー油だ、ミツル醤油とエビだ！

と口の中がパニック。

なんだか、カニっぽい、

今日食べたやつと全然違うのも入ってたぞ。

素材１つ１つの味が強くて、

つくねを食べるだけでも頭の整理がつかないのに、

雑炊という１つの器にこれだけの色んなつくねが入ってたら、俺の味覚の処理能力を越え、思考停止になってしまう。

ずっとずっと行きたかったこちら。

捏製作所

本日のつくね１０種類あり。

メニューには３種盛と５種盛があり、それしかないが、１０種盛や、１個単位の注文も可能だそう。

・ゆず味噌つくね

ゆずの爽やかな香りが鼻から突き抜ける。

・貝柱と葱油

貝柱は鶏ミンチと食感に消されてしまってるが、葱油の葱の芳ばしい香りと、油のトゥルット感がたまらない。

・春菊とくるみ

春菊の苦味とくるみの芳ばしさで酒がすすむ。

・銀杏としめじ

これが一番好きだった。新銀杏の苦味と、しめじのぷにゅぷにゅ食感が最高。

・やりいかと高菜

これは唯一何を食べてるのかかわらない。最初は、これがバジルかな？と思った。

・原木椎茸とバジル

バジルの香りがズッキューン！それに負けない原木椎茸の旨味と食感。これが第３位。

・尾道 たてみち屋のレモンとチーズ

尾道の丘の上から、瀬戸内海の島々と行き交う船を眺めているような凄く爽やかなレモン。

・吉田パン工房のカンパーニュと明太子

田舎パンではない、大都会パリを彷彿するオシャレで滑らかな口当たりの最後に明太子がすっときて、すっときえる。

・ミツル醤油のもろみとエビ

ミツル醤油の奥深く滑らかな醤油をエビのプリプリ感が包み込む。

・つくねフリット カレー塩

最後に食べたこちら。あ、つくねってこんな味だったんだ。

他のは具材の味が濃くて、そういえばつくね（鶏肉)を味わう機会がなかった。

丁寧にこねられたつくねは柔らかくてクリーミー。

どれもこれも素材がしっかりしていて、１つ、１つの素材の味と店主の想いを受けとる、心の準備と体力がいる。