福岡平和の住宅街に、話題のフュージョン◆東 : 東

福岡県福岡市南区平和1-26-35、東(ひがし)。
平和の閑静な住宅街にある一軒家の個人レストラン。屋号はシェフの姓から。
提供される料理はジャンルの垣根にとらわれない創作料理、フュージョン。
西鉄平尾駅から車で5分。カード可。駐車場なし。
料理はコースのみの予約制。昼3500円・5000円。夜10000円・13000円・16000円。税別。
ナビでの訪問は、住所番地の末尾を36で入力すると店の表側に到着。
営業時間12:00～15:00、18:00～22:00。不定休。完全予約制。

平日の夜に訪問。
行ける日と店の席の空いてる日が重なった日を教えて貰って予約。
夜の3種類あるコースから真ん中を選択していました。
当日。
19:30の予約でしたが、日も暮れて辺りは暗く住宅街の中の店を探します。
「東」と書かれた足元のポストを見つけ、そこから坂を上ると店舗がありました。
夜は何もない所に入口の灯りを見つける感じです。
店内に入ると家の中に上りますが、靴はそのまま。
フロアにはテーブルが人数別に4卓ほど。
その一つ、丸い天然木のテーブル席が用意されていました。静かなBGM。
この日の夜は、あと一組がご利用でした。

スリムで雰囲気のあるマダムがフロアで全てを対応され料理の説明もしてくれます。
ドリンクメニューからシャンパンを1本。
◆イニシャル・ノワール・ブラン 10900円(税別)
瓶内熟成60ヶ月、熟成した厚みがある辛口シャンパン。
もう少し冷えてると嬉しい。
クーラーが陶器です。

お料理の始まりと紹介された本の形の器。
マダムから「ページをめくってくださいませ」と。
開けると温前菜。
北海道の帆立がベニエのように仕上げてありフワッとした食感を楽しみます。

料理の数と構成は以下の通りでした。
メニューはなく、見聞きした内容です。

◆夜 一萬三千円(税別)
・アミューズ
・スモーク
・カダイフ
・造り
・春巻き
・パスタ
・フラン
・魚料理
・肉料理
・デザート
・珈琲or紅茶

一品一品の演出が凝っており楽しめます。
珍しいゴールド(真鍮)のカトラリー。
マダムに伺うと店のコンセプトカラーなのだとか。拘りを感じますね(^^

帆立の前菜(アミューズ)の後は、スモーク。硝子のスモークの中に寒鰤。
うつ伏せのグラスを開けると燻の香りが広がります。代官山のリストランテASOみたいですね。
鮮度の高い鰤のスモーク。
シチリア島の塩を使った胡麻塩パウダーと鰤の下の胡麻とサワークリームのペーストで。

三種のソースとカダイフ。
革新的な一皿。甘味のある人参のソースと苦味のある八女抹茶のソースと酸味のあるビーツのソース。
ソースが中央を占領した美しい皿。
主役の喉黒のカダイフは海老フライのような形で右端に。外側がサクサクで美味しい。

硝子の器で供された鮮魚介。
玄海産の細魚と地蛸とイクラに焼き茄子。西洋山葵。
ビーツのシロップとカラスミが縁に。
シャンパンも空きましたので 日本酒のことを伺うとテーブルに2本持って来てくださいました。
どちらも一合 1200円。順に一合づついただきました。
五橋。船中八策。
日本酒用にいただいた和らぎ水のグラスは傾いたデザイン。

春巻き。
出されたお皿を見る限り、春巻きではございません。
車海老の下に生春巻きの皮が敷いてあります。
沖縄の車海老と志賀島の雲丹がそのまま巻けるように配してありセルフでクルクルと贅沢な春巻きを。
鹿児島黒酢と卵黄のオランデーゼ添え 。

ズワイ蟹のパスタ。
蓋を取ると濃厚な蟹の香り！シンプルに蟹の旨味が引き出された濃厚ソース。
少量ですが存在感のある、蕎麦粉8セモリナ粉2のパスタ。
庭園のような皿の演出が素晴らしい。

重たそうな凝灰岩をワゴンで運んで来られたマダム。
容器になっており蓋を取りますと中は熱々のフラン。
そこにマダムが目の前で温かな鮑のエキスのスープを注ぐ。良い香り！
中に黒鮑が入った贅沢フランです。
阿蘇の凝灰岩(ぎょうかいがん)の器は、石材屋さんに作って貰ったものとか。

次の皿は魚料理。
メインは右端の皿の縁に、鰆とアラ。
中央のスープに見えるのは、西京味噌のソース。
つけながらいただきます。
意匠の強い器。黒ベースに白い模様。
白い小石が無数に埋もれているように見えます。

もう少しだけ飲みたくて。
純米発泡にごり生 180ml 1050円。
原料米から一貫管理の日本酒版シャトー、広島の山岡酒造の純米仕込みの活性生酒。
お酒の甘みと爽やかな炭酸。軽快な飲み口。
食前酒向きですが、家族は生酒が好きで。

肉料理。
福岡県筑後市・幻のブランド牛、船小屋牛のフィレ。
切り株の上に器の形でテーブルに。本山葵と柚子胡椒で。
柔らかくて美味しいフィレ！

デザート。
ゴールドのプレートに、ゴールドのカトラリー。渋く光ってます。
濃厚な生チョコのケーキとソルベ。
コーヒーにしました。美味しいコーヒーです。
金平糖が添えられて。塩金平糖がおすすめですとのことでいただくと、うん。良い感じ。

楽しめましたし、美味しかったです。
ドリンクはシャンパン1本と日本酒二合に発泡にごり生1本、二人で43000円強。
敵価と感じます。スピードも丁度良い感じで、2時間半。
食後、シェフがテーブルまで来てくださいました。
金髪のシェフ、ゴールドのコンセプトはご自身にも！
シェフに伺うと、ジャンルはフュージョンとおっしゃってましたね。
和食とイタリアンとフレンチの融合を感じたフュージョンでした。
また予約しますと告げ、お店を後に。

正統派な料理も大好きですが、フュージョン・イノベーティブのカテゴリーも現在は明確に存在、こちらは楽しみの方が大きいです。
フュージョンは、融合を意味し料理がボーダレス。イノベーティブは、革新的・刷新的な料理との認識です。
同じにカテゴライズされていることも多いと思います。
アイディアなどに驚かされ一層料理を楽しむ事が出来ますよね。
このカテゴリーだと、大阪のハジメに心奪われている私。哲学的で魅せられます。価格はこちらの2～3倍にはなります。
身近なお店では北九州の裕の輪が好きです。価格はこちらの半分で楽しめます。
イノベーティブだと思える、北九州の和食・TOBIUMEや、代官山のイタリアン・ASOも訪れる度に驚きと感激があります。
価格の背景は環境や食材などそれぞれに納得できるものです。
そんなことを考えつつ未だ訪問の機会がない、名古屋のトゥ・ラ・ジョアに思いを馳せるのでした(^^