初体験のフィリピン料理は独自性があるのにくせがなく、どこか懐かしい逸品 : デルガドス

薬院大通駅をおりて交差点を南に進み、左手（東）の３つ目の角を曲がり左手（北）の方に見えてくるお店です。
入り組んでいるので分かりづらい道ですが、通りの向かいの近くに保育園があるので、それが目印でしょうか。

このお店は、フィリピン料理のお店です。
フィリピンというと、男性陣の中にはパブだと連想する人も多いでしょう、
そんな中、ここは割と珍しい、フィリピン料理が味わえる専門店です。

フィリピン料理と言ってもこれまでぴんとこなかった僕ですが、メニューを見て店員さんのおすすめを味わって分かったのは、
大変くせがなく親しみやすい味だということでした。それでいて、東南アジア特有のスパイスのクセなどもほのかに感じられて、
ああ、なかなかいいな、と思いました。

このお店は薬院大通りの裏手ということで、微妙にレストランやバーがある地域に立地しています。
このため食事の他に、バーとして利用する方も多いらしく、僕の利用中も、フィリピン出身とおぼしき方の他に、
常連さんとおぼしき日本人がカウンターに座ってお酒を注文する光景も見られました。
他にもエスニック料理を味わいに来ているお客さんも数組来ておりました。

店内では備え付けのスクリーンでフィリピンのものと思しきニュースをやっていたり、
フィリピンの言葉で書かれているとおぼしき雑誌がおいてあったり、フィリピン一色です。
フィリピンの代表的なビール、サンミゲルビールの瓶も飾ってありました。

早速メニューを拝見します。こちらにはセットメニューというの物はないようで、全て単品で書かれていました。
フィリピン料理の予備知識のない僕にとって、初めて見る名前ばかりです。

店員さんに相談しながら、代表的な料理っぽいものをいくつか注文しました。
ウェイターの青年もどうやらフィリピンの方らしく、日本語はたどたどしかったですが、
なかなか愛嬌のある接客で嫌いになれませんでした。

頼んだ料理は、以下のとおりでした。

・チキン・アドボ\950
アドボというのが、フィリピンの代表的な料理の一つなんだそうです。
鶏肉とじゃがいもを酸味がベースのソースで似た料理です。酸味はそれほど強くなく、たまねぎなど野菜の甘みと、
ほのかなニンニク、そして、醤油とおぼしき独特の塩辛さの味わいがマッチしていて大変独特の風味でした。
え、醤油なのか？ちょっと気になって、お冷をつぎに来てくれた店員さんに聞いたところ、
やはり醤油を使っているとのことでした。
フィリピン料理は日本の文化を輸入していて醤油も使うそうです。凄い。
そうして生み出された独特の味。どこか異国情緒溢れるのに、どこか懐かしい、そんな不思議な味わいです、オススメ。

・ルンビアン・シャンハイ\780
ルンビアン～と付くメニューがあって、生春巻きと揚げ春巻きがあるようで、ちょっとベトナムの影響受けているのかな？と
思いましたが、こちらはひき肉とにんじんの揚げ春巻きです。
名前の通り、中国から影響を受けているんでしょうね。
大きなものではなく、小さな春巻きが詰まれて出てきた感じで、かなり食べ応えの点でもよさそうですし、
ちょっとベトナムや中国とは違う、これがフィリピン風なのかな、と思いました。
そのまま食べてみると食感もよく、ああ、まさに揚げ春巻きだ、と感動するのですが、
備え付けの甘辛いソースにつけてみると、大変おいしく、
ああ、春巻きはアジア全土、どこのを食べてもはずれがないな、と改めて実感した次第です。

・カルデレータ\1280
ビーフシチューのようにとろとろに煮込んだ牛肉に、じゃがいも、人参、グリーンピースを入れた料理です。
ピーマンやたまねぎも入っており、牛肉のうまさと野菜の旨みが出たスープ、まさにビーフシチューのような趣で
大変おいしくいただけました。
こちらはアジア独特の癖はなく、まさに日本で食べるビーフシチューと同様、特徴といえば野菜が少し多いくらいの感じで
フィリピン料理ならでは、という感覚はないのですが、牛肉の柔らかさは特筆ものでした。うまいです。

……実は「ニラガン・バカ」という牛肉とジャガイモのスープを頼んだはずなんですが、なぜかこれが出てきました。
あれ？写真と具材も内容も違う？と思って食べていたのですが、帰宅後確認してみるとカルデレータだったと分かりました。
オーダーミス？まあ、そういうところも含めてよしとしましょう。
あと、僕は「辛い物が好き」と話しましたが、そのオーダーも通っていたのか疑問です。
まあ、西日本で「辛い」というと「塩辛い」の意味もあるので、そのあたりがあったのかもしれません。
いずれにせよ、フィリピン料理は初体験だったのでめぐり合わせなんだと思います。

ごちそうさまでした。

上記３品の他に、白ご飯も出してもらって、こちらどうやら２００円くらいだったようですが、大変料理に合ったのでよかったです。
やはりいいですね、フィリピン料理。好きになりました。
ただ、一品ごとの値段が結構するので、ちょっと友達を誘うのはしづらいかな、と思ってしまいます。
コースメニューとか作って、お手ごろ価格にしてくれたら繁盛するのだろうな、と思うんですが。

いずれにせよ、フィリピン料理の真髄は十分受け止めさせていただきました。
エスニック料理が苦手な人でも安心して誘える料理の数々、今後も愛して行きたいです。