高価格化と逆路線の美しい創作コース◆Restaurant Sola : Restaurant Sola

福岡県福岡市博多区築港本町13-6、Restaurant Sola(ソラ)。
ベイサイドプレイス博多C館2F、吉武広樹シェフのレストラン。
パリに開いた店が1年3カ月でミシュランガイド フランスで一つ星を獲得。
無理なく生産されている一般的な食材を活用し、かつてない美味しさを追求。
10000円(税サ別)のコースで、驚きのパフォーマンスを披露。
薪の直火で火入れする薪料理を、カウンター席ではライブで愉しめる。
40席。個室なし。貸切不可。カード可。禁煙。駐車場あり。
博多駅、天神駅から車で10分。福岡空港から車で20分。
営業時間18:00～20:00(予約最終受付)。定休、日曜日(不定休)。

オープンから日数も経ち、落ち着いた雰囲気を愉しめると思って予約訪問。
ベイサイドプレイスへの立ち寄りは久しぶり。
バブル期は華やかで、若い頃に背伸びして通った店があったこのエリア。
懐かしさを感じながらC館へ。
入口で検温と除菌。リズムのあるBGM。化粧室も綺麗。
カウンター席へとスマートな案内。
ウェルカムプレートは地球の絵柄が。置かれていたメニュー。開くと素材の名称。
セットしてあるカトラリーには箸も。
おしぼりが用意され、飲物の確認があり食事が始まります。
泡を1本注文。
・Longitude Blanc de Blanc Extra Brut R.M (vertus) 16000円(税サ別)
自然派R.Mシャンパーニュ。
生産者元詰、自然派(ビオディナミ)の自社畑100％、平均樹齢35年のシャルドネ100％を手摘み。
マロ発酵＆オーク樽熟成。ドサージュは4g/Lのエクストラ・ブリュット仕立て。
フレッシュな果実味にきれいな酸の綺麗なバランスの本格派辛口。

◆Menu du jour コース 10000円(税サ別)
◎Amuses Bouches
・スナップえんどう
・鯵
・いくら
・チーズタルト
◎Hors d'oeuvre
・そら豆　ミル貝
◎Premiere Entree
・白アスパラガス　白エビ
◎Deuxieme Entree
・桜鯛　春野菜
◎Derniere Entree
・帆立　筍　山菜リゾット
◎Poisson
・鮪　カリフラワー
◎Viande
・仔羊
◎Dessert
・柑橘
・苺
・ミニャルディーズ

料理は提供の都度説明。
アミューズは、トレイに4品並ぶ。
スナップえんどうのムース。ふわふわの食感と春の香り。
鯵のマリネ。
春巻きの皮を揚げ、アボガドのクリームに繊細に盛られたいくら。
ブルーのチーズタルト。上に黄色のビーツ。
綺麗。楽しい。美味しい。
次に出てきたのは、桐箱。
開けると玉手箱のように燻煙が立ち上り、燻香がほんのりと漂う。
泡のソースがかけられた、そら豆、ミル貝。スプーンが用意されます。
次は冷前菜。おすすめされたキャビアを追加した一皿。
シェフがフランス時代から愛用されているキャビア(+1500円、税サ別)。
キャビアは、白アスパラガスとの相性が良いとの押し。
白エビの甘味もありアスパラのクリームにバニラの香りが添えてあり柚子香も。
香りの組み合わせも、洗練された印象。アスパラがシンプルに美味しい。
パンの提供。ローズマリーとジャガイモを煉り込んだフォカッチャ。
何も付けず、そのままいただくスタイル。温かく美味しい。おかわりをいただけます。
その次は、うるいなど春野菜と桜鯛の前菜。花畑のように美しい一皿。
そして温前菜のリゾット。温めたお皿での提供。
レンゲ米とフォアグラ、栄螺と芹を合わせて。帆立のポアレと筍。
魚料理は、鮪の薪焼き。茗荷や生のカリフラワーなども添えられた一品。
肉料理は、仔羊。上には、糸島のレッドメインレタス。下にはアスパラとインカの目覚め。
食事をしながら、飲物はシャンパンと赤ワインのグラスを二杯追加。
想像より上の料理と時間。

デザートの柑橘は、メレンゲの筒の中に、せとか。ヨーグルトのアイスと。お皿も冷えていて良い。
メインのデザートは、ピスタチオのクレームブリュレ。表面炙りたて。食感の妙。とても良いです。
最後の小菓子も、見た目も食感も楽しめるもの。
食後の飲物は有料で木板のメニューが出されます。食後酒も良さそうですが…
アメリカーノ(500円・税サ別)を。

この価格で提供される工夫が随所に見られました。
スタッフ10名ほどが役割を分業し、1つのコースを提供して行く。
考え抜かれた内容に、賢人シェフのセンスを感じます。
店を出る際はシェフも見送りに出てくれて会話が出来ました。
来店の記念にとプレゼントに木の箸。Solaをイメージできるセンスの良い箸です。
シェフ曰く、この場所での出店は誰一人賛成しなかったとか。
分かる気はしますが、ベイサイドプレイスに輝きが戻る力となる店だと思います。
少なくとも私には訪問が楽しみとなる店。

本場フランスで認められた星付きシェフが取り組む、新たな形のカジュアルレストラン。
高級店が高価格化する中、10000円(税サ別)のコースを提供され、利用満足度は高い。
素材は希少なものよりは、豊富に獲(採)れる美味しいものを活用。
環境と調和した料理を追求された驚きのパフォーマンス。
佐賀県出身の吉武広樹シェフ。
2011年パリにSolaを開店、1年3カ月でミシュラン一つ星を獲得。
2014年「REDU-35」グランプリを受賞。
2018年「Restaurant Sola」を開店。
高級店が好んで使う希少食材は追わず、無理なく生産されている食材を活用。
プロの技で食材をかつてない美味しさに引き上げるのがSola流。
直火の薪料理が印象的。香りが良くなりますよね。
薪は2017年の九州北部豪雨で大量発生した流木。
行き場を失った木を燃料として災害復興と環境負荷の低減に一役です。

只今周辺は改修工事中。
終了後はスッキリとしたベイサイドプレイスとRestaurant Solaを愉しめると思います(^^