話好きなおばちゃん。 : みろく

暗くなるころに、福井から鯖江に移動した。
日が暮れていたが、せっかくなので、未訪問だった長久寺に立ち寄ってみた。

長久寺には福井藩２代藩主・松平忠直の墓があるのだ。
時間帯が遅かったので、墓の参拝が無理なら、寺の場所だけでも確認したいと思って向かったのだが…
意外にも柵や門などで閉ざされておらず、いつでも参拝出来る状態だったので、図らずも参拝も済ます事が出来た。

松平忠直の墓については別のレビューでも書いたが、「忠直暴君伝説」に反して、福井でも昔から名君という高い評価を持ち続けているのが、ここ鯖江（市）なのである。

ちなみに長久寺内には「あおい保育園」があり、迎えにきた母親と園児が連れ立って帰宅する姿が見かけられた。

目的を果たした私は、徒歩で福井鉄道の神明駅まで出たが、せっかくなので、この近辺で夕食にする事にした。

2014年10月16日訪問
入ったのはみろくという店だ。
食べログのレビューを読ませてもらい、いつかは訪問したいと思っていて、今回はピックアップしておいたのである。

地番を頼りに歩いて行くと、ほどなくその店は見つかった。
店は建物の２階にある。

窓際の４人かけテーブル席（１番）に着き、おろしそば・500円を注文。

カベには川本ユキのポスターが貼ってあったが、私はその歌手の名前を初めて聞いた。
「ああ越前」という演歌を歌っているみたい。
調べてみたら、シンガーソングライター・川本真琴のお母さんらしい。
しかし…
私は川本真琴さえも、知らなかった…（恥）

メニューは豊富で、うどん・そば・丼・ラーメン・定食・弁当・鍋・アラカルトなどなど…
何でもござれという感じだね。

出されたおろしそばは細平麺で、カツオ節がかけられていた。
そばはごく普通のもので、強烈ではないけど、歯応えがあるものだった。

会計は515円…「消費税がついて515円」との説明だったが、メニューには500円と書いてあったので、540円のはずでは？
→という事は、消費税率アップ分の３％だけを上乗せしたのだろうか？
おそらくそうだと思うが、私の想像通りだとすれば、良心的な対応だと思う。

私は消費税アップ以来、８％まるまる上乗せする店が多いのを、苦々しい思いで見ている。
「税率が上がった分だけ値上げする」というのが、いちばん妥当だし、説得力があると思っているからだ。

「今までは内税でがんばってたけど、もう耐えられない！」といって、８％上げるのも、わからなくもないが…
だからといって、それでは「便乗値上げ」と非難されても仕方がないのではないだろうか？
事実、８％（あるいはそれ以上）上げた店からは、足が遠のいているので、結局はその店のためにはならないと思うんだけどね。

おいしかった、ごちそうさま。

ところでこちらのおばちゃんは、とても話好きな人で、新潟から来たというと、北陸新幹線の話題などで大いに盛り上がった。

おばちゃんも、北陸新幹線の開通は、必ずしも喜ばしい事ではないといっていた。
というのは、新幹線が開通すると、平行在来線が経営分離されて別会社になり、現在の特急が廃止になる。
→そうすると、現在特急が停まっている駅は困る！…という主張だった。

まさにその通りで、便利になるのは、新幹線の停車駅の周辺だけという事になりかねない。
それと…
新幹線開通と平行在来線の経営分離によって、ウハウハなのは、JRだけという意見もある。
自分の利益だけを追い求め、公共性を忘れた鉄道事業というのは、何なのだろう？と思う今日この頃だ。

【三六町の由来は、歩兵第36連隊？】
こちら「みろく」の所在地の町名は、（鯖江市）三六町になっている。
三六町の正式な読み方は、確認出来なかったが…
「みろくちょう」と読むのであれば、店名の「みろく」も、町名に由来しているの可能性が高いと思われる。

ところで…
こちらに来る途中、三六史跡公園のすぐ近くを通った。
暗くて良くわからなかったが、ここには昔、帝国陸軍の、歩兵第36連隊の兵営があったとの事。
説明版によると…
連隊の兵営は現在の「三六町」を中心とする一帯に定められ、連隊には1,500～2,000人の兵士が駐屯していたとの由。

調べてみたものの、的確な答えが見つからなかったが…歩兵36連隊と三六町の地名に関連がないとは思えない。
いずれにせよ、神明駅周辺の発展は第36連隊の設置によるところが大きかったという事だけは、間違いないようだ。

長くなるので、歩兵第36連隊については、いずれまた触れたい。