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店名 |
鳩山荘 松庵(はとやまそう しょうあん)
|
---|---|
ジャンル | 旅館・民宿 |
予約・ お問い合わせ |
0470-29-2311 |
予約可否 | |
住所 | |
営業時間 | |
予算(口コミ集計) |
¥15,000~¥19,999
|
支払い方法 |
カード可 (AMEX) |
駐車場 |
有 |
---|---|
空間・設備 | 落ち着いた空間、席が広い、掘りごたつあり |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
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ロケーション | 海が見える |
ホームページ | |
備考 | |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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かつて戦後長らく一党独裁の礎を築いてきた自民党から政権を奪取し、ルーピーの愛称むなしく内外から多種多様な批判を一手に引き受け政界を退いた、民主党鳩山由紀夫氏の祖父にあたる鳩山一郎氏の別荘跡地。に建てた国民宿舎。をリニューアルしたものがこちらのよう。
政権交代時にはにわかに脚光を浴び予約が殺到したそうだが、今となっては知る人ぞ知る物件といったところらしい。急に思い立って館山に出かけた折に、偶然にも見つけ宿がとれたのがこちらだった。
鳩山氏といえば日本でも屈指の "華麗なる一族" であるのは周知の事実。それはもとより、世界中の超一流に触れてきたであろう審美眼はまごうことなき本物だろうし、政治に対する手腕はさておき宇宙人などと揶揄されるくらいの強烈な個性のDNAが、どこかに宿っているはずだと妙な確信があった。
館山駅からはかなり離れた見物(けんぶつ)という地に位置し、内房の海を眼下に望む好立地。付近にはやはり宿泊施設が点在していて、千葉県では珍しく温泉も出ているようだ。
門構えからして富裕層の邸宅を思わせ、自分ごときがはたしてくぐっていいものか一瞬躊躇してしまう。ガラスの自動ドアで仕切られた風除室には地元作家の彫像、間接照明を多用したフロントは一目見てアールデコを基調とした和との調和がはかられているのが分かる。なお、こちらではデロンギ製の抽出機によるコーヒーが飲み放題。
受付をしてから通されたモダン和室は1階ながらもオーシャンビュー。これも建物が海辺から嵩上げされた護岸壁の上に建つゆえ。夕暮れの窓からはなんと富士山の御尊顔まで拝め、耳を澄ませば潮騒をBGMに床に就くこともできる。
空き時間に館内を探索すれば、渡り廊下に往年の華族よろしく輝かしい鳩山一族の系譜を垣間見ることができ、その傍らにはお馴染みの "友愛" の揮毫。もはや鳩山一族の家訓なのではあるまいか。
夕飯は建物内に設えられたその名も "安房船屋敷" にて宿泊客が一緒にいただく恰好となる。簾にて個室のようにゆるく仕切られているので他人の目も気にならず、かといって音は筒抜けなので子連れの若い親世代の苦労も手にとるように分かる。
事前に用意されたコースの品書きには、郷土料理を見据えた和食がメインとある。どれも中の上といったところだが、さすがに海の幸である刺身と房総名物さんが焼きは抜群に美味い。これ、やはり房総名物のなめろうを焼いたものなのね。
給仕に忙しく立ち回る中居さんらが客の数に追い付かず、やや放置され気味なのも致し方のないこと。フロント係の女性が冷たく感じたのも、マニュアルに沿った接客ゆえと解釈。
食事を終えて部屋に戻る際に夜食だと、いなり寿司を持たせていただける。こんな粋な計らいは初めて、さすがに夜はいただかずに翌朝いただいたのは言うまでもないが。
館山温泉を引いてあるとかで、3階の風呂もこれまたオーシャンビュー。残念ながら貸切風呂は予約でいっぱいだったことと、男湯と女湯の入れ替えはないとのことだった。泉質なのか、若干アンモニア臭が気にはなったけど。
朝食はこれまた宿泊客が一緒にいただくビュッフェ形式。夜とは違ってアメリカンブレックファストだと宿曰く。スクランブルエッグ、ウインナー、ポテトサラダ、マカロニ、グリーンサラダとごくありきたりながらどれも丁寧につくってあるので味つけは大変美味しい。惜しむらくは主食がパンのみでご飯の提供がなかったことくらい。
たしかに随所に経年劣化は見受けられる。これを古臭いととるか味があるととるか。建築オタク目線からすれば、アールデコと和の調和が見事にとれた格調と細部にまで気を配ったセンスの良さが光る。
それが、じゃらんにおける評価と食べログにおける評価との乖離として表れているのが面白い。