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生産者と麦を想い、理想のパンを焼く。
君津の住宅街の外れに建つ、簡素な建物。
ご当地で本格的な天然酵母のパンを焼く「かさりんご」さんです。
ファサードからして、拘ってパンを焼いていそうな雰囲気が滲み出ていますね。
かさりんごとは、伊語で「自家製の」という意味。
少しだけ手をかけたパンをつくっています・・と。
店内に入ると、入口付近にこじんまりした陳列棚が。
所謂ハード系のものが中心ではありますが、親しみやすくも拘り溢れる、普段着のパンもたくさん並んでいますね。
奥の作業場から笑顔で出迎えてくれたのは、粉まみれのご主人。
どうぞゆっくり見て行って欲しいと・・・・
ご主人にパン作りの話を伺ってみると、とにかくもう、引き込まれるような魅力のある方なのですね。
「旨いパンを焼くには、麦作りを大切にしなくてはダメ」
「ヨーロッパでは、農家の皆さんが社会的にも尊敬され、それなりに厚遇されているのに、日本は、小麦農家に限らず、生産者を蔑ろにし過ぎる」のだと。
棚に並ぶ天然酵母のパンたちは、どれもどっしり、ずっしりした本物ばかり。
生産農家から直接買い付ける「きぬの波」を石臼で挽いて、自家培養したレーズン酵母で元種を作り、発酵させる。
惜しげなく三温糖や沖縄産食塩を使って焼いたというパンは、本当にひとつひとつが良い表情をしています。
いくつか買い求め、家に帰るまで待ち切れず、早速食べてみることに。
最近は、コンビニのドリップコーヒーが手軽に買えますから、こういうとき、実に便利ですね。
「ガネーシュ」(250円)
コーヒーと、こうも相性が良いパンも珍しいものです。
ズシッと重みのある焼き上がりで、中にはチョコレートガナッシュがたっぷり。
トースターで温めるとチョコがトロリとしますが、この固まった状態がまた良いもの。
ちょっぴり良い値段だけれど、大きさもしっかりあります。
「クルミレーズン」(270円)
少しずつちぎって噛みしめる度、胡桃のコクとレーズンの甘酸っぱさが口いっぱいに広がります。
生地そのものの旨さと微妙な酸味、香りの良さが光ります。
「フルッタ」(1.8円/g)
量り売りのパンもいくつか買い求めたけれど、どれも都内の同様店、例えば富ヶ谷の某店などよりもかなりリーズナブル。
勿論このご主人ですから、材料、手間のかけ方には絶対に自信があるわけで。
このフルッタなど、ちょっとだけつまみ食いするつもりが、結局店の近くで平らげてしまい、また舞い戻って買い求める始末。
引きちぎるたび鼻腔を擽る小麦の力強い香りと、ドライフルーツやナッツ類の甘み、酸味、芳香は、拘りのハード系ならではですね。
生活道路立地の大型ベーカリーが何処の街でも人気で持て囃される昨今。
それはそれで魅力はあるのだけれど、こういう志あるお店のものを食べてしまうと、肝心の中身には雲泥の差があることに気づかされます。
今の世の中、効率や儲けのために犠牲になるものがいかに多いか。
麦作りの現場をしっかり押さえなくては、良いパンを焼くことなどできないのだと。
本物のパンを焼くことのハードルを、自ら高く高くしようとする、その姿勢には本当に恐れ入りました。
どのようなジャンルにあろうとも、食を極めようとする情熱は尊く、また素晴らしいものですね。
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高くて旨いは当たり前
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店名 |
移転
かさりんご
|
---|---|
ジャンル | パン |
住所 | |
交通手段 |
君津駅から3,382m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
~¥999
|
個室 |
無 |
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禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
有 |
利用シーン |
|
---|---|
サービス | テイクアウト |
お店のPR |
生産者と麦を想い、理想のパンを焼く。
麦作りの現場をしっかり押さえなくては、良いパンを焼くことなどできないとご主人は仰います。 生産農家から直接買い付ける「きぬの波」を石臼で挽き、自家培養したレーズン酵母で元種を作り、発酵させる。 引きちぎるたび鼻腔を擽る小麦の力強さ、ドライフルーツやナッツの甘み、酸味、芳香は本当に素晴らしいですね。 |
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天然酵母を使って丁寧に焼き上げた、本格的なパン。
抱えてみると、ずっしり重みがあります。
イーストフードで膨らましたようなパンよりも、同一容積当たりの重量が著しく増すのは、思うように膨らんでくれないから。
所謂ハード系パンというと、先ず高価なイメージ。
切り売りのパンなど、1gあたり幾らと計算されて、幾つかまとめて買おうものなら、1,000円超えは覚悟。
それに、なんだか口当たりが堅いし・・・
かさりんごさんが使う原材料は、生産者の顔が判る「きぬの波」という国産小麦。
それに、手間のかかった「三温糖」、それに沖縄の塩。
そして、自家製のレーズン酵母だから、とにかく焼くのに手間と時間とコストがかかる。
だから、きっちり量って1gあたり幾らと言うのは、それは当たり前の話なんですね。
噛み応えがある此処のパンたち。
カンパーニュも、フルッタも、噛みしめる度に、酸味と甘みが絶妙です。
ちょっと独特な風味もありますが、それこそ天然素材の証ですね。
少しずつ、ギュッ!と噛みしめてあげると、ドライフルーツやナッツのコクや甘み、独特な甘酸っぱさが溢れてきます。
それに、日本の太陽をたっぷり浴びて育った小麦からは、優しいお日様の香りがしますね。