柏の誇り！もつ煮太郎のふわとろもつ煮込み。 : もつ煮 太郎

16号線で柏インターを通りかかると、いつも気になるのが、インター分・合流部の敷地で頑張る「もつ煮太郎」さんの古びたお店。
ある日、何気なく目をやると、看板を取り外し、店は休業しているではありませんか。
これは一大事！と、お店に電話してみても誰も出ません。
商売をやめちゃったのか、それとも何処か遠くにでも移転してしまったのか？
気が気じゃありません。

暫くしたある日、思い出して電話をしてみたら、ちゃんと営業しているではないですか。
しかも、ちょっと愛想がなくてぶっきらぼうな対応もいつも通りで・・・
あんまり拍子抜けだから「看板を外してたじゃないか・・」と訊いてみたら、「古くなって直していただけ」なのだと。

遅めの昼飯に出掛けてみます。
何時もにも増して、順番待ちの列ができています。
看板はとても綺麗になっちゃったけど、以前の独特なテイストは何となく残しているかな？

注文したのは、もつ大盛りのもつ煮定食。
フワトロもつ煮込みがたっぷり、柔らかめの炊き加減が玉に疵の丼飯。
昔ながらの安っぽい輪切り沢庵が付いてくるのがチャームポイント。

それにしても、いつもながらこの旨さにはノックアウトですね。
モツはふわふわ、柔らかくて、臭み一切なし。
丁寧な下拵え、素材の良さ、全て長年の努力の結晶なのでしょうね。
此処のもつは、普通のもつ煮に細い小腸部分が混じるのに対して、ふわふわの大腸が主体。
だから、脂の含みも丁度良いし、苦みも少なく、そしてコクがあります。

何時も食べ終えてから後悔するのは、味噌汁が要らなかったこと。
あくまで自分の好みですが、もつ煮込み定食に味噌汁は余計だと思うんですよね。
単に「もつ煮込みとご飯だけ」頼めば良いことを心に刻み、次回こそは必ず思い出すことにします。

(2014/09 再稿)

もつ煮なんていうものは、決してお上品な食べ物なんかじゃありません。
空虚な接客用語を振りまく小奇麗な店で、旨いもつ煮なんて絶対に出てきません。
汗をかいて働いた人だけがありつけるとっておきのごちそうを、毎日繰り返し大変な手間をかけて作るのが、柏インターの名店「太郎」さんのもつ煮込み定食なのです。

今日も、腹ペコさんたちが次々と仕事のクルマを停めて、昭和の食堂然としたお店にやってきます。
いくら食べログで高得点の店だと言ったって、猫も杓子も殺到していろいろ言われても困るでしょうね。
此処のもつの素晴らしさを知った皆さんが頼むのは、もつ大盛、両方(飯・もつ)大盛、のどちらか。
長年、客を迎えてきたおかみが相づち打って、直ぐに目の前に運んでくれるのは、大鍋で煮込まれた山盛りのもつ煮込み。
生のもつを丁寧に何度も荒い、茹でこぼしを繰り返しながら仕上げる、珠玉の逸品です。

たっぷりの刻み葱の上から、一味唐辛子を真っ赤に振りかけて。
でも、此処のもつ煮は臭みが全然ないから、こんなに薬味は要らないんですけどね・・・
見るからにふわふわに仕上がったもつは、口にすると驚くほどの軟らかさ。
本当に嫌な癖がないのに、旨み、コクは溢れんばかりです。

田舎のおふくろの味だと喩える人がいるけれど、そんな田舎、ないなぁ・・・
しょうがないから、この店が、身近な故郷だと思うことにします。


(2010/01 初稿)

東京郊外をぐるっと一回りする大動脈、国道16号線。
常磐自動車道と16号の結節点である「柏インター」付近の外回り、合流車線と本線の隙間のようなところにある小さな一軒家の定食屋さん。
このロケーションでは、インターを利用する車は立ち寄ることができません。
あくまでも、店の存在を知っている、16号の通過客だけがターゲットです。

「噂の太郎、煮込の太郎、太郎のラーメン、太郎の定食」と、真ん中に【太郎】の文字をあしらった個性的な看板が目を引きます。
以前から通りかかるたびに、この個性的な看板に「何だろう」と興味津々で、一度お伺いしなくてはと。

休日の昼時、店内は満席が辛うじて回避されている程度の盛況ぶり。
カウンターに座り、ここの名物である「もつ煮込」を頼みます。
このもつ煮定食、来店客のほとんどが注文する定番メニューなのですが、普通の盛りが700円。
もつだけ、あるいはライスだけ大盛りにすると780円、両方大盛りだと850円という設定です。
もつの大盛り(780円)で注文を入れると、ほどなく盛りつけ、出来上がり。
某牛丼店に準じるような素早さで出てきました。

普通盛でも結構量のある丼ぶり飯です。
それに、大盛りのもつ煮はかなりの量がありますね。
もつ煮の内容は、所々に少しだけ蒟蒻が入っている程度で、ほとんどが「もつ」。
そこへ、もつ煮とは切っても切れない相性の、長葱がたっぷりと。
これまた相性抜群の一味唐辛子もたっぷりかけましょうか。

肝心のもつをまずひと口。
まず第一印象としてとてもふんわりしていて、柔らかい。
旨いなぁ・・・何度も茹でこぼしをしながら、さぞかし工夫して丁寧に煮上げたのでしょうね。
脂もほどよく抜けて、ほどよくしっとりという感じ。絶妙です。
もつ特有の臭みも、殆どと言って良いほどに感じません。
この丁寧な仕事は大したもの。人気があるのも頷けますね。

飾りっけの全くない大盛りの丼ぶり飯に、安っぽい沢庵、何のことはない味噌汁・・・・
しかし、そこになみなみとつがれた大盛りの煮込みの、なんとまあ旨いこと。

郊外ドライブの道中、この個性的な看板を目にされたなら、一度お試しあれ。