遊び心溢れる空間で、贅沢なそば三昧を堪能させて頂きました！ : 竹やぶ 柏本店

今回は、千葉県柏市、蕎麦屋の銘店「竹やぶ柏本店」さんに伺いました。

「竹やぶ柏本店」さんは、東京の「池之端藪蕎麦」(現在は閉店)で修行された「阿部孝雄氏」が、22歳の時(昭和41年)に千葉県柏駅前に「竹やぶ」の暖簾を揚げたのが始まり。
現在は長男が「竹やぶ 箱根店」を、次男が「竹やぶ 柏本店」を継がれているそうです。

「竹やぶ 柏本店」さんは、眼下に手賀沼を望む崖の上に建っており、建物・建築物がとにかくユニーク。阿部孝雄氏手作りと思われるオブジェが沢山あって、とてもジブリっぽい雰囲気。崖の上だけに、、。

でも、やはりそば打ち名人の阿部孝雄氏の最大の功績は、東京、千葉、茨城に多くのお弟子さんを輩出し、竹やぶ蕎麦の技術と味を広くひろめた事ではないでしょうか。

そんな蕎麦文化のルーツのひとつである「竹やぶ 柏本店」さんに、敬意を込めて伺わせて頂いたわけです。

お店に着いたのは開店(11:45)30分前の11:15頃。先客は2組4名です。駐車場は空いていますが、バイクだったので、崖下の「柏ふるさと公園」の駐輪場に駐車しました。

玄関口には名簿があり、記名しておけば順番に名前を呼びますよと、女性の店員さんが優しく教えてくれました。名前を記名して、周辺をぶらぶら散策。崖下までの階段を降りていくと、ユニークなオブジェが沢山あって、飽きませんでしたね。阿部孝雄さんって、きっとクリエイティブで型破りで面白い人だったんろうな〜って、勝手に想像してしまいます。

さて、11:45開店。3番目ですから直ぐに入店。店内はちょっと暗めで、天井裏の梁が剥き出しの重厚な木造の店舗です。とても落ち着いたいい雰囲気の店内です。

メニューを頂きますが、実はオーダーは既に決めています。「そば三昧コース」3000円と、「ノンアルコールビール」600円です。

「そば三昧コース」とは、限定10食のコースで、

• 粗挽きそばがき
• せいろそば 又は田舎そば
• にしんそば
• 甘味

‥‥という4品が提供される、文字通り蕎麦三昧なコースです。これが食べたくて、開店30分前に来たんですよね〜。めでたし、めでたし♪

注文後5分位でそば前の「粗挽きそばがき」と「ノンアルコールビール」が到着。お通しとして、そばを揚げたそばチップみたいなつまみもあります。店員さんが、「そばがきはすぐに風味が落ちますから、早目にお食べ下さい」との事。

キンキンのノンアルビールをキンキンのコップに注いで一口。「ん〜〜、美味い！」ノンアルビールを開発した方に感謝！早速そばがきを頂きます。

「粗挽きそばがき」は、そばをコーヒーミルで粗挽きしているとの事で、そばの実がぷつぷつ残り、ざらりとした食感がありながらも、濃厚な大和芋のようにねっとりとした弾力がある一品。ノンアルと共に美味しいそば前になります。

そばがきが食べ終わると、すぐに「せいろそば」が到着。想像以上に盛りがいいのに驚きます。まずはストレートで蕎麦を数本味見します。冷たく締まった蕎麦は、完璧な歯応えです。さすが、味も濃くて美味い。

蕎麦つゆに半分浸してズルズルっと一気に頂きます。江戸の藪系統の醤油のパンチが効いた大好きな味です。とてもいい喉越しですね〜。途中でワサビやネギなどの薬味を足しながら、じっくりと味わいながら最後の一本まで頂きました。

せいろが終わる頃には、そば湯も出てきます。さらりとしたそば湯ですが、大好きな藪系の蕎麦つゆで薄めたそば湯は抜群です。

お次は「にしんそば」です。最後に温かい蕎麦を頂けるのは嬉しい。美味しいそばつゆが飲めると言うのは、温かい蕎麦ならではの良さです。

最初に「にしん」を頂いて驚きました。1週間かけて炊くそうですが、柔らかいのは勿論ですが、味の染み込み方が凄い！よく1週間も煮込んでにしんの形が崩れずにこれだけ甘じょっぱい濃い味に仕上げられたものです。これなら蕎麦や蕎麦つゆに負けませんね。

にしんそばも美味しく蕎麦つゆまでたいらげ、最後はデザート。「水あずき」、水羊羹だと思います。上品な甘さで軽い舌触り、にしんそばで温まった体温を静かにクールダウンしてくれます。最後にさっぱりと冷茶を頂き、コース終了。

唯一気になったのは、調理場が活気があり過ぎて、客室が静かなだけに、ちょっと声が気になった点。舞台を見ながら、裏方の大きな声が気になったような感じです。

とは言え、「阿部孝雄氏」手作りの空間で、贅沢なそば三昧をゆったりと堪能させて頂きました。満足です、ご馳走様でした〜。